大麻

THCは合法?合法だと思ってTHCを含む製品を使用した場合はどうなる?

2026-03-25

「THCって合法じゃないの?」そんな疑問を持っていませんか。

インターネット上では「合法THC」「安全なTHC製品」といった情報が飛び交い、実際に日本国内でもTHC製品と思われる商品が出回っています。しかし、日本でTHCは本当に合法なのでしょうか。もし「合法」と信じて使用した場合、どのような法的リスクがあるのか、正確に理解している人は多くありません。

実は、日本ではTHCは厳格に規制された違法物質です。この記事では、THCの法的位置づけや規制する法律、そして「合法だと思って使用した場合」に何が起こるのかを、法律の専門的な視点から詳しく解説します。

THCに関する正しい知識を身につけることで、思わぬ法的トラブルから身を守ることができるでしょう。

THCとは?

THC(テトラヒドロカンナビノール)は、大麻草に含まれる化学成分の一種です。大麻草には100種類以上のカンナビノイドと呼ばれる化合物が存在しますが、THCはその中でも特に注目される成分となっています。

THCの最大の特徴は、精神活性作用を持つ点にあります。脳内のカンナビノイド受容体と結合することで、多幸感や高揚感、時間感覚の変化、食欲増進などの作用を引き起こします。これらの作用は使用者に「ハイ」と呼ばれる状態をもたらすため、娯楽目的での使用が問題視されているのです。

また、THCには依存性のリスクも指摘されています。継続的な使用により、使用を中止した際に不安感や不眠などの離脱症状が現れる場合があります。このような特性から、多くの国で規制対象となっているのが現状です。

THCとCBDの違い

CBDもTHCと同様に大麻草から抽出されるカンナビノイド成分の一つですが、両者には決定的な違いがあります。

最も重要な違いは、CBDには精神活性作用がないという点です。THCが脳内のカンナビノイド受容体と強く結合して「ハイ」な状態を引き起こすのに対し、CBDはこれらの受容体への作用が弱く、精神を変容させる効果を持ちません。そのため、使用しても酩酊状態になることはないのです。

法的な扱いも大きく異なります。日本では、THCは後述する麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されている違法物質です。一方、CBDは大麻草の成熟した茎や種子から抽出されたものであれば、合法的に製造・販売・使用が認められています。

ただし注意が必要なのは、CBD製品の中にも微量のTHCが混入している可能性がある点です。海外から輸入されたCBD製品の一部には、製造工程で意図せずTHCが含まれてしまうケースも報告されています。日本ではTHCの含有量に関わらず違法とされるため、信頼できる国内メーカーの製品を選ぶことが重要でしょう。

THCは日本では合法なのか?

結論から言えば、日本ではTHCは完全に違法です。合法とされる余地は一切ありません。

2023年に「麻薬及び向精神薬取締法」「大麻取締法」の法改正が行われ、2024年12月に施行されたことで、THCを含む大麻由来成分は麻薬及び向精神薬取締法の規制対象となりました。この法律では、THCを「麻薬」として指定し、その製造・所持・使用・譲渡などあらゆる行為を禁止しています。

なぜ日本でTHCが違法とされているのでしょうか。主な理由は、前述した精神活性作用と依存性リスクにあります。日本政府は、国民の健康と公共の安全を守るため、薬物乱用を厳しく取り締まる方針を採っています。THCの使用が広がれば、個人の健康被害だけでなく、判断力の低下による事故や犯罪の増加といった社会問題につながる恐れがあるためです。

インターネット上では「合法THC」「THC-O」「THCV」といった名称で販売される製品を見かけることがあります。これらは「合法」を謳っていても、実際にはTHC類似物質を含んでおり、日本の法律では違法とされる可能性が高い点に注意してください。名称を変えただけで本質的にTHCと同様の作用を持つ物質は、麻薬でないにしても、「指定薬物」として法の規制対象となり得るのです。

THCが合法とされている国

世界に目を向けると、THCの取り扱いは国によって大きく異なります。

カナダは2018年に嗜好用大麻を全面的に合法化した先進国です。成人であれば一定量までの大麻の所持・使用が認められており、政府の管理下で流通が行われています。

アメリカでは連邦法上は依然として違法ですが、州ごとに判断が分かれています。2024年時点でカリフォルニア州やコロラド州など、すでに20以上の州で嗜好用大麻が合法化されました。医療用大麻に限れば、さらに多くの州で認められています。

ウルグアイは2013年に世界で初めて国家レベルで嗜好用大麻を合法化した国として知られています。政府が生産から販売までを管理する独自のシステムを構築しました。

このほか、オランダでは「コーヒーショップ」と呼ばれる店舗での少量販売が事実上容認されています。また、タイでは2022年に医療用・産業用大麻が解禁されるなど、アジアでも変化が見られます。

ただし、これらの国でTHCが合法だからといって、日本国内に持ち込んだり日本で使用したりすることは絶対にできません。日本の法律は日本国内にいる全ての人に適用されるため、海外で合法であっても日本では違法行為となるのです。

THC(大麻成分)を規制する法律は?

THCを規制する法律は、麻薬及び向精神薬取締法です。

かつて大麻は「大麻取締法」という別の法律で規制されていました。しかし、2023年の法改正(2024年12月施行)により、THCを含む大麻由来の精神活性成分は麻薬及び向精神薬取締法の管轄に移されることになったのです。

この法改正の背景には、従来の大麻取締法では、大麻の「使用罪」が規定されていなかったという問題がありました。大麻取締法では所持や栽培は違法でしたが、使用そのものを直接罰する条文が存在しなかったため、法の抜け穴となっていたのです。また、THC類似物質など新たな形態の大麻製品が次々と登場し、既存の法律では対応しきれない状況も生まれていました。

麻薬及び向精神薬取締法に統合されたことで、THCは覚醒剤やコカインと同様の「麻薬」として位置づけられ、製造・輸入・所持・使用・譲渡のすべてが厳しく禁止されています。この変更により、使用行為自体も明確に処罰対象となったのです。

麻薬及び向精神薬取締法の罰則

麻薬及び向精神薬取締法では、THCに関する違反行為に対して厳しい罰則が定められています。

使用罪については、同法第66条の4に規定があります。「麻薬を施用し、又は麻薬を施用のため交付した者は、7年以下の拘禁刑に処する」とされており、単に使用しただけでも最長7年の拘禁刑が科される可能性があるのです。

所持罪はさらに重い処罰となります。同法第66条では「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者は、7年以下の拘禁刑に処する」と規定されています。営利目的の場合、この刑はさらに加重され、1年以上10年以下の拘禁刑、または情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金に処せられます。

輸入・輸出罪については同法第64条で規定されており、「麻薬を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第69条第5号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期拘禁刑に処する」とされています。営利目的の場合は無期若しくは3年以上の拘禁刑、または情状により無期若しくは3年以上の拘禁刑及び1,000万円以下の罰金という極めて重い刑罰が科されます。

これらの罰則から分かるように、THCに関する違反は決して軽い犯罪ではありません。初犯であっても実刑判決が下される可能性があり、人生に大きな影響を及ぼす重大な犯罪として扱われているのです。

合法だと思ってTHC製品を使用するとどうなる?

「合法だと思っていた」「知らなかった」という理由は、残念ながら法的責任を免れる根拠にはなりません。

刑法では「法律の不知は許されず」という原則があります。つまり、法律を知らなかったという理由で犯罪が成立しないわけではないのです。インターネットで「合法THC」と宣伝されていた製品を購入し、実際にはTHCを含んでいた場合、購入者は麻薬及び向精神薬取締法違反として逮捕・起訴される可能性が高いでしょう。

販売業者が「これは合法です」と断言していたとしても、THCであることを認識していれば、それを信じて使用した側の責任がなくなるわけではありません。実際に、近年は「合法」を謳うTHC製品を使用して逮捕されるケースが増加しています。

では、THC製品を使用して警察に発覚した場合、具体的にどのような流れで手続きが進むのでしょうか。以下、各段階について詳しく見ていきましょう。

逮捕・勾留

THC使用の疑いがかかると、まず逮捕される可能性があります。

逮捕には主に3つの種類があります。最も多いのは「通常逮捕」で、警察が裁判官から逮捕状を取得した上で行う逮捕です。次に「現行犯逮捕」があり、多くの場合はTHC製品の所持が見つかった場合に行われますが、THC製品を使用している現場や、使用直後に警察官に発見された場合にも行われます。また、緊急を要する場合には、逮捕後に逮捕状を請求する形で行われる「緊急逮捕」もあります。

逮捕されると、最大48時間は警察署内の留置場に身柄を拘束されます。この間に警察の取り調べを受け、その後、検察官に事件が送致(送検)されます。

検察官への送致後、検察官は被疑者を受け取ってから24時間以内に勾留請求するかどうかを判断します。勾留請求が認められると、さらに10日間の身柄拘束が決定されます。事案が複雑な場合や追加の捜査が必要な場合には、さらに最大10日間の延長が認められるため、逮捕から最長で23日間もの間、身柄を拘束される可能性があるのです。実際にも、THC使用で逮捕勾留された場合、延長されるケースがほとんどです。

大麻事件では、証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがあると判断されることが多く、大半で勾留が認められてしまいます。長期間の身柄拘束により、仕事を失ったり、学校に通えなくなったりするなど、社会生活に深刻な影響が出ることは避けられません。

起訴

勾留期間中又は在宅での捜査を経て、検察官は起訴するかどうかを判断します。

大麻事件における起訴率は比較的高く、警察庁の統計によれば、法改正前の大麻取締法違反での検挙者のうち約5割が起訴されています。改正後の、THCを含む麻薬及び向精神薬取締法違反についても、同様に高い起訴率が予想されています。

起訴されると、正式に刑事裁判の被告人となります。日本の刑事裁判における有罪率は99%を超えているため、起訴されれば有罪判決を受ける可能性が極めて高いと言えるでしょう。

