覚醒剤の再犯は必ず実刑?覚醒剤の再犯における刑罰や執行猶予の可能性

2026-05-13

再び覚醒剤に手を出して警察に逮捕されてしまった—。そんな状況に直面し、「今度こそ刑務所に行くしかないのか」と不安を感じていませんか

再犯刑罰は、初犯の時よりも重くなる可能性が大です。みなさんは、「必ず実刑になるのか」「再び執行猶予はつかないのか」など、知りたいことが山積みで、どこから調べればいいかわからず困っていませんか?

実は、再犯だからといって必ず実刑になるわけではありませんといいますのは、法律上は執行猶予の可能性が残されているからです。

この記事では、覚醒剤再犯の刑罰の仕組み・執行猶予を得るための条件・弁護士ができることを、法律を交えながらわかりやすく解説します。

覚醒剤事件の再犯率

覚醒剤犯罪は、薬物依存という性質上、他の犯罪に比べて再犯率が高いとされています。どうして再犯してしまうのかという理由を正しく理解することが、非常に重要です。まずは、「再犯」について解説します。

再犯とは

「再犯」という言葉は日常的に「また同じ犯罪をした」という意味で使われることがよくありますが、「再犯」は刑法の中で定義されている法律用語です。その条文は以下の通りです。

刑法第56条1項
拘禁刑に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期拘禁刑に処するときは、再犯とする。

つまり、法律上の再犯として扱われるには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 拘禁刑(旧・懲役刑)の執行を終えていること
  2. その執行終了日から5年以内に罪を犯したこと
  3. 再び有期拘禁刑を言い渡すとき

このように、刑法の中で定義されている法律上の再犯については、決して「2回目の逮捕」を意味するものではありません。例えば、罰金刑に当たる罪を犯し、実際に再び同じ罪を犯して罰金刑を言い渡されたとしても、刑法で定義されている「再犯」には該当しません。

とは言うものの、前科があることは量刑に大きく影響するでしょう。刑法上の「再犯」に該当しない場合でも、2度目の覚醒剤事件で科せられる刑事罰は、初犯の時よりも厳しく罰せられると考えて間違いないでしょう。

法務省の「犯罪白書」によると、覚醒剤取締法違反で検挙された人のうち前科を持つ者の割合は高い水準にあります。違法薬物は依存性が高いという性質が、再犯につながりやすい実態を生んでいます。

覚醒剤の再犯では刑罰が重くなる?

結論から言えば、覚醒剤事件の再犯は初犯に比べて刑罰が重くなるのが原則です。どのくらい重くなるのか、どのようなパターンがあるのかを、3つの場面に分けて解説します。

再犯による刑罰の加重

刑法第56条の要件を満たす「再犯」に該当する場合、刑法第57条によって刑の長期(上限)が2倍に引き上げられます。

刑法第57条
再犯の刑は、その罪について定めた拘禁刑の長期の2倍以下とする。

覚醒剤の単純所持・使用の場合、覚醒剤取締法では10年以下の拘禁刑が定められています。再犯加重が適用されると、この上限が最大20年以下に引き上げられる計算です。

ただし、上限が上がるからといって必ず重い刑になるわけではありません。裁判官は事案の内容・反省の程度・依存症治療の状況などを総合的に判断して量刑を決めます。それでも、初犯より重い刑が選択されやすくなるのは間違いありません。

執行猶予中の再犯

前回の覚醒剤事件で執行猶予判決を受け、その猶予期間中に再び覚醒剤に手を出してしまった—。このパターンは特に厳しい刑事罰が科せられることとなります。

執行猶予中の再犯では、前回の刑の執行猶予が原則として取り消されます。 前回分の刑と今回の刑を合わせて服役することになるのです。

刑法第26条は、「猶予期間中に禁錮以上の刑に処せられたとき」は猶予を取り消さなければならないと定めています。たとえば前回の刑が拘禁刑1年6月だった場合、今回の判決で言い渡される刑に、この1年6月が加算されて、合わせた日数を服役しなければなりません。

