覚醒剤は初犯でも実刑になる?覚醒剤で初犯の場合の量刑や逮捕後の流れ

2026-05-08

覚醒剤の所持や使用が発覚し、逮捕されてしまった 。

「初犯だから、きっと軽い処分で済むはず」と思っていませんか?あるいは、ご家族が逮捕され、これからどうなるのかわからず、不安で眠れない夜を過ごしていませんか?

実は、覚醒剤事件は初犯であってもほとんどの事件が起訴される重大事件です。しかも、逮捕後の対応を誤ると、初犯であっても、執行猶予がつかず実刑になるリスクも十分にあるのです。

この記事では、覚醒剤初犯における量刑の相場・逮捕後の流れ・弁護士に依頼すべき理由について解説していきます。

目次

覚醒剤事件で初犯の場合は減刑される?

覚醒剤事件で初犯の場合、一定の条件が揃えば「執行猶予付き判決」を得られる可能性があります。ただし、それは自動的に与えられるものではありません。

覚醒剤取締法は、日本の薬物関連法のなかでも特に厳しい罰則が定められています。たとえ営利目的等が無い単純な「自己使用・所持」という比較的軽いケースであっても、罰金刑がなく、必ず拘禁刑(懲役刑)の対象となる点は見落とせません。初犯だからといって、罰金で終われるわけではないのです。

覚醒剤取締法の罰則

覚醒剤に関する行為は、以下の表の通り、内容によって法定刑が異なります。

行為の種類 営利目的なし 営利目的あり
使用・所持・譲渡・譲受 10年以下の拘禁刑 1~20年の拘禁刑(罰金併科あり)(ただし、使用は除く)
輸入・輸出・製造 1年以上の拘禁刑 無期または3~20年の拘禁刑(罰金併科あり)

注目してほしいのは「営利目的」の有無です。売人への紹介や運び屋として報酬を得て関わっていた場合、初犯でも「営利目的の所持や譲渡」があったとして、執行猶予のつかない重い量刑が科される可能性があります。

量刑を左右する主な要素は次のとおりです。

覚醒剤事件における初犯の量刑相場

覚醒剤の単純な所持・使用による初犯の場合、量刑相場は通常「拘禁刑1年6月、執行猶予3年」と言われています。

刑法第25条では、「3年以下の拘禁刑(懲役)」に限り執行猶予を付けることができると規定されています。裁判所が「1年6月」という刑期を選びがちなのは、執行猶予を付けられる範囲内に収めつつ、再犯となれば更に重い量刑となることを示して威嚇し、また薬物犯罪の重さも示すためと言われています。

執行猶予がつけば、刑務所に入らずに社会で生活を続けられます。ただし、猶予期間中に再犯すれば、前回の刑と合算されて服役することになります。これが「執行猶予は最後のチャンス」といわれる理由です。

覚醒剤事件における初犯と再犯の違い

初犯と再犯では、判決の見通しが大きく異なります。この違いを正確に理解しておくことが、これからの対応を考えるうえで重要です。

初犯で執行猶予がつく可能性がある条件

以下の条件が複数揃っている場合、初犯で執行猶予を得られる可能性が高まります。

逆に、これらの条件が欠けていれば、初犯であっても実刑になる可能性があります。反省の言葉だけでは不十分で、具体的な行動で更生の意思を示すことが求められます。

覚醒剤で逮捕されると初犯でも長期拘束される?

「逮捕されても、すぐに釈放されるだろう」と思っていませんか?覚醒剤事件の現実は、そう甘くありません。

覚醒剤事件では証拠(薬物の現物や尿鑑定結果)が明確なため、逮捕されると、ほぼ確実に身柄を拘束されたまま手続きが進む、それが覚醒剤事件の特徴です。

逮捕後の流れ

段階 期間 内容
逮捕(警察) 48時間以内 警察による取り調べ・検察への送致準備
検察送致 24時間以内 検察官が勾留請求の有無を判断
勾留(起訴前) 最大20日間 証拠隠滅・逃亡防止のための身柄拘束
終局処分 勾留期限内 起訴か不起訴かを検察が判断
起訴後・公判 数ヶ月 裁判で有罪・無罪および量刑が決定

逮捕から起訴前の勾留まで、最大で約23日間身体を拘束されます。この間、外部との自由な接触は遮断されます。

覚醒剤で逮捕されるきっかけ

覚醒剤事件の逮捕は、ある日突然やってきます。「まさか自分が」と思っていた人ほど、逮捕の瞬間に混乱し、初動対応を誤りがちです。

逮捕のパターンを事前に知っておくことは、万が一の際に冷静に行動するための備えになります。ここでは、覚醒剤事件で実際に多い4つの逮捕パターンを具体的に解説します。

パターン① 職務質問からの現行犯逮捕

駅や繁華街で警察官に声をかけられ、所持品検査や簡易尿検査をきっかけに発覚するケースです。最も件数が多い逮捕パターンのひとつといえます。

挙動が不審だと判断された場合、警察官は任意での職務質問を行います。この段階では拒否することも法律上は可能ですが、拒否自体が疑惑を深める材料になることもあります。

所持品検査で覚醒剤の現物が見つかった場合、ほぼその場で現行犯逮捕されます。簡易尿検査で陽性反応が出た場合も同様です。「少量だから大丈夫」という認識は通用しません。所持量に関わらず、発覚すれば逮捕につながります。

