大麻
大麻で逮捕された場合の期間は?逮捕・勾留期間中に弁護士ができること

法改正によって令和6年12月12日から大麻の使用も処罰対象になり、大麻に関する事件で逮捕されるケースが増えています。
大麻で逮捕された場合、どれくらい身柄拘束期間があるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、大麻で逮捕された場合の身柄拘束期間について解説していきます。大麻での逮捕・勾留期間中に釈放されるタイミングや、逮捕・勾留期間中に弁護士ができることについて解説していくので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
大麻で逮捕される行為とは
大麻に関連する行為のうち、どこからが逮捕の対象になるのか。意外と知られていないのが実情です。「少し吸っただけ」「もらっただけ」という認識でいると、気づかぬうちに重大な犯罪に関わっている可能性があります。
以下では、逮捕の対象となる主な行為と、令和6年の法改正による重要な変更点を整理します。
令和6年12月12日から大麻は「麻薬」に該当
令和6年12月12日の法改正により、大麻は「麻薬」として分類されました。それ以前は「大麻取締法」が適用されていましたが、改正後は麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)違反として処罰されます。なお、栽培については「大麻草の栽培の規制に関する法律」が適用されます。
逮捕の対象となる主な行為は以下のとおりです。
- 使用(吸引・摂取など)
- 譲渡(他人に渡す行為)
- 譲受(他人から受け取る行為)
- 輸入・輸出
- 製造
- 栽培
この改正によって、使用罪が新たに設けられた点が大きなポイントです。改正前の大麻取締法には使用罪がありませんでしたが、現在は使用するだけで処罰の対象になります。「持っていただけ」「吸っただけ」という言い訳は、もはや通じません。
大麻で逮捕された場合の期間は?
逮捕されてから起訴・不起訴が決まるまで、どれくらいの時間がかかるのか。この流れを知っておくことが、適切な対応の第一歩です。
大麻事件での拘束期間は、大きく「逮捕・勾留請求」と「勾留」の2段階に分けられます。それぞれの期間と手続きを確認しましょう。
逮捕・勾留請求|72時間(3日)以内
逮捕後、警察は48時間以内に被疑者を検察官に送致(送検)しなければなりません。送致を受けた検察官は、さらに24時間以内に裁判官へ勾留請求を行うかどうかを判断します。
つまり、逮捕から最大72時間(3日間)以内に、勾留するかどうかの判断が下されます。この72時間は、弁護士が最も積極的に動けるタイミングでもあります。
勾留請求をしないと判断された場合、または裁判官が勾留を却下した場合は、この段階で釈放されます。
勾留決定・勾留|最長20日間
裁判官が勾留を認めると、まず10日間の勾留が決定されます。その後、検察官の請求によってさらに最大10日間の延長が認められる場合があります。
つまり、勾留期間は最長で20日間です。逮捕からの72時間を加えると、起訴・不起訴の判断が下されるまでの最長期間は約23日間になります。
勾留中は、捜査機関による取り調べが続きます。この期間に検察官が起訴を決定すれば刑事裁判へ、不起訴となれば釈放されます。
大麻での逮捕・勾留期間は初犯だと短縮される?
「初犯だから、すぐに出られるはず」と考えていませんか?結論から言えば、初犯であることは有利な事情にはなりますが、必ずしも拘束期間が短くなるわけではありません。
初犯で少量かつ個人的な使用目的であった場合、再犯と比べて不起訴になる可能性は一定程度あります。不起訴になれば勾留満期のタイミングで釈放されます。
ただし、注意すべき点があります。
- 逮捕・勾留の判断は「初犯かどうか」ではなく、罪証隠滅や逃亡のおそれを基準に行われる
- 初犯でも、関係者が多い事件や証拠が少ない段階では勾留が認められやすい
- 大麻の量や態様(譲渡・栽培など)によっては、初犯でも厳しく扱われる場合がある
「初犯だから大丈夫」という思い込みは危険です。弁護士に早期に相談し、具体的な事情に応じた対応を検討することが大切です。
大麻で逮捕・勾留期間中に釈放されるタイミングは?
逮捕されたからといって、必ずそのまま起訴されるわけではありません。拘束期間中にも、釈放されるチャンスは複数あります。
それぞれのタイミングと条件を知っておくことで、適切な対応が取りやすくなります。
逮捕後72時間以内
前述のとおり、逮捕から72時間以内に検察官が勾留請求をしなかった場合、または裁判官が勾留請求を却下した場合は、この時点で釈放されます。
この段階での釈放が実現すると、身体拘束は最短で終わります。そのため、逮捕直後から弁護士が動き出すことが最も重要です。弁護士が検察官や裁判官に対して適切な意見を伝えることで、勾留を阻止できる場合があります。
勾留決定後の準抗告
裁判官が勾留を認めた場合でも、すぐに諦める必要はありません。準抗告(勾留決定に対する不服申し立て)を行うことができます。
準抗告とは、勾留決定を行った裁判官とは別の裁判官(または裁判所)に対して、決定の取り消しを求める手続きです。準抗告が認められれば、勾留が取り消されて釈放されます。
準抗告の申立ては弁護士が行い、認められるかどうかは事案の内容によります。すべてのケースで成功するわけではありませんが、試みる価値のある手続きです。
勾留満期・勾留延長満期
勾留期間(最長20日)が終了した時点で、検察官が不起訴処分を下した場合は釈放されます。
勾留満期のタイミングは、弁護士が検察官に対して「不起訴相当」の意見を伝える重要な場面でもあります。被疑者の反省の態度や再犯防止策の実施など、さまざまな事情を弁護士が積極的に主張することで、不起訴の可能性を高められる場合があります。
起訴後(保釈)
検察官が起訴した場合、被疑者は被告人となり、刑事裁判へと移行します。この段階では、保釈請求を行うことが釈放への道になります。
保釈とは、一定の保釈金を納付することを条件に、裁判が終わるまでの間、身体拘束を解く手続きです。保釈が許可されれば、裁判の判決が出るまでの間、自宅に戻ることができます。
保釈が認められるかどうかは、罪の重さ・逃亡リスク・証拠隠滅のおそれなどを総合的に判断して決定されます。
大麻で逮捕・勾留期間中に弁護士ができること
逮捕されてから起訴・不起訴の判断が下されるまでの約23日間、弁護士は何をするのか。「待つしかない」と思っていませんか?
実際には、この期間に弁護士が取れる行動は多くあります。早期に弁護士を依頼することで、結果が大きく変わる可能性があります。
逮捕後72時間以内の勾留阻止に向けた弁護活動
逮捕直後の72時間は、弁護活動において最も重要な時間帯です。この段階で弁護士にできることは以下のとおりです。
- 接見(面会)の実施:逮捕直後は家族も面会できません。しかし弁護士は、時間や回数の制限なく接見できます。被疑者に取り調べへの対応方法を伝え、精神的な支えになることも重要な役割です。
- 検察官への意見申し入れ:勾留請求を行わないよう、検察官に対して意見書を提出します。被疑者の生活状況・職業・家族関係・証拠隠滅の可能性がない理由などを具体的に示し、勾留の必要性がないことを訴えます。
- 裁判官への意見申し入れ:勾留請求がなされた場合、裁判官が審査を行います。弁護士はこの段階でも意見書を提出し、勾留の却下を求めることができます。
72時間以内に釈放されれば、その後の社会生活への影響(仕事・学校・家族関係)を最小限に抑えられます。
勾留決定後の準抗告申立て
勾留が決定された場合、弁護士は準抗告の申立てを行います。
準抗告では、勾留の理由や必要性がないことを法的に主張します。たとえば「罪証隠滅のおそれがない」「逃亡の心配がない」といった事情を具体的な証拠とともに示すことが、認められる可能性を高めます。
また、勾留期間中も継続的に接見を行い、取り調べで不利な供述をしないよう助言することも弁護士の重要な役割です。被疑者が一人で取り調べに対応するのと、弁護士のサポートを受けながら対応するのとでは、結果に大きな差が生じることがあります。
起訴後の保釈請求
検察官が起訴した場合、弁護士は速やかに保釈請求を行います。
保釈請求が通るためには、逃亡・罪証隠滅のおそれがないことを示す必要があります。弁護士は以下のような活動を通じて、保釈の実現を目指します。
- 保釈請求書の作成・提出
- 身元引受人(家族など)の確保
- 住居の確認や生活環境の整備
- 裁判所への意見申し入れ
保釈が認められれば、判決が確定するまでの間、自宅での生活を続けることができます。裁判の準備を落ち着いた環境で行えるという点でも、保釈の実現は重要です。
【事務所紹介】大麻関連事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。大麻関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。
ここからは、弊所の特徴をご紹介します。
弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件の当事者となりお困りの方をサポートするため、平日はもちろん、土日祝日も24時間体制で無料相談や初回接見サービスの受付をしております。刑事事件・少年事件の当事者となりお困りの方はいつでも0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが事情をお伺いして無料相談の予約をお取りします。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
刑事事件・少年事件の当事者となり捜査機関(警察・検察)からの取調べが迫っているなどお急ぎの方につきましては、お電話を頂いたその日中に無料相談・初回接見などの弁護サービスをご提供しております。弁護士のスケジュール次第では、お電話口で事情をお伺いして直ちに無料相談・初回接見などの弁護サービスを受けていただくことが可能です。刑事事件・少年事件はとにかく時間との戦いです。刑事事件・少年事件の当事者となりお困りの方は一人で悩まずいつでも弊所までご連絡ください。
弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍
刑事事件・少年事件分野では、捜査機関の取調べや逮捕されてしまった場合の早期の身柄解放など、対処するには当該分野における特有の知識や経験が必要とされます。弊所には、刑事事件・少年事件における豊富な知識と経験を有する弁護士が多数在籍しており、また、元裁判官、元検察官、元官僚などの経歴を持つ弁護士も在籍しております。そのような知識や経験に基づき、刑事事件・少年事件の当事者となりお困りの方に対してサポートいたします。まずはフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
弁護士に依頼する際に心配になることの一つとして弁護士費用が考えられます。弊所では、ご相談者様や事件のご依頼をご検討されている方に分かりやすくするため、シンプルかつ明朗会計としておりますご相談の際にも弁護士費用について丁寧にご説明させていただきます。また、ご契約にあたっても詳細な説明を行います。
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【事例紹介】早期釈放を実現した大麻関連事件を紹介
ここからは、実際に弊所が弁護活動の依頼を受けた大麻関連事件をいくつかご紹介します。事案の内容や具体的な弁護活動について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
事例①:大麻所持による逮捕で勾留阻止
男性が駐車場に車を停めた際に、警察官に呼び止められ職務質問を受け、車内から大麻が見つかり逮捕されたという事例で、男性は逮捕される前に家族に弁護士を派遣するよう連絡していました。
早期からの弁護活動により男性の勾留を阻止し、身柄拘束から早期に解放されました。
また、男性は起訴されましたが、弁護士との綿密な打合せや再犯防止に向けた対策を主張するなどの弁護活動が奏功し、執行猶予判決を獲得することができました。
男性は早期に身柄解放(勾留阻止)されたこと、執行猶予になったこと、そして事件が会社に知られなかったことで、逮捕される前の生活に戻ることができました。
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事例②:大麻所持による逮捕・勾留で保釈決定
千葉県に住む男性が東京に遊びに行った際に、警察から職務質問を受け大麻の所持が発覚したという事件で、その場での逮捕はなかったものの、警察が行った鑑定により所持していたものが大麻であることが判明したため逮捕・起訴されてしまいました。
逮捕前は千葉支部の弁護士が対応していましたが、事前に打ち合わせをしていたことで、担当を東京支部の弁護士に変更し、迅速な対応をすることができました。
起訴後は速やかに保釈請求を行い、裁判所から保釈が認められたため、公判まで身柄を拘束されることなく過ごすことができました。また、公判でも執行猶予付判決を獲得することができました。
弁護活動の詳細はこちら▼
【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙
実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。



大麻で逮捕された場合の期間は最長23日
大麻事件における身体拘束の期間は、逮捕から起訴・不起訴の判断まで最長約23日間です。逮捕後72時間以内の勾留請求段階、勾留決定後の準抗告、勾留満期での不起訴、そして起訴後の保釈と、釈放のタイミングは複数存在します。
初犯であることは有利な事情の一つですが、それだけで拘束期間が自動的に短くなるわけではありません。重要なのは、逮捕直後から弁護士に依頼し、早期に弁護活動を始めることです。
72時間という最初の壁を越えるかどうかが、その後の流れを大きく左右します。大麻事件で逮捕された、あるいは家族が逮捕されたという状況であれば、一刻も早く弁護士に相談することを強くおすすめします。
大麻使用はいつから違反?大麻使用(施用)を規制する法律や罰則は?

「大麻使用罪ができた」というニュースを耳にしたけれど、いつから違法になったのか、よくわからない。
そんな疑問を抱えていませんか?「使用罪があるとは知らなかった」「法律が変わったことは知っているが、何がどう変わったのか整理できていない」という人も多いでしょう。
実は、2024年12月12日に「大麻使用罪」が施行され、大麻の単純な「使用」が初めて処罰の対象となりました。これは単なる罰則の追加にとどまらず、大麻を規制する法律の体系そのものが大きく変わった、歴史的な改正です。
この記事では、大麻使用罪がいつから施行されたのかを起点に、改正の内容・罰則・背景まで、法律の知識がない方にもわかるよう丁寧に解説します。
大麻使用罪はいつから施行された?
結論から言えば、大麻使用罪は令和6年(2024年)12月12日から施行されています。
2024年(令和6年)12月12日、「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」が施行されました。これに伴い、2024年12月12日以降に大麻を不正に使用すると大麻使用罪で処罰されることになりました。
改正の経緯を整理すると、次のとおりです。
- 令和5年(2023年)12月6日:大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法の改正が国会で成立
- 令和5年(2023年)12月13日:改正法が公布
- 令和6年(2024年)12月12日:改正法の施行(適用開始)
施行前に発生していた事案には旧法が適用され、新法が遡って適用されることはありません。ただし、施行日をまたいで大麻を所持し続けていた場合などは、どちらの法律が適用されるか慎重な判断が必要になります。
大麻使用罪を規制する法律は?
