刑を軽くしてほしい
薬物で逮捕されたら懲役何年?初犯と再犯の懲役の違いも

「家族が薬物で逮捕されてしまったけど懲役何年になるのだろうか、、」
「薬物は初犯でも懲役刑になってしまうのだろうか、、」
このような不安を抱いている方に向けて、本記事では薬物犯罪で懲役刑(拘禁刑)になる可能性について解説していきます。
薬物犯罪と言っても薬物の種類や問われる罪は様々です。薬物に関する法律違反行為をした場合の罰則や、薬物犯罪で懲役刑を回避するためのポイントも解説していくので、ぜひ参考にしてください。
特に「初犯と再犯で懲役年数がどれだけ変わるのか」、「自分のケースでは何年になるのか」という疑問にお応えするため、量刑を左右する具体的な要素についても整理しています。
※法改正により、令和7年6月から懲役刑・禁固刑は「拘禁刑」に統一されています
薬物犯罪とは
薬物犯罪とは、違法な薬物の所持・使用・製造・譲渡・譲受・輸出入などを行う犯罪行為です。
日本では、覚醒剤・麻薬・大麻・あへん・危険ドラッグなど、さまざまな薬物が法律で規制されています。これらの薬物は、人体に重大な悪影響を及ぼし、依存性が高いということが大きな特徴。そのため、公衆衛生と社会秩序維持のため厳しく取り締まられているのです。
また、薬物犯罪を取り締まる法律は一つでありません。薬物の種類によって適用される法律が異なります。
主な法律として、覚醒剤取締法・麻薬及び向精神薬取締法・大麻草の栽培の規制に関する法律(旧大麻取締法)・あへん法・薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)・毒物及び劇物取締法などがあります。
薬物犯罪は懲役刑になる?
薬物犯罪に関する各法律には、いずれも懲役刑の罰則が定められています。
そのため、薬物犯罪で有罪となった場合、懲役刑に処される可能性は十分にあります。ただし、すべてのケースで必ず懲役刑になるわけではありません。薬物の種類・所持量・使用目的・前科の有無などの要素を総合的に判断して決定されます。初犯で所持量が少なく、営利目的でない場合には、執行猶予付き判決となる可能性が高まるでしょう。
ちなみに、冒頭でも記載した通り、2025年6月1日から刑法が改正され、従来の「懲役」と「禁錮」が統合されて「拘禁刑」という新しい刑罰に変わっています。拘禁刑では、刑務作業だけでなく、職業訓練・教育プログラム・社会復帰支援などから個々の受刑者に適した処遇を選択・組み合わせることができるようになりました。
薬物犯罪は懲役何年?
薬物犯罪の懲役刑の期間は違反した法律と行為の内容によって異なります。
各法律には、それぞれの違反行為に対する法定刑が定められており、裁判所はその範囲内で量刑を決定します。ここでは、主要な薬物関連法律について、具体的な罰則内容を解説していきましょう。
麻薬及び向精神薬取締法違反
麻薬及び向精神薬取締法は、ヘロイン・コカイン・合成麻薬(MDMA・LSDなど)などの麻薬や向精神薬を規制する法律です。
令和6年12月12日からは、大麻も「麻薬」として同法の規制対象に含まれることになりました。この法律では、麻薬の種類によって罰則の重さが異なっており、特にヘロイン(ジアセチルモルヒネ)については、他の麻薬よりも厳しい罰則が設けられています。
ヘロイン以外の麻薬の製剤・小分け・譲渡・譲受・所持・使用(施用)については、単純な場合で7年以下の拘禁刑が定められています(第66条第1項)(使用については第66条の2第1項)。営利目的で行った場合には、1年以上10年以下の拘禁刑または情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金に処されます(第66条第2項)。
ヘロイン以外の麻薬の輸入・輸出・製造については、単純な場合で1年以上10年以下の拘禁刑(第65条第1項1号)、営利目的の場合は1年以上の有期拘禁刑または情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金が科されます(第65条第2項)。有期拘禁刑は原則として20年が上限となるため、非常に重い刑罰といえるでしょう。
ヘロインについては、製剤・小分け・譲渡・譲受・交付・所持・使用・廃棄などの行為に対して、単純な場合で10年以下の拘禁刑が定められています(第64条の2、第64条の3)。営利目的の場合には、1年以上の有期拘禁刑または情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金が科される(第64条の2第2項、第64条の3第2項)ため、他の麻薬と比較して罰則が重くなっています。
向精神薬については、麻薬よりも刑が軽く設定されており、輸入・輸出・製剤・小分けについては単純な場合で5年以下の拘禁刑(第66条の3第1項)、営利目的の場合で7年以下の拘禁刑または情状により7年以下の拘禁刑及び200万円以下の罰金(第66条の3第2項)となります。
向精神薬の譲渡や譲渡目的の所持については3年以下の拘禁刑が定められています(第66条の4第1項)。営利目的の場合で5年以下の拘禁刑または情状により5年以下の拘禁刑及び100万円以下の罰金(第66条の4第2項)となります。
覚醒剤取締法違反