パターン② 売人・知人の逮捕による「芋づる式」の後日逮捕

覚醒剤を入手していた売人や知人が先に逮捕され、その人物のスマートフォンや連絡先リストから自分の存在が発覚するパターンです。

警察は逮捕した人物の通信履歴やSNSのDM(ダイレクトメッセージ)を徹底的に調べます。たとえ自身の端末からメッセージなどを削除していても、サーバーや相手の端末から復元されるケースがあります。

このパターンの怖いところは、自分の側では何も動きがないのに、ある日突然逮捕状を持った警察が自宅に来るという点です。「いつも連絡を取れていた薬物関与者と、ある日突然連絡が取れなくなった」と感じた時点で、すでに捜査対象になっている可能性があります。

パターン③ 家宅捜索による発覚・逮捕

裁判所が発行した捜索差押令状に基づき、自宅や車の中を警察が捜索するパターンです。パターン②と同様、後日逮捕の一形態です。

自宅から覚醒剤の現物が発見されれば、その場で現行犯逮捕され得ます。「隠してあるから見つからないだろう」という考えは危険です。警察の家宅捜索は非常に徹底しており、家具の裏・床下・小物の中にいたるまで全て調べられます。

また、場合によっては、本人が不在であっても捜索は実行されます。本人不在での捜索後、本人が帰宅したところを逮捕されるケースも少なくありません。

パターン④ 任意捜査中の緊急逮捕

覚醒剤事件の犯人として大いに疑われている場合で、警察が任意同行を求めた際に逃走を図るなど、犯罪の嫌疑と緊急性が認められる状況で逮捕されるパターンです。

本来、逮捕には事前に裁判所の令状が必要です。しかし、一定の重大犯罪で、裁判所への逮捕状請求を待てないような緊急の場面では、令状請求を逮捕の後にする形での逮捕(緊急逮捕)が認められています。覚醒剤事件のほとんどはこの「一定の重大な犯罪」にあたります。

このパターンで注意したいのは、逃げようとする行為そのものが「証拠隠滅のおそれあり」と判断され、その後の勾留や量刑にも悪影響を与えるという点です。任意同行を求められた場合には、まず弁護士に連絡を取ることが賢明な対応です。

覚醒剤で初犯の場合は弁護士に相談すべき?

覚醒剤事件は、逮捕直後の初動が判決を大きく左右します。弁護士への依頼を後回しにすることは、大きなリスクです。

弁護士ができること①: 取り調べへの適切な対応

逮捕直後から取り調べが始まります。この段階で不用意な供述をすると、後から取り消すことが難しくなります。弁護士は接見(面会)を通じ、黙秘権の行使や供述内容のアドバイスを行います。23日間、法的にあなたをガードできるのは弁護士です。

弁護士ができること②:身柄解放への働きかけ

勾留を防ぐための異議申立てや、起訴後の保釈請求を行います。身体の自由を早期に取り戻すことで、治療や公判準備を進められます。保釈金の相場は150万〜200万円程度ですが、資金が用意できない場合は「日本保釈支援協会」などの立替制度も活用できます。

弁護士ができること③:情状弁護による減刑・執行猶予の獲得

再犯防止計画の提出、薬物依存治療のための通院を証明する診断書、家族による監督状況を示す書類など、執行猶予獲得に向けた情状証拠を揃えるのが情状弁護です。裁判所が「初犯である上に、更生の可能性もある」と判断するには、単なる言葉だけでなく具体的な行動の証拠が必要です。

覚醒剤で初犯の場合に執行猶予を勝ち取るためには

「反省しています」という言葉だけでは、裁判官の心は動きません。では、何が必要なのか。

執行猶予を得るために裁判所が重視するのは、更生の可能性を具体的な行動で示せているかどうかです。言葉ではなく、証拠で示すことが初犯で執行猶予を得るために重要です。

このために、弁護士と連携しながら、以下の3つの行動を実践することが求められます。

薬物仲間との関係を物理的に断つ

執行猶予の審理において、裁判所が真っ先に確認するのが「再び薬物に手を出す環境にないか」という点です。いくら口で「もう二度とやりません」と誓っても、薬物仲間との連絡が続いていれば説得力はゼロです。

具体的にすべき行動は次のとおりです。

「意志の力で断ち切る」という根性論では不十分です。環境そのものを変えるという物理的な変化が、裁判所への最も説得力ある対応になります。

弁護士はこれらの取り組みを書面にまとめ、「再犯防止計画の実効性がある」として裁判所に提出します。具体的な行動の記録が、執行猶予判断の重要な材料となります。

家族による監督体制を整え、法廷で証明する

初犯で執行猶予を得るうえで、身元引受人の存在は欠かせません。家族や近親者が「自分が責任を持って監督する」と裁判所に誓約し、実際に裁判前までに監督環境を整えることで、社会内での更生が現実的であると判断されます。

