薬物で初犯の場合の勾留期間は?薬物事件で勾留期間は短くできる?

2026-05-11

薬物関連事件で勾留されてしまった——。

「家族が逮捕された。これからどうなるの?」
「仕事はどうなる?いつ帰れる?」

そんな不安が頭を駆け巡っていませんか。勾留がいつまで続くのか、どうすれば早く帰れるのか、さっぱりわからずに不安になっている方も多いはずです。

薬物事件の勾留期間は最大20 日間と法律で決まっており、逮捕から起算すると最長で23日にも及びます。しかし弁護士が早期に動けば勾留を短くしたり、阻止したりできるケースがあります。

この記事では、薬物事件における初犯の場合の勾留期間の仕組み、勾留が長引く理由、そして、身体拘束の期間を短くするための弁護活動までをわかりやすく解説します。

勾留とは

「勾留」とは、捜査や裁判の進行中に、被疑者・被告人の身体を強制的に裁判官の令状(勾留状)に基づいて一定期間拘束する手続きのことです。逮捕はあくまで「一時的な身体の確保」にすぎませんが、勾留はその後に続く、より長期の拘束を指します。

裁判官が勾留を決定するには、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなど、法律上の要件を満たす必要があります。勾留は、法律上の要件を満たしたうえで、裁判官が必要と判断した場合にのみ認められる手続きですが、裁判官が勾留を決定する可能性は非常に高く、検察官が勾留を請求すれば、ほぼほぼ認められてしまうのが現状です。

薬物事件の特徴として、事件の全容解明のために薬物の入手先の裏付け捜査等が必要となることから、勾留が認められやすく長期化しやすい傾向があります。逮捕されただけで、すぐに釈放されるわけではなく、その後も決められた期間の身体拘束が続くのが、勾留という手続きです。

勾留と拘留の違い

「こうりゅう」と読む言葉には、「勾留」と「拘留」の2種類があります。同じ読み方ですが、意味はまったく異なります。混同しやすいため、まずはこの違いについて解説します。

勾留(こうりゅう) は、逮捕から裁判で判決が言い渡されるまで身体を拘束される手続きのことです。まだ有罪か無罪かが決まっていない段階で行われるもので、いわば、起訴前に、捜査機関が必要な捜査をやり遂げ、また起訴後に、裁判を維持するために必要とされる一時的な身体拘束です。釈放や保釈によって、早期に釈放される可能性があるので、早期釈放を求める方は弁護士に相談しましょう。

一方、拘留(こうりゅう) は、1日以上30日未満の短期の身体拘束を伴う刑罰です。軽微な犯罪に適用されることが多く、違法薬物を規制する法律で、拘留が法定刑に規定されている法律はありません。

まとめると、次の通りです。

  勾留 拘留
性質 判決が言い渡されるまでの手続き
(捜査や裁判)を滞りなく行うための身体拘束
刑罰の種類
タイミング 逮捕から裁判で判決が言い渡されるまで 有罪判決後
期間 最大20日間(起訴前) 1日以上30日未満
解除の可能性 あり(保釈・釈放) なし
(刑期を終えるまで)

ニュースや新聞等で「身体を拘束された」と表現されているのは、「勾留」を意味していることがほとんどです。「勾留」と「拘留」は同じ読み方ですが、全く違う手続きを意味することをよく理解しておきましょう。

薬物で初犯の場合の勾留期間

薬物事件で逮捕され勾留されれば、起訴か不起訴かの判断が下されるまで、逮捕から最長で23日間(逮捕から勾留決定まで最長72時間、勾留期間が最長で20日間)もの間、身体が拘束される可能性があります。

刑事手続はとにかく時間との戦いになります。逮捕から勾留決定までは72時間しかありません。その短い時間の中で何もしなければ、気づいたときにはすでに勾留が決定してしまいます。まず、このタイムラインの全体像を把握しておきましょう。

逮捕から勾留までの流れ

逮捕後の手続きは、以下の3段階で進みます。

  1. 警察段階(48時間以内):逮捕後、取調べを行い検察へ事件を送ります。警察が検察に事件を送る手続きを、送致(送検)と言います。
  2. 検察段階(24時間以内):検察官が勾留が必要かどうかを判断し、必要と判断すれば裁判官に勾留を請求します。
  3. 勾留決定(最大20日間):裁判官が勾留を認めると、まず10日間の勾留が決定します。そしてその後、さらに最10日間(合計20日間)まで勾留期間を延長することができます。

この3ステップを合計すると、最長で23日間になります。この期間が終わると、検察官は「起訴」「不起訴」のいずれかを決めます。起訴されれば、それまでの「被疑者」から「被告人」の身分となり、保釈が認められなければ、その後も勾留が続きます。保釈の申請が認められれば、保釈保証金を納めると釈放されますが、それまでは拘束が続くのです。

薬物事件は勾留期間が延長されやすい?

