Archive for the ‘未分類’ Category

【事例解説】大学の寮内で覚せい剤を営利目的で所持していた疑いで逮捕 

2024-02-05

覚せい剤を営利目的で所持していたとして大学生の男が、覚醒剤取締法違反で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例

大学生のAさんは、同じ大学の寮に住んでいる者、数名に覚せい剤を販売していました。
ある日、Aさんが覚せい剤を売人から購入した帰り道に、警察官の職務質問に合い、覚せい剤の所持が発覚したAさんは覚醒剤取締法違反の疑いで警察に逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは大学の寮の仲間に覚せい剤を販売していたことを供述し、この供述をもとに大学の寮に捜索差押が入りました。そうすると数名の部屋から覚せい剤が見つかり、この者たちも覚醒剤取締法違反で逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたという連絡を受けたAさんの両親は、すぐに弁護士に初回接見の依頼をしました。 
(フィクションです。)

覚せい剤の営利目的所持と譲り受け

覚醒剤取締法では、覚醒剤について輸入、輸出、製造、所持、譲り渡し、譲り受け、所持といった行為に罰則を設けています。
そして、これらの行為を営利目的で行った場合には法定刑が重くなっています。
事例のAさんは、警察からの職務質問で覚醒剤の所持が発覚し、その後大学の寮の仲間に覚せい剤を営利目的で販売していたことを自供していますので、覚せい剤の営利目的での所持譲り渡しが認められる可能性があります。
営利目的での所持や譲り渡しの法定刑は「1年以上の有期懲役 または情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金」となっています。

また、Aさんから大麻を購入した者たちについても、寮の部屋から覚せい剤が見つかっているため、覚せい剤取締法の所持罪が成立する可能性があります。 

覚醒剤取締法違反でご家族が逮捕されたら?

Aさんのように覚醒剤取締法違反事件といった薬物事件で逮捕された場合、逮捕、逮捕の後からの勾留、勾留期間経過後での検察官による起訴、起訴された後の勾留と、身体の拘束期間が長期化する傾向があります。
そのため、大学生の方が覚醒剤取締法違反で逮捕されると、長期間の身体拘束によって、大学に通うことができずに、その年での卒業が叶わず、また就職先が決まっていたとしても白紙になるという可能性が十分に考えられます。
こうした、覚醒剤取締法違反の疑いでの逮捕による、その後の生活への影響を何とか最小限に留めたいという場合には、いち早く薬物事件に精通した弁護士に初回接見を依頼して、逮捕されたご本人様の身体の拘束を解いてもらうような弁護活動をとることが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は覚醒剤取締法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】覚醒剤の譲り受け未遂で逮捕

2023-11-21

覚醒罪の譲り受け未遂で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例紹介

AさんはSNSで覚醒剤売人Bさんを見つけて、Bさんから覚醒剤を購入しました。
Aさんは覚醒剤の購入代金を事前に送金して、Bさんから覚醒剤が隠された荷物を自宅で受け取ることになりました。
BさんがAさんに送る覚醒剤入りの荷物を用意してAさんの家に郵便局で発送したところで、警察に覚醒剤取締法違反の疑いで検挙されました。
このとき、BさんがAさんに送った覚醒剤入りの荷物は警察に証拠品として押収されしまいました。
Bさんが検挙されたことをきっかけに、Aさんも捜査の対象となってしまい、Aさんは覚醒剤の譲り受け未遂の疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

実際に覚醒剤を受け取っていなくても

覚醒罪取締法42条の2第1項では、
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
と規定し、覚醒罪所持譲り渡し譲り受けるという行為に10年以下の懲役刑という刑事罰を設けています。
そして、同条の3項では、
「前2項の未遂罪は、罰する。」
と規定して、覚醒罪を所持、譲り渡し、譲り受け行為に成功してしなくても、各行為の実行に着手していれば未遂罪として刑事罰の対象としています。

事例のAさんも、Bさんから実際に覚醒剤を譲り受けた訳ではありませんが、Bさんから覚醒剤を購入して譲り受けようとしています。
事例では、既に覚醒剤が隠された荷物がBさんから発送されて、後は自宅で受け取るだけという段階になっていますので、Aさんには覚醒剤の譲り受け未遂罪に該当する可能性が高いと考えられます。

覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたら

ご家族が覚醒罪の譲り受け未遂など覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたら、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士が初回接見に行くことで、覚醒剤取締法違反で逮捕されたご本人が今後どうなるのかどの程度の刑に問われる可能性があるのか弁護活動としてどのような対応をとることができるのかといったことについて知ることができますので、突然逮捕されて今後どうなるのか分からず不安になっている気持ちを和らげることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は覚醒剤取締法違反違反事件といった薬物事件に強い法律事務所です。
ご家族が覚醒剤取締法違反の疑いで突然警察に逮捕されてしまってお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで逮捕された事件

2023-11-03

大麻の取引をSNSで呼びかけたことで麻薬特例法違反の疑いで警察に逮捕された報道について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

報道紹介

京都府警組対3課と東山署は24日、麻薬特例法違反あおり唆し)の疑いで、大津市の会社員(23)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年4月19日、ツイッターに大麻を意味する隠語「ブロッコリー」の絵文字や、取引を表す「手押し」などの単語を使った上、「配達いけます!」などと書き込み、大麻の販売を広く呼びかけた疑い。「自分でツイート(投稿)した」などと容疑を認めているという。
(2023年1月24日に京都新聞で報道されたニュースhttps://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/960807より一部引用)

麻薬特例法違反(あおり、唆し)とは

麻薬特例法とは、正式には「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」という名称で、麻薬向精神薬大麻覚醒剤あへんといった「規制薬物」に関する法律です。

この麻薬特例法9条では、薬物犯罪の実行規制薬物を濫用することを、公然したりあおったり唆(そそのか)したりした人に対して、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科すと規定しています。
大麻などの規制薬物を取引をSNSで広く呼びかける行為は、薬物犯罪である各種の規制薬物を譲り受ける者を広く募っている行為ですので、薬物犯罪の実行をあおっているか、または唆しているものとして麻薬特例法9条違反する可能性があります。

また、報道のように、SNS上で規制薬物の名称を具体的に用いていなくても規制薬物だとわかる隠語を用いて取引を呼びかけた場合にも麻薬特例法9条違反になると考えられます。
規制薬物の隠語として、例えば、大麻は取り上げた報道のように「ブロッコリー」という隠語が用いられたり、覚醒剤は「氷、アイス」、コカインは「チャーリー」といった隠語が使用されることがあります。

ご家族が麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで警察に逮捕されたら

突然、警察が自宅に来てご家族様を逮捕していったという場合は、逮捕されたご本人様はもちろんのこと、残されたご家族様も、いったいどうして逮捕されたのか、現在どのような状況なのかということが分からずにご不安になることかと思います。
この場合、ご家族様が警察に状況の説明を求めても警察からは詳細な説明を受けることはあまり期待できませんので、ご家族が麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで警察に逮捕されたら、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらい、事件の見通しや現在の状況、今後の手続きの流れなどについてアドバイスを貰われることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族の中に麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで警察に逮捕された方がいてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】大麻リキッドの所持が発覚 

2023-10-18

大麻リキッドを所持していたとして、大麻取締法違反の疑いで捜査が進行しているケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは、仕事仲間数名に誘われて一緒に大麻リキッドを使用していました。
最初はそれぞれの自宅に集まって使用していましたが、徐々に違法なものという意識が薄れ、数名で路上にたむろって使用することもありました。
ある日、公園に集まって大麻リキッド使用していたところ、近所の人の通報により駆けつけた警察官に見つかり、警察署まで任意同行を求められました。
持っていた大麻リキッド押収され本鑑定にかけられることになりましたが、その日には自宅に帰ることができました。しかし、警察からは、鑑定の結果次第では逮捕もあり得るといわれていたため不安になったAさんは弁護士に相談することにしました。

