THCは合法?合法だと思ってTHCを含む製品を使用した場合はどうなる?

2026-03-25

「THCって合法じゃないの?」そんな疑問を持っていませんか。

インターネット上では「合法THC」「安全なTHC製品」といった情報が飛び交い、実際に日本国内でもTHC製品と思われる商品が出回っています。しかし、日本でTHCは本当に合法なのでしょうか。もし「合法」と信じて使用した場合、どのような法的リスクがあるのか、正確に理解している人は多くありません。

実は、日本ではTHCは厳格に規制された違法物質です。この記事では、THCの法的位置づけや規制する法律、そして「合法だと思って使用した場合」に何が起こるのかを、法律の専門的な視点から詳しく解説します。

THCに関する正しい知識を身につけることで、思わぬ法的トラブルから身を守ることができるでしょう。

THCとは?

THC(テトラヒドロカンナビノール)は、大麻草に含まれる化学成分の一種です。大麻草には100種類以上のカンナビノイドと呼ばれる化合物が存在しますが、THCはその中でも特に注目される成分となっています。

THCの最大の特徴は、精神活性作用を持つ点にあります。脳内のカンナビノイド受容体と結合することで、多幸感や高揚感、時間感覚の変化、食欲増進などの作用を引き起こします。これらの作用は使用者に「ハイ」と呼ばれる状態をもたらすため、娯楽目的での使用が問題視されているのです。

また、THCには依存性のリスクも指摘されています。継続的な使用により、使用を中止した際に不安感や不眠などの離脱症状が現れる場合があります。このような特性から、多くの国で規制対象となっているのが現状です。

THCとCBDの違い

CBDもTHCと同様に大麻草から抽出されるカンナビノイド成分の一つですが、両者には決定的な違いがあります。

最も重要な違いは、CBDには精神活性作用がないという点です。THCが脳内のカンナビノイド受容体と強く結合して「ハイ」な状態を引き起こすのに対し、CBDはこれらの受容体への作用が弱く、精神を変容させる効果を持ちません。そのため、使用しても酩酊状態になることはないのです。

法的な扱いも大きく異なります。日本では、THCは後述する麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されている違法物質です。一方、CBDは大麻草の成熟した茎や種子から抽出されたものであれば、合法的に製造・販売・使用が認められています。

ただし注意が必要なのは、CBD製品の中にも微量のTHCが混入している可能性がある点です。海外から輸入されたCBD製品の一部には、製造工程で意図せずTHCが含まれてしまうケースも報告されています。日本ではTHCの含有量に関わらず違法とされるため、信頼できる国内メーカーの製品を選ぶことが重要でしょう。

THCは日本では合法なのか?

結論から言えば、日本ではTHCは完全に違法です。合法とされる余地は一切ありません。

2023年に「麻薬及び向精神薬取締法」「大麻取締法」の法改正が行われ、2024年12月に施行されたことで、THCを含む大麻由来成分は麻薬及び向精神薬取締法の規制対象となりました。この法律では、THCを「麻薬」として指定し、その製造・所持・使用・譲渡などあらゆる行為を禁止しています。

なぜ日本でTHCが違法とされているのでしょうか。主な理由は、前述した精神活性作用と依存性リスクにあります。日本政府は、国民の健康と公共の安全を守るため、薬物乱用を厳しく取り締まる方針を採っています。THCの使用が広がれば、個人の健康被害だけでなく、判断力の低下による事故や犯罪の増加といった社会問題につながる恐れがあるためです。

インターネット上では「合法THC」「THC-O」「THCV」といった名称で販売される製品を見かけることがあります。これらは「合法」を謳っていても、実際にはTHC類似物質を含んでおり、日本の法律では違法とされる可能性が高い点に注意してください。名称を変えただけで本質的にTHCと同様の作用を持つ物質は、麻薬でないにしても、「指定薬物」として法の規制対象となり得るのです。

THCが合法とされている国

世界に目を向けると、THCの取り扱いは国によって大きく異なります。

カナダは2018年に嗜好用大麻を全面的に合法化した先進国です。成人であれば一定量までの大麻の所持・使用が認められており、政府の管理下で流通が行われています。

アメリカでは連邦法上は依然として違法ですが、州ごとに判断が分かれています。2024年時点でカリフォルニア州やコロラド州など、すでに20以上の州で嗜好用大麻が合法化されました。医療用大麻に限れば、さらに多くの州で認められています。

ウルグアイは2013年に世界で初めて国家レベルで嗜好用大麻を合法化した国として知られています。政府が生産から販売までを管理する独自のシステムを構築しました。

このほか、オランダでは「コーヒーショップ」と呼ばれる店舗での少量販売が事実上容認されています。また、タイでは2022年に医療用・産業用大麻が解禁されるなど、アジアでも変化が見られます。

ただし、これらの国でTHCが合法だからといって、日本国内に持ち込んだり日本で使用したりすることは絶対にできません。日本の法律は日本国内にいる全ての人に適用されるため、海外で合法であっても日本では違法行為となるのです。

THC(大麻成分)を規制する法律は?