薬物事件は、他の犯罪に比べて入手ルートや共犯者の捜査が必要だったり、押収した薬物や、採尿した尿の鑑定に時間がかかることなどを理由に、勾留が延長されやすい傾向があります。

初犯であっても、これらの要素があれば勾留は満期(23日間)まで続くことが珍しくないので注意が必要です。

勾留が認められる3つの要件

裁判官は、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があると認められた上で、法律上以下の3つの要件のどれか1つが満たされれば、勾留を認めます。

  1. 住居不定: 住居とは、身分証に記載されている住所地ではなく、実際に住んで生活の拠点をおいている場所を意味します。友達の家を転々としている場合は、住居不定と判断される可能性があるので注意が必要です。
  2. 罪証隠滅のおそれ関係者と口裏を合わせたり、スマートフォンやパソコンのデータを消去したりする可能性があると判断された場合。薬物事件ではこの要件が特に重視されます。
  3. 逃亡のおそれ刑事罰を恐れて逃げ出したり、裁判に出頭しなくなったりする可能性がある場合。近しい家族がいなかったり、定職に就いていなければ逃亡のおそれがあると判断されやすくなります。

証拠を隠したらどうなるか

家族等が、「薬を捨てれば証拠がなくなる」と安易に考えるのは非常に危険で、家族にまで刑事責任が及ぶ可能性があるので絶対にしてはいけません。

家族や友人が代わりに薬物を処分した場合、刑法104条の「証拠隠滅罪」が成立し、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となる可能性があるので、絶対に避けてください。また、接見禁止(家族との面会禁止)の解除や保釈を申請した時の却下理由にもなってしまいます。

「逮捕された息子の部屋を見ると大麻らしき植物片があった・・・」と状況であれば、まずは弁護士に対応を相談するようにしましょう。自分の判断で処理してしまうことによって、逮捕されているご家族に大きな不利益を及ぼすだけでなく、あなた自身も刑事責任を問われる可能性があります。

勾留期間を短くする・勾留阻止するために弁護士ができること

薬物事件で勾留を阻止したい、あるいは少しでも早く釈放されたいと思っているあなたの強い味方となるのは弁護士です。

検察官が勾留請求をするまでに弁護士が付いていなければ、裁判官が勾留を決定する可能性は非常に高くなりますが、それまでに弁護士が付いて活動を開始していれば、その可能性を少しでも低くすることができます。弁護士が意見書を提出することによって、検察官が勾留請求をしなかった、裁判官が勾留を決定しなかったという結果が出ているのも事実です。

ここでは勾留に際してできる身体解放のための弁護活動を、勾留決定前と、勾留決定後に分けて紹介します。

①勾留決定前

勾留を請求するかどうかを判断する検察官に、また勾留を決定するかどうかを判断する裁判官に対して意見書を提出することができます。

弁護士が作成する、身体解放の意見書で主張する内容は、大きく3つです。

・勾留の要件を満たさないことの主張

勾留が認められるには「住居不定」「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」のいずれかの要件が必要です。弁護士はこれらの要件に該当しないことを、客観的な事実をもとに論証します。
例えば、同居する家族の上申書を添付して住居不定でないことを主張したり、定職についており、逃亡する根拠がないことを主張します。また、事件の関係証拠品がすでに警察に押収されており、そもそも証拠品が手元にないことを主張することもあります。

・ 身元引受人による監督体制の提示

家族などの身元引受人が「本人の日常生活を厳重に監督する」と誓約する書面を用意します。具体的には、同居して行動を管理し、一人での外出を禁止する等、釈放後の生活環境が整っていることを主張します。裁判官に「釈放しても捜査に支障がない」と判断させることがポイントです。

・ 更生への具体的な計画の提示

薬物事件では「再び薬物に手を出すのではないか」という懸念が勾留の背景にあります。この懸念を払拭するため、すでに動き出している更生計画を提示します。

「これから考えます」ではなく、すでに動いています」という実績を示せるほど、意見書の説得力は高まります。弁護士は依頼を受けてから最短で数時間以内にこれらの準備を進め、意見書を提出します。勾留決定前に釈放を求めるのであれば、時間の猶予が最長でも72時間しかないことをよく理解しておく必要があります。

②勾留決定後

裁判官が勾留を決定してしまった場合でも、諦める必要はありません。勾留決定後に弁護士ができる、釈放を求める主な活動は「準抗告」と「勾留の取消請求」の2種類になります。

・準抗告

裁判官の勾留決定が誤っているので再度審査するよう求めることです。決定を下した裁判官以外の3人の裁判官が、再度、勾留を決定するかどうかを審査します。準抗告が認められると、先に決定していた勾留は取り消され釈放されます。

・勾留の取消請求

勾留決定後に何か事情が変わった場合は、勾留の期間中であっても取消しを求めることができます。例えば、被害者との示談が成立した場合や、証拠品が警察に押収された場合などです。
裁判官が請求を認容すれば、準抗告が認容されたのと同様に釈放されることになりますが、準抗告は裁判官の勾留決定の判断が誤っていると異議を唱えるのに対して、取消請求は、裁判官の勾留決定の判断は間違っていないが、その後の事情の変化によって、勾留を継続する必要がなくなったので釈放を求める活動です。

初犯の薬物事件で不起訴になる可能性はある?