大麻リキッドとは

大麻リキッドとは、大麻草から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分を濃縮した液体のことをいいます。
大麻リキッドはカートリッジの中に入っており、それを電子タバコの機械に入れて使用するが多いようです。
見た目にも違法性を感じずらく、格好良いと感じる若者も多いようで、若年層の間で広がりをみせています。
しかし、このような大麻リキッドも大麻草から抽出されたTHCを含んでいる場合、乾燥大麻や大麻樹脂と同様に大麻取締法違反として刑事罰の対象となります。
大麻カートリッジを所持していた場合は、最大で5年以下の懲役刑を受ける可能性があります。
さらに、その所持が営利目的であった場合はさらに刑が加重され、7年以下の懲役又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金が科される可能性があります。

大麻リキッドの所持が発覚すると

警察官からの職務質問などで、乾燥大麻が見つかった場合は簡易鑑定の結果で大麻であることが判明すれば現行犯逮捕される可能性が高いです。
一方で、大麻リキッドの場合は簡易鑑定をすることができないため、当日は帰宅を許され、本鑑定の結果次第で通常逮捕に至ることが多くあります。
大麻リキッドの所持で警察から後日逮捕された場合は逮捕、勾留含め最大23日間警察署の留置施設で過ごすことになります。
両親や友人などは、逮捕段階では面会できず、被疑者が勾留されれば一般面会が可能になります。
しかし、大麻を含む薬物事件の場合、接見禁止というかたちで一般面会が禁止されることが多く、勾留段階であっても一般面会ができない場合もあります。
これに対し、弁護士であれば、逮捕段階や勾留に接見禁止がついている場合でも接見することができます。
そのため、現在の状況が知りたい、逮捕又は勾留されている方に伝えたい、聞きたいことがあるとお考えの方は、弁護士に依頼して初回接見にいってもらうことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は大麻取締法違反事件といった薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
大麻取締法違反で前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】大学生の大麻所持・覚醒剤所持事件

2023-08-06

20歳の大学生が大麻や覚醒剤を所持していたとして警察に逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

「20歳の大学生のAさんは、一人暮らしのアパートにいたところ、突然、警察が自宅にやって来て、家宅捜索を受けました。
Aさんの自宅から、大麻草や覚醒剤が見つかったことから、Aさんは逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)

大学生による大麻取締法違反・覚醒剤取締法違反

ここ最近、大学生による違法薬物事件が多く報道されていますが、事例の大学生のAさんも、大麻覚醒剤をそれぞれ所持していたことによって警察に逮捕されています。
大麻をみだりに所持していた場合は、大麻取締法24条の2第1項によって、5年以下の懲役刑が科される可能性があります。
覚醒剤を所持していた場合は、覚醒剤取締法41条の2第1項によって、10年以下の懲役刑が科される可能性もあります。

また、大麻や覚醒剤を単に自分で使用するために所持しているのではなく、誰かに売って利益を得るために所持していたという場合(営利目的の所持)は単純な所持の場合よりも刑が重くなります。
大麻を営利目的で所持していた場合は、大麻取締法24条の2第2項によって、7年以下の懲役刑か、又は情状により7年以下の懲役刑と200万円以下の罰金刑が併せて科される場合もあります。
覚醒剤を営利目的で所持していた場合は、覚醒剤取締法41条の2第2項によって、1年以上の有期懲役刑か、又は情状により1年以上の有期懲役刑と500万円以下の罰金刑が併せて科される可能性があります。

他にも、尿検査の結果、大麻や覚醒剤の使用が判明した場合、大麻の使用は罰則の対象にはなっていませんが、覚醒剤の使用は罰則の対象になります。
覚醒剤取締法19条では、研究のために使用する場合などの一定の場合を除いて、覚醒剤を使用することを禁止しています。
法律で定められた除外事由がないのに覚醒剤を使用した場合は、覚醒剤取締法19条違反となり、同法41条の3第1項1号によって、10年以下の懲役刑が科されることになります。

大学生のお子さんが大麻取締法や覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたら

逮捕されると、その後の勾留や勾留延長を含めて、最長で23日間にわたって、身体が拘束される可能性があります。
また、事例のように、自宅から大麻草や覚醒剤が見つかったという場合は、1度目の逮捕・勾留は大麻取締法違反でなされて、その後、身柄の拘束期間が経過すると、今後は、覚醒剤取締法違反で2度目の逮捕・勾留がなされるという場合もあり得ます。
そのため、大学生のお子さんが大麻取締法や覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたことを知ったら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらい、事件の見通しや今後の流れについてアドバイスを貰われることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
大学生のお子さんが大麻取締法や覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】17歳の高校生が大麻所持で逮捕