初犯の場合、検察官が起訴猶予処分を選択する可能性もゼロではありません。起訴猶予とは、犯罪の嫌疑は十分にあるものの、被疑者の年齢や境遇、犯罪の軽重などを考慮して起訴しない処分です。ただし、THC事件では薬物の危険性が重視されるため、初犯であっても起訴される可能性が極めて高いのが現実です。

一方、何度も薬物事件を起こしている再犯者の場合、起訴される可能性はさらに高まります。再犯者には依存性の問題があると判断され、社会内での更生が困難と見なされるためです。

公判

起訴されると刑事裁判(公判)が開かれ、裁判所が有罪・無罪および量刑を判断します。

初犯の場合、執行猶予付き判決となるケースが多く見られます。執行猶予とは、有罪判決は下されるものの、一定期間(通常3年~5年程度)問題を起こさなければ刑務所に入らずに済むという制度です。THC使用の初犯では、1年から1年6月程度の拘禁刑に、3年から5年の執行猶予が付くのが一般的な相場と言えるでしょう。

ただし、執行猶予が付けば安心というわけではありません。有罪判決であることに変わりはなく、前科が付きます。また、執行猶予期間中に再び犯罪を犯せば、執行猶予は取り消され、前の判決の刑と合わせて刑務所に収監されることになるのです。

再犯の場合は、執行猶予が付かず実刑判決となる可能性が高まります。特に執行猶予期間中に再び薬物犯罪を犯した場合、裁判所は「更生の意思がない」「社会内での処遇は不適切」と判断し、実刑を選択することがほとんどです。再犯の量刑相場は1年から2年程度の拘禁刑となり、実際に刑務所で服役しなければなりません。

裁判では、犯行の動機や態様、薬物の使用歴、反省の程度、再犯防止の取り組みなどが量刑判断の材料となります。弁護士による適切な弁護活動により、量刑が軽減される可能性もあるため、起訴後も弁護士のサポートが重要となるでしょう。

THC(大麻)の使用が警察に発覚した場合の対処法

THC使用が警察に発覚してしまった場合、速やかに弁護士に相談することが最も重要な対処法です。

薬物事件は専門性が高く、適切な法的知識と経験がなければ対応が困難な分野となっています。弁護士に依頼することで、捜査段階から裁判まで、各段階で適切なサポートを受けることができるのです。

特に逮捕直後は、家族や友人と連絡が取らせてもらえない状況に置かれます。このような時に頼れるのが弁護士です。弁護士には逮捕された被疑者と面会する「接見」の権利が認められており、警察官が立ち会うことなく秘密を守って相談できます。

では、具体的に弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下、主な利点について説明していきます。

弁護士に依頼するメリット①:接見・取調べ等のアドバイス

逮捕直後の取調べは、事件の行方を大きく左右する重要な場面です。

警察の取調べでは、どう答えるべきか、何を話してはいけないのか、冷静な判断が求められます。しかし、逮捕されたばかりの状態では精神的に動揺しており、適切な対応ができないことも少なくありません。不用意な発言により、自分に不利な供述調書が作成されてしまう危険性があるのです。

弁護士は接見を通じて、専門家として取調べでの対応方法を具体的にアドバイスしてくれます。たとえば、黙秘権の行使が有利になるケースや、逆に事実を正直に話すべき状況など、個別の事案に応じた最適な戦略を提案します。

また、供述調書に署名する前に内容をしっかり確認すること、事実と異なる記載があれば訂正を求めることなど、実務的なアドバイスも受けられます。警察官が作成した調書は裁判での重要な証拠となるため、慎重に扱う必要があるのです。

接見では、家族への連絡を依頼したり、勤務先への対応を相談したりすることもできます。弁護士が外部との橋渡し役となることで、社会生活への悪影響を最小限に抑える努力ができるでしょう。

弁護士に依頼するメリット②:釈放・保釈に向けた弁護活動

薬物事件では長期の身柄拘束が一般的ですが、弁護士の活動によって早期釈放の可能性を高めることができます。

弁護士はまず、勾留の必要性がないことを裁判所に主張します。具体的には、被疑者に定まった住所があり逃亡のおそれがないこと、証拠隠滅の可能性が低いこと、社会的に信用のある人物であることなどを示す資料を提出します。勤務先からの上申書や家族の身元引受書なども有効な資料となるでしょう。

勾留請求に対して準抗告という不服申立てを行うことも可能です。検察官が勾留を請求し、裁判官がそれを認めた場合でも、準抗告により再度、別の裁判官に判断してもらえるのです。

起訴後は、保釈請求を行うことができます。保釈とは、保証金を納めることで、裁判所に身柄を解放してもらう制度です。弁護士が適切な保釈理由を主張し、監督体制を整えることで、保釈が認められる可能性が出てきます。

身柄が解放されれば、仕事を続けられたり、家族と一緒に生活しながら裁判に臨めたりするため、社会復帰への道筋を保つことができるのです。大麻事件では勾留阻止・保釈のハードルが高い面もありますが、弁護士の尽力により実現するケースも少なくありません。

弁護士に依頼するメリット③:再犯防止のサポート

薬物事件における大きな課題が再犯率の高さです。

法務省の統計によれば、覚醒剤事件の再犯率は約60%に達しており、大麻を含む薬物犯罪全体でも再犯率が高い傾向にあります。これは薬物の持つ依存性によるもので、一度使用した人が再び手を出してしまうリスクが非常に高いことを示しています。

裁判所も再犯防止への取り組みを重視しており、量刑判断において大きな要素となります。具体的な再犯防止策を示せるかどうかが、執行猶予を得られるかどうかの分かれ目になることも少なくないのです。

弁護士は、薬物依存症の専門治療機関を紹介してくれます。ダルク(DARC)のような薬物依存症のリハビリ施設や、精神科クリニックなど、適切な治療・回復支援プログラムにつなげることで、依存からの脱却をサポートします。

家族による監督体制の構築も重要です。弁護士は家族と面談し、薬物から遠ざけるための具体的な生活設計を一緒に考えます。このような総合的なサポート体制が、再犯防止と社会復帰への道を開くでしょう。

弁護士に依頼するメリット④:減刑・執行猶予判決を目指した弁護活動

裁判段階では、弁護士が量刑を軽減するための弁護活動を展開します。

まず、被告人の反省の態度を裁判所に示すことが重要です。弁護士は被告人と面談を重ね、犯行に至った経緯や反省の気持ちを整理し、法廷で適切に表現できるよう準備します。上辺だけの反省ではなく、なぜ薬物に手を出してしまったのか、今後どう生きていくのかを真摯に語ることが求められるのです。

次に、情状証人の選定と準備を行います。情状証人とは、被告人の人柄や更生の可能性について証言する人のことで、通常は家族や雇用主などが務めます。弁護士は証人と事前に打ち合わせを行い、裁判所に伝えるべきポイントを整理します。

さらに、場合によっては贖罪寄付なども検討します。これは犯罪により社会に迷惑をかけたことへの謝罪の気持ちとして、更生保護施設や薬物依存症支援団体などに寄付を行うものです。金額の多寡よりも、被告人の反省と更生への決意を示す行動として評価される場合もあります。

初犯で悪質性が低いケースでは、これらの弁護活動により執行猶予判決を獲得できる可能性があります。また、再犯のケースでも、適切な弁護により刑期を短縮できることがあるのです。

弁護士は量刑相場を熟知しており、個別の事案においてどの程度の刑が予想されるか、どのような弁護戦略が有効かを判断できます。専門家のサポートを受けることで、最善の結果を目指すことができるでしょう。

実際に依頼を受けたTHC(大麻)使用に関する事例

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は、薬物事件はもちろん、数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所です。

ここからは、弊所で実際に弁護活動の依頼を受けたTHC関連事件について紹介します。

事例①:THCの成分を含むCBDリキッド所持による逮捕

依頼者様はTHCの成分を含んでいるCBDリキッドを所持していたところ、警察官から職務質問を受けて逮捕されました。依頼者様は合法と聞いてCBDリキッドを購入して使用していましたが、実際には違法とされるTHCの成分が入っていたのです。

弁護士は逮捕されてしまった依頼者様のもとに向かい、接見を行いました。
依頼者様と今後の方針についての話をして、取調べにどのように対応すべきか、どのように供述するべきか等のアドバイスを行い、早期釈放や不起訴処分となるように担当の検察官と交渉を行った結果、不起訴処分の獲得に至りました。

事例②:友人から勧められた電子タバコから違法成分が検出

依頼者様は、友人から勧められた電子タバコを吸った後、警察官から職務質問を受けました。警察官の捜査を受けて、自身が吸ったものが大麻の疑いがあることが判明、所持していた大麻と思われる物は鑑定に回されることになってしまいました。

大麻と思われる物の鑑定の結果、違法な成分が検出されることになれば、逮捕される可能性がある中でのご依頼となりました。
そのため、捜査機関に対して逃走のおそれがないことや罪証隠滅はしないこと等、逮捕回避の申し入れを行い、今後の方針を見立てて依頼者様とは取調べに対するアドバイスを行いました。
捜査機関との交渉を行った結果、逮捕されることなく任意捜査を受けることになり、不起訴処分を獲得することができました。

THCに関するよくある質問(Q&A)

THCについては誤解や不正確な情報が多く、正しい知識を持つことが重要です。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

Q.THCは合法?