執行猶予後の再犯

執行猶予期間が無事に満了し、その後に再び覚醒剤事件を起こした場合はどうでしょうか。

刑法第27条1項により、執行猶予が満了すると前の刑の言渡しの効力は失われます。前回の刑が「実刑として復活する」ことはありません。

しかし、前科として量刑に影響する点は変わりません。また、前述の刑法第56条の要件(拘禁刑の執行終了後5年以内)を満たさないため、「再犯加重」は適用されません。しかし、初犯と同等に扱われるわけではなく、量刑は初犯の時よりも厳しくなるでしょう。

覚醒剤の再犯は必ず実刑になる?

「再犯だから絶対に刑務所に行くことになる」と思い込んでいませんか?実は、再犯だからといって、裁判所が一律に実刑を言い渡すわけではありませんが、短期間に再犯を繰り返すと実刑になる可能性が非常に高くなるのも事実です。

実務的には、覚醒剤の初犯で執行猶予を受けた人が再び覚醒剤事件で起訴された場合、大多数のケースで実刑判決が下されています。それは、前回の執行猶予という「社会内での更生の機会」を活かせなかった、つまり更生の意欲が低いと裁判官に評価されるためです。おそらく最初の裁判では「社会生活を送りながら(家族等の支援を受けながら)自分の力で薬物を絶ちます。」等と更生を誓っているでしょうが、それを実現できなかったという現実が重く受け止められてしまうのです。

ただし、必ず実刑になると断言することはできません。 執行猶予の言渡しが認められる余地は法律上残されており、弁護活動や依存症治療への取り組み次第で結果が変わることもあります。

重要なのは「もう無理だ」と諦めず、早期に弁護士へ相談して、しっかりとした更生プログラムを立てて、裁判を戦っていくことです。

※ここでの「再犯」とは、刑法第56条で定義されている「再犯」ではなく、再び罪を犯したという意味での「再犯」を意味します。

覚醒剤の再犯で執行猶予を得る条件

執行猶予中であっても、執行猶予が認められることはあるのでしょうか。答えは「ある」ですが、条件は厳しいのが現実です。刑法の条文を確認しながら、その要件を整理します。

刑法第25条第2項は、いわゆる「再度の執行猶予(再度猶予)」について次のように定めています。

刑法第25条第2項
前に拘禁刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が二年以下の拘禁刑の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、この項本文の規定により刑の全部の執行を猶予されて、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。
 

再犯でも執行猶予を得るには、次のすべての条件を満たす必要があります。

  1. 裁判時に執行猶予中であること
  2. 言い渡された判決が2年以下の拘禁刑であること
  3. 情状に「特に酌量すべき事情」があること
  4. 再度の執行猶予中でないこと(3回目の執行猶予は不可)

特にハードルが高いのが3つ目です。初犯時の執行猶予(刑法第25条第1項)よりも明らかに厳しい条件になっています。覚醒剤のような薬物事件の場合だと「特に酌量すべき事情」として有利に働く可能性がある事情には、次のようなものがあります。

これらの事情を弁護士がきちんと立証・主張できるかどうかが、判決を大きく左右します。

覚醒剤の再犯で逮捕された時に弁護士ができること

「再犯だから弁護士を頼んでも無駄では」と思う方もいるかもしれません。しかし、弁護士が動ける余地は思った以上に多くあります。逮捕直後から判決まで、弁護士にできることを確認しましょう。

逮捕直後からの接見・取調べ対応のアドバイス

逮捕直後から勾留が決定するまでは、弁護士だけが面会(接見)できる唯一の外部の人間です。また勾留決定後や、起訴後勾留の期間であっても接見禁止が付いている場合は、家族でさえ面会することはできません。

この段階で弁護士が接見に来ることには、大きなメリットがあります。

取調べで一度した発言は、後から撤回することが難しいケースもあります。逮捕直後から弁護士がついているかどうかで、その後の裁判の流れが変わることも珍しくありません。

専門の治療機関の紹介

前述のとおり、再度の執行猶予を得るには「情状に特に酌量すべき事情」の立証が必要です。そのなかでも最も強力な事情のひとつが、依存症治療への具体的な取り組みです。

弁護士は、覚醒剤依存症に対応した専門の医療機関や民間の回復支援施設(ダルク等)を紹介するルートを持っているケースがあります。治療機関とつながることで、次のような弁護活動が可能になります。