2023-07-28

17歳の高校生が大麻を所持していたとして大麻取締法違反の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

17歳の高校2年生のAさんは、深夜にコンビニ前で仲間たちと集まって話していたところ、周囲を警ら中の警察官から声をかけられました。
Aさんは、とっさにその場から離れようとしましたが、その際、ポケットにしまっていた大麻草が入ったパケ袋を落としました。
これを見た警察官がAさんに事情を聞いたところ、Aさんは『大麻です』と認めました。
Aさんは大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)

17歳の高校生が大麻を所持すると?

事例のAさんはポケットに大麻草が入ったパケ袋をしまっていたので、大麻を所持していたことになります。
大麻の所持については、大麻取締法大麻取締法24条の2第1項において、
「大麻をみだりに所持した者を5年以下の懲役に処する。」
と規定していますので、刑罰の対象になる行為になります。

もっとも、今回、大麻所持という罪を犯したAさんは17歳の高校生です。
このような、罪に当たる行為をした人が14歳以上20歳未満である場合には、犯罪少年として少年法が適用されることになります(少年法3条1項1号参照)。
そのため、17歳の高校生が大麻を所持していたとしても、5年以下の懲役刑が科されるというわけではありません。
少年法の目的は、罪に当たる行為をした少年の更生・保護にありますので、基本的には、犯罪少年は刑罰を受ける代わりに、家庭裁判所が審判を開いて、最終的に犯罪少年の最終的な処遇を決定することになります。
家庭裁判所が犯罪少年の処遇を決定することを「保護処分」といいますが、保護処分には、少年院送致保護観察児童自立支援施設・児童養護施設送致の3種類があります。
少年院送致は、少年を少年院に入所させて、そこで更生のための措置を受けてもらうもので、保護処分の中で一番重いものになります。
保護観察とは、少年を少年院に入所させることなく社会の中で、保護観察官や保護司と呼ばれる人から指導・助言を受けつつ更生のための生活を送るものです。
児童自立支援施設・児童養護施設送致とは、少年を児童自立支援施設、児童養護施設といった児童福祉施設に収容して、そこで少年の更生のための支援・指導を行っていくものになります。

17歳の高校生のお子さんが大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまってお困りの方は

17歳の高校生が大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまった場合は、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
少年事件については、通常の刑事事件と異なる手続きで事件が進んでいくことになりますので、初回接見に向かった弁護士から、今後についてしっかりとした説明を受けて今後の見通しを把握しておくことは重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は通常の刑事事件のみならず、薬物を含む各種の少年事件も専門に取り扱う法律事務所です。
17歳の高校生のお子さんが大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまってお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

(事例紹介)危険ドラッグの所持が発覚し逮捕

2023-06-07

【事例】
 

 Aさん(20代・会社員男性)は,仕事が休みだったこともあり,埼玉県川越市へ小江戸観光に訪れていました。

 日も暮れて,ひとしきり観光を楽しんだことから帰宅しようとしたところ,埼玉県警察の自動車警ら隊の警察官から停止を求められて,職務質問を受けることになりました。
 Aさんは職務質問に素直に応じ,カバンを見せたところ,ラベルの貼っていない小瓶が見つかりました。
 その小瓶は,Aさんが以前,繁華街で外国人から購入したもので,「RUSH(ラッシュ)」と呼ばれる危険なドラッグだったのです。
 そして,Aさんは捜査の結果,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律違反」の罪で検挙されてしまいました。

※ 本件事例はフィクションです。

 


【解説】

危険ドラッグ【RUSH(ラッシュ)】とは?