A.いいえ、日本ではTHCは完全に違法です。

法改正(2024年12月施行)前は、使用が罪にはなっていませんでした。しかし、法改正により、THCは麻薬及び向精神薬取締法によって「麻薬」として指定されています。「麻薬」は製造・輸入・所持・使用・譲渡など、あらゆる行為が禁止されており、違反すれば厳しい刑罰が科されます。

インターネット上では「合法THC」「THC-O」「THCV」といった名称で製品が販売されていることがありますが、これらも実質的にTHCと同様の精神活性作用を持つ物質であり、日本の法律では「麻薬」若しくは「指定薬物」として違法と判断される可能性が極めて高いでしょう。名称を変えたり、化学構造を少し変えたりしても、法規制の対象となり得ることに変わりはありません。

また、海外では合法とされている国もありますが、日本国内では一切認められていません。海外で合法であることと、日本で合法であることは全く別の問題です。海外旅行先で使用経験があっても、日本に帰国してから使用すれば違法行為となります。

THCの合法性について疑問がある場合は、安易に手を出さず、必ず専門家に確認することをおすすめします。

Q.「合法」と言われたTHCは使用しても大丈夫?

A.いいえ、絶対に使用してはいけません。

販売業者が「これは合法です」「日本でも問題ありません」と主張していても、それを鵜呑みにしてはいけません。実際には違法であるTHCを含んでいる可能性が高く、使用すれば麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕・起訴されるリスクがあります。

「合法だと思っていた」「知らなかった」という弁解は、法的責任を免れる理由にはなりません。刑法では「法律の不知は許されず」という原則があり、法律を知らなかった、つまり「THCが違法薬物だと知らなかった」ことは犯罪の成立を妨げないのです。

近年、「合法」と宣伝されたTHC製品を購入・使用して逮捕されるケースが増加しています。販売業者の言葉を信じて購入した人たちが、実際に刑事事件の被疑者となり、人生を大きく狂わされているのです。

大麻に関する製品を購入する際は、たとえ「合法」と表示されていても、極めて慎重に判断する必要があります。少しでも疑わしい場合は、手を出さないことが最善の選択でしょう。自分の人生を守るためにも、違法な物質には一切関わらないという姿勢が大切です。

THCは違法!警察に発覚した場合は弁護士へ相談を

この記事では、THCの法的位置づけと、使用した場合のリスクについて詳しく解説してきました。

改めて強調しますが、日本ではTHCは完全に違法です。麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されており、使用・所持・譲渡など、どのような形であれTHCに関わることは犯罪行為となります。「合法」という宣伝文句に惑わされず、違法な物質には決して手を出さないでください。

万が一、THC製品を使用してしまい警察に発覚した場合、または使用を疑われて取調べを受けることになった場合は、速やかに弁護士に相談することが極めて重要です。

弁護士は逮捕直後の接見から取調べ対応のアドバイス、身柄解放に向けた活動、再犯防止のサポート、そして裁判での弁護活動まで、刑事事件の全過程において強力なサポートを提供してくれます。特に薬物事件は専門性が高く、適切な法的知識と経験がなければ対応が困難な分野です。

一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で専門家の助けを求めることが、より良い結果につながるでしょう。THCに関する問題で不安や疑問がある方は、まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談してみてください。

CBDオイルを使用すると捕まる?CBDオイルが違法になるケースとは?

2026-03-25

大麻草に含まれている成分の一つであるCBDを使用しているCBDオイル。
「CBDオイルは合法」とされていますが、含まれている成分によっては違法となり捕まる可能性もある危険な製品です。

本記事では、CBDオイルで捕まるケースや捕まってしまった後の流れについて詳しく解説していきます。CBDオイルで問われる罪や罰則についても徹底解説。

「CBDオイルを使っていたら警察から捜査を受けることになって捕まるか不安、、」
「家族がCBDオイルで逮捕されてしまった、、」

このような不安を抱いている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

CBDオイルとは

CBDオイルとは、大麻草に含まれる天然成分のひとつであるカンナビジオール(CBD)を抽出したオイルや製品のことを指します。大麻草由来と聞くと違法なイメージを持つかもしれませんが、CBDには精神作用や依存性がないと研究で示されているため、適切に製造されたものであれば日本でも合法的に使用できます。

近年、CBDはリラックス効果やストレス軽減、不眠の改善などが期待できるとして注目を集めており、海外では医療用途でも利用され、難治性てんかんの治療薬として承認されている国もあります。日本国内でも健康食品や化粧品としてCBD製品が流通しており、利用者は年々増加しているのが現状です。

ただし、大麻草には他にも様々な成分が含まれており、その中には日本では違法とされている成分のものもあります。そのため、CBD製品を選ぶ際には、違法な成分が含まれていないかをしっかり確認することが重要になります。

CBDとTHC、HHCの違い

大麻草に含まれる主要な成分として、CBD以外にTHC(テトラヒドロカンナビノール)とHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)があります。THC(テトラヒドロカンナビノール)とHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)は、人体への影響が大きく、法律で規制されています。

CBDの特徴
CBDは大麻草の成熟した茎や種子から抽出される成分で、精神活性作用(いわゆる「ハイ」になる作用)がありません。依存性もなく、リラックス効果や抗炎症作用などが期待されており、日本では一定の条件下で合法的に使用できます。

THCの特徴
THCは大麻草の花穂や葉に多く含まれる主要な成分で、多幸感や陶酔感をもたらす精神活性作用があります。この作用により依存性や乱用の危険性があるため、日本では厳しく規制されています。令和6年12月12日からは麻薬及び向精神薬取締法において「麻薬」の一種として位置づけられ、規制がさらに強化されました。

HHCの特徴
HHCはTHCを水素化することで作られる半合成カンナビノイドです。THCと似た精神活性作用があるとされ、一時期「合法なTHC」として日本でも流通していました。しかし令和4年3月17日から「指定薬物」として規制され、現在は医療用途を除き製造、輸入、販売、所持、使用が禁止されています。違反した場合は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があります。

また業として(営利の目的で)製造、輸入、販売、所持、使用をした場合の罰則は、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはこれらを併科と、より厳しいものとなります。

これらの違いを理解しておくことで、違法な製品を誤って購入するリスクを減らすことができるでしょう。

CBDオイルを使用すると捕まる?

CBDオイルを使用したからといって必ず捕まるわけではありません。適法に製造・輸入された違法成分の含まれていないCBD製品であれば、所持も使用も問題なく行えます。しかし、製品に違法な成分が含まれている場合は話が別です。令和6年12月12日に施行された法改正により、CBD製品の規制基準が明確化され、違法となる製品の範囲が定められました。

ここでは、どのような場合に合法となり、どのような場合に違法となるのかを詳しく見ていきましょう。正しい知識を持つことが、法律違反を避ける第一歩になります。

CBDオイルが合法となるケース

CBD製品が合法となるためには、以下の条件を満たす必要があります。

抽出部位の条件
日本の法律では、大麻草の成熟した茎または種子から抽出・製造されたCBD製品は合法とされています。これらの部位から適切に抽出され、THCの含有量が基準値内のCBDであれば、大麻草の栽培の規制に関する法律や麻薬及び向精神薬取締法の規制対象から除外され、適法とされています

THC残留限度値の条件
令和6年12月12日以降、CBD製品に残留するΔ9-THCの量について、以下の残留限度値が設けられました。この基準を満たしているCBD製品は合法として扱われます。

これらの基準値を超えなければ、規制の対象にはなりません。正規の輸入業者が扱う商用のCBD製品は、厚生労働省や検疫所、税関の確認をクリアしているため、基本的には安全とされていますが、購入する際は細心の注意が必要です。

購入時の確認ポイント
合法なCBD製品を選ぶには、第三者機関による検査結果が開示されているものを選びましょう。成分分析書にTHC項目が「ND(検出されない)」または「Not Detected」と記載されているか確認することが大切です。また、信頼できるメーカーや正規代理店から購入することで、違法製品に手を出すリスクを大幅に軽減できます。

CBDオイルが違法となるケース

一方、以下のような場合にはCBD製品が違法となり、所持や使用により逮捕される可能性があります。

THC残留限度値を超える場合
CBD製品に含まれるTHCの量が前述の残留限度値を超えている場合、その製品は麻薬及び向精神薬取締法における「麻薬」に該当します。たとえ「CBDオイル」として販売されていたとしても、基準値を超えるTHCが検出されれば違法な「大麻リキッド」として扱われます。

抽出部位が不適切な場合
大麻草の花穂、葉、未成熟の茎、根から抽出されたCBDは、たとえTHC含有量が少なくても違法です。これらの部位から作られた製品は、日本の法律では大麻に該当するため、所持するだけで犯罪になります。

個人輸入や非正規ルートでの購入
海外から個人輸入したCBD製品や、フリマアプリなどで個人から購入した製品には特に注意が必要です。これらは成分が不明確であったり、日本の基準をクリアしていなかったりする場合が多くあります。海外では合法でも、日本の基準では違法となる製品も多数存在します。

検査機関の認証がない製品
製品ラベルや販売サイトに成分分析書の記載がない、製造元や販売業者の情報が不明瞭な製品は避けるべきです。これらの製品は品質や安全性が保証されておらず、違法成分が含まれている可能性が高いと言えるでしょう。

違法なCBD製品を所持・使用した場合、後述するように重い刑事罰が科される可能性があります。購入する際は必ず信頼できる情報源から正規品を選ぶようにしてください。

合法だと思っていたCBDオイルでも捕まることがある?