大麻使用罪は「麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)」によって規制されています。
ここが少しわかりにくいポイントです。「大麻使用罪」という名称から「大麻取締法の違反では?」と思う方も多いでしょう。しかし、いわゆる「大麻使用罪」は、大麻取締法違反ではなく、麻薬取締法違反の罪になります。
法改正によって大麻が「麻薬」に分類され、麻薬取締法の規制対象となったことが理由です。この仕組みについては後の章で詳しく解説します。
なお、条文上は「使用」ではなく「施用(せよう)」という言葉が使われています。施用とは「特定の目的の下に使用する」という意味で、自分以外の第三者に対して使用する場合も含まれます。
大麻使用罪の刑罰
大麻使用罪(麻薬取締法66条の2)の罰則は以下のとおりです。
- 通常の使用(施用):7年以下の拘禁刑
- 営利目的の使用:1年以上10年以下の拘禁刑(情状により300万円以下の罰金を併科)
- 未遂罪:処罰の対象
拘禁刑とは、これまでの懲役刑と異なり刑務作業が義務とされておらず、受刑者の状況に応じて柔軟に刑務作業を科したり更生プログラムを受けさせることができる刑罰です。
なお、2025年6月1日の刑法改正により、従来の「懲役」「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されます。2025年6月1日以降に起きた事件では、懲役刑ではなく「拘禁刑」が適用されることになります。
大麻取締法・麻薬取締法における法改正のポイント
今回の法改正は、罰則の追加だけではありません。大麻に関する法律の体系が根本から変わりました。改正のポイントを一つひとつ見ていきましょう。
大麻取締法の名称と目的が変わった
まず目に見えてわかる変化が、法律の名前です。
令和5年(2023年)12月に大麻取締法が改正され、「大麻取締法」は「大麻草の栽培の規制に関する法律」という名称に変わりました。
大麻取締法は主として大麻草の栽培規制に関する法律となるため、名称が変更されました。改正後の法律は、大麻草を一般製品の原材料として栽培する場合は都道府県知事からの免許(第一種)、医薬品の原材料として栽培する場合は厚生労働大臣からの免許(第二種)が必要である旨を規定しています。
大麻が「麻薬」に分類された
法改正の核心がここにあります。
今回の改正では、大麻と、その有害成分テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC、Δ8-THC)、政令で定められる基準値以上のΔ9-THCを含む製品等が、麻薬取締法の「麻薬」に位置付けられました。
これによって、大麻に関する規制は「大麻取締法(旧)による部位規制」から「麻薬取締法による成分規制」へと大きく転換しました。覚醒剤やヘロインなど、他の規制薬物と同じ土俵で取り締まられるようになったわけです。
大麻の使用(施用)が違法になった
最も重要な変更点が、使用(施用)の禁止です。
大麻には依存や認知機能の低下等の副作用がありますが、これまでは大麻の使用を禁止する法律がなく、使用しても処罰されることはありませんでした。
法改正によって大麻が「麻薬」に分類されたことで、麻薬取締法の施用禁止規定(同法27条)が大麻にも適用されるようになり、不正な使用(施用)は犯罪となりました。
ただし、次の場合は大麻使用罪の対象外です。
- 麻薬施用者(医師等)が疾病の治療目的で施用する場合
- 麻薬研究者が研究目的で施用する場合
- 患者本人が医師から処方された麻薬を施用する場合
大麻使用(施用)以外の行為も厳罰化された
使用罪の新設だけでなく、既存の行為についても罰則が重くなりました。
既に禁止されている「所持」や「譲渡」に加え、新たに「使用」が禁止されたほか、これまで「5年以下の拘禁刑」とされていた単純所持罪の罰則が「7年以下の拘禁刑」とされました。
所持・譲渡・譲受・輸出入・製造といった行為は、改正前は大麻取締法で規制されていましたが、改正後は麻薬取締法の適用対象となり、同法の規定する重い罰則が適用されます。
医療用大麻が解禁された
今回の改正は、規制強化の側面だけではありません。医療の分野では大きな前進がありました。
従来、大麻については医療上の有用性がないと考えられており、大麻取締法では、大麻から製造された医薬品の施用等が禁止されていました。しかし近年、大麻草から製造された医薬品が米国をはじめとする欧米各国において承認されています。
法改正によって大麻から製造された医薬品の使用禁止規定が削除されました。改正大麻取締法の施行により、医薬品医療機器等法の承認を受けた大麻草から製造された医薬品を使うことが可能となりましたが、決して大麻が合法化されたわけではありません。大麻草から製造された医薬品は、医師から処方された場合に限って使用できます。
難治性てんかんの治療薬など、医療上の有効性が確認された大麻由来医薬品を国内でも使えるようになった点は、患者や医療現場にとって重要な変化です。
大麻使用罪が違法になった理由は?
では、なぜこのタイミングで使用罪が設けられたのでしょうか。背景には、社会問題化した若年層の大麻乱用があります。
「大麻は合法」「体に害はない」「依存性がないから、一度なら大丈夫」といった誤った情報が広がり、若者の間で大麻の使用が増加しています。
近年、大麻事案の検挙人数が右肩上がりで増え続けており、2023年には過去最多を更新して、初めて覚醒剤の検挙人員を上回りました。
大麻について、他の規制薬物と異なり、その使用について禁止規定及び罰則が設けられていなかったことが使用へのハードルを下げているという調査結果が得られています。さらに、その所持に関する証拠が十分ではない場合、大麻の使用を取り締まることができないという問題もありました。
こうした実態を踏まえ、大麻を麻薬に分類し、他の規制薬物と同じように使用罪を適用することで、乱用に歯止めをかけることが今回の改正の大きな目的の一つです。
なぜ今まで大麻使用(施用)が処罰されなかった?
「なぜ長い間、使用罪がなかったのか?」という疑問も自然に出てくるでしょう。
旧大麻取締法において大麻の使用罪が設けられていなかったことには諸説ありますが、一般的には、大麻草の栽培農家が刈取り作業を行う際に大気中に飛散した大麻成分を吸引すること(麻酔い)があり、嗜好目的での吸引と農作業過程での吸引とを区別できないことから、農作物としての大麻の保護の観点から、処罰の対象にしなかったとされています。
また、日本では古来より大麻草が衣服の繊維など生活に用いられてきた歴史があり、衣服・食品から大麻成分が検出されたとしても、処罰する必要のない人を処罰してしまうおそれがあったことも理由の一つです。
しかし、この理由はもはや当てはまらなくなりました。実際に調査したところ、大麻栽培農家の方からTHCが検出されることはありませんでした(厚生労働省「令和3年2月25日 第2回 大麻等の薬物対策のあり方検討会」より)。
現在では制定当時のような理由は当てはまらず、施用について処罰しない合理的な理由は見出されないと考えられるようになりました。こうして、使用罪の新設が現実のものとなったのです。
【事務所紹介】大麻関連事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。大麻関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。
ここからは、弊所の特徴をご紹介します。
弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回の法律相談を無料で承っています。法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881にて受け付けております。
なおフリーダイヤルについては、日中は仕事をしているので夜や早朝しか電話する時間がないといった方でもご安心してご利用いただけるよう24時間、年中無休で対応していますので、何時でもお気軽にお電話ください。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、北は北海道の札幌、南は九州の福岡まで、全国の主要都市12か所に事務所を設けており、日本全国に対応している法律事務所です。
法律相談についてはお客様のご希望の日時でご予約が可能、また弁護士を派遣する初回接見サービスについてはご予約いただいたその日のうちに弁護士を派遣することができます。
今すぐ相談したい、今すぐ活動を開始して欲しいという方のご希望に応えることができる体制を整えておりますのでご安心してご相談ください。
弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、開設して10年以上、主に刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
薬物事件のような専門性の高い刑事事件では、薬物事件の経験が豊富な弁護士に依頼することが最善の結果を導くために重要となります。
刑事事件の弁護活動を熟知した専門弁護士による、弁護活動を受けることで、きっとご安心していただくことができるでしょう。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ご契約前に、着手金、報酬金、実費日当等の弁護士費用について明確にし、お客様に納得していただけるまで丁寧に説明させていただいております。また弁護士費用についてお客様が不安を感じないように、契約書に弁護士費用一覧表を添付させていただいております。
【事例紹介】実際に依頼を受けた大麻関連事件を紹介
ここからは、実際に弊所が弁護活動の依頼を受けた大麻関連事件をいくつかご紹介します。事案の内容や具体的な弁護活動について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
事例①:大麻所持で逮捕 早期釈放と執行猶予判決を獲得
Aさんは、駐車場に車を止めた際に警察官から呼び止められ職質質問を受けることになりました。男性は大麻を所持していたため隠そうとしましたが、所持品検査で大麻が見つかり逮捕されてしまいました。
弁護士はすぐに、逃亡や罪証隠滅のおそれがないこと、勾留によりAさんの仕事等に与える影響が大きいことなどを詳細にまとめた意見書を提出しました。弁護士の素早い活動により、勾留されることなく、Aさんは釈放されることになりました。
その後、Aさんは、起訴され正式裁判を受けることとなってしまいましたが、弁護士と綿密な打合せや家族の協力体制の構築などをしていたこともあり、執行猶予判決を獲得することができました。
本事案の弁護活動の詳細はこちら▼
事例②:前科があった大麻所持事件で減刑判決を獲得
ご依頼者様の息子様は、大麻を所持していたとの容疑で逮捕され、そのまま大麻取締法違反の容疑で起訴されている状況でした。息子様には同種の前科があり、今回の裁判では、実刑判決を受ける可能性の高い状況でした。
息子様とご依頼者様と打合せを重ね、裁判では息子様が2度と大麻に関わることがない生活をする硬い意思を有していること、大麻に関わりを持ってしまったことについて深く分析ができていること、出所後の家族の受け入れ体制が整っていることなどを主張しました。
これらの主張の成果もあり、実刑判決とはなってしまいましたが、検察官の求刑から相当程度減刑された判決を受けることとなりました。
本事案の弁護活動の詳細はこちら▼
【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙
実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。


大麻使用罪でお困りの方は早急に弁護士へ相談を
ここまで解説してきたとおり、大麻使用罪は令和6年(2024年)12月12日から施行されており、医療目的以外の大麻の使用は今や明確な犯罪です。知らなかったでは済まされない時代になりました。
改正のポイントをあらためて整理します。
- 施行日:令和6年(2024年)12月12日
- 規制する法律:麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)
- 刑罰:7年以下の拘禁刑(営利目的の場合は1年以上10年以下、情状により300万円以下の罰金を併科)
- 所持・譲渡などの行為:麻薬取締法に移行し、罰則も重くなった
- 医療用大麻:適切な手続きのもとで使用可能になった
大麻事件は逮捕後の対応が早ければ早いほど、その後の展開に大きく影響します。もし大麻使用罪に関してお心当たりがある場合や、ご家族が逮捕されてしまった場合は、すぐに刑事事件を専門とする弁護士に相談することを強くおすすめします。
THCは合法?違法になるケースや使用した場合の罰則を弁護士が解説

「THCって合法じゃないの?」そんな疑問を持っていませんか。
インターネット上では「合法THC」「安全なTHC製品」といった情報が飛び交い、実際に日本国内でもTHC製品と思われる商品が出回っています。しかし、日本でTHCは本当に合法なのでしょうか。もし「合法」と信じて使用した場合、どのような法的リスクがあるのか、正確に理解している人は多くありません。
実は、日本ではTHCは厳格に規制された違法物質です。この記事では、THCの法的位置づけや規制する法律、そして「合法だと思って使用した場合」に何が起こるのかを、法律の専門的な視点から詳しく解説します。
THCに関する正しい知識を身につけることで、思わぬ法的トラブルから身を守ることができるでしょう。
THCとは?
THC(テトラヒドロカンナビノール)は、大麻草に含まれる化学成分の一種です。大麻草には100種類以上のカンナビノイドと呼ばれる化合物が存在しますが、THCはその中でも特に注目される成分となっています。
THCの最大の特徴は、精神活性作用を持つ点にあります。脳内のカンナビノイド受容体と結合することで、多幸感や高揚感、時間感覚の変化、食欲増進などの作用を引き起こします。これらの作用は使用者に「ハイ」と呼ばれる状態をもたらすため、娯楽目的での使用が問題視されているのです。
また、THCには依存性のリスクも指摘されています。継続的な使用により、使用を中止した際に不安感や不眠などの離脱症状が現れる場合があります。このような特性から、多くの国で規制対象となっているのが現状です。
THCとCBDの違い
CBDもTHCと同様に大麻草から抽出されるカンナビノイド成分の一つですが、両者には決定的な違いがあります。
最も重要な違いは、CBDには精神活性作用がないという点です。THCが脳内のカンナビノイド受容体と強く結合して「ハイ」な状態を引き起こすのに対し、CBDはこれらの受容体への作用が弱く、精神を変容させる効果を持ちません。そのため、使用しても酩酊状態になることはないのです。
法的な扱いも大きく異なります。日本では、THCは後述する麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されている違法物質です。一方、CBDは大麻草の成熟した茎や種子から抽出されたものであれば、合法的に製造・販売・使用が認められています。
ただし注意が必要なのは、CBD製品の中にも微量のTHCが混入している可能性がある点です。海外から輸入されたCBD製品の一部には、製造工程で意図せずTHCが含まれてしまうケースも報告されています。日本ではTHCの含有量に関わらず違法とされるため、信頼できる国内メーカーの製品を選ぶことが重要でしょう。
THCは日本では合法なのか?
結論から言えば、日本ではTHCは完全に違法です。合法とされる余地は一切ありません。
2023年に「麻薬及び向精神薬取締法」「大麻取締法」の法改正が行われ、2024年12月に施行されたことで、THCを含む大麻由来成分は麻薬及び向精神薬取締法の規制対象となりました。この法律では、THCを「麻薬」として指定し、その製造・所持・使用・譲渡などあらゆる行為を禁止しています。
なぜ日本でTHCが違法とされているのでしょうか。主な理由は、前述した精神活性作用と依存性リスクにあります。日本政府は、国民の健康と公共の安全を守るため、薬物乱用を厳しく取り締まる方針を採っています。THCの使用が広がれば、個人の健康被害だけでなく、判断力の低下による事故や犯罪の増加といった社会問題につながる恐れがあるためです。
インターネット上では「合法THC」「THC-O」「THCV」といった名称で販売される製品を見かけることがあります。これらは「合法」を謳っていても、実際にはTHC類似物質を含んでおり、日本の法律では違法とされる可能性が高い点に注意してください。名称を変えただけで本質的にTHCと同様の作用を持つ物質は、麻薬でないにしても、「指定薬物」として法の規制対象となり得るのです。
THCが合法とされている国
世界に目を向けると、THCの取り扱いは国によって大きく異なります。
カナダは2018年に嗜好用大麻を全面的に合法化した先進国です。成人であれば一定量までの大麻の所持・使用が認められており、政府の管理下で流通が行われています。
アメリカでは連邦法上は依然として違法ですが、州ごとに判断が分かれています。2024年時点でカリフォルニア州やコロラド州など、すでに20以上の州で嗜好用大麻が合法化されました。医療用大麻に限れば、さらに多くの州で認められています。
ウルグアイは2013年に世界で初めて国家レベルで嗜好用大麻を合法化した国として知られています。政府が生産から販売までを管理する独自のシステムを構築しました。
このほか、オランダでは「コーヒーショップ」と呼ばれる店舗での少量販売が事実上容認されています。また、タイでは2022年に医療用・産業用大麻が解禁されるなど、アジアでも変化が見られます。
ただし、これらの国でTHCが合法だからといって、日本国内に持ち込んだり日本で使用したりすることは絶対にできません。日本の法律は日本国内にいる全ての人に適用されるため、海外で合法であっても日本では違法行為となるのです。
THC(大麻成分)を規制する法律は?
THCを規制する法律は、麻薬及び向精神薬取締法です。
かつて大麻は「大麻取締法」という別の法律で規制されていました。しかし、2023年の法改正(2024年12月施行)により、THCを含む大麻由来の精神活性成分は麻薬及び向精神薬取締法の管轄に移されることになったのです。
この法改正の背景には、従来の大麻取締法では、大麻の「使用罪」が規定されていなかったという問題がありました。大麻取締法では所持や栽培は違法でしたが、使用そのものを直接罰する条文が存在しなかったため、法の抜け穴となっていたのです。また、THC類似物質など新たな形態の大麻製品が次々と登場し、既存の法律では対応しきれない状況も生まれていました。
麻薬及び向精神薬取締法に統合されたことで、THCは覚醒剤やコカインと同様の「麻薬」として位置づけられ、製造・輸入・所持・使用・譲渡のすべてが厳しく禁止されています。この変更により、使用行為自体も明確に処罰対象となったのです。
麻薬及び向精神薬取締法の罰則
麻薬及び向精神薬取締法では、THCに関する違反行為に対して厳しい罰則が定められています。
使用罪については、同法第66条の4に規定があります。「麻薬を施用し、又は麻薬を施用のため交付した者は、7年以下の拘禁刑に処する」とされており、単に使用しただけでも最長7年の拘禁刑が科される可能性があるのです。
所持罪はさらに重い処罰となります。同法第66条では「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者は、7年以下の拘禁刑に処する」と規定されています。営利目的の場合、この刑はさらに加重され、1年以上10年以下の拘禁刑、または情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金に処せられます。
輸入・輸出罪については同法第64条で規定されており、「麻薬を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第69条第5号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期拘禁刑に処する」とされています。営利目的の場合は無期若しくは3年以上の拘禁刑、または情状により無期若しくは3年以上の拘禁刑及び1,000万円以下の罰金という極めて重い刑罰が科されます。
これらの罰則から分かるように、THCに関する違反は決して軽い犯罪ではありません。初犯であっても実刑判決が下される可能性があり、人生に大きな影響を及ぼす重大な犯罪として扱われているのです。
合法だと思ってTHC製品を使用するとどうなる?
