大麻事件で前科がつくデメリットは?前科がつかないための対処法は?

大麻の所持や使用等によって起訴されてしまうと、ほとんどの確率で前科がつくことになります。前科がつくことで様々なデメリットが生じる危険があり、今後の生活に影響が及ぶ可能性も少なくありません。
本記事では、大麻事件で前科が付くデメリットや前科がつかないための対処法について解説していきます。
前科とは何か、前科をつけないために弁護士ができることについても解説していくので、大麻事件を起こしてお困りの方はぜひ参考にしてください。
前科とは
「前科」という言葉は日常でよく耳にするものの、法律上の正確な意味を知っている方は少ないかもしれません。前科とは、刑事裁判で有罪判決を受け、刑が確定した記録のことです。罰金刑・執行猶予付き判決・実刑判決のいずれであっても、有罪判決を受けた時点で前科がつきます。前科は警察や検察のデータベースに記録され、その後の人生にさまざまな形で影響を与えます。
前歴との違い
前科と混同されやすい言葉に「前歴」があります。前歴とは、捜査の対象となった記録のことです。逮捕されたり、任意の取調べを受けたりした場合でも、不起訴処分や無罪判決で終われば前科はつきません。しかし、捜査を受けた事実自体は前歴として警察の内部記録に残ります。
つまり、前科と前歴の最大の違いは「有罪判決があるかどうか」という点です。前歴は一般への公開はされず、就職や海外渡航への影響も基本的にはありません。一方で前科は、さまざまな法的・社会的な場面で影響を及ぼします。
前科は消える?
刑法上の規定では、刑の執行が終わった後、一定期間が経過すると「刑の消滅」が認められます。具体的には、拘禁刑以上の刑については10年、罰金刑については5年が経過し、その間に再犯がなければ、刑法上は刑が消滅したとみなされます(刑法第34条の2)。
ただし、これはあくまでも刑法上の話です。警察や検察が保有する内部の記録が完全に消えるわけではありません。また、民間企業が行う身元調査では影響が残る場合もあるため、「前科が消えた」と安易に考えるのは注意が必要です。
大麻事件で前科がつくデメリット
大麻事件で前科がついた場合、日常生活にはどんな影響があるのでしょうか。就職・職場・海外渡航・再犯時の処分など、複数の面でデメリットが生じます。具体的に何が起こり得るのか、一つひとつ確認していきましょう。前科の影響は「取り返しのつかない変化」につながることもあります。
①職場を解雇されるおそれがある
前科がつくと、現在の職場を解雇されるリスクがあります。多くの企業では、就業規則に「禁錮以上の刑に処せられた場合は解雇する」といった条項が設けられています。有罪判決を受けた場合、この条項に基づいて懲戒解雇の対象となるケースがあります。
特に、公務員・医師・弁護士・教員など、国家資格が必要な職種では、刑事罰を受けることで資格の取消しや登録の抹消が定められている場合があります。資格を失えば、その職種での就業継続は難しくなります。大麻事件で有罪判決を受けた場合、職場の規定次第では即日解雇もあり得ます。現在の職を守るためにも、前科をつけないことが大切です。
②就職活動・転職活動に影響が及ぶ可能性がある
転職や再就職を目指す際にも、前科は大きな障壁になります。多くの企業では採用選考において履歴書への犯罪歴の記載を求めることがあり、虚偽申告は後日発覚した場合に解雇の原因となります。正直に申告すれば選考で不利になる、しかし隠せばリスクがある—という難しい状況に立たされます。
また、警備業・金融業・保育士など、特定の業種では法律上、前科を持つ者の雇用が制限されている場合があります。こうした業種への就職は事実上できなくなるケースもあります。将来のキャリアを守るためにも、前科がつかない結果を目指すことは非常に重要です。
③海外旅行する際に影響が及ぶ可能性がある
前科があると、海外渡航が制限される可能性があります。特に影響が大きいのはアメリカです。アメリカへの入国にはESTAという電子渡航認証が必要ですが、その申請では「薬物関連の犯罪で逮捕・有罪となったことがあるか」という質問が設けられています。前科がある場合は「はい」と回答する必要があり、入国が拒否されるケースがあります。
他の国でも、ビザ申請時に犯罪歴の申告を求める国は多く、大麻関連の有罪判決は審査に不利に働きます。観光・留学・出張など、さまざまな場面での海外渡航に支障が出ることになります。
④再犯時に処分が重くなる
前科があると、再び犯罪を犯した場合に処分が重くなります。裁判官は刑の量刑を決める際に、被告人の前科・前歴を考慮します。前科がある場合、「常習性がある」「反省がない」と判断されやすく、初犯よりも重い量刑が科される可能性が高くなります。
大麻事件の場合、大麻草の所持・使用・譲渡などは麻薬及び向精神薬取締法違反となり、再犯では初犯に比べて刑期が長くなる傾向があります。一度の前科が、次の事件でさらに深刻な結果をもたらすのです。
大麻事件で前科をつけないための対処法
大麻事件で前科をつけないためには、不起訴処分を獲得することが最も効果的な方法です。なぜなら、前科がつくのは有罪判決を受けた場合に限られるからです。検察官が不起訴処分を決定した場合、裁判は行われず、前科もつきません。
不起訴になるためには、検察官に「起訴する必要がない」と判断してもらう必要があります。具体的には、以下のような事情が考慮されます。
- 初犯であること
- 所持量が少量であること
- 深い反省の意思があること