「合法のCBD製品として販売されていたから安全だろう」と思って購入しても、実際には違法な成分が含まれていて逮捕されるケースがあります。これは決して珍しい話ではありません。

令和2年7月には、埼玉県内の専門商社が取り扱っていたCBDオイルから違法な大麻成分THCが検出され、厚生労働省が購入者に製品の提出を呼びかける事態が発生しました。また、令和4年7月までに微量のTHCが検出されたことで回収されたCBD製品は15種類にも上っています。

違法性を認識していなくても処罰される

日本の法律(特に刑事事件)では「法律の不知は許さず」という原則があります。つまり、「違法であることを知らなかった」「合法だと思っていた」という言い訳は、なかなか通用しません。販売者が「合法」と謳っていても、実際に基準値を超える違法成分が含まれていれば、所持者が刑事責任を問われることになります。

なぜ合法と思われていた製品が違法になるのか

大麻草の茎と葉の境界部分は明確ではないため、茎から抽出したと説明されている製品でも、実際には葉の成分が混入している可能性があります。また、成熟した茎であってもその「樹脂」は規制対象となっており、完全にTHCをゼロにすることは技術的に困難だと言われています。

さらに、令和6年12月12日の法改正により、従来は合法だったCBD製品の中にも、新しい残留限度値の基準を満たさずに違法となったものが多数存在します。厚生労働省が定める数値基準は諸外国に比べて厳しい値が明確に設定されているため、現在市場に出回っているCBD製品の中には、基準を満たさずに違法になる製品があることを認識しておかなければなりません。

消費者が注意すべきこと

安易に「合法だから大丈夫」と考えず、購入前に十分な確認を行い、信頼できる製品のみを選択することが重要です。

また法改正前に購入したCBD製品を所持している場合は、基準を満たしているかどうかしっかりと確認するとともに、不安を感じている方は早期に弁護士に相談することをお勧めします。(購入時に適法だとされていた製品であっても、法改正後に所持し続けると違法となります。)

違法なCBDオイル(大麻リキッド)で問われる罪

違法な成分を含むCBDオイル、すなわち基準値を超えるTHCが含まれている製品は「大麻リキッド」として扱われ、麻薬及び向精神薬取締法違反に問われることになります。

法改正による変更点

令和6年12月12日以前は、大麻の所持や譲渡などは大麻取締法違反として処罰されていました。しかし、法改正により大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」に名称が変更され、大麻とTHCが麻薬及び向精神薬取締法における「麻薬」として位置づけられました。

これにより、従来は大麻取締法で5年以下の拘禁刑とされていた単純所持罪が、麻薬及び向精神薬取締法のもとで7年以下の拘禁刑に厳罰化されています。また、従来の大麻取締法では使用罪が存在しませんでしたが、法改正後は「麻薬施用罪」として使用も処罰されるようになりました。

問われる罪の種類

違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関しては、行為の内容により以下のような罪に問われます。

①使用・所持・譲渡・譲受: 麻薬及び向精神薬取締法第66条、第66条の2

②輸出・輸入・製造: 麻薬及び向精神薬取締法第64条

③営利目的の場合: より重い罰則が適用

①②の罪はいずれも拘禁刑のみが規定されており、罰金刑はありません。つまり、有罪の場合、執行猶予を獲得しなければ刑務所に収容されることとなります。また③については、より厳罰化されており、拘禁刑だけでなく罰金刑も合わせて言い渡される可能性が高くなります。

次の章では、これらの罪に対する具体的な罰則について詳しく見ていきます。違法なCBD製品の使用や所持がどれほど重大な犯罪であるかを理解しておきましょう。

違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する罰則

違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する麻薬及び向精神薬取締法違反の罰則は、行為の内容や営利目的の有無によって異なります。ここでは行為別に具体的な罰則を条文を引用しながら解説します。

使用・所持・譲渡・譲受

違法なCBDオイル(大麻リキッド)の使用、所持、譲渡、譲受については、以下の罰則が規定されています。

使用(施用)の罰則
麻薬及び向精神薬取締法第27条第1項は「麻薬施用者でなければ、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方箋を交付してはならない」と定めています。この規定に違反した者は、同法第66条の2により「7年以下の拘禁刑に処する」とされています。

従来の大麻取締法では使用罪がなかったため、尿検査等でTHCが検出されても直接処罰することができませんでした。しかし法改正により、違法なCBDオイル(大麻リキッド)を使用する行為自体が処罰対象となり、若年層の乱用抑止効果が期待されています。

所持・譲渡・譲受の罰則
麻薬及び向精神薬取締法第66条第1項は「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第六十九条第四号若しくは第五号又は第七十条第五号に規定する違反行為をした者を除く。)は、7年以下の拘禁刑に処する」と規定しています。

ここでいう「所持」とは、法律上・事実上の実力支配関係を意味します。自宅や車に保管している場合も所持に該当するため、たとえ使用していなくても所持しているだけで処罰されます。また、「譲り渡し」や「譲り受け」も同様に7年以下の拘禁刑の対象となります。

令和6年12月12日以前は、営利目的でない大麻の単純所持は大麻取締法で5年以下の懲役(拘禁刑)でしたが、法改正後は7年以下の拘禁刑に厳罰化されました。

輸出・輸入・製造

違法なCBDオイル(大麻リキッド)の輸出、輸入、製造については、より重い罰則が科されます。

輸出・輸入・製造の罰則
麻薬及び向精神薬取締法第65条第1項は「1年以上10年以下の拘禁刑に処する」と定めています。

輸入・輸出・製造行為は、単純な所持や使用よりも社会的な影響が大きいため、より重く処罰されます。

海外から個人輸入したCBD製品に基準値を超えるTHCが含まれていた場合、たとえ少量であっても「輸入」に該当し、この重い罰則の対象となる可能性があります。安易な個人輸入は非常に危険だと言えるでしょう。

営利目的だと罪が重くなる

上記の行為を営利目的で行った場合、罰則はさらに重くなります。

営利目的の使用・所持・譲渡・譲受
麻薬及び向精神薬取締法第66条第2項は「営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処し、又は情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金に処する」と規定しています。

単純な所持等が7年以下の拘禁刑であるのに対し、営利目的の場合は最低でも1年の懲役が科され、さらに罰金が併科される可能性もあります。

営利目的の輸入・輸出・製造
麻薬及び向精神薬取締法第65条第2項は「営利の目的で前項の罪を犯したときは、当該罪を犯した者は、1年以上の有期拘禁刑に処し、又は情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金に処する。」と定めています。

「営利目的」とは、自分や第三者が財産上の利益を得る目的のことを指します。友人に有償で譲渡する場合なども、複数回行えば営利目的と判断される可能性があるため注意が必要です。

このように、違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する罰則は非常に重く、人生に大きな影響を与えるものです。絶対に違法な製品に手を出さないようにしましょう。

違法なCBDオイルで捕まるとどうなる?

違法なCBDオイル(大麻リキッド)の所持や使用により警察に摘発されると、逮捕から刑事裁判、判決に至るまで長期にわたる刑事手続きに巻き込まれることになります。ここでは、逮捕されてから判決が出るまでの流れを段階ごとに詳しく解説します。

逮捕・勾留判断|72時間以内

違法なCBDオイル(大麻リキッド)の所持や使用が警察に発覚すると、まず逮捕される可能性があります。

逮捕の種類と手続き
逮捕には、現行犯逮捕、通常逮捕(令状逮捕)、緊急逮捕の3種類があります。違法なCBD製品を所持している現場で逮捕された場合は現行犯逮捕となり、後日の捜査で判明した場合は令状に基づく通常逮捕となるでしょう。また職務質問後に、警察署に任意同行された場合などはで緊急性がある場合は、緊急逮捕されることもあります。

逮捕されると、まず警察署に連行され、最長48時間以内に検察官に送致(送検)されます。検察官は送致を受けてから24時間以内に、裁判官に勾留請求を行うかどうかを判断します。つまり、逮捕から勾留請求の判断までは最長で72時間(3日間)となります。

逮捕後の制限
逮捕されている間は、身体を拘束され、警察署の留置場に収容されます。外部との連絡は制限され、家族や会社への連絡も自由にはできません。勾留が決定するまでは、基本的に弁護士以外との面会も原則として認められないため、仕事や学校に行くこともできず、社会生活に大きな影響が出ます。また、勾留決定後も接見禁止となった場合は、弁護士以外が面会することはできませんので、生活への影響はより大きくなってしまいます。

弁護士の重要性
逮捕直後から弁護士のサポートを受けることが非常に重要です。弁護士は逮捕直後から面会でき、適切なアドバイスを提供できます。また、勾留決定を阻止するための活動を行い、早期釈放を目指すことができます。

勾留最長20日間

検察官が勾留請求を行い、裁判官がこれを認めると、さらに長期間の身体拘束が続きます。

勾留とは
勾留とは、被疑者の身体を拘束して捜査を続けるための手続きです。勾留が決定されると、まず10日間の身体拘束が認められます。さらに検察官が請求し、裁判官が認めれば、最長で10日間の延長が可能です。つまり、勾留期間は最長で20日間となります。

勾留による影響
勾留期間中も警察署または拘置所に収容され続けます。逮捕からの期間を合わせると、最長で23日間(逮捕期間の最大3日間+勾留期間の最大20日間)も身体を拘束されることになります。

逮捕、勾留期間中は、この長期間にわたって仕事や学校に行けないため、解雇や退学のリスクが高まります。また、家族や友人との面会も制限されるため、精神的にも大きな負担となるでしょう。

勾留を回避・短縮するには
弁護士は、勾留の必要性や理由がないことを主張し、勾留決定を阻止したり、早期釈放を目指す活動を行います。証拠隠滅や逃亡のおそれがないこと、定まった住居があることなどを示すことで、勾留を回避できる可能性があります。

検察官の終局処分(起訴・不起訴)

勾留期間内に、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。

起訴とは
起訴とは、事件を刑事裁判にかける旨の訴訟行為のことです。検察官が起訴処分を下すと、公開の刑事裁判が開かれることになります。日本の刑事裁判の有罪率は99%以上と言われていることからも分かるように、刑事裁判で無罪を得ることは非常に困難です。

起訴には「公判請求」と「略式命令請求」の2種類があります。公判請求の場合は正式な刑事裁判が開かれますが、略式命令請求の場合は書類上の手続きのみで罰金刑が科されます。ただし、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪には罰金刑だけの規定がないため、起訴は公判請求を意味します。

不起訴とは
不起訴とは、事件を刑事裁判にかけずに検察官の判断で手続きを終了させる処分です。不起訴の理由には「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」などがあります。