「合法だと思っていた」「知らなかった」という理由は、残念ながら法的責任を免れる根拠にはなりません。
刑法では「法律の不知は許されず」という原則があります。つまり、法律を知らなかったという理由で犯罪が成立しないわけではないのです。インターネットで「合法THC」と宣伝されていた製品を購入し、実際にはTHCを含んでいた場合、購入者は麻薬及び向精神薬取締法違反として逮捕・起訴される可能性が高いでしょう。
販売業者が「これは合法です」と断言していたとしても、THCであることを認識していれば、それを信じて使用した側の責任がなくなるわけではありません。実際に、近年は「合法」を謳うTHC製品を使用して逮捕されるケースが増加しています。
では、THC製品を使用して警察に発覚した場合、具体的にどのような流れで手続きが進むのでしょうか。以下、各段階について詳しく見ていきましょう。
逮捕・勾留
THC使用の疑いがかかると、まず逮捕される可能性があります。
逮捕には主に3つの種類があります。最も多いのは「通常逮捕」で、警察が裁判官から逮捕状を取得した上で行う逮捕です。次に「現行犯逮捕」があり、多くの場合はTHC製品の所持が見つかった場合に行われますが、THC製品を使用している現場や、使用直後に警察官に発見された場合にも行われます。また、緊急を要する場合には、逮捕後に逮捕状を請求する形で行われる「緊急逮捕」もあります。
逮捕されると、最大48時間は警察署内の留置場に身柄を拘束されます。この間に警察の取り調べを受け、その後、検察官に事件が送致(送検)されます。
検察官への送致後、検察官は被疑者を受け取ってから24時間以内に勾留請求するかどうかを判断します。勾留請求が認められると、さらに10日間の身柄拘束が決定されます。事案が複雑な場合や追加の捜査が必要な場合には、さらに最大10日間の延長が認められるため、逮捕から最長で23日間もの間、身柄を拘束される可能性があるのです。実際にも、THC使用で逮捕勾留された場合、延長されるケースがほとんどです。
大麻事件では、証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがあると判断されることが多く、大半で勾留が認められてしまいます。長期間の身柄拘束により、仕事を失ったり、学校に通えなくなったりするなど、社会生活に深刻な影響が出ることは避けられません。
起訴
勾留期間中又は在宅での捜査を経て、検察官は起訴するかどうかを判断します。
大麻事件における起訴率は比較的高く、警察庁の統計によれば、法改正前の大麻取締法違反での検挙者のうち約5割が起訴されています。改正後の、THCを含む麻薬及び向精神薬取締法違反についても、同様に高い起訴率が予想されています。
起訴されると、正式に刑事裁判の被告人となります。日本の刑事裁判における有罪率は99%を超えているため、起訴されれば有罪判決を受ける可能性が極めて高いと言えるでしょう。
初犯の場合、検察官が起訴猶予処分を選択する可能性もゼロではありません。起訴猶予とは、犯罪の嫌疑は十分にあるものの、被疑者の年齢や境遇、犯罪の軽重などを考慮して起訴しない処分です。ただし、THC事件では薬物の危険性が重視されるため、初犯であっても起訴される可能性が極めて高いのが現実です。
一方、何度も薬物事件を起こしている再犯者の場合、起訴される可能性はさらに高まります。再犯者には依存性の問題があると判断され、社会内での更生が困難と見なされるためです。
公判
起訴されると刑事裁判(公判)が開かれ、裁判所が有罪・無罪および量刑を判断します。
初犯の場合、執行猶予付き判決となるケースが多く見られます。執行猶予とは、有罪判決は下されるものの、一定期間(通常3年~5年程度)問題を起こさなければ刑務所に入らずに済むという制度です。THC使用の初犯では、1年から1年6月程度の拘禁刑に、3年から5年の執行猶予が付くのが一般的な相場と言えるでしょう。
ただし、執行猶予が付けば安心というわけではありません。有罪判決であることに変わりはなく、前科が付きます。また、執行猶予期間中に再び犯罪を犯せば、執行猶予は取り消され、前の判決の刑と合わせて刑務所に収監されることになるのです。
再犯の場合は、執行猶予が付かず実刑判決となる可能性が高まります。特に執行猶予期間中に再び薬物犯罪を犯した場合、裁判所は「更生の意思がない」「社会内での処遇は不適切」と判断し、実刑を選択することがほとんどです。再犯の量刑相場は1年から2年程度の拘禁刑となり、実際に刑務所で服役しなければなりません。
裁判では、犯行の動機や態様、薬物の使用歴、反省の程度、再犯防止の取り組みなどが量刑判断の材料となります。弁護士による適切な弁護活動により、量刑が軽減される可能性もあるため、起訴後も弁護士のサポートが重要となるでしょう。
THC(大麻)の使用が警察に発覚した場合の対処法
THC使用が警察に発覚してしまった場合、速やかに弁護士に相談することが最も重要な対処法です。
薬物事件は専門性が高く、適切な法的知識と経験がなければ対応が困難な分野となっています。弁護士に依頼することで、捜査段階から裁判まで、各段階で適切なサポートを受けることができるのです。
特に逮捕直後は、家族や友人と連絡が取らせてもらえない状況に置かれます。このような時に頼れるのが弁護士です。弁護士には逮捕された被疑者と面会する「接見」の権利が認められており、警察官が立ち会うことなく秘密を守って相談できます。
では、具体的に弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下、主な利点について説明していきます。
弁護士に依頼するメリット①:接見・取調べ等のアドバイス
逮捕直後の取調べは、事件の行方を大きく左右する重要な場面です。
警察の取調べでは、どう答えるべきか、何を話してはいけないのか、冷静な判断が求められます。しかし、逮捕されたばかりの状態では精神的に動揺しており、適切な対応ができないことも少なくありません。不用意な発言により、自分に不利な供述調書が作成されてしまう危険性があるのです。
弁護士は接見を通じて、専門家として取調べでの対応方法を具体的にアドバイスしてくれます。たとえば、黙秘権の行使が有利になるケースや、逆に事実を正直に話すべき状況など、個別の事案に応じた最適な戦略を提案します。
また、供述調書に署名する前に内容をしっかり確認すること、事実と異なる記載があれば訂正を求めることなど、実務的なアドバイスも受けられます。警察官が作成した調書は裁判での重要な証拠となるため、慎重に扱う必要があるのです。
接見では、家族への連絡を依頼したり、勤務先への対応を相談したりすることもできます。弁護士が外部との橋渡し役となることで、社会生活への悪影響を最小限に抑える努力ができるでしょう。
弁護士に依頼するメリット②:釈放・保釈に向けた弁護活動
薬物事件では長期の身柄拘束が一般的ですが、弁護士の活動によって早期釈放の可能性を高めることができます。
弁護士はまず、勾留の必要性がないことを裁判所に主張します。具体的には、被疑者に定まった住所があり逃亡のおそれがないこと、証拠隠滅の可能性が低いこと、社会的に信用のある人物であることなどを示す資料を提出します。勤務先からの上申書や家族の身元引受書なども有効な資料となるでしょう。
勾留請求に対して準抗告という不服申立てを行うことも可能です。検察官が勾留を請求し、裁判官がそれを認めた場合でも、準抗告により再度、別の裁判官に判断してもらえるのです。
起訴後は、保釈請求を行うことができます。保釈とは、保証金を納めることで、裁判所に身柄を解放してもらう制度です。弁護士が適切な保釈理由を主張し、監督体制を整えることで、保釈が認められる可能性が出てきます。
身柄が解放されれば、仕事を続けられたり、家族と一緒に生活しながら裁判に臨めたりするため、社会復帰への道筋を保つことができるのです。大麻事件では勾留阻止・保釈のハードルが高い面もありますが、弁護士の尽力により実現するケースも少なくありません。
弁護士に依頼するメリット③:再犯防止のサポート
薬物事件における大きな課題が再犯率の高さです。
法務省の統計によれば、覚醒剤事件の再犯率は約60%に達しており、大麻を含む薬物犯罪全体でも再犯率が高い傾向にあります。これは薬物の持つ依存性によるもので、一度使用した人が再び手を出してしまうリスクが非常に高いことを示しています。
裁判所も再犯防止への取り組みを重視しており、量刑判断において大きな要素となります。具体的な再犯防止策を示せるかどうかが、執行猶予を得られるかどうかの分かれ目になることも少なくないのです。
弁護士は、薬物依存症の専門治療機関を紹介してくれます。ダルク(DARC)のような薬物依存症のリハビリ施設や、精神科クリニックなど、適切な治療・回復支援プログラムにつなげることで、依存からの脱却をサポートします。
家族による監督体制の構築も重要です。弁護士は家族と面談し、薬物から遠ざけるための具体的な生活設計を一緒に考えます。このような総合的なサポート体制が、再犯防止と社会復帰への道を開くでしょう。
弁護士に依頼するメリット④:減刑・執行猶予判決を目指した弁護活動
裁判段階では、弁護士が量刑を軽減するための弁護活動を展開します。
まず、被告人の反省の態度を裁判所に示すことが重要です。弁護士は被告人と面談を重ね、犯行に至った経緯や反省の気持ちを整理し、法廷で適切に表現できるよう準備します。上辺だけの反省ではなく、なぜ薬物に手を出してしまったのか、今後どう生きていくのかを真摯に語ることが求められるのです。
次に、情状証人の選定と準備を行います。情状証人とは、被告人の人柄や更生の可能性について証言する人のことで、通常は家族や雇用主などが務めます。弁護士は証人と事前に打ち合わせを行い、裁判所に伝えるべきポイントを整理します。
さらに、場合によっては贖罪寄付なども検討します。これは犯罪により社会に迷惑をかけたことへの謝罪の気持ちとして、更生保護施設や薬物依存症支援団体などに寄付を行うものです。金額の多寡よりも、被告人の反省と更生への決意を示す行動として評価される場合もあります。
初犯で悪質性が低いケースでは、これらの弁護活動により執行猶予判決を獲得できる可能性があります。また、再犯のケースでも、適切な弁護により刑期を短縮できることがあるのです。
弁護士は量刑相場を熟知しており、個別の事案においてどの程度の刑が予想されるか、どのような弁護戦略が有効かを判断できます。専門家のサポートを受けることで、最善の結果を目指すことができるでしょう。
実際に依頼を受けたTHC(大麻)使用に関する事例
弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は、薬物事件はもちろん、数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所です。
ここからは、弊所で実際に弁護活動の依頼を受けたTHC関連事件について紹介します。
事例①:THCの成分を含むCBDリキッド所持による逮捕
依頼者様はTHCの成分を含んでいるCBDリキッドを所持していたところ、警察官から職務質問を受けて逮捕されました。依頼者様は合法と聞いてCBDリキッドを購入して使用していましたが、実際には違法とされるTHCの成分が入っていたのです。
弁護士は逮捕されてしまった依頼者様のもとに向かい、接見を行いました。
依頼者様と今後の方針についての話をして、取調べにどのように対応すべきか、どのように供述するべきか等のアドバイスを行い、早期釈放や不起訴処分となるように担当の検察官と交渉を行った結果、不起訴処分の獲得に至りました。
事例②:友人から勧められた電子タバコから違法成分が検出
依頼者様は、友人から勧められた電子タバコを吸った後、警察官から職務質問を受けました。警察官の捜査を受けて、自身が吸ったものが大麻の疑いがあることが判明、所持していた大麻と思われる物は鑑定に回されることになってしまいました。
大麻と思われる物の鑑定の結果、違法な成分が検出されることになれば、逮捕される可能性がある中でのご依頼となりました。
そのため、捜査機関に対して逃走のおそれがないことや罪証隠滅はしないこと等、逮捕回避の申し入れを行い、今後の方針を見立てて依頼者様とは取調べに対するアドバイスを行いました。
捜査機関との交渉を行った結果、逮捕されることなく任意捜査を受けることになり、不起訴処分を獲得することができました。
THCに関するよくある質問(Q&A)
THCについては誤解や不正確な情報が多く、正しい知識を持つことが重要です。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
Q.THCは合法?
A.いいえ、日本ではTHCは完全に違法です。
法改正(2024年12月施行)前は、使用が罪にはなっていませんでした。しかし、法改正により、THCは麻薬及び向精神薬取締法によって「麻薬」として指定されています。「麻薬」は製造・輸入・所持・使用・譲渡など、あらゆる行為が禁止されており、違反すれば厳しい刑罰が科されます。
インターネット上では「合法THC」「THC-O」「THCV」といった名称で製品が販売されていることがありますが、これらも実質的にTHCと同様の精神活性作用を持つ物質であり、日本の法律では「麻薬」若しくは「指定薬物」として違法と判断される可能性が極めて高いでしょう。名称を変えたり、化学構造を少し変えたりしても、法規制の対象となり得ることに変わりはありません。
また、海外では合法とされている国もありますが、日本国内では一切認められていません。海外で合法であることと、日本で合法であることは全く別の問題です。海外旅行先で使用経験があっても、日本に帰国してから使用すれば違法行為となります。
THCの合法性について疑問がある場合は、安易に手を出さず、必ず専門家に確認することをおすすめします。
Q.「合法」と言われたTHCは使用しても大丈夫?
A.いいえ、絶対に使用してはいけません。
販売業者が「これは合法です」「日本でも問題ありません」と主張していても、それを鵜呑みにしてはいけません。実際には違法であるTHCを含んでいる可能性が高く、使用すれば麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕・起訴されるリスクがあります。
「合法だと思っていた」「知らなかった」という弁解は、法的責任を免れる理由にはなりません。刑法では「法律の不知は許されず」という原則があり、法律を知らなかった、つまり「THCが違法薬物だと知らなかった」ことは犯罪の成立を妨げないのです。
近年、「合法」と宣伝されたTHC製品を購入・使用して逮捕されるケースが増加しています。販売業者の言葉を信じて購入した人たちが、実際に刑事事件の被疑者となり、人生を大きく狂わされているのです。
大麻に関する製品を購入する際は、たとえ「合法」と表示されていても、極めて慎重に判断する必要があります。少しでも疑わしい場合は、手を出さないことが最善の選択でしょう。自分の人生を守るためにも、違法な物質には一切関わらないという姿勢が大切です。
THCは違法!警察に発覚した場合は弁護士へ相談を
この記事では、THCの法的位置づけと、使用した場合のリスクについて詳しく解説してきました。
改めて強調しますが、日本ではTHCは完全に違法です。麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されており、使用・所持・譲渡など、どのような形であれTHCに関わることは犯罪行為となります。「合法」という宣伝文句に惑わされず、違法な物質には決して手を出さないでください。
万が一、THC製品を使用してしまい警察に発覚した場合、または使用を疑われて取調べを受けることになった場合は、速やかに弁護士に相談することが極めて重要です。
弁護士は逮捕直後の接見から取調べ対応のアドバイス、身柄解放に向けた活動、再犯防止のサポート、そして裁判での弁護活動まで、刑事事件の全過程において強力なサポートを提供してくれます。特に薬物事件は専門性が高く、適切な法的知識と経験がなければ対応が困難な分野です。
一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で専門家の助けを求めることが、より良い結果につながるでしょう。THCに関する問題で不安や疑問がある方は、まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談してみてください。
CBDオイルで捕まる?違法になるケースと逮捕後の流れを弁護士が解説

大麻草に含まれている成分の一つであるCBDを使用しているCBDオイル。
「CBDオイルは合法」とされていますが、含まれている成分によっては違法となり捕まる可能性もある危険な製品です。
本記事では、CBDオイルで捕まるケースや捕まってしまった後の流れについて詳しく解説していきます。CBDオイルで問われる罪や罰則についても徹底解説。
「CBDオイルを使っていたら警察から捜査を受けることになって捕まるか不安、、」
「家族がCBDオイルで逮捕されてしまった、、」
このような不安を抱いている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
CBDオイルとは
CBDオイルとは、大麻草に含まれる天然成分のひとつであるカンナビジオール(CBD)を抽出したオイルや製品のことを指します。大麻草由来と聞くと違法なイメージを持つかもしれませんが、CBDには精神作用や依存性がないと研究で示されているため、適切に製造されたものであれば日本でも合法的に使用できます。
近年、CBDはリラックス効果やストレス軽減、不眠の改善などが期待できるとして注目を集めており、海外では医療用途でも利用され、難治性てんかんの治療薬として承認されている国もあります。日本国内でも健康食品や化粧品としてCBD製品が流通しており、利用者は年々増加しているのが現状です。
ただし、大麻草には他にも様々な成分が含まれており、その中には日本では違法とされている成分のものもあります。そのため、CBD製品を選ぶ際には、違法な成分が含まれていないかをしっかり確認することが重要になります。
CBDとTHC、HHCの違い
大麻草に含まれる主要な成分として、CBD以外にTHC(テトラヒドロカンナビノール)とHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)があります。THC(テトラヒドロカンナビノール)とHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)は、人体への影響が大きく、法律で規制されています。
CBDの特徴
CBDは大麻草の成熟した茎や種子から抽出される成分で、精神活性作用(いわゆる「ハイ」になる作用)がありません。依存性もなく、リラックス効果や抗炎症作用などが期待されており、日本では一定の条件下で合法的に使用できます。
THCの特徴
THCは大麻草の花穂や葉に多く含まれる主要な成分で、多幸感や陶酔感をもたらす精神活性作用があります。この作用により依存性や乱用の危険性があるため、日本では厳しく規制されています。令和6年12月12日からは麻薬及び向精神薬取締法において「麻薬」の一種として位置づけられ、規制がさらに強化されました。
HHCの特徴
HHCはTHCを水素化することで作られる半合成カンナビノイドです。THCと似た精神活性作用があるとされ、一時期「合法なTHC」として日本でも流通していました。しかし令和4年3月17日から「指定薬物」として規制され、現在は医療用途を除き製造、輸入、販売、所持、使用が禁止されています。違反した場合は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科される可能性があります。
また業として(営利の目的で)製造、輸入、販売、所持、使用をした場合の罰則は、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはこれらを併科と、より厳しいものとなります。
これらの違いを理解しておくことで、違法な製品を誤って購入するリスクを減らすことができるでしょう。
CBDオイルを使用すると捕まる?