初犯であれば、勾留されたとしても「不起訴」となり刑事責任を問われない可能性もありますし、起訴されて刑事裁判に発展したとしても、執行猶予を獲得することで服役を回避することもできるのです。ここでは不起訴と執行猶予について解説します。

事件内容によっては不起訴になることも

初犯かつ所持量が極めて微量(1回分に満たないなど)の大麻所持では、「起訴猶予」として不起訴になり、前科がつかずに釈放されるケースがあります。前科がつかないことの社会的な意味は大きいといえます。

ただし、覚醒剤事件の起訴率は高く、不起訴を狙うのは容易ではありません。覚醒剤の自己使用・単純所持で初犯の場合、「懲役1年6ヶ月・執行猶予3年」が量刑の相場とされています。執行猶予とは、すぐに刑務所に入らず、猶予期間中に問題を起こさなければ刑が免除される制度です。

執行猶予を得るためには

執行猶予を勝ち取るために、弁護士は裁判所に対して更生への具体的な計画を提示します。

これらが「紙の上の約束」ではなく、すでに動き出している実績として提示できるほど、執行猶予の可能性は高まります。弁護士は、こうした更生計画の構築と法廷での提示も担います。

【事務所紹介】薬物事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。薬物関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。

ここからは、弊所の特徴をご紹介します。

弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、365日24時間体制で相談予約を受け付けておりますので、法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881までお掛けください。

土日祝や夜間しか時間が取れない方もお気軽にお電話ください。

弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、北は北海道の札幌、南は九州の福岡まで、全国の主要都市12か所に事務所を設けており、日本全国に対応している法律事務所です。

ご契約を頂いた当日から、刑事事件に精通した弁護士がスピード対応可能。逮捕され身体拘束されている場合には、その日のうちに弁護士を派遣して、様々なアドバイス等を差し上げることができます。

弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、開設して10年以上、主に刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。

刑事事件は一般の民事事件や行政事件とは手続や担当機関が大きく異なり、特有の専門知識と弁護活動が必要であることが特徴の一つ。弊所では、刑事事件における経験豊富な弁護士による活動をお約束します。

弊所の特徴④:安心明確な料金体系

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ご契約前に、着手金、報酬金、実費日当等の弁護士費用について明確にし、お客様に丁寧に説明させていただいております。

また、弁護士費用についてお客様が不安を感じないように、契約書に弁護士費用一覧表を添付させていただいております。

その他の料金詳細については弊所HPをご覧ください▼

料金表 

【解決実績】勾留阻止・執行猶予を獲得した薬物事件

男性は、駐車場に車を止めた際、警察官から職務質問で呼び止められました。男性は以前にも大麻の所持で逮捕された経験があったため大麻を隠そうとしましたが警察官に見つかり、男性はその場で逮捕されました。

男性は逮捕されましたが、弁護士による早期の弁護活動により、勾留を阻止することができました。

検察は男性を起訴し実刑を求刑しましたが、弁護士との綿密な打ち合わせや対策をしており、何より家族の協力もあり、執行猶予の判決となりました。
男性は会社員として働いていたので、早期に身体が解放されて、実刑も逃れたため、事件が会社に伝わることなく通常通りの生活を送ることができました。

【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙

実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。

薬物で初犯の場合の勾留期間を左右するのは逮捕後72時間

薬物事件で初犯の場合、勾留期間は最長20日間で、逮捕から起算すると身体拘束は最長で23日間にも及びます。ただし、弁護士が勾留が決まる前に動けば、この期間を短くしたり、勾留そのものを阻止したりできる可能性があります。

重要なポイントをまとめると、次の通りです。

段階 期間 弁護士の主な動き
逮捕〜送致 48時間以内 接見・自白阻止の指導
送致〜勾留請求 24時間以内 検察官や裁判所への意見書提出
勾留決定後 最大20日 準抗告・勾留の取消請求・不起訴を求める活動
起訴後 判決まで 保釈の請求・刑事裁判で執行猶予の主張

逮捕から72時間が、その後の展開を大きく左右します。この時間を無駄にしないことが、何より大切です。

薬物事件で身内が逮捕された、または自身が逮捕された場合は、できるだけ早く刑事事件の経験が豊富な私選弁護士に連絡することをおすすめします。