 芸能人タレントの方々が所持していて逮捕された報道を見てご存知の方も多いかと思います。
 RUSHとは,亜硝酸エステルを主成分とする薬物で,以前は工業のほか,青酸化合物中毒の治療や狭心症などの医療に使用されていました。
 人体に与える影響としては,血管を拡張させ,肌の紅潮やお酒を飲んだ際の酩酊状態に似た感覚のほか,性的な興奮を及ぼします。
 日本国内においては,2006年に指定薬物とすることが決定され,輸入することや販売することが禁止され,現在は違法薬物薬機法における「指定薬物」,脱法ドラッグ等と呼ばれることもあります)と位置付けられています。
 もし,日本国内で所持していた場合,次に紹介する法律で処罰されることにもなりかねませんので,仮に「合法」や「アロマ」「消臭剤」「芳香剤」といった謳い文句であっても注意が必要です。

 そういった違法な薬物を所持していた場合や使用した場合,どのような罪に問われてしまうのか。

 


【医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律】

指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない
(第76条の4)

 
 一般に使用される風邪薬や睡眠導入剤なども,大小様々な効果,効能があり,それらを医師や薬剤師が症状に合わせて人体に悪影響が出ないように処方して使用されているのです。

 昨今の新型コロナウイルスの予防接種を受けて副反応で辛い思いをしたり,中には,一般に処方や販売がされている薬を服用したことで,気分が悪くなったり,発疹が出てしまったりという経験をされた方もいらっしゃるかと思います。
 医師や薬剤師が調整し処方した薬や,一般に販売されている薬を服用しても場合によっては人体に何らかの影響を及ぼしてしまうおそれがある医薬品や医療機器が,適正に使用されなかったら怖いかと思います。
 そうしたことが起こらないように,数多くの条文で,事細かにその使用や管理について定められているのです。
 そして,上で紹介した条文では,法律に指定された薬物は,治療や予防などの正しい用途で使用しなければならないと規定しているのです。
 もし,この法律に違反してみだりに指定薬物所持したり使用したりしてしまった場合

    3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する

と,処罰されてしまうおそれがあります。

 今回の事例におけるAさんは,指定薬物である「RUSH」を,医療等の本来の目的ではなくあくまで私的な理由により所持していたことから,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保に関する法律違反」として処罰されてしまうと考えられます。

 


【事務所紹介】
 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弊所へお越しいただいての初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881までお気軽にお電話ください。

(事例紹介)密売目的で大麻を所持した疑いで男が逮捕②

2023-05-10

前回に引き続き、増加傾向にある大麻事犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説していきます。

 【事例】 

密売目的で大麻を所持したとして、愛知県警薬物銃器対策課は14日までに、大麻取締法違反容疑で、人気音楽グループのメンバーの1人を逮捕した。
同課は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は13日午前6時20分ごろ、自宅マンション26.16グラムを営利目的で所持した疑い。 

(4月14日配信のJIJI.COMの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)

 

 

 【大麻の種類別の押収量】 

平成30年から令和4年度までの押収量をみると、乾燥大麻に関しては増減を繰り返しながらほぼ同数にとどまっています。

しかし、大麻樹脂については押収量が増加しており、大麻リキッドなどの大麻濃縮物に関しては、令和3年度が22.2kgであったのに対して令和4年度は74kgと3倍以上にもなっています。

 

 【大麻の初使用年齢と経緯について】 

大麻所持で逮捕された者へのアンケートによると、初めて大麻を使用した年齢は、20歳未満が約52%で、20歳代が約33%と、30歳未満で全体の85%をも占める結果となっています。
また、平成29年度から20歳未満の者の初使用年齢の割合が増加しており、20歳未満の者らに大麻の乱用が広がってきているようです。
また、使用の経緯も「誘われて」が最多だったらしく、友人や先輩、後輩などの繋がりから断り切れず大麻に手を染めてしまうことが多いようです。

「違法じゃないから」「みんなやっているから」「リラックスできる」など、甘い言葉で誘われたり、「ノリが悪いと思われたくない」「一回だけなら大丈夫」といった甘い考えで、大麻に手を出してしまったが最後、その後も大麻を求め、繰り返し吸引してしまう人、より強い一時的な快楽を求めて他の違法薬物に手を染めてしまう人も決して少なくありません。

大麻取締法違反で逮捕された人のうち、再び同罪種で逮捕されてしまう割合は、全体の23.7%となり、逮捕された人のおよそ4人に1人となっています。あまり多くないようにも感じるかもしれませんが、これは同一罪種、すなわち、大麻取締法違反の前科がある人が再び大麻を所持したことに限った割合です。