CBDオイルを使用したからといって必ず捕まるわけではありません。適法に製造・輸入された違法成分の含まれていないCBD製品であれば、所持も使用も問題なく行えます。しかし、製品に違法な成分が含まれている場合は話が別です。令和6年12月12日に施行された法改正により、CBD製品の規制基準が明確化され、違法となる製品の範囲が定められました。
ここでは、どのような場合に合法となり、どのような場合に違法となるのかを詳しく見ていきましょう。正しい知識を持つことが、法律違反を避ける第一歩になります。
CBDオイルが合法となるケース
CBD製品が合法となるためには、以下の条件を満たす必要があります。
抽出部位の条件
日本の法律では、大麻草の成熟した茎または種子から抽出・製造されたCBD製品は合法とされています。これらの部位から適切に抽出され、THCの含有量が基準値内のCBDであれば、大麻草の栽培の規制に関する法律や麻薬及び向精神薬取締法の規制対象から除外され、適法とされています。
THC残留限度値の条件
令和6年12月12日以降、CBD製品に残留するΔ9-THCの量について、以下の残留限度値が設けられました。この基準を満たしているCBD製品は合法として扱われます。
- 油脂(常温で液体であるもの): 10ppm(0.001%)以下
- 水溶液: 0.1ppm(0.00001%)以下
- その他の製品: 1ppm(0.0001%)以下
これらの基準値を超えなければ、法規制の対象にはなりません。正規の輸入業者が扱う商用のCBD製品は、厚生労働省や検疫所、税関の確認をクリアしているため、基本的には安全とされていますが、購入する際は細心の注意が必要です。
購入時の確認ポイント
合法なCBD製品を選ぶには、第三者機関による検査結果が開示されているものを選びましょう。成分分析書にTHC項目が「ND(検出されない)」または「Not Detected」と記載されているか確認することが大切です。また、信頼できるメーカーや正規代理店から購入することで、違法製品に手を出すリスクを大幅に軽減できます。
CBDオイルが違法となるケース
一方、以下のような場合にはCBD製品が違法となり、所持や使用により逮捕される可能性があります。
THC残留限度値を超える場合
CBD製品に含まれるTHCの量が前述の残留限度値を超えている場合、その製品は麻薬及び向精神薬取締法における「麻薬」に該当します。たとえ「CBDオイル」として販売されていたとしても、基準値を超えるTHCが検出されれば違法な「大麻リキッド」として扱われます。
抽出部位が不適切な場合
大麻草の花穂、葉、未成熟の茎、根から抽出されたCBDは、たとえTHC含有量が少なくても違法です。これらの部位から作られた製品は、日本の法律では大麻に該当するため、所持するだけで犯罪になります。
個人輸入や非正規ルートでの購入
海外から個人輸入したCBD製品や、フリマアプリなどで個人から購入した製品には特に注意が必要です。これらは成分が不明確であったり、日本の基準をクリアしていなかったりする場合が多くあります。海外では合法でも、日本の基準では違法となる製品も多数存在します。
検査機関の認証がない製品
製品ラベルや販売サイトに成分分析書の記載がない、製造元や販売業者の情報が不明瞭な製品は避けるべきです。これらの製品は品質や安全性が保証されておらず、違法成分が含まれている可能性が高いと言えるでしょう。
違法なCBD製品を所持・使用した場合、後述するように重い刑事罰が科される可能性があります。購入する際は必ず信頼できる情報源から正規品を選ぶようにしてください。
合法だと思っていたCBDオイルでも捕まることがある?
「合法のCBD製品として販売されていたから安全だろう」と思って購入しても、実際には違法な成分が含まれていて逮捕されるケースがあります。これは決して珍しい話ではありません。
令和2年7月には、埼玉県内の専門商社が取り扱っていたCBDオイルから違法な大麻成分THCが検出され、厚生労働省が購入者に製品の提出を呼びかける事態が発生しました。また、令和4年7月までに微量のTHCが検出されたことで回収されたCBD製品は15種類にも上っています。
違法性を認識していなくても処罰される
日本の法律(特に刑事事件)では「法律の不知は許さず」という原則があります。つまり、「違法であることを知らなかった」「合法だと思っていた」という言い訳は、なかなか通用しません。販売者が「合法」と謳っていても、実際に基準値を超える違法成分が含まれていれば、所持者が刑事責任を問われることになります。
なぜ合法と思われていた製品が違法になるのか
大麻草の茎と葉の境界部分は明確ではないため、茎から抽出したと説明されている製品でも、実際には葉の成分が混入している可能性があります。また、成熟した茎であってもその「樹脂」は規制対象となっており、完全にTHCをゼロにすることは技術的に困難だと言われています。
さらに、令和6年12月12日の法改正により、従来は合法だったCBD製品の中にも、新しい残留限度値の基準を満たさずに違法となったものが多数存在します。厚生労働省が定める数値基準は諸外国に比べて厳しい値が明確に設定されているため、現在市場に出回っているCBD製品の中には、基準を満たさずに違法になる製品があることを認識しておかなければなりません。
消費者が注意すべきこと
安易に「合法だから大丈夫」と考えず、購入前に十分な確認を行い、信頼できる製品のみを選択することが重要です。
また法改正前に購入したCBD製品を所持している場合は、基準を満たしているかどうかしっかりと確認するとともに、不安を感じている方は早期に弁護士に相談することをお勧めします。(購入時に適法だとされていた製品であっても、法改正後に所持し続けると違法となります。)
違法なCBDオイル(大麻リキッド)で問われる罪
違法な成分を含むCBDオイル、すなわち基準値を超えるTHCが含まれている製品は「大麻リキッド」として扱われ、麻薬及び向精神薬取締法違反に問われることになります。
法改正による変更点
令和6年12月12日以前は、大麻の所持や譲渡などは大麻取締法違反として処罰されていました。しかし、法改正により大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」に名称が変更され、大麻とTHCが麻薬及び向精神薬取締法における「麻薬」として位置づけられました。
これにより、従来は大麻取締法で5年以下の拘禁刑とされていた単純所持罪が、麻薬及び向精神薬取締法のもとで7年以下の拘禁刑に厳罰化されています。また、従来の大麻取締法では使用罪が存在しませんでしたが、法改正後は「麻薬施用罪」として使用も処罰されるようになりました。
問われる罪の種類
違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関しては、行為の内容により以下のような罪に問われます。
①使用・所持・譲渡・譲受: 麻薬及び向精神薬取締法第66条、第66条の2
②輸出・輸入・製造: 麻薬及び向精神薬取締法第64条
③営利目的の場合: より重い罰則が適用
①②の罪はいずれも拘禁刑のみが規定されており、罰金刑はありません。つまり、有罪の場合、執行猶予を獲得しなければ刑務所に収容されることとなります。また③については、より厳罰化されており、拘禁刑だけでなく罰金刑も合わせて言い渡される可能性が高くなります。
次の章では、これらの罪に対する具体的な罰則について詳しく見ていきます。違法なCBD製品の使用や所持がどれほど重大な犯罪であるかを理解しておきましょう。
違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する罰則
違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する麻薬及び向精神薬取締法違反の罰則は、行為の内容や営利目的の有無によって異なります。ここでは行為別に具体的な罰則を条文を引用しながら解説します。
使用・所持・譲渡・譲受
違法なCBDオイル(大麻リキッド)の使用、所持、譲渡、譲受については、以下の罰則が規定されています。
使用(施用)の罰則
麻薬及び向精神薬取締法第27条第1項は「麻薬施用者でなければ、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方箋を交付してはならない」と定めています。この規定に違反した者は、同法第66条の2により「7年以下の拘禁刑に処する」とされています。
従来の大麻取締法では使用罪がなかったため、尿検査等でTHCが検出されても直接処罰することができませんでした。しかし法改正により、違法なCBDオイル(大麻リキッド)を使用する行為自体が処罰対象となり、若年層の乱用抑止効果が期待されています。
所持・譲渡・譲受の罰則
麻薬及び向精神薬取締法第66条第1項は「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第六十九条第四号若しくは第五号又は第七十条第五号に規定する違反行為をした者を除く。)は、7年以下の拘禁刑に処する」と規定しています。
ここでいう「所持」とは、法律上・事実上の実力支配関係を意味します。自宅や車に保管している場合も所持に該当するため、たとえ使用していなくても所持しているだけで処罰されます。また、「譲り渡し」や「譲り受け」も同様に7年以下の拘禁刑の対象となります。
令和6年12月12日以前は、営利目的でない大麻の単純所持は大麻取締法で5年以下の懲役(拘禁刑)でしたが、法改正後は7年以下の拘禁刑に厳罰化されました。
輸出・輸入・製造
違法なCBDオイル(大麻リキッド)の輸出、輸入、製造については、より重い罰則が科されます。
輸出・輸入・製造の罰則
麻薬及び向精神薬取締法第65条第1項は「1年以上10年以下の拘禁刑に処する」と定めています。
輸入・輸出・製造行為は、単純な所持や使用よりも社会的な影響が大きいため、より重く処罰されます。
海外から個人輸入したCBD製品に基準値を超えるTHCが含まれていた場合、たとえ少量であっても「輸入」に該当し、この重い罰則の対象となる可能性があります。安易な個人輸入は非常に危険だと言えるでしょう。
営利目的だと罪が重くなる
上記の行為を営利目的で行った場合、罰則はさらに重くなります。
営利目的の使用・所持・譲渡・譲受
麻薬及び向精神薬取締法第66条第2項は「営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の拘禁刑に処し、又は情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金に処する」と規定しています。
単純な所持等が7年以下の拘禁刑であるのに対し、営利目的の場合は最低でも1年の懲役が科され、さらに罰金が併科される可能性もあります。
営利目的の輸入・輸出・製造
麻薬及び向精神薬取締法第65条第2項は「営利の目的で前項の罪を犯したときは、当該罪を犯した者は、1年以上の有期拘禁刑に処し、又は情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金に処する。」と定めています。
「営利目的」とは、自分や第三者が財産上の利益を得る目的のことを指します。友人に有償で譲渡する場合なども、複数回行えば営利目的と判断される可能性があるため注意が必要です。
このように、違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する罰則は非常に重く、人生に大きな影響を与えるものです。絶対に違法な製品に手を出さないようにしましょう。
違法なCBDオイルで捕まるとどうなる?