「嫌疑なし」は、犯罪の嫌疑がないと判断された場合です。「嫌疑不十分」は、犯罪の嫌疑はあるものの証拠が不十分な場合です。「起訴猶予」は、犯罪の証拠は十分にあるものの、犯人の性格、年齢、境遇、情状などを考慮して起訴しないと判断された場合です。

不起訴を獲得するには
弁護士は、証拠が不十分であることを主張したり、初犯で反省していること、二度と同様の行為をしないことなどを検察官に訴えたりして、不起訴処分を目指します。また、自ら出頭したり、自首したりすることは、有利な情状として考慮される可能性があります。

刑事裁判・判決

起訴されると、刑事裁判が開かれ、最終的に判決が言い渡されます。

刑事裁判の流れ
起訴されると、通常1~2ヶ月後に第1回公判期日が指定されます。公判では、検察官が起訴状を朗読し、被告人(起訴された人)に対して事実を認めるかどうかを確認します。その後、検察官と弁護人がそれぞれ証拠を提出し、証人尋問などが行われます。

麻薬及び向精神薬取締法違反の事件では、鑑定書(押収された物質が本当に麻薬であることを証明する書類)、尿検査の結果、被告人の供述調書などが証拠として提出されます。

判決の内容
最終的に、裁判官が有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑を科すかを判断します。前述のとおり、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪には罰金刑だけの規定がないため、有罪判決の場合は実刑(刑務所に収容される)か執行猶予付き判決となります。

初犯で所持量が少量、本人が深く反省しているなどの事情があれば、執行猶予が付く可能性もあります。執行猶予とは、執行猶予期間中に再び罪を犯さなければ、刑の執行を受けなくて済むという制度です。

一方、営利目的であった場合、前科がある場合、所持量が多い場合などは初犯であっても実刑判決となる可能性が高くなります。

刑事裁判の影響
刑事裁判は公開で行われるため、基本的には誰でも法廷に入ることができます。事案によっては報道され、社会的な信用を失う可能性もあります。また、有罪判決を受けると前科がつき、その後の就職や日常生活に影響が出ることもあります。

弁護士は裁判においても、被告人に有利な事情を主張し、できる限り軽い刑を目指して弁護活動を行います。執行猶予を獲得できれば、刑務所に行かずに社会復帰できる可能性が残ります。

違法なCBDオイルを使ってしまった場合の対処法

もし違法なCBDオイル(大麻リキッド)を使用してしまった、または所持していることに気づいた場合は、直ちに適切な対処をすることが重要です。早期に正しい対応をとることで、刑事責任を軽減できる可能性があります。

直ちに使用・所持を中止する

まず何よりも、すぐに使用をやめることが大切です。所持している場合は、自分の判断で処分するのではなく、専門家に相談することをお勧めします。

証拠を保全する

製品のパッケージ、購入時のレシート、販売店の情報など、入手経路を示す資料は保管しておきましょう。これらは、悪意がなかったことを示す証拠となる可能性があります。

すぐに弁護士に相談する

違法なCBD製品を使用・所持してしまったことに気づいたら、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に相談してください。弁護士は以下のようなアドバイスや対応を行います。

自首を検討する

自首とは、捜査機関に犯罪が発覚する前に、自ら進んで犯罪事実を申告し、処分を求めることです。刑法第42条により、自首した者は刑を減軽することができると定められています。

違法なCBD製品の使用や所持について、まだ警察に発覚していない段階で自首すれば、逮捕を免れたり、刑事責任が軽減される可能性があります。特に初犯で反省している場合は、不起訴処分となる可能性も高まるでしょう。

薬物依存の治療を開始する

もし違法なCBD製品を繰り返し使用していた場合は、薬物の依存症に陥っている可能性があります。専門のクリニックや医療機関で治療を開始することは、反省の態度を示すとともに、再犯防止の意思を明確にすることで刑事処分に有利となるだけでなく、依存症から脱却し健康体を取り戻すためにも非常に有効的です。

検察官や裁判官も、治療を開始していることを評価する傾向があり、処分や量刑を決定する際の有利な情状として考慮されます。

家族や信頼できる人に相談する

一人で抱え込まず、家族や信頼できる友人に相談することも大切です。精神的なサポートを受けることで、適切な判断ができるようになります。ただし、相談する際は秘密が守られる相手を選ぶよう注意してください。

違法なCBD製品に関わってしまったことに気づいたら、できるだけ早く専門家に相談し、適切な対処をすることが何よりも重要です。放置していると、後日摘発されて取り返しのつかない事態になる可能性があります。

違法なCBDオイルにおける具体的な弁護活動

違法なCBDオイル(大麻リキッド)の事件で弁護士に依頼すると、逮捕の回避から不起訴獲得、減刑まで、事件の各段階において専門的な弁護活動を受けることができます。ここでは、弁護士が行う具体的な活動内容を段階別に解説します。

逮捕回避に向けた弁護活動

警察から任意の取調べを受けている段階、または逮捕される前の段階で弁護士に依頼すれば、逮捕を回避できる可能性があります。

任意出頭への同行と取調べ対応
弁護士は警察署への任意出頭に同行し、取調べの前後で適切なアドバイスを行います。何をどこまで話すべきか、黙秘権をどのように行使するかなど、不利にならない供述方法を指導します。

証拠隠滅・逃亡のおそれがないことの主張
逮捕は、証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合に行われます。弁護士は、依頼者に定まった住居があること、家族の監督が期待できること、社会的地位があることなどを捜査機関に説明し、逮捕の必要性がないことを主張します。

在宅事件での処理を目指す
弁護士の働きかけにより、身体を拘束せずに捜査を進める「在宅事件」として扱ってもらえる可能性があります。在宅事件となれば、仕事や学校を続けながら捜査に協力できるため、社会生活への影響を最小限に抑えられます。

証拠の任意提出
違法なCBD製品を所持している場合、弁護士の立ち会いのもとで任意に提出することで、捜査への協力姿勢を示すことができます。これにより、強制捜査や逮捕を回避できる可能性が高まります。

釈放・保釈に向けた弁護活動

すでに逮捕・勾留されている場合、弁護士は早期の身体解放を目指して活動します。

勾留請求への意見書提出
検察官が勾留請求を行う際、弁護士は裁判官に対して意見書を提出し、勾留の必要性がないことを主張します。住居が定まっていること、家族の監督が期待できること、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことなどを具体的に説明します。

勾留決定への準抗告
裁判官が勾留を決定した場合でも、その決定に対して準抗告(不服申立て)を行うことができます。弁護士は速やかに準抗告を申し立て、上級裁判所に勾留決定の取消しを求めます。

勾留取消請求・勾留執行停止請求
勾留期間中であっても、事情の変化があれば勾留の取消しや執行停止を請求できます。例えば、すでに取調べ等の必要とされる捜査が終結している場合や、証拠がすべて押収されて証拠隠滅のおそれがなくなった場合などです。

保釈請求
起訴後は保釈制度を利用できます。弁護士は裁判所に保釈請求を行い、保釈保証金を納付することで身体の釈放を実現します。保釈が認められれば、裁判期間中は通常の生活を送ることができます。

接見禁止の(一部)解除
身体拘束中、弁護士以外との面会は制限されますが、弁護士は接見禁止の一部解除を申し立て、家族との面会を実現できる場合があります。家族の支えは精神的に大きな助けとなります。

不起訴・減刑判決に向けた弁護活動

弁護士は最終的な処分や判決をできるだけ軽くするための活動を行います。

違法性の認識がなかったことの主張
合法なCBD製品として購入したにもかかわらず、実際には違法成分が含まれていたという事情がある場合、弁護士はその経緯を詳しく調査し、主張します。故意がなかったことを示すことで、処分の軽減を目指します。

反省と更生の意思の表明
深く反省していること、二度と同様の行為をしないことを示すため、弁護士は反省文の作成をサポートします。また、薬物依存の治療を受けたり、今後CBD製品を使用しないことを誓約書にまとめることによって、更生に向けての強い意志を示します。

検察官との交渉
弁護士は検察官と面談し、依頼者の反省の態度、初犯であること、社会的に失うものが大きいことなどを説明し、不起訴処分(起訴猶予)を求めます。特に初犯で所持量が少量の場合は、不起訴となる可能性があります。

情状証人の準備
刑事裁判になった場合、弁護士は家族や友人などを情状証人として法廷に立たせ、被告人の人柄や反省の様子、監督体制などを証言してもらいます。これにより、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高まります。

量刑事情の主張
判決を軽くするため、弁護士は有利な事情(初犯、所持量が少量、営利目的ではない、深く反省している、家族の監督が期待できる、社会的制裁を受けているなど)を主張します。

再犯防止のためのサポート

弁護士は事件の解決後も、依頼者が再び同様の問題を起こさないようサポートします。

薬物依存専門クリニックの紹介
違法なCBD製品を繰り返し使用していた場合、薬物依存の問題がある可能性があります。弁護士は薬物依存を専門に扱うクリニックや医療機関を紹介し、治療を受けるよう助言します。

治療を開始していることは、検察官や裁判官に対して更生の意思を示す強力な証拠となります。また、実際に依存症から回復することで、真の意味での社会復帰が可能になります。

ダルク(DARC)などの支援団体の紹介
DARC(Drug Addiction Rehabilitation Center)は、薬物依存からの回復を目指す民間のリハビリ施設です。弁護士はこうした支援団体を紹介し、グループミーティングなどのプログラムに参加するようサポートします。

継続的な相談対応
事件が解決した後も、弁護士は依頼者からの相談に応じます。執行猶予期間中の過ごし方、前科が就職に与える影響への対処法、再犯を防ぐための生活習慣の改善などについてアドバイスを提供します。

家族へのサポート
弁護士は依頼者本人だけでなく、家族に対してもサポートを行います。家族が依頼者を適切に監督し、支えられるよう助言することで、再犯防止の環境を整えます。