覚醒剤取締法は、一般名として知られているアンフェタミン(法律文中ではフエニルアミノプロパン)やメタンフェタミン(同フエニルメチルアミノプロパン)を含む覚醒剤を規制する法律です。
覚醒剤の所持・譲渡・譲受については、単純な場合で10年以下の拘禁刑(第41条の2第1項)が定められています。営利目的で行った場合には、1年以上の有期拘禁刑または情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金(第41条の2第2項)に処されます。
覚醒剤の使用についても、所持と同様に10年以下の拘禁刑(第41条の3第1項第1号)が法定刑として定められています。
覚醒剤の輸入・輸出・製造については、より重い罰則が設けられています。単純な場合で1年以上の有期拘禁刑(第41条第1項)、営利目的の場合には無期または3年以上の拘禁刑に処され、情状により無期または3年以上の拘禁刑及び1000万円以下の罰金が併科されることもあります(第41条第2項)。
大麻草の栽培の規制に関する法律(旧:大麻取締法)違反
大麻取締法の一部改正に伴い、「大麻草の栽培の規制に関する法律」と法律の名称も変更され、令和6年12月12日に一部施行が開始されました。(その後、令和7年3月1日に残りの部分が施行開始)
大麻の栽培については、大麻草の栽培の規制に関する法律により規制されており、単純な栽培で1年以上10年以下の拘禁刑(第24条第1項)、営利目的の栽培では1年以上の拘禁刑または情状により1年以上の拘禁刑及び500万円以下の罰金(第24条第2項)が定められています。
令和6年12月12日より前の大麻事犯については、旧大麻取締法が適用され、所持については5年以下の拘禁刑でしたが、法改正により7年以下の拘禁刑と罰則が重くなった点に注意が必要です。
薬機法違反
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、指定薬物を含む危険ドラッグなどを規制する法律です。
指定薬物を業として製造・輸入・販売・授与した場合、または販売・授与の目的で所持した場合には、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金が科され、またはこれらが併科されます(第83条の9)。
指定薬物の製造・輸入・販売・授与・所持・購入・譲受・使用については、単純な場合で3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれらが併科されます(第84条第1項第28号)。
医薬品等の無許可製造・販売については3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはこれらが併科されます(第84条第1項第20号)。虚偽・誇大広告等の禁止規定に違反した場合には2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはこれらが併科される可能性があります(第85条第1項第4号)。
薬機法違反については、2021年8月1日から課徴金制度も始まっており、虚偽または誇大広告に違反した場合、違反対象商品の売上の4.5%に相当する額(1億円なら450万円)が行政の裁量で課せられる可能性もあります。
毒物及び劇物取締法違反
毒物及び劇物取締法は、急性毒性による健康被害が発生するおそれが高い物質を毒物または劇物に指定し、保健衛生上の見地から必要な規制を行う法律です。
この法律では、興奮・幻覚・麻酔の作用を有する毒物または劇物をみだりに摂取・吸入したり、これらの目的で所持したりすることが禁止されています。違反した場合の罰則は、具体的な行為や物質の種類によって異なります。
毒物または劇物の無登録販売や、製造、譲渡手続きの違反など、法律で定められた規制に違反した場合には、3年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはこれらが併科されることが一般的です(第24条)。また使用、所持、業務その他の理由で販売をおこなった場合などは2年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(第24条の2)と定められております。
毒物及び劇物取締法は、主に業務上の規制を中心とした法律ですが、違法薬物の原料となる可能性のある物質についても規制しているため、薬物犯罪との関連で問題となることがあります。
あへん法違反
あへん法は、あへんやけしに関する規制を行う法律です。
あへんの輸入・輸出・製造については、単純な場合で1年以上10年以下の拘禁刑(第51条第1項)が定められています。営利目的の場合には、1年以上の拘禁刑、又は情状により1年以上の拘禁刑刑及び500万円以下の罰金とさらに重い罰則が科されます(第51条第2項)。
あへんの所持・譲渡・譲受についてに7年以下の拘禁刑(第52条第1項)が科されます。営利目的の場合は、1年以上10年以下の拘禁刑に処し、又は情状により1年以上110年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金に処する(第52条第2項)とあります。
初犯と再犯だと罪の重さが変わる?