違法なCBDオイル(大麻リキッド)の所持や使用により警察に摘発されると、逮捕から刑事裁判、判決に至るまで長期にわたる刑事手続きに巻き込まれることになります。ここでは、逮捕されてから判決が出るまでの流れを段階ごとに詳しく解説します。
逮捕・勾留判断|72時間以内
違法なCBDオイル(大麻リキッド)の所持や使用が警察に発覚すると、まず逮捕される可能性があります。
逮捕の種類と手続き
逮捕には、現行犯逮捕、通常逮捕(令状逮捕)、緊急逮捕の3種類があります。違法なCBD製品を所持している現場で逮捕された場合は現行犯逮捕となり、後日の捜査で判明した場合は令状に基づく通常逮捕となるでしょう。また職務質問後に、警察署に任意同行された場合などはで緊急性がある場合は、緊急逮捕されることもあります。
逮捕されると、まず警察署に連行され、最長48時間以内に検察官に送致(送検)されます。検察官は送致を受けてから24時間以内に、裁判官に勾留請求を行うかどうかを判断します。つまり、逮捕から勾留請求の判断までは最長で72時間(3日間)となります。
逮捕後の制限
逮捕されている間は、身体を拘束され、警察署の留置場に収容されます。外部との連絡は制限され、家族や会社への連絡も自由にはできません。勾留が決定するまでは、基本的に弁護士以外との面会も原則として認められないため、仕事や学校に行くこともできず、社会生活に大きな影響が出ます。また、勾留決定後も接見禁止となった場合は、弁護士以外が面会することはできませんので、生活への影響はより大きくなってしまいます。
弁護士の重要性
逮捕直後から弁護士のサポートを受けることが非常に重要です。弁護士は逮捕直後から面会でき、適切なアドバイスを提供できます。また、勾留決定を阻止するための活動を行い、早期釈放を目指すことができます。
勾留最長20日間
検察官が勾留請求を行い、裁判官がこれを認めると、さらに長期間の身体拘束が続きます。
勾留とは
勾留とは、被疑者の身体を拘束して捜査を続けるための手続きです。勾留が決定されると、まず10日間の身体拘束が認められます。さらに検察官が請求し、裁判官が認めれば、最長で10日間の延長が可能です。つまり、勾留期間は最長で20日間となります。
勾留による影響
勾留期間中も警察署または拘置所等に収容され続けます。逮捕からの期間を合わせると、最長で23日間(逮捕期間の最大3日間+勾留期間の最大20日間)も身体を拘束されることになります。
逮捕、勾留期間中は、この長期間にわたって仕事や学校に行けないため、解雇や退学のリスクが高まります。また、家族や友人との面会も制限されるため、精神的にも大きな負担となるでしょう。
勾留を回避・短縮するには
弁護士は、勾留の必要性や理由がないことを主張し、勾留決定を阻止したり、早期釈放を目指す活動を行います。証拠隠滅や逃亡のおそれがないこと、定まった住居があることなどを示すことで、勾留を回避できる可能性があります。
検察官の終局処分(起訴・不起訴)
勾留期間内に、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。
起訴とは
起訴とは、事件を刑事裁判にかける旨の訴訟行為のことです。検察官が起訴処分を下すと、公開の刑事裁判が開かれることになります。日本の刑事裁判の有罪率は99%以上と言われていることからも分かるように、刑事裁判で無罪を得ることは非常に困難です。
起訴には「公判請求」と「略式命令請求」の2種類があります。公判請求の場合は正式な刑事裁判が開かれますが、略式命令請求の場合は書類上の手続きのみで罰金刑が科されます。ただし、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪には罰金刑だけの規定がないため、起訴は公判請求を意味します。
不起訴とは
不起訴とは、事件を刑事裁判にかけずに検察官の判断で手続きを終了させる処分です。不起訴の理由には「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」などがあります。
「嫌疑なし」は、犯罪の嫌疑がないと判断された場合です。「嫌疑不十分」は、犯罪の嫌疑はあるものの証拠が不十分な場合です。「起訴猶予」は、犯罪の証拠は十分にあるものの、犯人の性格、年齢、境遇、情状などを考慮して起訴しないと判断された場合です。
不起訴を獲得するには
弁護士は、証拠が不十分であることを主張したり、初犯で反省していること、二度と同様の行為をしないことなどを検察官に訴えたりして、不起訴処分を目指します。また、自ら出頭したり、自首したりすることは、有利な情状として考慮される可能性があります。
刑事裁判・判決
起訴されると、刑事裁判が開かれ、最終的に判決が言い渡されます。
刑事裁判の流れ
起訴されると、通常1~2ヶ月後に第1回公判期日が指定されます。公判では、検察官が起訴状を朗読し、被告人(起訴された人)に対して事実を認めるかどうかを確認します。その後、検察官と弁護人がそれぞれ証拠を提出し、証人尋問などが行われます。
麻薬及び向精神薬取締法違反の事件では、鑑定書(押収された物質が本当に麻薬であることを証明する書類)、尿検査の結果、被告人の供述調書などが証拠として提出されます。
判決の内容
最終的に、裁判官が有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑を科すかを判断します。前述のとおり、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪には罰金刑だけの規定がないため、有罪判決の場合は実刑(刑務所に収容される)か執行猶予付き判決となります。
初犯で所持量が少量、本人が深く反省しているなどの事情があれば、執行猶予が付く可能性もあります。執行猶予とは、執行猶予期間中に再び罪を犯さなければ、刑の執行を受けなくて済むという制度です。
一方、営利目的であった場合、前科がある場合、所持量が多い場合などは初犯であっても実刑判決となる可能性が高くなります。
刑事裁判の影響
刑事裁判は公開で行われるため、基本的には誰でも法廷に入ることができます。事案によっては報道され、社会的な信用を失う可能性もあります。また、有罪判決を受けると前科がつき、その後の就職や日常生活に影響が出ることもあります。
弁護士は裁判においても、被告人に有利な事情を主張し、できる限り軽い刑を目指して弁護活動を行います。執行猶予を獲得できれば、刑務所に行かずに社会復帰できる可能性が残ります。
違法なCBDオイルを使ってしまった場合の対処法
もし違法なCBDオイル(大麻リキッド)を使用してしまった、または所持していることに気づいた場合は、直ちに適切な対処をすることが重要です。早期に正しい対応をとることで、刑事責任を軽減できる可能性があります。
直ちに使用・所持を中止する
まず何よりも、すぐに使用をやめることが大切です。所持している場合は、自分の判断で処分するのではなく、専門家に相談することをお勧めします。
証拠を保全する
製品のパッケージ、購入時のレシート、販売店の情報など、入手経路を示す資料は保管しておきましょう。これらは、悪意がなかったことを示す証拠となる可能性があります。
すぐに弁護士に相談する
違法なCBD製品を使用・所持してしまったことに気づいたら、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に相談してください。弁護士は以下のようなアドバイスや対応を行います。
- 警察や麻薬取締部への自首を検討すべきかどうかの判断
- もし警察から連絡があった場合の対応方法の指導
- 取調べを受ける際の供述内容についてのアドバイス
自首を検討する
自首とは、捜査機関に犯罪が発覚する前に、自ら進んで犯罪事実を申告し、処分を求めることです。刑法第42条により、自首した者は刑を減軽することができると定められています。
違法なCBD製品の使用や所持について、まだ警察に発覚していない段階で自首すれば、逮捕を免れたり、刑事責任が軽減される可能性があります。特に初犯で反省している場合は、不起訴処分となる可能性も高まるでしょう。
薬物依存の治療を開始する
もし違法なCBD製品を繰り返し使用していた場合は、薬物の依存症に陥っている可能性があります。専門のクリニックや医療機関で治療を開始することは、反省の態度を示すとともに、再犯防止の意思を明確にすることで刑事処分に有利となるだけでなく、依存症から脱却し健康体を取り戻すためにも非常に有効的です。
検察官や裁判官も、治療を開始していることを評価する傾向があり、処分や量刑を決定する際の有利な情状として考慮されます。
家族や信頼できる人に相談する
一人で抱え込まず、家族や信頼できる友人に相談することも大切です。精神的なサポートを受けることで、適切な判断ができるようになります。ただし、相談する際は秘密が守られる相手を選ぶよう注意してください。
違法なCBD製品に関わってしまったことに気づいたら、できるだけ早く専門家に相談し、適切な対処をすることが何よりも重要です。放置していると、後日摘発されて取り返しのつかない事態になる可能性があります。
違法なCBDオイルにおける具体的な弁護活動
違法なCBDオイル(大麻リキッド)の事件で弁護士に依頼すると、逮捕の回避から不起訴獲得、減刑まで、事件の各段階において専門的な弁護活動を受けることができます。ここでは、弁護士が行う具体的な活動内容を段階別に解説します。
逮捕回避に向けた弁護活動
警察から任意の取調べを受けている段階、または逮捕される前の段階で弁護士に依頼すれば、逮捕を回避できる可能性があります。
任意出頭への同行と取調べ対応
弁護士は警察署への任意出頭に同行し、取調べの前後で適切なアドバイスを行います。何をどこまで話すべきか、黙秘権をどのように行使するかなど、不利にならない供述方法を指導します。
証拠隠滅・逃亡のおそれがないことの主張
逮捕は、証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合に行われます。弁護士は、依頼者に定まった住居があること、家族の監督が期待できること、社会的地位があることなどを捜査機関に説明し、逮捕の必要性がないことを主張します。
在宅事件での処理を目指す
弁護士の働きかけにより、身体を拘束せずに捜査を進める「在宅事件」として扱ってもらえる可能性があります。在宅事件となれば、仕事や学校を続けながら捜査に協力できるため、社会生活への影響を最小限に抑えられます。
証拠の任意提出
違法なCBD製品を所持している場合、弁護士の立ち会いのもとで任意に提出することで、捜査への協力姿勢を示すことができます。これにより、強制捜査や逮捕を回避できる可能性が高まります。
釈放・保釈に向けた弁護活動
すでに逮捕・勾留されている場合、弁護士は早期の身体解放を目指して活動します。
勾留請求への意見書提出
検察官が勾留請求を行う際、弁護士は裁判官に対して意見書を提出し、勾留の必要性がないことを主張します。住居が定まっていること、家族の監督が期待できること、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことなどを具体的に説明します。
勾留決定への準抗告
裁判官が勾留を決定した場合でも、その決定に対して準抗告(不服申立て)を行うことができます。弁護士は速やかに準抗告を申し立て、上級裁判所に勾留決定の取消しを求めます。
勾留取消請求・勾留執行停止請求
勾留期間中であっても、事情の変化があれば勾留の取消しや執行停止を請求できます。例えば、すでに取調べ等の必要とされる捜査が終結している場合や、証拠がすべて押収されて証拠隠滅のおそれがなくなった場合などです。
保釈請求
起訴後は保釈制度を利用できます。弁護士は裁判所に保釈請求を行い、保釈保証金を納付することで身体の釈放を実現します。保釈が認められれば、裁判期間中は通常の生活を送ることができます。
接見禁止の(一部)解除
身体拘束中、弁護士以外との面会は制限されますが、弁護士は接見禁止の一部解除を申し立て、家族との面会を実現できる場合があります。家族の支えは精神的に大きな助けとなります。
不起訴・減刑判決に向けた弁護活動
弁護士は最終的な処分や判決をできるだけ軽くするための活動を行います。
違法性の認識がなかったことの主張
合法なCBD製品として購入したにもかかわらず、実際には違法成分が含まれていたという事情がある場合、弁護士はその経緯を詳しく調査し、主張します。故意がなかったことを示すことで、処分の軽減を目指します。
反省と更生の意思の表明
深く反省していること、二度と同様の行為をしないことを示すため、弁護士は反省文の作成をサポートします。また、薬物依存の治療を受けたり、今後CBD製品を使用しないことを誓約書にまとめることによって、更生に向けての強い意志を示します。
検察官との交渉
弁護士は検察官と面談し、依頼者の反省の態度、初犯であること、社会的に失うものが大きいことなどを説明し、不起訴処分(起訴猶予)を求めます。特に初犯で所持量が少量の場合は、不起訴となる可能性があります。
情状証人の準備
刑事裁判になった場合、弁護士は家族や友人などを情状証人として法廷に立たせ、被告人の人柄や反省の様子、監督体制などを証言してもらいます。これにより、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高まります。
量刑事情の主張
判決を軽くするため、弁護士は有利な事情(初犯、所持量が少量、営利目的ではない、深く反省している、家族の監督が期待できる、社会的制裁を受けているなど)を主張します。
再犯防止のためのサポート
弁護士は事件の解決後も、依頼者が再び同様の問題を起こさないようサポートします。
薬物依存専門クリニックの紹介
違法なCBD製品を繰り返し使用していた場合、薬物依存の問題がある可能性があります。弁護士は薬物依存を専門に扱うクリニックや医療機関を紹介し、治療を受けるよう助言します。
治療を開始していることは、検察官や裁判官に対して更生の意思を示す強力な証拠となります。また、実際に依存症から回復することで、真の意味での社会復帰が可能になります。
ダルク(DARC)などの支援団体の紹介
DARC(Drug Addiction Rehabilitation Center)は、薬物依存からの回復を目指す民間のリハビリ施設です。弁護士はこうした支援団体を紹介し、グループミーティングなどのプログラムに参加するようサポートします。
継続的な相談対応
事件が解決した後も、弁護士は依頼者からの相談に応じます。執行猶予期間中の過ごし方、前科が就職に与える影響への対処法、再犯を防ぐための生活習慣の改善などについてアドバイスを提供します。
家族へのサポート
弁護士は依頼者本人だけでなく、家族に対してもサポートを行います。家族が依頼者を適切に監督し、支えられるよう助言することで、再犯防止の環境を整えます。
このように、弁護士は単に法廷で弁護するだけでなく、事件の初期段階から解決後まで、トータルでサポートを提供します。早期に弁護士に相談することで、より良い結果を得られる可能性が高まるでしょう。
家族が違法なCBDオイルで逮捕されたら弁護士へ
家族が違法なCBDオイル(大麻リキッド)の所持や使用により逮捕された場合、家族としてできることは限られています。しかし、すぐに弁護士に相談することで、本人を支え、事態を好転させることができます。
逮捕直後から弁護士しか面会できない
逮捕されると、本人は警察署の留置場に収容され、家族であっても面会することができません。弁護士だけが逮捕直後から本人と面会し、状況を確認し、適切なアドバイスを提供できます。
家族が弁護士に依頼すれば、弁護士が本人と面会して状況を確認し、家族に報告してくれます。また、本人に「家族が心配している」「弁護士を依頼した」というメッセージを伝え、精神的な支えとなります。
早期の身体解放を実現できる可能性
前述したように、弁護士は勾留阻止や早期釈放のための活動を行います。逮捕から72時間以内に弁護士が動けば、勾留を阻止して早期に本人を自宅に戻せる可能性があります。
勾留されてしまうと最長23日間も拘束され、仕事を失ったり、学校を退学になったりするリスクが高まります。早期に弁護士に依頼することで、こうしたリスクを減らせます。
家族にできる具体的なサポート
弁護士の指示のもと、家族は以下のようなサポートを行うことができます。
- 身元引受書の作成: 本人の監督を約束する書面を作成し、釈放や保釈の際に提出します
- 上申書の作成: 家族の立場から、本人が深く反省していること、家族が監督することなどを記載した書面を作成します
- 情状証人としての出廷: 刑事裁判になった場合、法廷で証言し、本人の更生を支える意思を示します
- 治療への付き添い: 薬物依存の治療が必要な場合、クリニックへの通院に付き添います
弁護士費用について
刑事弁護の費用は事務所によって異なります。弁護士費用が高額となってしまう場合もありますが、本人の人生を守るための必要な投資と考えるべきでしょう。
また、資力がない場合は国選弁護人制度を利用することもできます。ただし、国選弁護人は勾留決定後にしか選任されないため、逮捕直後から動いてもらうには私選弁護人を依頼する必要があります。
まとめ
違法なCBDオイル(大麻リキッド)に関する事件は、本人だけでなく家族にとっても大きな試練となります。しかし、適切な時期に弁護士に相談し、専門的なサポートを受けることで、最悪の事態を避けられる可能性があります。
家族が逮捕されたら、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談してください。弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は薬物事件はもちろん、数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所です。
初回相談は無料で受け付けていますので、薬物事件を起こして不安な方は、まずは弊所にご相談ください。
大麻の共同所持とは|大麻の共同所持で逮捕されても不起訴は目指せる?