THCを規制する法律は、麻薬及び向精神薬取締法です。

かつて大麻は「大麻取締法」という別の法律で規制されていました。しかし、2023年の法改正(2024年12月施行)により、THCを含む大麻由来の精神活性成分は麻薬及び向精神薬取締法の管轄に移されることになったのです。

この法改正の背景には、従来の大麻取締法では、大麻の「使用罪」が規定されていなかったという問題がありました。大麻取締法では所持や栽培は違法でしたが、使用そのものを直接罰する条文が存在しなかったため、法の抜け穴となっていたのです。また、THC類似物質など新たな形態の大麻製品が次々と登場し、既存の法律では対応しきれない状況も生まれていました。

麻薬及び向精神薬取締法に統合されたことで、THCは覚醒剤やコカインと同様の「麻薬」として位置づけられ、製造・輸入・所持・使用・譲渡のすべてが厳しく禁止されています。この変更により、使用行為自体も明確に処罰対象となったのです。

麻薬及び向精神薬取締法の罰則

麻薬及び向精神薬取締法では、THCに関する違反行為に対して厳しい罰則が定められています。

使用罪については、同法第66条の4に規定があります。「麻薬を施用し、又は麻薬を施用のため交付した者は、7年以下の拘禁刑に処する」とされており、単に使用しただけでも最長7年の拘禁刑が科される可能性があるのです。

所持罪はさらに重い処罰となります。同法第66条では「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者は、7年以下の拘禁刑に処する」と規定されています。営利目的の場合、この刑はさらに加重され、1年以上10年以下の拘禁刑、または情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金に処せられます。

輸入・輸出罪については同法第64条で規定されており、「麻薬を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第69条第5号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期拘禁刑に処する」とされています。営利目的の場合は無期若しくは3年以上の拘禁刑、または情状により無期若しくは3年以上の拘禁刑及び1,000万円以下の罰金という極めて重い刑罰が科されます。

これらの罰則から分かるように、THCに関する違反は決して軽い犯罪ではありません。初犯であっても実刑判決が下される可能性があり、人生に大きな影響を及ぼす重大な犯罪として扱われているのです。

合法だと思ってTHC製品を使用するとどうなる?

「合法だと思っていた」「知らなかった」という理由は、残念ながら法的責任を免れる根拠にはなりません。

刑法では「法律の不知は許されず」という原則があります。つまり、法律を知らなかったという理由で犯罪が成立しないわけではないのです。インターネットで「合法THC」と宣伝されていた製品を購入し、実際にはTHCを含んでいた場合、購入者は麻薬及び向精神薬取締法違反として逮捕・起訴される可能性が高いでしょう。

販売業者が「これは合法です」と断言していたとしても、THCであることを認識していれば、それを信じて使用した側の責任がなくなるわけではありません。実際に、近年は「合法」を謳うTHC製品を使用して逮捕されるケースが増加しています。

では、THC製品を使用して警察に発覚した場合、具体的にどのような流れで手続きが進むのでしょうか。以下、各段階について詳しく見ていきましょう。

逮捕・勾留

THC使用の疑いがかかると、まず逮捕される可能性があります。

逮捕には主に3つの種類があります。最も多いのは「通常逮捕」で、警察が裁判官から逮捕状を取得した上で行う逮捕です。次に「現行犯逮捕」があり、多くの場合はTHC製品の所持が見つかった場合に行われますが、THC製品を使用している現場や、使用直後に警察官に発見された場合にも行われます。また、緊急を要する場合には、逮捕後に逮捕状を請求する形で行われる「緊急逮捕」もあります。

逮捕されると、最大48時間は警察署内の留置場に身柄を拘束されます。この間に警察の取り調べを受け、その後、検察官に事件が送致(送検)されます。

検察官への送致後、検察官は被疑者を受け取ってから24時間以内に勾留請求するかどうかを判断します。勾留請求が認められると、さらに10日間の身柄拘束が決定されます。事案が複雑な場合や追加の捜査が必要な場合には、さらに最大10日間の延長が認められるため、逮捕から最長で23日間もの間、身柄を拘束される可能性があるのです。実際にも、THC使用で逮捕勾留された場合、延長されるケースがほとんどです。

