薬物別―大麻

1 薬効など

大麻の通称には、草、葉っぱ、マリファナ、ハシッシュ、ハシッシュオイルなどがあります。

大麻には、マリファナと呼ばれる乾燥大麻、ハシッシュと呼ばれる大麻樹脂、ハシッシュオイルと呼ばれる液体大麻があります。

大麻は、独特の香りがします。刺激的な強い香りで、甘い香りと感じる人もいますが、クサいと感じる人もいます。

大麻は、パイプやジョイント(紙巻き煙草のようなもの)に詰めて点火して吸引する方法が一般的ですが、水に溶かしたり、ケーキなどの食べ物に混ぜたりして摂取することもできます。

大麻を摂取すると、気分が快活、陽気になり、よくしゃべるようになる一方、身体の感覚が敏感になったり、時間の観念が混乱して、思考が分裂し、感情が不安定になったりします。

このため、興奮して暴行等を行ったり、幻覚や妄想等に襲われるようなったりします。

また、長期間使用を続けると、物事に関心を示さなくなる「無動機症候群」が発現することもあります。

「大麻取締法」は、無免許・無許可での栽培、輸出入、所持、譲渡、譲受等について罰則を設けています。

その他にも「麻薬特例法」による規制もあります。

 

2.大麻の薬理作用

大麻の薬理作用としては以下のものが挙げられます。
下記の薬理作用を見ていただくと、大麻摂取がいかに危険であるか理解していただけると思います。

 

①知覚機能への影響

大麻を使用すると感覚が鈍くなったように感じ、物の細部がよく見え、音や色彩が鮮やかに感じられ、時間が遅く感じられたりします。

また、使用時の状態によっては、不安感や恐怖に襲われパニック状態になることもあります。大量使用では、幻覚などを伴う精神病状態が現れることがあります。

 

②大麻精神病

大麻の使用が、稀に、大麻誘発性精神病性障害(いわゆる大麻精神病)を誘発することがあり、とくに遺伝的な要因を持つ人では、危険が大きいといわれます。

 

③短期記憶、学習機能への影響

短期記憶を保持する海馬の機能が一時的に損なわれることで、学習能力に影響を及ぼします。

とくに大量使用すると認知機能が著しく損なわれます。

 

④運動機能への影響

身体のバランスが取れなくなったり、資源に対する反応が遅れたりするので、機械の操作や車の運転、運動競技などに影響が現れます。

大麻を使用して多幸感が消えた後も、8~12時間にわたって運動機能への影響は持続します。

 

⑤身体的な影響

大麻を喫煙することによって、肺や呼吸器が損傷され、がんのリスクが高まると言われています。

 

3 法定刑と裁判の種類

(1)輸出・輸入・栽培

ア 営利目的がない場合
法定刑は7年以下の懲役です。通常の公判手続に付されます。

イ 営利目的がある場合
法定刑は10年以下の懲役で、情状により300万円以下の罰金が併科されます。
通常の公判手続に付されます。

 

(2)譲渡・譲受・所持

ア 営利目的がない場合
法定刑は5年以下の懲役です。
通常の公判手続に付されます。

イ 営利目的がある場合
法定刑は7年以下の懲役で、情状により200万円以下の罰金が併科されます。
通常の公判手続に付されます。

 

4 弁護活動

①身に覚えがない場合

大麻取締法違反事件は、故意犯です。そのため、犯行当時それが違法薬物であることの認識があったかどうかが重要なポイントになります。

大麻などの薬物の存在に気づいていなかった・違法薬物であることを認識していなかった場合には,そのような事情を客観的な証拠に基づいて主張・立証します。

こうした主張が認められた場合、大麻所持などの犯罪が成立しないとして不起訴処分や無罪判決を勝ち取ることができる可能性があります。

不起訴処分を受けると、前科が付きませんので、早期に社会復帰することができます。

大麻取締法違反事件で逮捕・勾留されたらすぐに弁護士に相談してください。

早期に弁護士に相談することで、事件の全体像を把握した上、適切な弁護方針を立て弁護活動を行います。

 

②身に覚えがある場合

大麻取締法違反事件の場合、逮捕から勾留、起訴、起訴後勾留と身柄拘束が長期化しやすいといえます。

それは、犯罪の客観的な証拠があり、大麻の入手ルートなどの解明をする必要があると共に、共犯者などがいる場合、証拠隠滅をしやすいことなどが理由となります。

大麻取締法違反事件の経験豊富な弁護士は、逮捕・勾留段階から身柄拘束をする決定に対して不服申し立てを行います。

また起訴後には、保釈請求をするなど、早期に身柄拘束を解くための弁護活動を行います。

長期の身柄拘束は、その後の社会復帰にも悪影響を及ぼすため、早期に身柄拘束を解くための弁護活動を行います。

 

③裁判になった場合

大麻取締法違反事件の場合、初犯の場合であれば、執行猶予判決で終了することもあります。

しかし、営利目的であったり、大量の大麻を扱っていたりした場合には、厳しい処罰が下されることもあります。

また、大麻取締法違反は繰り返し行ってしまうことが多いため、再犯の場合にも実刑判決となる可能性が高くなります。

弁護士としては、執行猶予判決の獲得へ向け、本人の反省や薬物を断つことのできる環境を整備することにより、社会内更生が十分に可能であることを説得的に主張していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、大麻取締法違反事件の経験豊富な弁護士による最善のアドバイスを受けることができます。

刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。

被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。

 

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