複数人で大麻を所持していた場合、大麻の共同所持として逮捕される可能性があります。しかし、場合によっては大麻の共同所持が成立しない場合もあり、大麻が見つかったからと言って必ず刑罰を受けるわけではありません。
本記事では、大麻の共同所持とはどのような行為を指すのかについて解説していきます。大麻の共同所持が認められるケースと認められにくいケースについても徹底解説しました。
「夫が自宅に隠していた大麻が見つかった、、」
「友達の車に乗っていて職務質問を受けたら大麻が見つかった、、」
このような状況で不安を抱えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
大麻の共同所持とは
大麻の共同所持とは、複数人が共同で大麻を所持している状態を指します。実際に大麻を購入したり、手に持っていなくても、実質的な支配下に大麻があれば共同所持が成立する可能性があります。
たとえば、友人が購入した大麻をあなたの家に保管し、あなたもその事実を認識していれば、例えその大麻があなたの物でなくても共同所持として認められることがあります。
大麻の共同所持かどうかは、その大麻が誰の物で、どのような目的でその場所にあるのか、大麻のある場所が誰の支配下なのか、そして、そこに大麻があることを知って(認識して)いるかどうかなどを、総合的に考慮して判断されます。
例えば、遊びに行った友達の家に、友達が大麻を隠し持っていた場合でも、そこに大麻があることを認識していれば、警察の捜査を受けることがあり、場合によっては、大麻の共同所持として有罪認定を受けることがあるので、注意が必要です。
ちなみに、令和6年12月11日以降、大麻に関する法律が改正され、大麻の所持は麻薬及び向精神薬取締法で規制されるようになりました。それ以前は大麻取締法違反として扱われていましたが、現在は麻薬及び向精神薬取締法違反として処罰され、厳罰化されているので注意が必要です。
大麻の共同所持で問われる罪
大麻の共同所持が認められた場合、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪に問われます。ただ大麻の共同所持違反という規定はなく、麻薬及び向精神薬取締法で規制されている大麻の所持違反を、刑法でいうところの共同正犯として犯したことになります。
共同正犯とは
共同正犯とは、複数人が共同して犯罪を実行した場合に、それぞれが正犯として刑事責任を負う制度です。刑法第60条では「二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と定められています。
大麻の共同所持のケースでは、大麻を購入した者や、大麻が存在する場所の管理者だけでなく、その大麻を共同所持していたと認められた者全員が共同正犯として扱われ、同じ刑事責任を負うことになります。
共同正犯が成立するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 共同実行の意思:複数人が共同で犯罪を行う意思があること
- 共同実行の事実:実際に共同で犯罪を実行したこと
大麻の共同所持では、複数人が大麻を共同で管理・支配する意思と事実があれば、共同正犯として認められる可能性が高まります。
大麻の共同所持による刑罰
大麻の共同所持で有罪になった場合、麻薬及び向精神薬取締法に基づいて処罰されます。営利目的でない単純所持の場合、7年以下の拘禁刑が科せられます。
なお、令和7年6月から刑法が改正され、従来の懲役刑と禁錮刑は「拘禁刑」に統一されました。拘禁刑とは、刑事施設に収容する刑罰のことで、受刑者の改善更生を目的として作業や指導が行われます。
営利目的で大麻を所持していた場合は、さらに重い刑罰が科せられます。営利目的の所持では1年以上10年以下の拘禁刑または情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金となります。
営利目的でなければ、初犯の場合は執行猶予が付く可能性が非常に高いですが、前科がある場合や所持量が多い場合はその限りではありません。刑罰の重さは、所持量、態様、前科の有無などを総合的に考慮して決定されます。
大麻の共同所持が認められるケース
大麻の共同所持が成立するかどうかは、大麻に対する「実質的支配」があるか等によって総合的に判断されます。ここでは、共同所持と認められやすい具体的なケースを見ていきましょう。
大麻の保管場所を知っていた
自宅や車の中に大麻が保管されていることを知っていた場合、大麻の共同所持が認められやすくなります。大麻があることを認識しているということは、その大麻を使用したりといった処分ができる立場にあったと判断され、共同所持が認められやすくなります。
たとえば、同居している友人が自宅の引き出しに大麻を隠していて、その場所を知っていたケース。この場合、自分で購入していなくても、いつでも大麻を取り出し使用できる状態にあったと認定される可能性があります。
また、車の中に大麻が隠されていて、その場所を知っていた場合も同様です。車の所有者でなくても、日常的に車を使用していて保管場所を把握していれば、実質的支配があると判断されやすくなります。
一緒に大麻を吸っていた
同居人や知人と一緒に大麻を使用していた場合も、大麻の共同所持が認められやすくなります。共同で使用するということは、その大麻に対して支配的な立場にあったことを示すためです。
たとえば、友人が購入した大麻を定期的に一緒に使用していた場合。自分では購入していなくても、友人に頼めばいつでも一緒に吸える関係性があれば、共同で所持していたと認定される可能性が高まります。
また、大麻を吸うための道具を共同で使っていた場合や、大麻の購入費用を分担していた場合も、共同所持していたと判断される材料になります。共同で使用する行為そのものが、大麻に対する共同支配を示す証拠となるのです。
ただし、1回だけ誘われて使用した場合と、日常的に一緒に使用していた場合では、実質的支配の認定が異なる可能性があります。継続的な使用関係があるほど、共同所持と認められやすくなります。
大麻を隠すことに協力していた
自宅や車にある大麻を他人に見つからないように隠したり、大麻の持ち込みを許可していた場合も、大麻の共同所持が認められやすくなります。隠す行為や場所の提供は、大麻を所持する意思があったことを示すためです。
たとえば、友人が大麻を自宅に持ち込むことを承知していて、警察に見つからないように隠し場所を提案したケース。この場合、大麻を保管することに積極的に関与していたと判断され、共同所持していたと認定される可能性が高まります。
また、自分の部屋や車のトランクを大麻の保管場所として提供していた場合も同様です。場所を提供するということは、その大麻を実質的に支配する立場にあったことを意味します。
さらに、警察の捜索が入りそうになったときに大麻を移動させたり、処分を手伝ったりした場合も、協同所持の認識を持っていた証拠となります。こうした積極的な関与は、単なる黙認ではなく、共同で大麻を管理していたと認定される大きな要因になります。
大麻の共同所持が否定されやすいケース
大麻の共同所持が成立するには大麻を所持している意思が必要です。ここでは、共同所持が否定されやすい状況を見ていきましょう。
大麻の保管場所を知らなかった
大麻がどこに保管されているのか知らなかった場合や、そもそも大麻の存在自体を知らなかった場合は、大麻の共同所持が認められないでしょう。大麻の存在と場所を認識していないということは、大麻所持の故意が認められないからです。
たとえば、同居人が自分に内緒で部屋に大麻を隠していて、ある日突然警察の捜索で発覚したケース。この場合、大麻の存在を全く知らなかったと認定されれば、共同所持は認められないでしょう。
また、友人の車に乗っていて、その車から大麻が見つかったものの、自分は大麻があることを知らなかった場合も同様です。単に同じ空間にいただけでは、共同所持は認められません。
ただし、警察や検察は大麻所持を立証するために、尿検査を行い、大麻の使用歴があるか等を調べ、「本当に知らなかったのか」を厳しく追及します。日常的に一緒に行動していた場合や、不自然な言動があった場合は、知っていたと推認される可能性もあります。知らなかったことを証明するためには、客観的な証拠や説得力のある説明が必要になるでしょう。
自分で大麻を取り出すことができなかった
自分の判断で大麻を取り出すことができない状態だった場合も、大麻の共同所持が認められにくくなります。所持とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為」とされているため、大麻を自由に取り出せない状況では、場合によっては共同所持とは認められない可能性があります。
さらに、一度だけ友人に誘われて大麻を使用したものの、残った大麻を友人が保管し、自分自身は、どこにあるか知らなかったような場合でも、大麻の使用罪に問われることがあっても、所持罪に問われる可能性は低いでしょう。
【事例紹介】実際に大麻の共同所持で逮捕されたケース
職務質問で車内の大麻が見つかり逮捕
建設作業員のAさん(20代)は、友人の車に同乗してドライブ中に警察官の職務質問を受けました。そこで警察官が車内から乾燥大麻を発見し、友人と共に大麻の所持罪(当時は大麻取締法違反)で現行犯逮捕されました。
Aさんは、数日前にこの友人と共に大麻を使用していましたが、職務質問を受けた際に発見された大麻については、友人が車内に隠し持っていたもので、その存在すら認識していませんでした。
Aさんは、20日間の勾留を受け、その間、友人が大麻を隠し持っていたことを知っていたのだろうと、警察から厳しい追及を受けましたが、その認識を否定し続け、結果的に不起訴処分となりました。
大麻の共同所持で逮捕された後の流れ
大麻の共同所持で逮捕されると、どのような手続きが進むのでしょうか。ここでは、逮捕から判決までの流れを時系列で解説します。
逮捕・勾留請求|72時間以内
大麻の共同所持の疑いで逮捕されると、まず警察署に連行されます。逮捕から48時間以内に、警察は取り調べを行い、検察官に事件を送致するかどうかを判断します。
検察官に送致されると、検察官は24時間以内に、裁判所に勾留請求をするかどうかを決定します。つまり、逮捕から検察官の判断まで、合計で72時間以内に重要な決定が行われるのです。
この72時間の間、逮捕された人は警察署の留置場に留め置かれ、自由に外部と連絡を取ることはできません。ただし、弁護士との面会は認められており、弁護士を通じて家族に連絡を取ることが可能です。
逮捕直後の対応が今後の処分に大きく影響します。取り調べでは黙秘権があることを理解し、不利な供述を避けることが重要になります。早い段階で弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
勾留決定・勾留|最長20日間
検察官が勾留請求をすると、裁判官が勾留の必要性を判断します。勾留が決定されると、まず10日間の身体拘束が始まります。捜査の必要性があれば、さらに最長10日間の延長が認められ、合計で最長20日間勾留される可能性があります。
勾留中は、警察や検察による取り調べが続きます。大麻所持の認識があったかどうか等、詳しく聴取されます。この期間中、家族との面会は制限される場合がありますが、弁護士との面会は引き続き可能です。
勾留中の取り調べでどのように対応するかが、その後の処分を大きく左右します。事実と異なる自白をしてしまうと、後から撤回することが難しくなるため、慎重な対応が求められます。
勾留されている間も、弁護士は検察官と交渉し、不起訴処分や保釈を求める活動を行うことができます。早期の身体解放を目指すには、弁護士の適切なサポートが不可欠です。
検察官による終局処分|起訴・不起訴
勾留期間が終了するまでに、検察官は事件を起訴するか不起訴にするかを決定します。これを終局処分と呼びます。
不起訴処分になれば、刑事裁判は開かれず、前科もつきません。不起訴の理由には、嫌疑不十分(有罪立証に足る証拠が不足している)、嫌疑なし(犯罪事実がない)、起訴猶予(犯罪は認められるが、諸般の事情を考慮して起訴しない)などがあります。
大麻の共同所持のケースでは、そもそも大麻を所持している認識がなかったことを証明できれば嫌疑なし(又は嫌疑不十分)で不起訴になる可能性があります。また、初犯で反省している場合や、被害者のいない事件であることから、起訴猶予となる可能性もあります。
一方、起訴処分になると刑事裁判が始まります。起訴には、公開の法廷で裁判が行われる「公判請求」と、書面審理のみで罰金刑が科される「略式命令請求」があります。大麻の共同所持では、罰金刑のみの法定刑がないため、公判請求されることになります。
不起訴を目指すには、早期に弁護士を選任し、大麻所持に関与していなかったことや、大麻所持の故意がなかったこと等を示す証拠を集めたり、検察官と交渉したりすることが重要です。
刑事裁判・判決
起訴されると、刑事裁判が始まります。裁判では、検察官が大麻の共同所持があったことを立証し、弁護士が無罪や減刑を主張します。被告人も法廷で意見を述べる機会があります。
裁判は複数回にわたって開かれることが多く、証拠調べや証人尋問などが行われます。大麻の共同所持のケースでは、共謀の有無や、大麻所持の故意、そもそも大麻所持に関与しているのか等が主な争点となります。自身の供述だけでなく、共犯者の供述や、メールの送受信履歴、その他、共犯者同士の関係性や、大麻使用の有無等を総合的に考慮して、共同所持が成立するかどうかが判断されます。
すべての審理が終わると、裁判官が判決を言い渡します。有罪になれば、拘禁刑等の刑事処分が科されます。初犯の場合は執行猶予が付く可能性もありますが、前科がある場合や所持量が多い場合は実刑判決となることもあります。
判決に不服がある場合は、控訴することができます。控訴審では、一審の判決が適切だったかどうかが審理されます。
刑事裁判では、弁護士の弁護活動が判決に大きく影響します。無罪を主張する場合も、減刑を求める場合も、専門的な法律知識と経験が必要になります。信頼できる弁護士に依頼し、最善の結果を目指すことが大切です。
大麻の共同所持で逮捕されても不起訴は目指せる?
大麻の共同所持で逮捕されたからといって、必ず起訴されるわけではありません。検察官の判断により、不起訴処分となる可能性もあります。不起訴になれば刑事裁判は開かれず、前科もつきません。
不起訴処分には、主に「嫌疑なし(又は嫌疑不十分)」と「起訴猶予」の2つのパターンがあります。どちらも最終的に裁判にならない点は同じですが、その理由は大きく異なります。
大麻の共同所持のケースでは、所持の認識がなかったこと等を証明できれば、嫌疑なし(又は嫌疑不十分)で不起訴になる可能性があります。また、所持量が微量であったり、初犯で反省の態度が見られる場合は、起訴猶予となることもあります。早期に弁護士に相談し、適切な対応を取ることで、不起訴の可能性を高めることができるでしょう。
嫌疑不十分(証拠不十分)による不起訴
嫌疑不十分による不起訴とは、犯罪の嫌疑はあるものの、有罪判決を得られるだけの証拠が不十分な場合に下される処分です。「証拠不十分」とも呼ばれ、検察官が裁判で有罪を立証できないと判断した場合に選択されます。
大麻の共同所持のケースでは、大麻を所持している(する)認識、つまり故意を認定する証拠が不足している場合等に、嫌疑不十分で不起訴になる可能性があります。たとえば、大麻の存在を知らなかったこと、大麻を保管している場所を知らなかったこと等を、客観的に示せれば、共同所持の故意を立証することができないとされやすくなります。
具体的には、以下のような状況が嫌疑不十分につながる可能性があります。
- 大麻の存在を認識していなかった可能性がある
- 同居人が自分に内緒で大麻を隠していた証拠がある
- 大麻を使用した形跡がなく、尿検査でも陰性だった
嫌疑不十分で不起訴になるためには、大麻所持の故意がなかったことを疑わせる証拠を集めることが重要です。弁護士は、目撃者の証言、メールやLINEのやり取り、防犯カメラの映像などを収集し、検察官に提出します。客観的な証拠が揃えば、嫌疑不十分での不起訴の可能性が高まります。
起訴猶予による不起訴
起訴猶予による不起訴とは、犯罪事実は認められるものの、被疑者の年齢、性格、境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の状況などを考慮して、検察官が起訴しないと判断する処分です。刑事訴訟法第248条に基づく、検察官の裁量による処分になります。
大麻の共同所持のケースでは、共同所持の故意や事実があったことは認められるものの、以下のような事情がある場合に起訴猶予となる可能性があります。
- 初犯である:大麻事犯の前科がなく、今回が初めての犯行である
- 所持量が極めて少量である:1回の個人使用にも満たないくらい微量
- 深く反省している:取り調べで素直に事実を認め、二度と繰り返さないと誓っている
- 社会的制裁を受けている:逮捕により職を失ったり、家族関係が悪化したりしている
- 更生の見込みがある:家族の監督が期待でき、薬物依存の治療を受ける意思がある
起訴猶予を得るためには、反省の態度を示すことが非常に重要です。弁護士を通じて検察官に上申書を提出し、深い反省と更生の意思を伝えます。また、家族の監督を約束する誓約書や、薬物依存症の治療を受けることを証明する書類なども有効です。
さらに、大麻を処分したこと、薬物に関わる人間関係を断ち切ったことなど、具体的な更生への取り組みを示すことも起訴猶予につながります。検察官は、被疑者が本当に更生できるかどうかを総合的に判断するため、誠実な対応が求められます。
大麻の共同所持で弁護士ができる弁護活動
大麻の共同所持で逮捕された場合、弁護士に依頼することで様々な弁護活動を受けられます。弁護士は、不起訴を目指す活動から、早期釈放、減刑まで、段階に応じた適切な対応を行います。
弁護士の介入が早ければ早いほど、有利な結果を得られる可能性が高まります。逮捕直後から弁護士と連携することで、取り調べへの適切な対応、検察官との交渉、証拠の収集など、多方面から事件解決に向けた活動が可能になります。
ここでは、大麻の共同所持のケースで弁護士ができる具体的な弁護活動を見ていきましょう。
不起訴に向けた弁護活動
不起訴処分を目指す弁護活動では、弁護士は主に2つのアプローチを取ります。1つは嫌疑不十分を主張する活動、もう1つは起訴猶予を求める活動です。
嫌疑不十分を主張する活動では、大麻所持の故意がなかったことを証明するための証拠収集等が中心になります。弁護士は以下のような活動を行います。
- 大麻の保管場所を知らなかったことを裏付ける証拠の収集
- 目撃者や関係者からの事情聴取と陳述書の作成
- 尿検査の結果など、大麻を使用していなかった証拠の提示
- 検察官に対する意見書の提出
起訴猶予を求める活動では、被疑者の更生可能性と再犯防止策を検察官に訴えます。具体的には次のような活動です。
- 被疑者本人による反省文・上申書の作成支援
- 家族による監督誓約書の作成と提出
- 薬物依存症の専門医療機関への受診手配と治療計画の提示
- 職場復帰や社会復帰に向けた具体的な計画の説明
- 検察官との面談による情状の説明
弁護士は、検察官に対して「この被疑者を起訴する必要性は低い」と納得してもらうために、あらゆる角度から働きかけを行います。特に初犯の場合は、適切な弁護活動により不起訴の可能性を大きく高めることができます。
早期の釈放・保釈に向けた弁護活動
逮捕・勾留されると、最長23日間も身体を拘束される可能性があります。弁護士は、できるだけ早く被疑者を釈放させるために、様々な活動を行います。
勾留前の段階では、以下の活動を行います。
- 検察官に対する勾留請求の不要性の主張
- 逃亡や証拠隠滅のおそれがないことの説明
- 家族の監督体制があることの証明
- 裁判所に対する勾留請求却下の申立て
検察官が勾留請求をしても、裁判官が勾留の必要がないと判断すれば釈放されます。弁護士は裁判官に対して、勾留の必要性がないことを法的に主張します。
勾留後の段階では、以下の活動を行います。
- 準抗告(勾留決定に対する不服申立て)の提出
- 勾留取消請求・勾留執行停止請求の申立て
起訴後に勾留が続いている場合は、保釈請求を行います。保釈が認められれば、保釈金を納付することで身体を解放してもらえます。弁護士は以下の点を裁判所に訴えます。
- 逃亡のおそれがないこと(住所が明確、家族の監督がある)
- 証拠隠滅のおそれがないこと(捜査が終了している、共犯者との接触を避ける)
- 社会生活への影響(仕事、家族の世話など)
- 健康上の理由
早期釈放は、被疑者の社会生活を守るだけでなく、取り調べでの不利な供述を防ぐ効果もあります。身体拘束のストレスから解放されることで、冷静な判断ができるようになります。
執行猶予付き判決・減刑判決に向けた弁護活動
起訴されて刑事裁判になった場合でも、弁護士は執行猶予付き判決や減刑判決を目指して活動します。特に初犯の場合は、執行猶予を獲得できる可能性が高まります。
執行猶予を目指す弁護活動では、以下のような活動を行います。
- 被告人の反省の深さを示す陳述書の作成
- 更生計画の具体的な提示(薬物治療、就労、家族の支援)
- 情状証人の出廷依頼(家族、雇用主など)
- 薬物依存症治療の専門家による鑑定書の提出
- 社会復帰後の監督体制の説明
執行猶予は、刑務所に入らずに社会で更生する機会を与える制度です。裁判官に「この被告人なら社会で更生できる」と判断してもらうために、具体的な更生計画と支援体制を示すことが重要になります。
減刑を目指す弁護活動では、以下の点を主張します。
- 所持量が少量であること
- 営利目的ではなく自己使用目的であったこと
- 共同所持における役割が従属的であったこと
- 犯行に至る経緯や動機に酌むべき事情があること
- 前科がない、または軽微な前科のみであること
弁護士は、法廷で被告人に有利な事情を丁寧に説明し、量刑の軽減を求めます。判例や量刑相場を踏まえた的確な主張により、執行猶予や減刑の可能性を高めることができます。
また、裁判中も薬物依存症の治療を継続していることを示すことで、更生への真摯な姿勢をアピールします。治療の経過報告書や医師の意見書などを証拠として提出し、再犯のおそれが低いことを裁判官に理解してもらいます。
大麻の共同所持に関するQ&A
大麻の共同所持について、よくある質問とその回答をまとめました。疑問や不安を解消する参考にしてください。
Q.大麻の共同所持は逮捕・勾留される?