このように、弁護士は単に法廷で弁護するだけでなく、事件の初期段階から解決後まで、トータルでサポートを提供します。早期に弁護士に相談することで、より良い結果を得られる可能性が高まるでしょう。

家族が違法なCBDオイルで逮捕されたら弁護士へ

家族が違法なCBDオイル(大麻リキッド)の所持や使用により逮捕された場合、家族としてできることは限られています。しかし、すぐに弁護士に相談することで、本人を支え、事態を好転させることができます。

逮捕直後から弁護士しか面会できない

逮捕されると、本人は警察署の留置場に収容され、家族であっても面会することができません。弁護士だけが逮捕直後から本人と面会し、状況を確認し、適切なアドバイスを提供できます。

家族が弁護士に依頼すれば、弁護士が本人と面会して状況を確認し、家族に報告してくれます。また、本人に「家族が心配している」「弁護士を依頼した」というメッセージを伝え、精神的な支えとなります。

早期の身体解放を実現できる可能性

前述したように、弁護士は勾留阻止や早期釈放のための活動を行います。逮捕から72時間以内に弁護士が動けば、勾留を阻止して早期に本人を自宅に戻せる可能性があります。

勾留されてしまうと最長23日間も拘束され、仕事を失ったり、学校を退学になったりするリスクが高まります。早期に弁護士に依頼することで、こうしたリスクを減らせます。

家族にできる具体的なサポート

弁護士の指示のもと、家族は以下のようなサポートを行うことができます。

弁護士費用について

刑事弁護の費用は事務所によって異なります。弁護士費用が高額となってしまう場合もありますが、本人の人生を守るための必要な投資と考えるべきでしょう。

また、資力がない場合は国選弁護人制度を利用することもできます。ただし、国選弁護人は勾留決定後にしか選任されないため、逮捕直後から動いてもらうには私選弁護人を依頼する必要があります。

まとめ

違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する事件は、本人だけでなく家族にとっても大きな試練となります。しかし、適切な時期に弁護士に相談し、専門的なサポートを受けることで、最悪の事態を避けられる可能性があります。

家族が逮捕されたら、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談してください。弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は薬物事件はもちろん、数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所です。

初回相談は無料で受け付けていますので、薬物事件を起こして不安な方は、まずは弊所にご相談ください。

大麻の共同所持とは|大麻の共同所持で逮捕されても不起訴は目指せる?

2026-03-18

複数人で大麻を所持していた場合、大麻の共同所持として逮捕される可能性があります。しかし、場合によっては大麻の共同所持が成立しない場合もあり、大麻が見つかったからと言って必ず刑罰を受けるわけではありません。

本記事では、大麻の共同所持とはどのような行為を指すのかについて解説していきます。大麻の共同所持が認められるケースと認められにくいケースについても徹底解説しました。

「夫が自宅に隠していた大麻が見つかった、、」
「友達の車に乗っていて職務質問を受けたら大麻が見つかった、、」

このような状況で不安を抱えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

大麻の共同所持とは

大麻の共同所持とは、複数人が共同で大麻を所持している状態を指します。実際に大麻を購入したり、手に持っていなくても、実質的な支配下に大麻があれば共同所持が成立する可能性があります。

たとえば、友人が購入した大麻をあなたの家に保管し、あなたもその事実を認識していれば、例えその大麻があなたの物でなくても共同所持として認められることがあります。

大麻の共同所持かどうかは、その大麻が誰の物で、どのような目的でその場所にあるのか、大麻のある場所が誰の支配下なのか、そして、そこに大麻があることを知って(認識して)いるかどうかなどを、総合的に考慮して判断されます。

例えば、遊びに行った友達の家に、友達が大麻を隠し持っていた場合でも、そこに大麻があることを認識していれば、警察の捜査を受けることがあり、場合によっては、大麻の共同所持として有罪認定を受けることがあるので、注意が必要です。

ちなみに、令和6年12月11日以降、大麻に関する法律が改正され、大麻の所持は麻薬及び向精神薬取締法で規制されるようになりました。それ以前は大麻取締法違反として扱われていましたが、現在は麻薬及び向精神薬取締法違反として処罰され、厳罰化されているので注意が必要です。

大麻の共同所持で問われる罪

大麻の共同所持が認められた場合、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪に問われます。ただ大麻の共同所持違反という規定はなく、麻薬及び向精神薬取締法で規制されている大麻の所持違反を、刑法でいうところの共同正犯として犯したことになります。

共同正犯とは

共同正犯とは、複数人が共同して犯罪を実行した場合に、それぞれが正犯として刑事責任を負う制度です。刑法第60条では「二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と定められています。

大麻の共同所持のケースでは、大麻を購入した者や、大麻が存在する場所の管理者だけでなく、その大麻を共同所持していたと認められた者全員が共同正犯として扱われ、同じ刑事責任を負うことになります。

共同正犯が成立するには、以下の要件を満たす必要があります。

大麻の共同所持では、複数人が大麻を共同で管理・支配する意思と事実があれば、共同正犯として認められる可能性が高まります。

大麻の共同所持による刑罰

大麻の共同所持で有罪になった場合、麻薬及び向精神薬取締法に基づいて処罰されます。営利目的でない単純所持の場合、7年以下の拘禁刑が科せられます。

なお、令和7年6月から刑法が改正され、従来の懲役刑と禁錮刑は「拘禁刑」に統一されました。拘禁刑とは、刑事施設に収容する刑罰のことで、受刑者の改善更生を目的として作業や指導が行われます。

営利目的で大麻を所持していた場合は、さらに重い刑罰が科せられます。営利目的の所持では1年以上10年以下の拘禁刑または情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金となります。

営利目的でなければ、初犯の場合は執行猶予が付く可能性が非常に高いですが、前科がある場合や所持量が多い場合はその限りではありません。刑罰の重さは、所持量、態様、前科の有無などを総合的に考慮して決定されます。

大麻の共同所持が認められるケース

大麻の共同所持が成立するかどうかは、大麻に対する「実質的支配」があるか等によって総合的に判断されます。ここでは、共同所持と認められやすい具体的なケースを見ていきましょう。

大麻の保管場所を知っていた

自宅や車の中に大麻が保管されていることを知っていた場合、大麻の共同所持が認められやすくなります。大麻があることを認識しているということは、その大麻を使用したりといった処分ができる立場にあったと判断され、共同所持が認められやすくなります。

たとえば、同居している友人が自宅の引き出しに大麻を隠していて、その場所を知っていたケース。この場合、自分で購入していなくても、いつでも大麻を取り出し使用できる状態にあったと認定される可能性があります。

また、車の中に大麻が隠されていて、その場所を知っていた場合も同様です。車の所有者でなくても、日常的に車を使用していて保管場所を把握していれば、実質的支配があると判断されやすくなります。

一緒に大麻を吸っていた

同居人や知人と一緒に大麻を使用していた場合も、大麻の共同所持が認められやすくなります。共同で使用するということは、その大麻に対して支配的な立場にあったことを示すためです。

たとえば、友人が購入した大麻を定期的に一緒に使用していた場合。自分では購入していなくても、友人に頼めばいつでも一緒に吸える関係性があれば、共同で所持していたと認定される可能性が高まります。

また、大麻を吸うための道具を共同で使っていた場合や、大麻の購入費用を分担していた場合も、共同所持していたと判断される材料になります。共同で使用する行為そのものが、大麻に対する共同支配を示す証拠となるのです。

ただし、1回だけ誘われて使用した場合と、日常的に一緒に使用していた場合では、実質的支配の認定が異なる可能性があります。継続的な使用関係があるほど、共同所持と認められやすくなります。

大麻を隠すことに協力していた

自宅や車にある大麻を他人に見つからないように隠したり、大麻の持ち込みを許可していた場合も、大麻の共同所持が認められやすくなります。隠す行為や場所の提供は、大麻を所持する意思があったことを示すためです。

たとえば、友人が大麻を自宅に持ち込むことを承知していて、警察に見つからないように隠し場所を提案したケース。この場合、大麻を保管することに積極的に関与していたと判断され、共同所持していたと認定される可能性が高まります。

また、自分の部屋や車のトランクを大麻の保管場所として提供していた場合も同様です。場所を提供するということは、その大麻を実質的に支配する立場にあったことを意味します。

さらに、警察の捜索が入りそうになったときに大麻を移動させたり、処分を手伝ったりした場合も、協同所持の認識を持っていた証拠となります。こうした積極的な関与は、単なる黙認ではなく、共同で大麻を管理していたと認定される大きな要因になります。

大麻の共同所持が否定されやすいケース

大麻の共同所持が成立するには大麻を所持している意思が必要です。ここでは、共同所持が否定されやすい状況を見ていきましょう。

大麻の保管場所を知らなかった

大麻がどこに保管されているのか知らなかった場合や、そもそも大麻の存在自体を知らなかった場合は、大麻の共同所持が認められないでしょう。大麻の存在と場所を認識していないということは、大麻所持の故意が認められないからです。

たとえば、同居人が自分に内緒で部屋に大麻を隠していて、ある日突然警察の捜索で発覚したケース。この場合、大麻の存在を全く知らなかったと認定されれば、共同所持は認められないでしょう。

また、友人の車に乗っていて、その車から大麻が見つかったものの、自分は大麻があることを知らなかった場合も同様です。単に同じ空間にいただけでは、共同所持は認められません。

ただし、警察や検察は大麻所持を立証するために、尿検査を行い、大麻の使用歴があるか等を調べ、「本当に知らなかったのか」を厳しく追及します。日常的に一緒に行動していた場合や、不自然な言動があった場合は、知っていたと推認される可能性もあります。知らなかったことを証明するためには、客観的な証拠や説得力のある説明が必要になるでしょう。