- 再犯防止のための具体的な取り組みを行っていること
- 身元引受人や家族のサポートがあること
こうした事情を検察官に適切に伝えるには、弁護士の力が欠かせません。弁護士は検察官への意見書の提出や交渉を通じて、不起訴処分の獲得を目指します。逮捕直後から早期に弁護士に相談することが、前科をつけないための第一歩です。
大麻事件で不起訴を目指すには弁護士へ相談を
弁護士に依頼した場合、具体的にどのような弁護活動が行われるのでしょうか。取調べ対応から身柄解放、検察官への主張、再犯防止サポートまで、弁護士ができることは多岐にわたります。それぞれの活動内容を詳しく見ていきましょう。
取調べ対応のアドバイス
逮捕・任意同行の直後から、警察や検察による取調べが始まります。この取調べで不用意な発言をしてしまうと、後の裁判で不利な証拠として使われる可能性があります。弁護士は、依頼者が適切に権利を行使できるよう、取調べ対応についてのアドバイスを行います。
たとえば、「黙秘権」(自己に不利な供述を拒む権利)の行使方法や、署名・押印を求められた場合の対応などです。弁護士からのアドバイスをもとに取調べに臨むことで、後々の法的手続きで不利にならない対応が可能になります。取調べは専門知識がないと判断が難しい場面が多く、弁護士のサポートは大きな意味を持ちます。
逮捕・勾留された場合の身柄解放活動
大麻事件で逮捕された場合、最大で20日間勾留される可能性があります。勾留が長引くと、職場への影響や家族への負担が大きくなります。弁護士は、検察官や裁判官に対して勾留の必要性がない旨を主張し、早期の身柄解放を目指す活動を行います。
具体的には「勾留請求に対する意見書」の提出や、「準抗告」と呼ばれる不服申立てを行うことがあります。身柄が早期に解放されれば、仕事や家庭生活への影響を最小限に抑えられます。早期に弁護士に接見(面会)を依頼することが、この活動の第一歩です。
検察官への意見主張
不起訴処分を獲得するためには、検察官に対して積極的に意見を主張することが重要です。弁護士は、依頼者の反省の態度、初犯であること、家族の支援状況、再犯防止に向けた具体的な取り組みなどをまとめた「意見書」を検察官に提出します。
検察官は起訴・不起訴を判断する際に、こうした事情を考慮します。弁護士が適切に主張することで、「起訴するまでもない」と判断してもらえる可能性が高まります。弁護士なしに個人で検察官と交渉するのは難しく、専門家に任せることが現実的です。
再犯防止に向けたサポート
検察官が不起訴を判断する際、再犯のリスクが低いかどうかも重要な判断基準の一つです。弁護士は、依頼者が薬物依存から抜け出し、再犯しない環境を整えるためのサポートも行います。
具体的には、薬物依存の専門機関(ダルクなど)への相談を促したり、家族に協力を求めて監督体制を整えたりすることがあります。こうした取り組みを証拠として示すことで、検察官に「再犯の可能性が低い」と伝えられます。再犯防止への取り組みは、不起訴獲得のための重要なアピールポイントです。
【事務所紹介】大麻事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。大麻関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。
ここからは、弊所の特徴をご紹介します。
弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件に関する法律相談はどなた様でも初回無料でご利用いただけます。
無料相談に関するお問い合わせは、土日祝日を含め、24時間365日体制で受け付けております。刑事事件・少年事件の当事者となりお困りの方は弊所フリーダイヤル「0120-631-881」までお電話ください。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
お急ぎの方につきまして、お電話いただいたその日中に無料相談・初回接見などの弁護サービスをご提供しております。弁護士のスケジュール次第では、お電話口で事情をお伺いしてすぐに無料相談・初回接見などの弁護サービスを受けていただくことも可能です。
「今日警察で取調べがあるから緊急で相談したい」や「今朝家族が逮捕されてしまったから少しでも早く接見に行ってほしい」など、お急ぎの方につきましてもご対応させていただける場合がございますので、いつでも弊所までお電話ください。
弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍
弊所は刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う法律事務所で、当該分野における知識と経験が豊富な弁護士が多数在籍しており、高い実績を誇ります。
刑事事件・少年事件の当事者の方、あるいはご家族が当事者となりご不安やご心配を抱えている方に対して、少しでもそのご不安やご心配を取り除くことができるよう、依頼者様・ご相談者様のご意向や疑問に真摯に耳を傾け、最善の弁護活動を行ってまいります。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
弁護士に相談・依頼することを躊躇される方が心配されることの一つとして弁護士費用が考えられます。弊所では、弁護士費用につきましては事前に分かりやすく料金を提示させていただいております。