A.大麻の共同所持が認められる場合、逮捕・勾留される可能性は高くなります。
大麻の共同所持は麻薬及び向精神薬取締法違反の重大な犯罪です。警察は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断すれば、逮捕状を請求して身体を確保します。特に以下のような状況では、逮捕される可能性が高まります。
- 大麻の所持量が多い
- 営利目的での所持が疑われる
- 前科がある、または余罪がある
- 取り調べに対して虚偽の供述をしていると疑われる
- 共犯者と口裏合わせをするおそれがある
逮捕後は、検察官が勾留請求をし、裁判官が勾留を認めれば最長20日間勾留されます。勾留の要件は、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることです。
ただし、すべてのケースで逮捕・勾留されるわけではありません。初犯で所持量が少量、住所が明確で逃亡のおそれがない、家族の監督が期待できるなどの事情があれば、在宅事件として扱われることもあります。在宅事件の場合、逮捕されずに自宅から警察に出頭して取り調べを受けることになります。
逮捕を避けるため、または早期釈放を実現するためには、弁護士に早めに相談することが重要です。弁護士は、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを警察や検察に説明し、身体拘束の回避や解除を求める活動を行います。
Q.家や車に大麻があることを知らなくても共同所持になる?
A.自宅や車に大麻があることを知らなかった場合、所持の故意がないため、大麻の共同所持は認められにくくなります。
大麻の共同所持が成立するためには、大麻がそこにあること(あるのではないか)の認識が必要です。したがって、大麻の存在を知らなければ、大麻所持の故意が認められず、共同所持は成立しません。
たとえば、以下のようなケースでは共同所持が否定される可能性があります。
- 同居人が自分に内緒で大麻を自宅に隠していた
- 友人の車に乗っていたが、車内に大麻があることを知らなかった
- 共同で使用している場所に他人が勝手に大麻を持ち込んでいた
ただし、警察や検察は「本当に知らなかったのか」を厳しく追及します。以下のような状況があると、知っていたと推認される可能性があります。
- 同居人や車の所有者と日常的に一緒に大麻を使用していた
- 大麻の保管場所を掃除したり整理したりしたことがある
- 大麻の臭いがする場所に頻繁に出入りしていた
- 大麻を隠すために協力した形跡がある
「知らなかった」という主張を通すためには、客観的な証拠が重要です。大麻を使用していなかった証拠(尿検査の陰性結果)、同居人や車の所有者との関係性(ほとんど接触がなかった)などを示す必要があります。
弁護士は、これらの証拠を集めて検察官や裁判所に提出し、共同所持の故意がなかったことを法的に主張します。早期に弁護士に相談し、適切な証拠を確保することが重要です。
Q.大麻の共同所持は初犯でも実刑になる?
A.大麻の共同所持は、初犯でかつ営利目的ではない場合には実刑となる可能性は低いでしょう。
初犯の場合の量刑相場
初犯で営利目的ではない単純所持の場合、多くのケースで執行猶予付き判決となります。一般的な量刑相場は以下の通りです。
- 執行猶予付き判決:拘禁刑(懲役)8月~1年6月、執行猶予3年〜4年
ただし、以下のような事情があると、初犯でも実刑判決となる可能性があります。
- 所持量が非常に多い(営利目的と判断される量)
- 他の薬物事犯と併せて起訴されている
- 逮捕後も反省の態度が見られない
- 更生の見込みがないと判断される
再犯の場合の量刑相場
大麻事犯の前科がある場合、実刑判決となる可能性が高まります。一般的な量刑相場は以下の通りです。
- 実刑判決:拘禁刑(懲役)8月〜2年(前科の内容や所持量による)
- 執行猶予付き判決:事情によっては再度執行猶予が付くこともあるが、可能性は低い
前科がある場合でも、前回の事件から相当期間が経過している、所持量が少量である、薬物依存症の治療を受けているなどの事情があれば、執行猶予が付く可能性もあります。
実刑を避けるためには
初犯の場合、適切な弁護活動により執行猶予を獲得できる可能性が高いです。深い反省、更生計画の提示、家族の監督体制、薬物依存症治療の実施などを裁判官に示すことで、社会内での更生が相当であると判断してもらえます。
弁護士は、被告人に有利な情状を丁寧に主張し、執行猶予判決を目指します。早期に弁護士に相談し、適切な準備を進めることが重要です。
大麻の共同所持が発覚した場合は弁護士へ相談
大麻の共同所持が発覚した場合、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。弁護士の介入が早ければ早いほど、有利な結果を得られる可能性が高まります。
大麻の共同所持は、管理権の有無という法的な判断が必要になる複雑な事件です。何が証拠として有効か、どのように主張すべきか、検察官とどう交渉するかなど、専門的な知識と経験が求められます。素人判断で対応すると、不利な供述をしてしまったり、重要な証拠を見逃したりする危険があります。
弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 取り調べへの適切なアドバイス:黙秘権の行使や供述の仕方について助言を受けられる
- 不起訴に向けた活動:嫌疑不十分や起訴猶予を目指した証拠収集と検察官との交渉
- 早期釈放の実現:勾留阻止、勾留取消、保釈請求などによる身体解放
- 執行猶予・減刑の獲得:情状弁護による有利な判決の実現
- 精神的なサポート:不安を軽減し、冷静な判断を支援
大麻の共同所持で逮捕された、または警察から任意の取り調べを求められている場合は、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。初回相談は無料としている法律事務所も多くあります。早期の対応が、あなたの将来を守る鍵となります。
海外で大麻を吸った日本人はどうなる?海外での大麻使用は日本で発覚する?

海外で大麻を吸った日本人は、現地の法律で合法であっても大麻取締法24条の8に規定されている「国外犯処罰規定」によって日本で処罰される可能性があります。
本記事では、処罰の法的根拠から帰国後に逮捕されるまでの流れ、量刑の相場と執行猶予の可能性、弁護士が取り得る対応策について解説します。
「現地で合法だったから問題ないと思っていた」「SNSに投稿してしまって不安」といった方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
海外で大麻を吸った日本人はどうなる?
海外で大麻を吸った日本人は帰国後に大麻取締法違反として捜査・逮捕の対象になる可能性があります。現地で合法であること、または「知らなかった」という主張が通るかどうかは、個々の状況によって異なります。
多くの方が「現地では違法でもないのに、なぜ日本の法律で裁かれるのか」と感じるかもしれません。これは日本の刑事法が持つ「属人主義(ぞくじんしゅぎ)」「保護主義(ほごしゅぎ)という考え方に基づいており、日本国籍を持つ人が海外で行った一定の犯罪行為にも日本の法律を適用できるとされているためです。
実際に、海外での大麻使用が帰国後に発覚して立件された事例は複数報道されています。「海外での話だから大丈夫」という認識は、法律上正確ではありません。逮捕・起訴・有罪判決というリスクが現実に存在することをまず理解しておく必要があります。
海外でも処罰される根拠は?
日本人が海外で大麻を使用した場合に日本の法律が適用されるのは、大麻取締法(昭和23年法律第124号)に国外犯処罰規定(同法第48条の8)が設けられているためです。
つまり、日本を出国して外国の地で行った行為であっても、その人が日本国籍を持つ限り、日本の刑事法の適用対象になるということです。
大麻取締法で禁止されている行為(所持・譲渡・栽培・使用)
大麻取締法は、大麻の所持・譲渡・栽培などを禁止しており、2024年12月に施行された改正法によって「使用罪」が新たに追加されました。これにより、大麻を吸う・食べるといった使用行為そのものが明文で処罰対象となっています。
改正前の大麻取締法には使用罪がなく、使用の事実だけでは直接処罰できないという運用上の問題がありました。しかし2024年12月の法改正後は、使用行為自体が犯罪として規定されたため、「吸ったが所持はしていない」という主張が成り立ちにくくなっています。禁止行為をまとめると以下のとおりです。
- 所持(大麻を手元に置いておくこと)
- 譲渡・譲受(他人に渡す、または他人から受け取ること)
- 栽培(大麻草を育てること)
- 使用(吸引・経口摂取などで体内に取り込むこと)※2024年12月施行の改正により追加
- 輸入・輸出
日本人が海外で大麻を使うと日本の法律で罰せられる?
大麻取締法には国外犯処罰規定(同法第24条の8)があり、日本国民が外国において同法の禁止行為を行った場合にも日本の刑事法が適用されます。わかりやすく言えば、「日本人である限り、どこにいても大麻取締法のルールは適用される」ということです。
また、この「属人主義」「保護主義」に基づく規定は大麻に限りません。覚醒剤取締法や麻薬及び向精神薬取締法にも存在します。
海外での使用を日本法で裁けるのは薬物の国際的な流通・乱用を防ぐという政策的な目的によるもの。帰国後に捜査当局が海外での使用事実を把握した場合、国内事件と同様に捜査・立件が進められます。
合法の国で吸っても日本では罪になる?
アメリカの一部の州やカナダ・タイなど、大麻の使用を合法または非犯罪化している国・地域は存在します。
しかし、それらの国で合法的に大麻を使用した日本人であっても、日本の大麻取締法の適用対象となり、帰国後に処罰を受ける可能性があります。
アメリカ・カナダ・タイで吸っても日本では処罰対象
現地の法律で合法であることは、日本の刑事手続きにおいて「無罪の根拠」にはなりません。日本の大麻取締法は、行為地(使用した国)の法律ではなく、行為者の国籍(日本人であること)を基準に適用されます。
たとえばカナダでは2018年から成人の嗜好用大麻が合法化されており、現地では問題なく購入・使用できます。タイも2022年に大麻の非犯罪化を進めました。
しかし、日本人がこれらの国で合法的に大麻を使用したとしても、日本の法律上は「大麻取締法違反」として扱われます。「現地で合法だった」という事実は、情状(量刑判断の際の考慮事情)としてわずかに考慮される余地はあっても、犯罪の成否そのものを左右するものではありません。
「現地で合法ならOK」が誤解とされる理由
「現地で合法だったから日本でも問題ない」という認識が誤解とされる理由は、日本の刑事法が「属人主義」「保護主義」を採用しているためです。つまり「どこで行ったか」ではなく「誰が行ったか」を基準にするということです。
また、現地で合法であることは「故意(わざとやった)」の否定にもなりません。現地で合法と知りながらあえて使用した場合、「大麻を使用するという認識はあった」として故意が認定されます。
「合法の国だから吸っても大丈夫と思った」という動機は、罪の成立を左右しないのが原則。この点が、多くの人が直感的に理解しにくい部分であり、知らず知らずのうちに法的リスクを抱える原因になっています。
海外での大麻使用が日本で発覚する主な経路
海外での大麻使用は「誰にも言わなければバレない」と思われがちですが、実際には複数の経路から発覚するリスクがあります。ここで発覚の経路について確認しておきましょう。
SNS・動画投稿から本人が特定されるケース
海外での大麻使用に関連する投稿をSNSや動画プラットフォームに行った場合、その投稿が捜査機関に把握されて本人が特定されるリスクがあります。投稿を削除しても、捜査機関はすでに保全した記録を証拠として利用できます。
具体的には、投稿した写真・動画・テキストから使用の場所・日時・同席者が特定されるケースがあります。また、タグ付けやコメントで第三者が関与していることが発覚する場合も少なくありません。
「海外だから発信しても問題ない」という判断は非常に危険であり、帰国後の捜査に直結する可能性があります。
帰国時の税関・空港での身体検査での発覚
帰国時に空港の税関で行われる荷物検査や身体検査によって、大麻成分を含む製品(食品・オイル・お菓子など)の持ち帰りが発覚するケースも少なくありません。現地で合法的に購入したものであっても、日本国内に持ち込むことは輸入行為にあたり、大麻取締法違反となります。
税関では麻薬探知犬やX線検査機器が使用されており、本人が意識していなかった場合でも検出されることがあります。「お土産のつもりで買ったCBD製品」や「大麻成分入りと知らずに購入したもの」が問題になるケースも近年増えてきているので注意が必要です。
関係者の通報・捜査機関への情報提供
海外で一緒に大麻を使用した同行者や、その様子を見ていた知人・友人が、後から捜査機関に情報提供したことで事件が発覚するケースもあります。人間関係のトラブルや別件で捜査を受けた関係者が自身の処分を軽くするために供述することも少なくありません。
また、SNSのダイレクトメッセージや通話履歴なども関係者の捜査を通じて間接的に取得されることがあります。「信頼できる仲間だけの話」と思っていても、状況によっては情報が捜査機関に渡る可能性があることを認識しておく必要があります。
海外で大麻を吸った日本人が帰国後に逮捕されるまでの流れ
捜査機関が海外での大麻使用を把握した場合、すぐに逮捕されるや任意の呼び出しから始まる場合など事案によって様々です。ここからは、それぞれのケースごとに解説していきます。
任意の事情聴取・呼び出しから始まるケース
証拠が固まりきっていない段階では、警察や検察から「任意で話を聞かせてほしい」という呼び出しがあるケースがあります。この段階では逮捕状は執行されておらず、在宅のまま捜査が進む「在宅事件」として扱われます。
任意の聴取には応じる義務がなく、黙秘権(もくひけん:自分に不利な供述を強制されない権利)も保障されています。しかし、「任意だから軽い話だろう」と油断して不用意に供述した内容が、後に証拠として使われることがあります。呼び出しを受けた時点で弁護士に相談することが、その後の処分結果に大きく影響します。
通常逮捕されて身柄拘束されるケース
捜査機関が逮捕の必要性と相当性があると判断した場合、裁判官が発付した逮捕状に基づいて通常逮捕が行われます。逮捕後は警察署の留置場に身柄を置かれ、48時間以内に検察官に送致されます。
その後、検察官が勾留(こうりゅう:引き続き身柄を拘束する手続き)を請求して裁判官が認めると、原則10日間の勾留が続き、延長されると最大でさらに10日間勾留が続きます(刑事訴訟法第208条)。つまり逮捕から起訴・不起訴の判断が下るまでに、最大で23日間にわたって身柄が拘束される可能性があります。
この間、家族や職場への連絡が制限されることも多く、早期に弁護士を選任することが重要です。
起訴・刑事裁判までのスケジュール
勾留期間中に検察官が「起訴(きそ:裁判にかけること)」を決定した場合、刑事裁判が始まります。起訴後は被告人として扱われ、公判(裁判の手続き)に向けた準備が進められます。
起訴から第1回公判期日まで、通常は1〜2か月程度かかります。薬物事案では、事実関係を争わない場合は公判が1〜2回で結審し、判決まで2〜3か月で終了するケースも少なくありません。
一方、不起訴処分(起訴猶予など)となれば裁判は行われず、前科もつきません。起訴されるかどうか、起訴された場合にどのような判決となるかは、弁護活動の内容に大きく左右されます。
海外での大麻使用で問われる刑罰
大麻取締法違反の法定刑と実際の量刑相場を正確に理解しておくことは、今後の見通しを持つために不可欠です。初犯であれば執行猶予がつく可能性もありますが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。
大麻に関する行為類型別の法定刑
2024年12月施行の法改正により、大麻に関する行為類型ごとの法定刑が整理・強化されました。主な罰則は以下のとおりです。
| 行為類型 | 法定刑(営利目的なし) | 法定刑(営利目的あり) |
| 使用 | 7年以下の拘禁刑 | 1年以上10年以下の拘禁刑(情状により罰金併科) |
| 所持・譲受・譲渡 | 7年以下の拘禁刑 | 1年以上10年以下の拘禁刑(情状により罰金併科) |
| 製造・輸出入 | 1年以上10年以下の拘禁刑 | 1年以上の有期拘禁刑(情状により罰金併科) |
海外での使用行為が対象となる場合、通常は「使用罪」または「所持罪」が適用されます。営利目的がない単純な使用・所持の場合は7年以下の拘禁が法定刑ですが、実際の量刑はこの上限より大幅に低い水準で推移しています。
初犯で執行猶予がつくケースの傾向
初犯で使用・所持量が少量、かつ反省の態度が明確であるケースでは、執行猶予付きの判決(刑法第25条)となる可能性があります。執行猶予とは、有罪判決が出ても一定期間(通常3〜5年)を問題なく過ごせば刑の執行が免除される制度です。
実務上、薬物事犯の初犯で情状が良好な場合は、執行猶予付き判決となるケースが少なくありません。ただし、以下のような事情がある場合は執行猶予が認められにくくなります。
- 過去に薬物事犯での前科・前歴がある
- 使用量・所持量が多く常習性がうかがわれる
- 営利目的での譲渡・販売に関与していた
- 反省の態度や再発防止の取り組みが見られない
執行猶予の可能性を高めるためには、弁護士が積極的に情状立証(反省・更生の証拠を裁判所に示す活動)を行うことが重要です。
実刑判決となる可能性が高いケース
初犯であっても実刑(刑務所に収監される判決)となりうるケースがあります。営利目的での密売や大量の譲渡が認定された場合、反省の態度がなく再犯の可能性が高いと判断された場合、または過去に執行猶予を受けてその猶予期間中に再び犯行に及んだ場合などは、実刑判決の可能性が高まります。
また、2回目以降の薬物事犯(再度の執行猶予)については、刑法第25条の2に厳格な要件が定められており、認められるケースは実務上かなり限定的です。「前回も執行猶予だったから今回も大丈夫」とは言えないのが現実です。
「知らずに摂取した」「合法だと思った」は通用する?