薬物犯罪では初犯か再犯かによって量刑が大きく異なります。
一般的に、初犯の場合は執行猶予が付く可能性が高い一方で、再犯の場合には実刑判決となる可能性が高まります。これは、薬物犯罪の特性として再犯率が非常に高いことが背景にあるためです。
刑法上の「再犯」とは、懲役刑の執行が終わった日または執行の免除を得た日の翌日から5年以内に、さらに罪を犯して有期懲役刑に処された場合のこと。再犯の場合には、再犯加重という制度により、懲役刑の上限が2倍以下に引き上げられることになります(刑法第57条)。
たとえば、覚醒剤の所持で再犯となった場合、通常は10年以下の懲役刑ですが、再犯加重により20年以下の懲役刑となる可能性があります。
薬物犯罪に関する量刑相場
薬物犯罪の量刑相場は、薬物の種類や行為の内容によって異なります。
代表的な薬物犯罪である覚醒剤取締法と旧大麻取締法の量刑相場一覧表を作成しました。(参照:令和6年版犯罪白書)
【覚醒剤取締法】(令和5年度)
| 1年以上2年未満 | 47.2% |
| 2年以上3年未満 | 43.0% |
| 3年を超え5年以下 | 7.9% |
| 5年を超え10年以上 | 1.6% |
| 10年を超え30年以上 | 0.3% |
【大麻取締法】(令和5年度)
| 1年未満 | 66.3% |
| 1年以上2年未満 | 22.0% |
| 2年以上3年未満 | 10.7% |
| 3年を超え5年以下 | 1.0% |
| 5年を超え10年以上 | 0.1% |
薬物犯罪に関する再犯の量刑相場
薬物犯罪の再犯における量刑は初犯と比較して厳しくなります。
覚醒剤取締法違反の再犯の場合、初犯に比べ刑が加重されることになるため、より重い刑期が想定されるでしょう。(刑法第57条)。
執行猶予期間中に再び薬物犯罪を犯した場合、前刑の執行猶予が取り消され、前の刑と今回の刑を合わせた期間服役しなければならなくなります。
執行猶予期間が満了した後の再犯であっても、満了後5年以内であれば実刑となる可能性が高いとされています。これは、短期間で薬物犯罪を繰り返す場合、社会内での更生は難しいと判断されやすいためです。
再犯で執行猶予を獲得することは非常に困難ですが、以下の要件を満たせば「再度の執行猶予」が認められる可能性があります(刑法第25条第2項)。
- 再犯事件の裁判中、初犯事件の執行猶予中であること
- 執行猶予期間中に2年以下の懲役刑または禁錮の判決を受けること
- 情状に特に酌量すべきものがあること
- 保護観察中(再度の執行猶予で付されたもの)に罪を犯していないこと
※再度の執行猶予中、さらに再犯した場合、3度目の執行猶予を付することはできません
また、薬物犯罪については、「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律」により、一部執行猶予(刑法第27条の2以下)が認められやすくなっています。
薬物事件で懲役年数を左右する5つの要素
薬物事件で実際に懲役何年になるかは、法定刑の範囲内で複数の事情を総合的に考慮して決まります。量刑判断に特に影響するとされるのは、以下の5つの要素です。
- 薬物の種類と所持量
- 営利目的の有無
- 初犯か再犯か
- 反省と更生意欲の程度
- 家族・職場のサポート体制
1つ目の薬物の種類と所持量については、ヘロインや覚醒剤は他の薬物より重く処罰される傾向にあり、令和6年12月の法改正以降は大麻所持も5年以下から7年以下の懲役刑へ引き上げられました。所持量も自己使用前提の少量か譲渡前提と疑われる大量所持かで量刑は大きく分かれます。
2つ目の営利目的の有無は量刑を最も大きく左右する要素のひとつです。たとえば覚醒剤の輸出入を営利目的で行った場合、無期または3年以上の有期懲役刑が科される可能性があります。所持金額・小分け袋・通信履歴などから客観的に営利目的と認定されれば、量刑は格段に重くなり得ます。
3つ目の初犯か再犯かについては、初犯で所持量が少なく自己使用目的のみであれば執行猶予の可能性が高まる一方、再犯では再犯加重により懲役刑の上限が2倍以下に引き上げられます。特に執行猶予期間中の再犯は前刑が取り消されて合算服役となるのが通常という点に注意してください。
4つ目の反省と更生意欲については、口頭の反省ではなく、薬物依存症クリニックへの通院やダルク等の回復支援施設への参加といった具体的な行動が評価されると考えられます。
5つ目の家族・職場のサポート体制では、情状証人としての家族の監督約束、職場復帰の見込み、住居の安定など、社会内で更生できる環境を具体的に示せるかが問われます。
これら5要素は単独で評価されるわけではありません。相互に関連し合いながら総合評価されるため、同じ「覚醒剤所持・初犯」であっても判決は大きく変わり得ます。ご自身のケースで懲役何年になりそうかを正確に見立てるためには、刑事事件に精通した弁護士への早期相談が重要になります。
薬物犯罪で懲役刑(実刑)を回避するためには?