大麻を使用した人覚醒剤MDMAなど他の薬物に手を染めてしまう事例も珍しくないため、「違法な薬物には一切かかわらない」という強い意志や高い規範意識を持つことが大切です。

また、万が一、大麻や違法薬物に手を染めてしまった場合、専門の医療機関を受診するなど、今後、その欲求を抑えるための治療が必要となってくるでしょう。

(以上の内容は、警視庁組織犯罪対策部の「令和4年における組織犯罪の情勢」を参考にしています。)

 

 【大麻所持罪】 

大麻は、大麻取締法によって規制されています。
行為としては、栽培、輸入・輸出、所持、譲渡、譲受等を禁止しており、違反した場合の罰則が規定されています。
大麻取締法は、大麻を不法に所持することを禁止しており、これに違反すると、非営利目的の場合は「5年以下の懲役」が科せられる可能性があります。
また、営利目的で所持していた場合には「7年以下の懲役情状によって200万円以下の罰金を併科と法定刑が厳罰化されています。

 

 【大麻取締法に強い弁護士】 

 大麻取締法違反の弁護活動を得意とする弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料相談のご予約をフリーダイヤル0120-631-881にて24時間、年中無休で受け付けております。
まずは、お気軽にお電話下さい。
 また、ご家族、ご友人が逮捕された場合は、初回接見サービスをご利用ください。

 

(事例紹介)密売目的で大麻を所持した疑いで男が逮捕①

2023-05-03

 【事例】 

密売目的で大麻を所持したとして、愛知県警薬物銃器対策課は14日までに、大麻取締法違反容疑で、人気音楽グループ「変態紳士クラブ」のメンバーの1人を逮捕した。
同課は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は13日午前6時20分ごろ、自宅マンションで乾燥大麻26.16グラム営利目的で所持した疑い。 
(4月14日配信のJIJI.COMの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)

 

今回と次回の2回に分けて、増加傾向にある大麻事犯について解説していきます。

 

 【大麻事犯の検挙人員について】 

薬物事犯全体の検挙人員(=警察が検挙した被疑者の人数)については、近年、横ばい状態が続いています。
もっとも、個々の薬物について見てみると、検挙人員が一番多い覚せい剤事犯については、年々減少しています。
第三次覚せい剤乱用期のピークとされていた平成9年からみると半分以下の検挙人員になっています。
しかし、大麻事犯の検挙人員については、令和4年度に関しては前年を少し下回ったものの平成26年からは増加が続き、令和3年度には過去最高を記録していました。
また、大麻事犯のうち営利犯の検挙人員は、近年増加傾向にあり、平成30年の検挙人員は212人だったのに対し、令和4年には436人と倍以上の人数になっています。
このように、近年では営利目的を含む大麻事犯については増え続けています。

 【大麻事犯の年齢構成】 

令和4年度における大麻事犯の年齢別検挙人員の構成比率を見ると、20~29歳の割合が53.4%をも占めており、20代が大麻事犯の中心層と考えられます。
また、最近若年層の大麻に関するニュースを耳にすることが多くありますが、これはデータの上でも顕著になっています。
平成30年の段階では、薬物事犯の検挙人員の構成比率において20歳未満が占める割合は12%ほどで人数としても429人ほどでした。
しかし、令和4年では、17%に上昇しており、検挙人員の数も、912人と倍以上になっています。

大麻はその性質から、薬物犯罪の入り口と言われ続けてきました。

以前は乾燥大麻を「煙草のように加熱して吸引」したり、食べ物のように「調理し、食べることで経口摂取する」という方法が一般的でした。

しかし、近年はシーシャという水タバコが若い世代に流行したことも、同世代における大麻事犯が増加傾向にある一因とも言えます。

シーシャ(水タバコ)は、水パイプと言う専用の器具を用いて喫煙をする喫煙具の一種です。

専用器具を有するため、シーシャ(水タバコ)を日常的に嗜む愛煙家でない限りは、シーシャバーなどの店舗で楽しむものでしたが、最近では電子タバコのように軽量化かつ小型化した専用器具で、誰でも手軽に楽しめるようになっています。