どなた様でも安心してクオリティの高い弁護サービスをご利用いただけるように、弁護士費用はシンプルかつ明朗会計となっております。ご依頼の前に、必ず、弁護士から直接、事件に応じた適正な料金額をご説明させていただきますのでご安心ください。
弊所の弁護士費用について詳しく知りたい方はこちら▼
【解決実績】前科を回避した大麻事件
ここからは、実際に弊所が弁護活動の依頼を受けた大麻関連事件をいくつかご紹介します。事案の内容や具体的な弁護活動について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
不起訴処分で前科回避した事例①
ご依頼者様(地方公務員)は、仕事で大麻や覚醒剤などの薬物を検査をしており、薬物の保管・破棄には届出等の手続きが必要であったにもかかわらず、それをしていなかったことから捜査機関から覚醒剤取締法違反、大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反の被疑者として捜査を受けることになりました。
ご依頼者様にはお子様がいて今後も教育費が必要になることから再就職を強く望んでおられました。しかし、前科が付いてしまうと再就職が困難になることが予想されるため、前科が付くことを阻止するため(起訴を避けるため)の弁護活動を行う必要がありました。
弁護士は、検察官に対して寛大な処分を求める意見書を提出するなどの弁護活動を行い、結果として全ての事件について不起訴処分を獲得することができました。
本事案の弁護活動の詳細はこちら▼
不起訴処分で前科回避した事例②
ご依頼者様のご子息様が運転する車の中から微量の大麻が見つかり、ご子息様は大麻取締法違反(※現在は麻薬及び向精神薬取締法違反)で逮捕されました。
初回接見に向かった弁護士がご子息様からお話を聞いたところ、自分の物ではないと否認しており、話の内容に矛盾もなかったことから、取調べに対しては黙秘することをアドバイスしました。
本件には接見禁止が付いていて、ご家族様が面会に行くことができなかったため、弁護士は接見禁止の一部解除を求める意見書を裁判所に提出し、裁判官とも面談を行い、接見禁止を一部解除することができ、ご家族様が面会に行けるようになりました。
そして、弁護士による不起訴処分獲得に向けた弁護活動が功を奏し、無事に不起訴処分を獲得することができました。
本事案の弁護活動の詳細はこちら▼
不起訴処分で前科回避した事例③
大麻草を所持していたことから息子様は大麻取締法違反事件(※現在は麻薬及び向精神薬取締法違反)で逮捕されました。
弁護士が接見に向かい話を聞いたところ、所持していた大麻草の量が微量であること、今回が全くの初犯であったことなど有利な事情が確認されました。そこで、依頼を受けた弁護士は、身柄拘束が長期化しないように取調べ対応をアドバイスするとともに、検察官に対しては上記有利な事情や家族による監督体制が整っていることなどを主張して不起訴処分とすべきであると訴えました。
このような刑事弁護活動の結果、息子様は早期に身柄解放されるとともに不起訴処分を獲得することができました。
本事案の弁護活動の詳細はこちら▼
不起訴処分で前科回避した事例④
息子様は鞄の中に乾燥大麻を所持していたところ、職務質問により大麻所持が発覚し大麻取締法違反(※現在は麻薬及び向精神薬取締法違反)で逮捕されました。
弁護士が接見時に事情を聞いたところ、大麻の所持量が少なく、使用頻度も多くはなかったこと、大麻に対する依存も無いことから刑罰を科す必要はないと考えられました。また、息子様が勾留中に大麻の危険性に関する本を読むなどして理解を深めていたことから、大麻とは無縁の生活を送る決意を固めていました。
このような息子様の反省の状況や大麻に依存していない状況を検察官に対して主張した結果、今回の事件に限り起訴しないという起訴猶予による不起訴処分を獲得することができました。
本事案の弁護活動の詳細はこちら▼
不起訴処分で前科回避した事例⑤
娘様は大麻を有償で知人に譲渡しており、約半年後に所持・有償譲渡により大麻取締法違反(※現在は麻薬及び向精神薬取締法違反)で逮捕されました。
勾留期間終了後、娘様は大麻の所持で再逮捕されてしまいました。ご依頼者様としてもご本人様の薬物依存に対する治療をすぐにでも開始したいということもあり、弁護士は「勾留に対する意見書」を作成・提出し、勾留阻止に成功しました。
釈放されてからも検察官と処分交渉を重ねた結果、最終的に大麻の有償譲渡、所持ともに不起訴処分を獲得することができました。
本事案の弁護活動の詳細はこちら▼
【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙
実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。

大麻事件で前科をつけないためには不起訴を目指す
大麻事件で前科がつくと、職場での解雇リスク・就職活動への影響・海外渡航の制限・再犯時の重罰化など、人生に長く影響するデメリットが生じます。これらを避けるためには、不起訴処分を獲得することが最も重要です。
不起訴を実現するには、取調べ対応・身柄解放活動・検察官への意見主張・再犯防止の取り組みなど、弁護士による多角的なサポートが欠かせません。大麻事件の疑いをかけられた場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談しましょう。早期の相談が、その後の結果を大きく左右します。