薬物犯罪で懲役刑(実刑)を回避するためには、不起訴処分または執行猶予付き判決を獲得することが重要です。
不起訴処分とは検察官が起訴しないと判断することで、刑事裁判は開かれません。薬物犯罪では、所持量が極めて少量で初犯かつ自己使用目的の場合に限り、不起訴処分となる可能性があります。ただし、一般的には起訴される確率が非常に高い犯罪類型なので注意してください。
そのため、執行猶予付き判決を獲得することが実刑を回避するための現実的な方法といえるでしょう。執行猶予とは、刑の執行を一定期間猶予し、その期間中に罪を犯さずに過ごせば刑の言渡しの効力が失われる制度のこと。執行猶予を獲得するためには、以下のポイントが重要になります。
深い反省と更生の意思を示す
裁判では、被告人が真摯に反省し、二度と薬物に関わらないという強い意思を持っていることを示すことが求められます。反省の態度や今後の生活設計について、具体的に説明できることが大切です。
薬物依存症の治療に取り組む
薬物犯罪の背景には薬物依存症という病気が存在することが多いものです。薬物依存症の専門クリニックや治療プログラムに参加し、治療に真剣に取り組んでいることを示すことが、執行猶予獲得のために非常に重要な要素となります。
家族や職場のサポート体制を整える
家族が監督・支援する体制があることや職場に復帰できる環境が整っていることは、再犯防止の観点から高く評価されます。情状証人として家族に出廷してもらい、監督を約束してもらうことも効果的でしょう。
早期に弁護士に相談する
薬物犯罪で逮捕される前や逮捕直後に弁護士に相談することで、取り調べの対応方法や保釈・執行猶予獲得に向けた弁護活動も行ってくれます。
また、即決裁判手続という簡易的な裁判手続きを利用することも一つの手段。この手続きでは、事案が明白かつ軽微であること等の条件を満たし、被疑者の同意を得て行われますが、懲役刑の言渡しをする場合には必ず執行猶予が付されることになっています。
薬物犯罪で弁護士に刑事弁護活動を依頼するメリット
薬物犯罪で逮捕された場合、弁護士に刑事弁護活動を依頼することで様々なメリットが得られます。
刑事事件は一度起訴されると無罪となるのは非常に困難。そのため、刑事手続きの各段階で適切な対応をとることが極めて重要になります。専門的な知識と経験を持つ弁護士のサポートを受けることで、より良い結果を目指すことができるでしょう。
逮捕回避に向けた弁護活動ができる
逮捕される前の段階で弁護士に相談できれば、逮捕を回避するための活動が可能になります。
警察から任意の取り調べを受けている段階であれば、弁護士が警察との交渉を行い、在宅事件として捜査を進めてもらえるよう働きかけることができます。逮捕を回避できれば、日常生活を送りながら刑事手続きに対応することができ、職場や家族への影響を最小限に抑えられるでしょう。
釈放・保釈に向けた弁護活動ができる
逮捕された場合でも、弁護士は早期の釈放や保釈に向けた活動を行います。
逮捕後48時間以内に検察官に送致され、その後24時間以内に勾留請求が行われますが、弁護士は勾留の必要性がないことを主張し、勾留決定を阻止するための活動を行います。勾留が決定されなければ、最大3日間で釈放されることになるでしょう。
勾留が決定された場合でも、勾留に対する準抗告という手続きにより、勾留決定の取り消しを求めることができます。また、起訴後であれば保釈請求を行うことで、保釈金を納付して身柄を釈放してもらえる可能性があります。
不起訴・執行猶予判決に向けた弁護活動ができる
弁護士は、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得に向けて様々な弁護活動を行います。
検察官に対しては、被疑者が深く反省していることや薬物依存症の治療に取り組む意思があること、家族のサポート体制が整っていることなどを説明し、不起訴処分または略式命令(罰金刑)を求めます。
薬物犯罪では不起訴処分となることは稀ですが、初犯で所持量が極めて少量の場合であれば可能性はゼロではありません。