自分で大麻を取り出すことができなかった

自分の判断で大麻を取り出すことができない状態だった場合も、大麻の共同所持が認められにくくなります。所持とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為」とされているため、大麻を自由に取り出せない状況では、場合によっては共同所持とは認められない可能性があります。

さらに、一度だけ友人に誘われて大麻を使用したものの、残った大麻を友人が保管し、自分自身は、どこにあるか知らなかったような場合でも、大麻の使用罪に問われることがあっても、所持罪に問われる可能性は低いでしょう。

【事例紹介】実際に大麻の共同所持で逮捕されたケース

職務質問で車内の大麻が見つかり逮捕

建設作業員のAさん(20代)は、友人の車に同乗してドライブ中に警察官の職務質問を受けました。そこで警察官が車内から乾燥大麻を発見し、友人と共に大麻の所持罪(当時は大麻取締法違反)で現行犯逮捕されました。

Aさんは、数日前にこの友人と共に大麻を使用していましたが、職務質問を受けた際に発見された大麻については、友人が車内に隠し持っていたもので、その存在すら認識していませんでした。

Aさんは、20日間の勾留を受け、その間、友人が大麻を隠し持っていたことを知っていたのだろうと、警察から厳しい追及を受けましたが、その認識を否定し続け、結果的に不起訴処分となりました。

大麻の共同所持で逮捕された後の流れ

大麻の共同所持で逮捕されると、どのような手続きが進むのでしょうか。ここでは、逮捕から判決までの流れを時系列で解説します。

逮捕・勾留請求|72時間以内

大麻の共同所持の疑いで逮捕されると、まず警察署に連行されます。逮捕から48時間以内に、警察は取り調べを行い、検察官に事件を送致するかどうかを判断します。

検察官に送致されると、検察官は24時間以内に、裁判所に勾留請求をするかどうかを決定します。つまり、逮捕から検察官の判断まで、合計で72時間以内に重要な決定が行われるのです。

この72時間の間、逮捕された人は警察署の留置場に留め置かれ、自由に外部と連絡を取ることはできません。ただし、弁護士との面会は認められており、弁護士を通じて家族に連絡を取ることが可能です。

逮捕直後の対応が今後の処分に大きく影響します。取り調べでは黙秘権があることを理解し、不利な供述を避けることが重要になります。早い段階で弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

勾留決定・勾留|最長20日間

検察官が勾留請求をすると、裁判官が勾留の必要性を判断します。勾留が決定されると、まず10日間の身体拘束が始まります。捜査の必要性があれば、さらに最長10日間の延長が認められ、合計で最長20日間勾留される可能性があります。

勾留中は、警察や検察による取り調べが続きます。大麻所持の認識があったかどうか、詳しく聴取されます。この期間中、家族との面会制限される場合ありますが、弁護士との面会は引き続き可能です。

勾留中の取り調べでどのように対応するかが、その後の処分を大きく左右します。事実と異なる自白をしてしまうと、後から撤回することが難しくなるため、慎重な対応が求められます。

勾留されている間も、弁護士は検察官と交渉し、不起訴処分や保釈を求める活動を行うことができます。早期の身体解放を目指すには、弁護士の適切なサポートが不可欠です。

検察官による終局処分|起訴・不起訴

勾留期間が終了するまでに、検察官は事件を起訴するか不起訴にするかを決定します。これを終局処分と呼びます。

不起訴処分になれば、刑事裁判は開かれず、前科もつきません。不起訴の理由には、嫌疑不十分(有罪立証に足る証拠が不足している)、嫌疑なし(犯罪事実がない)、起訴猶予(犯罪は認められるが、諸般の事情を考慮して起訴しない)などがあります。

大麻の共同所持のケースでは、そもそも大麻を所持している認識がなかったことを証明できれば嫌疑なし(又は嫌疑不十分)で不起訴になる可能性があります。また、初犯で反省している場合や、被害者のいない事件であることから、起訴猶予となる可能性もあります。

一方、起訴処分になると刑事裁判が始まります。起訴には、公開の法廷で裁判が行われる「公判請求」と、書面審理のみで罰金刑が科される「略式命令請求」があります。大麻の共同所持では、罰金刑のみの法定刑がないため、公判請求されることになります。

不起訴を目指すには、早期に弁護士を選任し、大麻所持に関与していなかったことや、大麻所持の故意がなかったこと等を示す証拠を集めたり、検察官と交渉したりすることが重要です。

刑事裁判・判決

起訴されると、刑事裁判が始まります。裁判では、検察官が大麻の共同所持があったことを立証し、弁護士が無罪や減刑を主張します。被告人も法廷で意見を述べる機会があります。

裁判は複数回にわたって開かれることが多く、証拠調べや証人尋問などが行われます。大麻の共同所持のケースでは、共謀の有無や、大麻所持の故意、そもそも大麻所持に関与しているのか等が主な争点となります。自身の供述だけでなく、共犯者の供述や、メールの送受信履歴、その他、共犯者同士の関係性や、大麻使用の有無等を総合的に考慮して、共同所持が成立するかどうかが判断されます。

すべての審理が終わると、裁判官が判決を言い渡します。有罪になれば、拘禁刑等の刑事処分が科されます。初犯の場合は執行猶予が付く可能性もありますが、前科がある場合や所持量が多い場合は実刑判決となることもあります。

判決に不服がある場合は、控訴することができます。控訴審では、一審の判決が適切だったかどうかが審理されます。

刑事裁判では、弁護士の弁護活動が判決に大きく影響します。無罪を主張する場合も、減刑を求める場合も、専門的な法律知識と経験が必要になります。信頼できる弁護士に依頼し、最善の結果を目指すことが大切です。

大麻の共同所持で逮捕されても不起訴は目指せる?

大麻の共同所持で逮捕されたからといって、必ず起訴されるわけではありません。検察官の判断により、不起訴処分となる可能性もあります。不起訴になれば刑事裁判は開かれず、前科もつきません。

不起訴処分には、主に「嫌疑なし(又は嫌疑不十分)」と「起訴猶予」の2つのパターンがあります。どちらも最終的に裁判にならない点は同じですが、その理由は大きく異なります。

大麻の共同所持のケースでは、所持の認識がなかったこと等を証明できれば、嫌疑なし(又は嫌疑不十分)で不起訴になる可能性があります。また、所持量が微量であったり、初犯で反省の態度が見られる場合は、起訴猶予となることもあります。早期に弁護士に相談し、適切な対応を取ることで、不起訴の可能性を高めることができるでしょう。

嫌疑不十分(証拠不十分)による不起訴

嫌疑不十分による不起訴とは、犯罪の嫌疑はあるものの、有罪判決を得られるだけの証拠が不十分な場合に下される処分です。「証拠不十分」とも呼ばれ、検察官が裁判で有罪を立証できないと判断した場合に選択されます。

大麻の共同所持のケースでは、大麻を所持している(する)認識、つまり故意を認定する証拠が不足している場合等に、嫌疑不十分で不起訴になる可能性があります。たとえば、大麻の存在を知らなかったこと、大麻を保管している場所を知らなかったこと等を、客観的に示せれば、共同所持の故意を立証することができないとされやすくなります。

具体的には、以下のような状況が嫌疑不十分につながる可能性があります。

嫌疑不十分で不起訴になるためには、大麻所持の故意がなかったことを疑わせる証拠を集めることが重要です。弁護士は、目撃者の証言、メールやLINEのやり取り、防犯カメラの映像などを収集し、検察官に提出します。客観的な証拠が揃えば、嫌疑不十分での不起訴の可能性が高まります。

起訴猶予による不起訴

起訴猶予による不起訴とは、犯罪事実は認められるものの、被疑者の年齢、性格、境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の状況などを考慮して、検察官が起訴しないと判断する処分です。刑事訴訟法第248条に基づく、検察官の裁量による処分になります。

大麻の共同所持のケースでは、共同所持の故意や事実があったことは認められるものの、以下のような事情がある場合に起訴猶予となる可能性があります。

起訴猶予を得るためには、反省の態度を示すことが非常に重要です。弁護士を通じて検察官に上申書を提出し、深い反省と更生の意思を伝えます。また、家族の監督を約束する誓約書や、薬物依存症の治療を受けることを証明する書類なども有効です。

さらに、大麻を処分したこと、薬物に関わる人間関係を断ち切ったことなど、具体的な更生への取り組みを示すことも起訴猶予につながります。検察官は、被疑者が本当に更生できるかどうかを総合的に判断するため、誠実な対応が求められます。

大麻の共同所持で弁護士ができる弁護活動

大麻の共同所持で逮捕された場合、弁護士に依頼することで様々な弁護活動を受けられます。弁護士は、不起訴を目指す活動から、早期釈放、減刑まで、段階に応じた適切な対応を行います。

弁護士の介入が早ければ早いほど、有利な結果を得られる可能性が高まります。逮捕直後から弁護士と連携することで、取り調べへの適切な対応、検察官との交渉、証拠の収集など、多方面から事件解決に向けた活動が可能になります。

ここでは、大麻の共同所持のケースで弁護士ができる具体的な弁護活動を見ていきましょう。

不起訴に向けた弁護活動

不起訴処分を目指す弁護活動では、弁護士は主に2つのアプローチを取ります。1つは嫌疑不十分を主張する活動、もう1つは起訴猶予を求める活動です。

嫌疑不十分を主張する活動では、大麻所持の故意がなかったことを証明するための証拠収集が中心になります。弁護士は以下のような活動を行います。

起訴猶予を求める活動では、被疑者の更生可能性と再犯防止策を検察官に訴えます。具体的には次のような活動です。

弁護士は、検察官に対して「この被疑者を起訴する必要性は低い」と納得してもらうために、あらゆる角度から働きかけを行います。特に初犯の場合は、適切な弁護活動により不起訴の可能性を大きく高めることができます。