携帯型のシーシャ(水タバコ)は、本体に「リキッド」と呼ばれる水溶液のカートリッジを接続し吸引します。

このカートリッジにCBD(カンナビジオール/Cannabidiol)と呼ばれる成分が含まれていることがあります。

詳細は割愛しますが、適切な方法で精製、輸出入されているものであれば法律に違反することは多くありませんが、違法成分が含まれていることも少なくありません

合法と聞いていたから吸っていた、違法なものだと知らなかったとしても、大麻を所持し、使用してしまえば、犯罪行為として処罰されるおそれがありますし、近年では若い世代の大麻事犯が増加傾向にある事からも、その取り扱いには細心の注意を払う方が良いと言えます。

(以上の内容は、警視庁組織犯罪対策部の「令和4年における組織犯罪の情勢」を参考にしています。)

 

 【大麻取締法に強い弁護士】 

 大麻取締法違反の弁護活動を得意とする弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料相談のご予約をフリーダイヤル0120-631-881にて24時間、年中無休で受け付けております。
まずは、お気軽にお電話下さい。
 また、ご家族、ご友人が逮捕された場合は、初回接見サービスをご利用ください。

 

(事例紹介)モデルの女性が「MDMA」所持で逮捕 

2023-04-15

【 事例 】

 合成麻薬MDMAを所持したとして、ファッションモデルの女性が麻薬特例法違反(規制薬物所持)容疑で警視庁に逮捕されたことが20日捜査関係者への取材で判明した。
 捜査関係者によると、容疑者は東京都内のホテルの部屋で合成麻薬MDMAを所持した疑いが持たれている。ホテルには知人と滞在していたという。
 海外から到着した知人宛ての荷物の中にMDMAが隠されているのを東京税関の職員が発見。送り先になっていたホテルに荷物が届いた際に、警視庁の捜査員が部屋に踏み込み、容疑者と知人をその場で現行犯逮捕したという。
(3月20日配信の毎日新聞のニュース記事を引用。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)

【MDMAとは】

MDMAとは名称を「メチレンジオキシメタンフェタミン」と言います。
合成された麻薬の一種であり、俗称でエクスタシーやモリ―などと呼ばれています。
本来は白色結晶性の粉末ですが、多くは様々な色に着色され、文字や刻印の入った錠剤の形で密売されています。
MDMAは脳内のセロトニン等を過剰に放出させるため、多幸感や他者との共感などの感覚が強まるようです。
経口摂取してから、30分から1時間程度で効果が表れ、その効果が4時間から6時間程度持続すると言われています。
副作用としては、効果が切れた後の強い不安や不眠に悩まされる場合があります。また、精神依存性があるため乱用を続けることによる、腎臓や肝臓の障害や記憶障害などの症状も表れます。

【MDMAの法規制について】

MDMAについては、麻薬および向精神薬取締法(以下「麻薬取締法」という)によって規制されています。
禁止される行為としては、輸入、輸出、製造、小分け、譲り渡し、譲受け、交付、施用、所持、廃棄などです(麻薬取締法第12条1項)。
今回の事例のように、MDMAを所持した場合の罰則について見てみると営利目的がなかった場合は「7年以下の懲役」となっています
(麻薬取締法66条1項)。
もっとも、営利目的があった場合は刑が加重され「1年以上10年以下の懲役、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金が科せられます(麻薬取締法66条2項)。

【MDMAの所持等が発覚し捜査、逮捕された場合】

薬物事件では、所持量や使用頻度、営利目的の有無などが考慮されます。
また、薬物事件の場合、初犯であっても起訴された後、裁判で有罪になる可能性があります。
そのため、警察に事件が発覚した場合は、早い段階で弁護士に依頼し、今後の捜査や裁判での対応方法について適切なアドバイスを受けることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、MDMAの所持罪を含む薬物事件に強い弁護士が多数在籍しています。
MDMAの所持が警察に発覚し、警察から取調べを受けている又はご家族が薬物犯罪で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお電話下さい(フリーダイヤル0120-631-881)。

 

« Older Entries