起訴された場合には公判での弁護活動が重要になります。弁護士は、被告人の反省や更生の意欲を裁判官に伝えるとともに、薬物依存症の治療実績や家族の監督体制について具体的な証拠を提出します。情状証人として家族に出廷してもらい、今後の監督を約束してもらうことも効果的な弁護活動の一つです。
執行猶予を獲得するためには、再犯防止に向けた具体的な計画を示すことが不可欠。弁護士は、依頼者と一緒に再犯防止計画を作成して裁判所に提出することで、執行猶予の必要性を訴えていきます。
再犯防止のためのサポートができる
刑事弁護活動だけでなく再犯防止のための総合的なサポートを行うことも弁護士ができることの一つ。薬物依存症の治療に実績のある医療機関やダルク(DARC)などの薬物依存症者の回復支援施設を紹介してくれます。
薬物依存症の治療プログラムには、認知行動療法や集団療法、家族療法などがあります。これらのプログラムに参加することで、薬物を使用したくなる衝動のコントロール方法を学んだり、同じ悩みを持つ仲間と支え合ったりすることができるでしょう。
また、弁護士は、家族に対して適切な対応方法をアドバイスし、家族全体で再犯防止に取り組む体制を整えることをサポートします。
就労支援や生活環境の調整についても、弁護士は助言を行います。薬物使用のきっかけとなった人間関係や生活環境を改善することは、再犯防止のために非常に重要。転職や引っ越しが必要な場合には、その手続きについてもアドバイスを受けられます。
定期的な面談を通じて薬物から離れた生活を続けられているか確認し、困ったことがあれば相談に乗ってもらえる体制があることも心理的な支えになるでしょう。執行猶予期間中のサポートを受けることで再犯のリスクを大幅に減らすことができます。
【解決実績】懲役刑を回避した薬物事件
弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は、薬物犯罪を含む数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所です。
ここからは、実際に弊所が担当した薬物事件の事例を紹介します。
事例①:初犯の覚醒剤事件で実刑回避
友人からもらった薬物を服用した後に職務質問を受け、後日逮捕されたというケースです。起訴後にご両親から弊所に刑事弁護活動の依頼がありました。
担当の弁護士は弁護活動として直ちに保釈に向けて動き出し、逃亡のおそれがないことや証拠隠滅のおそれがないことを主張して保釈を求める書類を裁判所に提出しました。担当の裁判官とも面談を行い、再度弁護士の方から保釈を認めてもらうよう交渉した結果、保釈を認めてもらうことに成功しています。
裁判が始まってからは本人の更生意思を示すためにクリニックで治療を行っている旨等を主張し、結果として無事に執行猶予の結果を獲得することができました。
事例②:再犯の大麻事件で実刑回避
駐車場に車を止めた際に職務質問を受け、大麻所持が発覚して逮捕されたというケースです。本ケースは大麻所持での逮捕歴があったため、再犯の事件でした。
逮捕される直前に家族に連絡し、ご家族から依頼を受ける形で弊所の弁護士が弁護人となりました。
早期段階から弁護活動を行うことができたため、勾留を阻止することに成功しています。その後は起訴されて実刑が求刑されましたが、弁護士との綿密な打ち合わせと家族の協力により、結果として執行猶予判決を獲得することができました。
弁護活動の詳細を知りたい方はこちら▼
【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙
ご依頼者様から頂いた感謝の手紙を紹介します。
※解決実績とお客様の声は必ずしも同じ事件とは限りません。

【FAQ】薬物の懲役に関するよくある質問
薬物犯罪で逮捕された方や、そのご家族からよくいただく質問とその回答をまとめました。個別の事情によって異なる部分もありますので、詳しくは無料相談にてご確認ください。
Q1. 薬物で逮捕されたら必ず懲役になりますか?