大麻取締法違反は故意犯(こいはん:わざとやった場合にのみ成立する犯罪)であるため、大麻成分が含まれていることを認識していなかった場合は原則として処罰されません。
ただし、「知らなかった」という主張が認められるかどうかは、状況証拠の積み重ねによって判断されます。
故意がなければ大麻取締法違反は成立しない
刑事法の大原則として「故意(こい)」、つまり「〇〇をするという認識・意思があったこと」が犯罪の成立要件です(刑法第38条)。大麻取締法違反も故意犯であるため、大麻を使用または所持するという認識がなければ、犯罪は成立しないのが原則です。
たとえば、大麻成分が含まれたお菓子や飲み物を、そうとは知らずに摂取した場合は、故意がないとして不処罰となる可能性があります。同様に、同行者から「これはハーブだ」と偽って渡されたものを摂取した場合も、状況によっては故意が否定されるかもしれません。
ただし、「知らなかった」と主張するだけで自動的に無罪になるわけではなく、その主張を裏付ける状況や証拠が必要です。
「知らなかった」が認められにくい典型ケース
「知らなかった」という弁解が認められにくいのは、周囲の状況から大麻であることを認識していたと推認される場合です。捜査機関は、本人の認識を直接の証拠だけでなく、状況証拠によって立証しようとします。
認められにくい典型的な状況の例は以下のとおりです。
- 一緒にいた人物が大麻を吸っているのを見ていた状況で自分も摂取した
- 「大麻だよ」「マリファナだよ」という言葉を聞いた可能性がある会話があった
- 現地で大麻専門店(ディスペンサリー)に入店し、その場で購入した商品を摂取した
- SNSに「大麻を試してみた」趣旨の投稿をしていた
このような状況証拠が積み重なると、「知らなかった」という主張は認められにくくなります。こうした状況に置かれている場合は、供述の内容が非常に重要になるため、早期に弁護士と相談して対応方針を決めることが不可欠です。
海外で大麻を吸った日本人に対して弁護士ができること
海外での大麻使用が発覚した・または発覚の可能性がある段階から、弁護士が行える弁護活動は多岐にわたります。早期に弁護士に相談することで、不起訴処分の獲得や量刑の軽減に向けた具体的な手を打つことができます。
不起訴処分を獲得するための弁護方針
起訴されなければ刑事裁判は開かれず、前科もつきません。不起訴処分(起訴猶予)を目指す弁護活動は、捜査の早い段階から動き出すほど有効です。
弁護士が不起訴に向けて行う主な活動は以下のとおりです。
- 検察官に対して、反省・更生の状況や再発防止策を記載した意見書の提出
- 薬物依存の専門的な治療・相談機関への通所開始と、その記録の提出
- 家族や職場関係者など身近な環境が整っていることを示す環境調査報告書の作成
- 取調べに対するアドバイス(黙秘権の行使や供述内容の整理)
特に初犯で使用量・所持量が少量のケースでは、こうした弁護活動が不起訴処分につながる可能性があります。逆に、弁護士なしで臨んだ取調べで不利な供述をしてしまうと、起訴に向けた証拠が固まってしまうリスクがあります。
執行猶予を獲得するための情状立証
起訴された場合でも、執行猶予を獲得すれば刑務所に収容されることはありません。執行猶予付き判決を目指すためには、弁護人による情状立証(じょうじょうりっしょう:量刑を軽くする方向に働く事情を裁判所に示す活動)が重要になります。
薬物事案における情状立証の主な内容は以下のとおりです。
- 被告人本人の深い反省と再犯防止の決意を示す陳述書の作成
- 薬物依存に関する専門機関(ダルク等の回復支援施設、精神科・依存症外来)への継続的な通院・参加記録の提出
- 家族や職場による監督・サポート体制が整っていることを示す上申書の提出
- 依存治療プログラムへの参加や、具体的な再発防止計画の提示
裁判所は「更生できる環境と意欲があるか」を重視するため、弁護士が早い段階からこれらの準備を進めることが判決内容に直結します。「治療プログラムに取り組めば刑が軽くなる可能性があるか」という点は、個別の状況によりますが、積極的な取り組みが評価されるケースは少なくありません。
自首・出頭のタイミングとメリット
捜査機関にまだ発覚していない段階で自ら申告する「自首(じしゅ)」は、刑法第42条に基づき刑を減軽できる事由とされています。つまり、自首した場合は裁判所が刑を軽くする裁量を持つということです。
ただし、自首のタイミングや供述の内容によっては、かえって不利な証拠を自ら提供することにもなりかねません。「自首したほうがいいか」という判断は非常にデリケートであり、必ず事前に弁護士と相談した上で対応を決めることが重要です。
弁護士の助言のもとで自首を行うことで、刑事手続き全体を通じて有利な状況を作ることが可能になります。
早期に弁護士に相談することが処分を左右する理由
海外での大麻使用が発覚した、あるいは発覚の可能性があるという段階で弁護士に相談することは、その後の処分結果を大きく左右します。取調べが始まる前の段階での介入が、最も効果的です。
取り調べでの一言が処分を大きく変える
捜査段階で作成される供述調書(きょうじゅつちょうしょ)は、起訴・不起訴の判断や裁判での証拠として非常に重要な役割を持ちます。取調べでの発言が調書に記録され、後から「そんなつもりで言ったわけではない」と覆すことは、実務上非常に困難です。
弁護士が事前に介入することで、黙秘権の行使方法、不用意な自白を避けるための供述の整理、取調官の誘導への対処法といったアドバイスを受けることができます。弁護活動の現場では、取調べ前のアドバイスがその後の処分に大きな差を生むことが少なくありません。
逮捕直後の接見対応で身柄解放を急ぐ
逮捕・身柄拘束された場合、弁護士は「接見(せっけん)」という形で拘置所や警察署の留置場を訪問し、本人と面会することができます。
接見は弁護士だけに認められた権利であり、逮捕直後の早い段階で行うほど、取調べ対応や身柄解放(釈放・保釈)に向けた準備をスムーズに進められます。
また、即日対応の体制を持つ刑事専門の弁護士に相談することで、逮捕直後の最も重要な時間帯に適切なサポートを受けることができます。家族が逮捕の連絡を受けた場合も、できる限り早く弁護士に連絡することをおすすめします。
【事務所紹介】大麻事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。大麻関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。
ここからは、弊所の特徴をご紹介します。
弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付
弊所では、薬物事件を含む刑事事件・少年事件に関するご相談であれば24時間365日受付中。お急ぎの方であれば、ご相談を受け付けたその日に弁護士と法律相談することも可能です。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
ご依頼を頂いた当日から、刑事事件に強い弁護士がスピード感をもって対応いたします。
また、逮捕・勾留されている方の場合には、初回接見のご依頼を受けてから24時間以内に弁護士を派遣して様々なアドバイス等を差し上げることができます。突然ご家族が逮捕されて不安な方は、まずは弊所にご連絡ください。
弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍
弊所では薬物事件を含む刑事事件に強い弁護士が多数在籍しております。元検察官や元裁判官の実績を持った弁護士も在籍しており、刑事事件を専門に取り扱っているため、独自のノウハウを有しています。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
弊所の弁護士費用はシンプルで明朗会計。刑事事件・少年事件でお悩みの方が、費用面でご不安に思われることがないように、明確で明朗な弁護士費用を設定しております。
弁護士費用について詳しく知りたい方はこちら▼
【解決実績】実際に依頼を受けた大麻事件
ここからは、実際に弊所が弁護活動の依頼を受けた大麻関連事件をいくつかご紹介します。事案の内容や具体的な弁護活動について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
事例①:不起訴処分を獲得
仕事で使用する薬物について必要な手続きを行っていなかったために、覚醒剤取締法、大麻取締法、麻薬及び向精神薬取締法違反で捜査されることなったというケースです。
嫌疑をかけられているものの中には罰金刑の規定がないものがあったため、起訴されると裁判が行われることになります。起訴されてしまうと実名報道がされる可能性もあり、今後の影響を考えると、なんとしても起訴を避けたい状況でした。
そこで弁護士は不起訴処分を目指す弁護活動を進める上で、検察官に対して寛大な処分を求める意見書を提出。この意見書が功を奏し、無事に不起訴処分を獲得することができました。
弁護活動の詳細を知りたい方はこちら▼
事例②:早期釈放+執行猶予判決を獲得
職務質問によって大麻の所持が発覚して逮捕されたというケースです。過去にも大麻所持で逮捕されていたため、本ケースは再犯事件でした。
契約後すぐに弁護士が早期釈放を目指して弁護活動を行い、勾留を阻止することに成功しています。また、本ケースは起訴されて裁判となりましたが、弁護士との綿密な打ち合わせや家族の協力もあり、執行猶予付きの判決となりました。
早期に身柄が解放されて実刑も逃れたため、事件が会社に伝わることなく通常通りの生活を送ることができています。
弁護活動の詳細を知りたい方はこちら▼
事例③:保釈認容+執行猶予判決を獲得
本件は、千葉県に住んでいる状況で東京に遊びに行った際に職務質問を受けて大麻の所持が発覚したというケースです。今回の事件が起きたのは東京都内だったため、管轄の捜査機関や裁判所は住んでいる千葉県ではなく東京都になることが見込まれていました。
そのため、ご依頼を頂いた時点で弊所の千葉支部と東京支部の弁護士で事前に打ち合わせをして、どちらの地域でも迅速に対応できるように進めていくことにしました。ご依頼後、東京都内の警察によって逮捕されてしまいましたが、事前に打ち合わせをしていたこともあり、迅速に千葉支部から東京支部の弁護士に担当を変えて対応することができました。
起訴後は速やかに保釈請求を行い、裁判所から保釈を認められたため、公判まで身柄を拘束されることなく帰宅することに成功。また、公判でも結果として執行猶予判決を獲得することができました。
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事例④:再犯事件での減刑判決を獲得
大麻を所持していたとの容疑で逮捕され、そのまま大麻取締法違反によって起訴されたというケースです。逮捕された男性にとって逮捕・起訴されるのは初めてではなく、これまでにも同様に起訴されてしまったという経歴がありました。
ご本人には同種の前科があり、今回の裁判では実刑判決(直ちに刑務所での服役を命じる判決)がくだされることが予想されたため、裁判の中ではいかにして服役期間を短くすることができるか、出所後の生活の立て直しをどのようにやっていくか、という点を争点とすることにしました。
ご本人との接見やご依頼者様、そのご家族との打ち合わせを重ね、裁判では①本人が「二度と大麻に関わることがない生活をする」硬い意思を有していること、逆に今回どうして大麻に関わりを持ってしまったのかについて深く分析ができていること、②刑務所を出所したあとも家族がご本人を迎え入れて生活していくための基盤がきちんと形成されていること、そのため長期間刑務所で服役する必要が乏しいことを弁論して訴えました。
結果としては実刑判決がくだされましたが、検察官の求刑から相当程度減刑された判決を獲得しています。
弁護活動の詳細を知りたい方はこちら▼
【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙
実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。
※解決実績とお客様の声は必ずしも同じ事件とは限りません。


【FAQ】海外での大麻に関するよくある質問
海外での大麻に関するよくある質問について、それぞれ回答していきます。
Q1: アメリカやカナダで合法的に大麻を吸った日本人も日本で逮捕されますか?
大麻取締法には国外犯処罰規定があります。つまり、日本人が海外で大麻を使用した場合は現地で合法であっても日本の法律で処罰される可能性があります。
「現地では違法ではなかった」という事実は犯罪の成否に影響しません。実際に複数の事例で帰国後に立件されています。
Q2: 海外で大麻を吸ったことが日本でバレるのはどんなケースですか?
主な発覚経路は3つです。
①本人や同行者がSNS・動画に投稿した内容から特定される
②帰国時の税関で大麻成分を含む物品が発見される
③同行者や関係者からの通報・情報提供
特にSNS投稿は削除後も捜査機関によって保全されている可能性があるため、注意が必要です。
Q3: 海外旅行中に大麻入りのお菓子と知らずに食べてしまった場合も罪になりますか?
大麻取締法違反は故意犯であることが必要です。つまり、大麻成分が含まれていることを認識していなければ原則として処罰されません。
ただし「知らなかった」が認められるかどうかは状況証拠によって異なります。こうした状況に置かれた場合は早期に弁護士へ相談することをおすすめします。
Q4: 海外で大麻を吸って帰国後に逮捕された場合、初犯なら執行猶予はつきますか?
一概に断定はできませんが、初犯で使用・所持量が少なく、反省や再発防止への取り組みが認められるケースでは執行猶予判決となる可能性があります。
一方、営利目的や常習性が疑われるケースでは実刑になる可能性も。弁護士による早期の情状立証活動が判決内容に大きく影響します。
Q5: 海外で大麻を吸った後、自分から警察に出頭したほうがよいですか?
自首は刑法上の刑の減軽事由となる場合があり、量刑面でメリットになるケースもあります。
ただし、出頭のタイミングや供述内容によっては不利に働くこともあるため、出頭前に必ず刑事事件に詳しい弁護士に相談してください。弁護士と方針を決めた上で行動することが重要です。
海外での大麻使用でお悩みなら今すぐご相談ください
日本人が海外で大麻を使用した場合、大麻取締法の国外犯処罰規定により、現地での合法・違法を問わず日本の刑事手続きの対象となります。
発覚経路はSNS投稿・税関・関係者の通報など複数あり、「バレないだろう」という判断は危険。逮捕・起訴された場合でも、初犯で情状が良好であれば執行猶予の可能性はありますが、弁護士による早期の弁護活動がその可能性を左右します。
「すでに使用してしまった」「SNSに投稿した後で不安になった」「家族が海外で使用した可能性がある」といった状況でも、今すぐ動き出すことで取り得る選択肢は確実に広がります。不安を抱えたまま一人で悩まず、まずはご相談ください。
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