家族に求められる主な役割は以下のとおりです。

身元引受人がいない場合、保釈される可能性は大幅に下がります。家族との関係が複雑な場合でも、弁護士が間に入って調整することで、監督体制を整えられ、これが結果として、保釈だけでなく執行猶予判決にもつながるケースがあります。一人で抱え込まず、早めに弁護士へ相談することが大切です。

専門機関での治療を開始し、記録を残す

覚醒剤への依存は、意志の問題だけではなく医学的な「病気」である可能性もあります。この認識を持ったうえで、専門的な治療に着手することが、執行猶予獲得において最も強力な証拠になります。

裁判所が「再犯のおそれなし」と判断するには、治療を開始しているという客観的な記録が必要です。「やめようと思っている」というだけでは不十分で、実際に動いていることを示さなければなりません。

具体的な行動としては、以下が挙げられます。

保釈が認められた場合は、釈放された当日から治療機関に足を運ぶことが理想です。公判までの通院記録が積み重なるほど、弁護士が「更生への本気度」を裁判所に示しやすくなります。

治療は判決後も継続することが前提です。執行猶予期間中に治療を中断すれば、再犯リスクが高まり、ひいては執行猶予取り消しの引き金にもなりかねません。

【事務所紹介】薬物事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。薬物関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。

ここからは、弊所の特徴をご紹介します。

弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付

刑事事件に関す初回相談は全て無料で受け付けております。

逮捕されている場合だけでなく逮捕されていない場合でも、事件への対応・解決方法、不安や心配点、疑問点など何でもご相談下さい。刑事事件に関する相談であれば相談内容に制限はありません。ご本人様だけでなく、ご家族、ご友人、会社の方など、どなた様からの相談も受け付けています。

相談のご予約は、土日祝日、24時間受け付けております。相談したいけれど事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。まずは、0120-631-881までお電話下さい。

弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応

刑事事件は時間との勝負であり、「早く弁護士をつけておけばよかった」という声を多く耳にします。ご依頼の電話をいただいた場合、すぐに接見・相談対応いたします。

また、事件を受任後は、釈放・保釈等の手続きも素早く行います。

弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件に精通した経験豊富な弁護士が多数在籍しており、刑事事件・少年事件に関することであれば、どのような事件であっても、きっと皆さまのお力になれると思います。

弊所の特徴④:安心明確な料金体系

弁護費用につきましては、事前に分かりやすく料金の提示をさせていただきます。どなた様でも安心してクオリティの高い弁護活動が受けられるよう、弁護士費用はシンプルかつ明朗会計となっております。

ご依頼の際には、弁護士から直接、ご依頼者様の事件に応じた適正な料金額を契約前にご説明させていただきますのでご安心ください。

弊所の弁護士費用について詳しく知りたい方はこちら▼

弁護士費用

【解決実績】初犯の覚醒剤事件に関する事例

ここからは、実際に弊所が弁護活動の依頼を受けた覚醒剤事件をいくつかご紹介します。事案の内容や具体的な弁護活動について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

事例①:準抗告認容で早期釈放を実現

Aさんは、警察官によって覚醒剤取締法違反で家宅捜索を受けました。家宅捜索の結果、Aさんの部屋からはごく少量の覚醒剤が入ったビニール袋と、覚醒剤を使用する際に利用する器具が見つかり、警察官はAさんを在宅で捜査することにしました。

その後Aさんは覚醒剤の鑑定で陽性が検出されたあと通常逮捕され、勾留決定がなされましたが、弁護士が勾留の決定を行った裁判に対して不服申立ての手続きである準抗告申立てを行った結果、勾留決定は取り消され、Aさんは釈放されました。

弁護活動の詳細はこちら▼

【お客様の声】覚醒剤所持事件で準抗告認容により釈放

事例②:保釈認容+執行猶予を獲得

Aさんは友人と覚醒剤を使用したとして覚醒剤取締法違反で起訴され勾留中でありましたが、追起訴予定の余罪があったため保釈が通らず、身体拘束が長期に及んでいました。

弁護士は、この余罪については警察の取調べが終わっていることを確認したため、検察官に働きかけ、出頭の確保と証拠隠滅、逃亡のおそれがないことを説明し、余罪について追起訴前でしたが保釈を得ることができました。

公判ではAさんが事実を認め素直に反省していることと再犯防止策を主張した結果、執行猶予判決を得ることができました。

弁護活動の詳細はこちら▼

【お客様の声】友人と使用した覚醒剤取締法違反事件で執行猶予判決を獲得

【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙

実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。

覚醒剤で初犯の場合は弁護士へ相談

覚醒剤事件で初犯の場合、適切な対応を取れば執行猶予を得られる可能性は十分にあります。しかし、何もしなければその可能性は徐々に失われていきます。

覚醒剤事件のポイントは

という点です。

逮捕後の時間は止まってくれません。ご本人やご家族が今できる最善の一歩は、一刻も早く弁護士に相談することです。