職務質問を受けたら

1 職務質問

職務質問とは、何らかの犯罪に関係していると疑われるような人などを呼びとめ、質問することをいい、強制力を伴わない任意捜査です 。

任意捜査とは、犯罪捜査への協力を求められた人が、自由な意思でこれに応じるもので、薬物の所持や使用が疑われる場合には、所持品の検査や、尿の提出などが求められます。

薬物犯罪をしてしまった人が逮捕される代表的なケースとして、職務質問によって薬物を所持していることが発覚し、現行犯逮捕される場合があげられます。

上記のように職務質問は任意ですので、応じないとしても問題はありません。

しかし、実際は警察官に取り囲まれて長時間にわたり説得を受けることが多いです。

身体を拘束したり、勝手に所持品を検査したりすることは強制捜査に当たるため許されませんが、薬物使用や所持が疑われる場合、説得という名目で実質的にその場から動けなくされてしまいます。

この説得をしている間に、強制的に採尿するための令状や捜索をするための令状を請求している場合もあります。

 

2 所持品検査

薬物の所持などが疑われる場合には、かばんやポケット内の所持品を出してくれるよう求められることがあります。

往来の妨げになったり、プライバシーが侵されやすかったりする場所の場合には、最寄りの交番や警察署への任意同行を求められる場合もあります。

勝手にかばんを開けて内容物を取り出したり、ポケットの中に手を入れたりすることは、原則として許されていません。

所持品検査の結果、薬物らしいものが見つかると、それの簡易検査が行われます。

特定の反応色を示す試薬を用いて、当人の目の前で、試薬で色が変わる様子を確認させるようにして行われます。

ただし、ここで行う簡易検査は、捜査現場での予備的な検査で、後ほど改めて正式な鑑定の手続がとられます。

薬物の中でもっとも検挙数の多い覚醒剤は、簡易試験で比較的容易に識別することができます。

しかし、現在は多様な薬物が出回っていて、試薬での判断がむずかしい薬物もあります。

また、ごく小量の場合など、捜査現場での試験が困難なものもあります。こうした場合は、現場での簡易試験を行わず、正式な鑑定をすることになります。

簡易試験をして、薬物を所持していたことがわかると、逮捕手続がとられることになりますが、現場での試験を行わない場合には、原則としてその場で逮捕はせず、正式な鑑定の結果によって、逮捕状を請求して逮捕するという手続がとられます。

 

3 尿の提出・検査

薬物使用の有無を判断するために、尿の検査が行われます。

最も一般的に行われるのが、尿の任意提出という手続きで、捜査官の求めに応じて、被疑者が自由な意思で採尿してこれを提出するものです。

正式な判定のためには、精密な分析装置を用いて化学的な鑑定をしなければなりませんが、簡易検査キットを使用すれば、覚せい剤など特定の薬物使用をある程度の精度で見分けることができます。

これにより使用の禁止されている薬物の反応が出た場合、これを根拠にして逮捕されてしまう場合があります。

ただし、簡易キットでの検査は、あくまでも予備的な検査であり、裁判の証拠として使えるものではありません。

 

4 職務質問を受けたら

職務質問はあくまで任意です。必ず応じなければならないわけではありません。

しかし、実際は周りを警察官に取り囲まれて、その場から立ち去ることは困難です。

特に薬物犯罪事件の場合には、所持品の検査等をしたいがために、長時間同じ場所にとどめ置かれて説得が続けられることがあります。

この説得があまりにも長時間にわたる場合には、職務質問が許される限界を超えて違法となる可能性があります。

もし、職務質問を受けて長時間にわたる説得が続けられる場合には、一度弁護士に相談することが有益です。

また、職務質問や所持品検査が任意の範囲を超えて強制にわたる場合には、そのような捜査によって得られた証拠が裁判では使えない、違法収集証拠となる場合もあります。

違法収集証拠となる場合には、その証拠は裁判での判断に使えることができず、無罪を勝ち取れる可能性が出てきます。

職務質問や所持品検査が違法ではないかと思われた場合には、職務質問が終わった後であっても弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物犯罪事件に精通した弁護士に相談していただけます。

初回の相談は無料ですので、気になることがあれば一度相談にいらしてください。

また、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスも行っております。

お知り合いの方が職務質問の末逮捕されてしまった場合など、なるべく早い段階で状況を聴き取り、的確なアドバイスをすることができますので、ぜひ一度ご検討ください。

 

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