「どの施設に行けばいいかわからない」という方でも、弁護士を通じて適切な機関につながることが可能です。

執行猶予・減刑に向けた弁護活動

公判(裁判)段階では、執行猶予や減刑を目指してさまざまな弁護活動を行います。

特に再犯の場合は、こういった刑事裁判の経験豊富な弁護士に依頼することで、少しでも良い結果が得られるかもしれませんので、まずは早い段階で相談することをお勧めします。

【事務所紹介】薬物事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。薬物関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。

ここからは、弊所の特徴をご紹介します。

弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回の法律相談を無料で承っています。法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881にて受け付けております。

なおフリーダイヤルについては、日中は仕事をしているので夜や早朝しか電話する時間がないといった方でもご安心してご利用いただけるよう24時間、年中無休で対応していますので、何時でもお気軽にお電話ください。

弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、北は北海道の札幌、南は九州の福岡まで、全国の主要都市12か所に事務所を設けており、日本全国に対応している法律事務所です。

法律相談についてはお客様のご希望の日時でご予約が可能、また弁護士を派遣する初回接見サービスについてはご予約いただいたその日のうちに弁護士を派遣することができます。

今すぐ相談したい、今すぐ活動を開始して欲しいという方のご希望に応えることができる体制を整えておりますのでご安心してご相談ください。

弊所の特徴③:刑事事件に強い弁護士が多数在籍

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、開設して10年以上、主に刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。

刑事事件の弁護活動を熟知した専門弁護士による弁護活動を受けることが可能。早期の身柄開放や少しでも軽い処分を目指した弁護活動に尽力いたしますので、安心して弊所にお任せください。

弊所の特徴④:安心明確な料金体系

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ご契約前に、着手金、報酬金、実費日当等の弁護士費用について明確にし、お客様に納得していただけるまで丁寧に説明させていただいております。

また、弁護士費用についてお客様が不安を感じないように契約書に弁護士費用一覧表を添付させていただいております。

その他の料金詳細については弊所HPをご覧ください▼

料金表 

【解決実績】再犯で執行猶予を獲得した覚醒剤事件

男性(前科あり(覚醒罪使用による執行猶予))は、SNSで知り合った売人から入手した覚醒剤を使用した数日後に警察官から職務質問され、その後、採尿を経て覚醒剤の使用容疑で緊急逮捕されてしまいました。

弁護士は、再度の執行猶予獲得を目指し、保釈が決定した男性に薬物の更生プログラムを受けてもらうと共に、ご家族の方に男性の監視監督体制を構築していただきました。そして、裁判で家族と共に薬物を断ち切ることを誓ったのです。この更生の意欲が認められたのか、男性には執行猶予付の判決が言い渡されました。

【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙

実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。

覚醒剤の再犯で逮捕された場合は早急に弁護士へ

ここまで解説してきたとおり、覚醒剤の再犯は初犯に比べて刑罰が重くなり、実刑の可能性が高い事案です。しかし、諦める必要はありません

再度の執行猶予という制度は法律上存在しており、依存症治療への取り組みや支援体制の整備など、裁判において更生に向けた取り組みをアピールすることによって、再び執行猶予を獲得する可能性が出てくるのです。

重要なのは、逮捕直後からできるだけ早く動くこと逮捕から勾留・起訴・公判と刑事手続きは決められた時間内に進みます。弁護士が関わるタイミングが早いほど、取れる選択肢は広がります。

覚醒剤の再犯事件は、薬物犯罪の弁護活動の経験が豊富な刑事弁護の専門弁護士への相談を強くおすすめします。多くの法律事務所では無料相談を実施しています。まずは電話やオンラインで問い合わせるだけでも構いません。一人で抱え込まず、早急に動き出しましょう。