薬物犯罪で逮捕された場合でも、必ずしも懲役(実刑)が科せられるわけではありません。
日本の刑事手続では、逮捕後に検察官が起訴・不起訴を判断します。初犯かつ少量の所持・使用であれば、不起訴処分(起訴猶予)で前科がつかずに終了するケースも少なくありません。
起訴された場合でも、初犯で反省の態度が認められるなど一定の条件を満たせば執行猶予付き判決となり、実際に刑務所に服役しなくて済む可能性があります。
ただし、薬物犯罪は起訴率・有罪率がともに高い事件であることに変わりありません。不起訴や執行猶予を目指すためには、逮捕直後から弁護士に依頼し、適切な弁護活動を行うことが重要です。「逮捕されたからもう終わり」ではなく、早期に行動することが結果を大きく左右します。
Q2. 薬物犯罪の初犯だと懲役は何年くらいになる?
薬物の種類や行為の態様によって異なりますが、覚醒剤の単純所持・使用で初犯の場合、執行猶予付きの懲役1年〜2年が量刑相場の目安です。
量刑に影響する主な要素は以下のとおり。
- 薬物の種類(覚醒剤・大麻・麻薬など)
- 所持・使用・譲渡・製造・輸入など行為の種別
- 薬物の量(少量か大量か)
- 営利目的の有無
- 反省の態度・再犯防止への取り組み
- 家族など周囲のサポート体制
一方、大量所持や営利目的(販売・密輸など)が認められる場合は、初犯であっても実刑リスクが大幅に高まります。また、同種の前科(薬物以外の犯罪歴)がある場合も量刑が重くなることがあります。
量刑は個別の事情によって幅があるため、自分のケースがどのような処分見込みかについては刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。
Q3. 覚醒剤で逮捕されたら執行猶予はつきますか?
覚醒剤取締法違反(単純所持・使用)の初犯であれば、執行猶予付き判決を得られる可能性は十分あります。
裁判実務上も初犯・少量・非営利のケースでは執行猶予が認められるケースは少なくありません。執行猶予を得るために重要なポイントは次のとおりです。
- 深い反省と再犯防止への強い意思を示す
- 薬物依存に対する専門治療プログラムへの参加
- 家族・職場など周囲の監督・支援体制を整える
- 弁護士による情状弁護(証拠収集・陳述書作成など)
一方、再犯(特に執行猶予中の再犯)の場合は原則として実刑判決となります。また、量が多い場合や営利目的が認められる場合も執行猶予が認められにくくなります。
執行猶予の獲得に向けては、弁護士による情状弁護が非常に重要なポイント。治療計画の策定、家族による監督誓約書の準備など、具体的な弁護活動を早期に始めることが結果につながります。
Q4. 薬物の再犯だと懲役は何年になる?
薬物犯罪の再犯(2回目以降)では、実刑判決となるケースが大幅に増えます。
初犯で執行猶予付き判決を受けた後に再び薬物犯罪を犯した場合は前回より重い懲役刑が科されるのが通例。特に、執行猶予期間中に再犯した場合は前の判決で猶予されていた刑と今回の新しい刑が合算される可能性があり、刑期が大幅に長くなるリスクがあります。
量刑の目安としては覚醒剤の単純所持・使用の再犯で実刑1年6ヶ月〜3年程度が相場感ですが、個別事情により大きく異なります。
再犯の場合でも、「再度の執行猶予(二度目の執行猶予)」が認められる可能性がゼロではありません。ただし適用条件は非常に厳しく、再犯防止への強い取り組みや環境整備が不可欠。再犯でも諦めず、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
薬物犯罪で懲役何年になるかは事案によって異なる
薬物犯罪で懲役何年になるかは薬物の種類・行為の内容・初犯か再犯かによって大きく異なりますが、適切な弁護活動により量刑を軽減できる可能性があります。
薬物犯罪で逮捕された場合、懲役刑を回避し執行猶予を獲得するためには早期に弁護士に相談することが最も重要。逮捕の回避、早期の釈放・保釈、執行猶予獲得に向けた弁護活動だけでなく、薬物依存症の治療支援や再犯防止のためのサポートまで、総合的な支援を受けることができます。
一人で悩まず、まずは刑事事件に強い弁護士に相談してみましょう。