大麻事件では、証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがあると判断されることが多く、大半で勾留が認められてしまいます。長期間の身柄拘束により、仕事を失ったり、学校に通えなくなったりするなど、社会生活に深刻な影響が出ることは避けられません。

起訴

勾留期間中又は在宅での捜査を経て、検察官は起訴するかどうかを判断します。

大麻事件における起訴率は比較的高く、警察庁の統計によれば、法改正前の大麻取締法違反での検挙者のうち約5割が起訴されています。改正後の、THCを含む麻薬及び向精神薬取締法違反についても、同様に高い起訴率が予想されています。

起訴されると、正式に刑事裁判の被告人となります。日本の刑事裁判における有罪率は99%を超えているため、起訴されれば有罪判決を受ける可能性が極めて高いと言えるでしょう。

初犯の場合、検察官が起訴猶予処分を選択する可能性もゼロではありません。起訴猶予とは、犯罪の嫌疑は十分にあるものの、被疑者の年齢や境遇、犯罪の軽重などを考慮して起訴しない処分です。ただし、THC事件では薬物の危険性が重視されるため、初犯であっても起訴される可能性が極めて高いのが現実です。

一方、何度も薬物事件を起こしている再犯者の場合、起訴される可能性はさらに高まります。再犯者には依存性の問題があると判断され、社会内での更生が困難と見なされるためです。

公判

起訴されると刑事裁判(公判)が開かれ、裁判所が有罪・無罪および量刑を判断します。

初犯の場合、執行猶予付き判決となるケースが多く見られます。執行猶予とは、有罪判決は下されるものの、一定期間(通常3年~5年程度)問題を起こさなければ刑務所に入らずに済むという制度です。THC使用の初犯では、1年から1年6月程度の拘禁刑に、3年から5年の執行猶予が付くのが一般的な相場と言えるでしょう。

ただし、執行猶予が付けば安心というわけではありません。有罪判決であることに変わりはなく、前科が付きます。また、執行猶予期間中に再び犯罪を犯せば、執行猶予は取り消され、前の判決の刑と合わせて刑務所に収監されることになるのです。

再犯の場合は、執行猶予が付かず実刑判決となる可能性が高まります。特に執行猶予期間中に再び薬物犯罪を犯した場合、裁判所は「更生の意思がない」「社会内での処遇は不適切」と判断し、実刑を選択することがほとんどです。再犯の量刑相場は1年から2年程度の拘禁刑となり、実際に刑務所で服役しなければなりません。

裁判では、犯行の動機や態様、薬物の使用歴、反省の程度、再犯防止の取り組みなどが量刑判断の材料となります。弁護士による適切な弁護活動により、量刑が軽減される可能性もあるため、起訴後も弁護士のサポートが重要となるでしょう。

THC(大麻)の使用が警察に発覚した場合の対処法

THC使用が警察に発覚してしまった場合、速やかに弁護士に相談することが最も重要な対処法です。

薬物事件は専門性が高く、適切な法的知識と経験がなければ対応が困難な分野となっています。弁護士に依頼することで、捜査段階から裁判まで、各段階で適切なサポートを受けることができるのです。

特に逮捕直後は、家族や友人と連絡が取らせてもらえない状況に置かれます。このような時に頼れるのが弁護士です。弁護士には逮捕された被疑者と面会する「接見」の権利が認められており、警察官が立ち会うことなく秘密を守って相談できます。

では、具体的に弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下、主な利点について説明していきます。

弁護士に依頼するメリット①:接見・取調べ等のアドバイス

逮捕直後の取調べは、事件の行方を大きく左右する重要な場面です。

警察の取調べでは、どう答えるべきか、何を話してはいけないのか、冷静な判断が求められます。しかし、逮捕されたばかりの状態では精神的に動揺しており、適切な対応ができないことも少なくありません。不用意な発言により、自分に不利な供述調書が作成されてしまう危険性があるのです。

弁護士は接見を通じて、専門家として取調べでの対応方法を具体的にアドバイスしてくれます。たとえば、黙秘権の行使が有利になるケースや、逆に事実を正直に話すべき状況など、個別の事案に応じた最適な戦略を提案します。

また、供述調書に署名する前に内容をしっかり確認すること、事実と異なる記載があれば訂正を求めることなど、実務的なアドバイスも受けられます。警察官が作成した調書は裁判での重要な証拠となるため、慎重に扱う必要があるのです。

接見では、家族への連絡を依頼したり、勤務先への対応を相談したりすることもできます。弁護士が外部との橋渡し役となることで、社会生活への悪影響を最小限に抑える努力ができるでしょう。