早期の釈放・保釈に向けた弁護活動

逮捕・勾留されると、最長23日間も身体を拘束される可能性があります。弁護士は、できるだけ早く被疑者を釈放させるために、様々な活動を行います。

勾留前の段階では、以下の活動を行います。

検察官が勾留請求をしても、裁判官が勾留の必要がないと判断すれば釈放されます。弁護士は裁判官に対して、勾留の必要性がないことを法的に主張します。

勾留後の段階では、以下の活動を行います。

起訴後に勾留が続いている場合は、保釈請求を行います。保釈が認められれば、保釈金を納付することで身体を解放してもらえます。弁護士は以下の点を裁判所に訴えます。

早期釈放は、被疑者の社会生活を守るだけでなく、取り調べでの不利な供述を防ぐ効果もあります。身体拘束のストレスから解放されることで、冷静な判断ができるようになります。

執行猶予付き判決・減刑判決に向けた弁護活動

起訴されて刑事裁判になった場合でも、弁護士は執行猶予付き判決や減刑判決を目指して活動します。特に初犯の場合は、執行猶予を獲得できる可能性が高まります。

執行猶予を目指す弁護活動では、以下のような活動を行います。

執行猶予は、刑務所に入らずに社会で更生する機会を与える制度です。裁判官に「この被告人なら社会で更生できる」と判断してもらうために、具体的な更生計画と支援体制を示すことが重要になります。

減刑を目指す弁護活動では、以下の点を主張します。

弁護士は、法廷で被告人に有利な事情を丁寧に説明し、量刑の軽減を求めます。判例や量刑相場を踏まえた的確な主張により、執行猶予や減刑の可能性を高めることができます。

また、裁判中も薬物依存症の治療を継続していることを示すことで、更生への真摯な姿勢をアピールします。治療の経過報告書や医師の意見書などを証拠として提出し、再犯のおそれが低いことを裁判官に理解してもらいます。

大麻の共同所持に関するQ&A

大麻の共同所持について、よくある質問とその回答をまとめました。疑問や不安を解消する参考にしてください。

Q.大麻の共同所持は逮捕・勾留される?

A.大麻の共同所持が認められる場合、逮捕・勾留される可能性は高くなります。

大麻の共同所持は麻薬及び向精神薬取締法違反の重大な犯罪です。警察は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断すれば、逮捕状を請求して身体を確保します。特に以下のような状況では、逮捕される可能性が高まります。

逮捕後は、検察官が勾留請求をし、裁判官が勾留を認めれば最長20日間勾留されます。勾留の要件は、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることです。

ただし、すべてのケースで逮捕・勾留されるわけではありません。初犯で所持量が少量、住所が明確で逃亡のおそれがない、家族の監督が期待できるなどの事情があれば、在宅事件として扱われることもあります。在宅事件の場合、逮捕されずに自宅から警察に出頭して取り調べを受けることになります。

逮捕を避けるため、または早期釈放を実現するためには、弁護士に早めに相談することが重要です。弁護士は、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを警察や検察に説明し、身体拘束の回避や解除を求める活動を行います。

Q.家や車に大麻があることを知らなくても共同所持になる?

A.自宅や車に大麻があることを知らなかった場合、所持の故意がないため、大麻の共同所持は認められにくくなります

大麻の共同所持が成立するためには、大麻がそこにあること(あるのではないか)の認識が必要です。したがって、大麻の存在を知らなければ、大麻所持の故意が認められず、共同所持は成立しません。

たとえば、以下のようなケースでは共同所持が否定される可能性があります。

ただし、警察や検察は「本当に知らなかったのか」を厳しく追及します。以下のような状況があると、知っていたと推認される可能性があります。

「知らなかった」という主張を通すためには、客観的な証拠が重要です。大麻を使用していなかった証拠(尿検査の陰性結果)、同居人や車の所有者との関係性(ほとんど接触がなかった)などを示す必要があります。

弁護士は、これらの証拠を集めて検察官や裁判所に提出し、共同所持の故意がなかったことを法的に主張します。早期に弁護士に相談し、適切な証拠を確保することが重要です。

Q.大麻の共同所持は初犯でも実刑になる?

A.大麻の共同所持は、初犯でかつ営利目的ではない場合には実刑となる可能性は低いでしょう。

初犯の場合の量刑相場

初犯で営利目的ではない単純所持の場合、多くのケースで執行猶予付き判決となります。一般的な量刑相場は以下の通りです。

ただし、以下のような事情があると、初犯でも実刑判決となる可能性があります。

再犯の場合の量刑相場

大麻事犯の前科がある場合、実刑判決となる可能性が高まります。一般的な量刑相場は以下の通りです。

前科がある場合でも、前回の事件から相当期間が経過している、所持量が少量である、薬物依存症の治療を受けているなどの事情があれば、執行猶予が付く可能性もあります。

実刑を避けるためには

初犯の場合、適切な弁護活動により執行猶予を獲得できる可能性が高いです。深い反省、更生計画の提示、家族の監督体制、薬物依存症治療の実施などを裁判官に示すことで、社会内での更生が相当であると判断してもらえます。

弁護士は、被告人に有利な情状を丁寧に主張し、執行猶予判決を目指します。早期に弁護士に相談し、適切な準備を進めることが重要です。

大麻の共同所持が発覚した場合は弁護士へ相談

大麻の共同所持が発覚した場合、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。弁護士の介入が早ければ早いほど、有利な結果を得られる可能性が高まります。

大麻の共同所持は、管理権の有無という法的な判断が必要になる複雑な事件です。何が証拠として有効か、どのように主張すべきか、検察官とどう交渉するかなど、専門的な知識と経験が求められます。素人判断で対応すると、不利な供述をしてしまったり、重要な証拠を見逃したりする危険があります。

弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

大麻の共同所持で逮捕された、または警察から任意の取り調べを求められている場合は、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。初回相談は無料としている法律事務所も多くあります。早期の対応が、あなたの将来を守る鍵となります。

外国で大麻を使った場合に日本で逮捕されるのか?

2020-07-16

外国で大麻を使った場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します

~ケース~

カナダに留学している大学3年生のAさんは下宿先のルームメイトに誘われて,クラブで行われる大麻パーティーに参加し大麻を吸引した。
Aさんは「カナダは大麻合法だから」という文と共に大麻を吸引している様子をSNSにアップした。
夏休みになり日本に帰国したAさんは同級生であるBさんに「大麻が合法の国で吸引しても大麻取締法が適用されてお前,逮捕されるぞ」と脅かされた。
Bさんからの言葉で逮捕されてしまうのではないかと不安になったAさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~大麻取締法と国外犯~

カナダでは2018年10月に大麻が解禁され使用が合法となりました。
しかしながら,大多数の国では大麻は依然として違法のままであり,日本も大麻取締法により所持などが禁止されています。
カナダには語学留学や旅行などで多くの日本人が訪れ,今回のケースのAさんのように何らかの機会に大麻を使用することや自ら購入し大麻を使用するというケースも多いでしょう。
今回はカナダのように大麻の使用が合法化された国や地域で大麻を使用した場合に日本の法律で処罰されるのかを考えていきたいと思います。

まず重要な点として,大麻取締法では大麻使用を禁止していません。
そのため,日本国内でも大麻を使用するという行為だけでは何ら犯罪を構成しません。
しかし,使用するためには所持する必要がありますので結局のところ大麻所持を禁止する大麻取締法違反となります。
また,薬物犯罪では検査による成分検出や実際に違法薬物を所持していることが犯罪の証拠となります。
そのため,大麻使用が違法ではない国で大麻を使用した場合でも証拠の関係上,日本国内で大麻取締法で検挙するのは現実的ではないでしょう。
では,理論的には大麻取締法違反で検挙が可能なのかを検討していきます。

まず大麻取締法24条の8では「第24条、第24条の2、第24条の4、第24条の6及び前条の罪は、刑法第2条の例に従う。」と規定されています。
刑法第2条は刑法を「日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する」と規定します。
次に掲げる罪とは内乱や外患,通貨偽造や有価証券偽造,公文書偽造など,国家の根幹に対する犯罪行為の場合、日本人であるか外国人であるか、また犯罪地がどこであるかを問わず,当該犯罪を犯したすべての者に対して日本の刑法を適用するという規定なのです。

ところで,特別法には大麻取締法のように「~の罪は,刑法第2条の例に従う。」と規定されている物も多いです。
例としては覚せい剤取締法やあへん法,ハイジャック処罰法などがあります。
これらが刑法第2条の例に従うと規定している意味は,当該犯罪が国家間に共通する法益を侵害する犯罪であり各国に協力してその処罰を確保するためです。
そうすると,大麻取締法24条の8は大麻の取り締まりは国家間に共通する利益であるから日本としても相手国と協力して大麻の取り締まりにあたるという規定になるでしょう。
そして,カナダが大麻を禁止していない以上,日本とカナダの間で大麻を取り締まるという共通の利益が存在しないのですから日本においてカナダでの大麻の所持を罰することはできないと考えるべきでしょう。

なお,大麻取締法24条の8が規定している犯罪は,大麻を「みだりに」所持,栽培等をすることです。
法令において「みだりに」とは違法性があることを示す言葉ですのですなわち大麻を違法に所持等する必要があります。
そのため,日本国内において日本の法に反するのみならず,その行為が行われた国の法律にも違反していなければ処罰されないと考えられます。
さもなければ,カナダで合法に大麻を所持・使用したカナダ人が日本に旅行などで訪れた際に大麻取締法違反で処罰されることになってしまいます。

上記はあくまでも法解釈の一つであり事案の事情によっては逮捕されてしまう可能性もあります。
しかしながら,証拠の関係上,起訴されて刑事裁判となる可能性は低いと考えてよいでしょう。
不安な場合には弁護士に相談されることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
これまで数多くの薬物事件を手掛けてまいりました。
外国で大麻を使ってしまい不安というような場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談のご予約を24時間365日受け付けています・