弁護士に依頼するメリット②:釈放・保釈に向けた弁護活動

薬物事件では長期の身柄拘束が一般的ですが、弁護士の活動によって早期釈放の可能性を高めることができます。

弁護士はまず、勾留の必要性がないことを裁判所に主張します。具体的には、被疑者に定まった住所があり逃亡のおそれがないこと、証拠隠滅の可能性が低いこと、社会的に信用のある人物であることなどを示す資料を提出します。勤務先からの上申書や家族の身元引受書なども有効な資料となるでしょう。

勾留請求に対して準抗告という不服申立てを行うことも可能です。検察官が勾留を請求し、裁判官がそれを認めた場合でも、準抗告により再度、別の裁判官に判断してもらえるのです。

起訴後は、保釈請求を行うことができます。保釈とは、保証金を納めることで、裁判所に身柄を解放してもらう制度です。弁護士が適切な保釈理由を主張し、監督体制を整えることで、保釈が認められる可能性が出てきます。

身柄が解放されれば、仕事を続けられたり、家族と一緒に生活しながら裁判に臨めたりするため、社会復帰への道筋を保つことができるのです。大麻事件では勾留阻止・保釈のハードルが高い面もありますが、弁護士の尽力により実現するケースも少なくありません。

弁護士に依頼するメリット③:再犯防止のサポート

薬物事件における大きな課題が再犯率の高さです。

法務省の統計によれば、覚醒剤事件の再犯率は約60%に達しており、大麻を含む薬物犯罪全体でも再犯率が高い傾向にあります。これは薬物の持つ依存性によるもので、一度使用した人が再び手を出してしまうリスクが非常に高いことを示しています。

裁判所も再犯防止への取り組みを重視しており、量刑判断において大きな要素となります。具体的な再犯防止策を示せるかどうかが、執行猶予を得られるかどうかの分かれ目になることも少なくないのです。

弁護士は、薬物依存症の専門治療機関を紹介してくれます。ダルク(DARC)のような薬物依存症のリハビリ施設や、精神科クリニックなど、適切な治療・回復支援プログラムにつなげることで、依存からの脱却をサポートします。

家族による監督体制の構築も重要です。弁護士は家族と面談し、薬物から遠ざけるための具体的な生活設計を一緒に考えます。このような総合的なサポート体制が、再犯防止と社会復帰への道を開くでしょう。

弁護士に依頼するメリット④:減刑・執行猶予判決を目指した弁護活動

裁判段階では、弁護士が量刑を軽減するための弁護活動を展開します。

まず、被告人の反省の態度を裁判所に示すことが重要です。弁護士は被告人と面談を重ね、犯行に至った経緯や反省の気持ちを整理し、法廷で適切に表現できるよう準備します。上辺だけの反省ではなく、なぜ薬物に手を出してしまったのか、今後どう生きていくのかを真摯に語ることが求められるのです。

次に、情状証人の選定と準備を行います。情状証人とは、被告人の人柄や更生の可能性について証言する人のことで、通常は家族や雇用主などが務めます。弁護士は証人と事前に打ち合わせを行い、裁判所に伝えるべきポイントを整理します。

さらに、場合によっては贖罪寄付なども検討します。これは犯罪により社会に迷惑をかけたことへの謝罪の気持ちとして、更生保護施設や薬物依存症支援団体などに寄付を行うものです。金額の多寡よりも、被告人の反省と更生への決意を示す行動として評価される場合もあります。

初犯で悪質性が低いケースでは、これらの弁護活動により執行猶予判決を獲得できる可能性があります。また、再犯のケースでも、適切な弁護により刑期を短縮できることがあるのです。

弁護士は量刑相場を熟知しており、個別の事案においてどの程度の刑が予想されるか、どのような弁護戦略が有効かを判断できます。専門家のサポートを受けることで、最善の結果を目指すことができるでしょう。

実際に依頼を受けたTHC(大麻)使用に関する事例

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は、薬物事件はもちろん、数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所です。

ここからは、弊所で実際に弁護活動の依頼を受けたTHC関連事件について紹介します。

事例①:THCの成分を含むCBDリキッド所持による逮捕

依頼者様はTHCの成分を含んでいるCBDリキッドを所持していたところ、警察官から職務質問を受けて逮捕されました。依頼者様は合法と聞いてCBDリキッドを購入して使用していましたが、実際には違法とされるTHCの成分が入っていたのです。

弁護士は逮捕されてしまった依頼者様のもとに向かい、接見を行いました。
依頼者様と今後の方針についての話をして、取調べにどのように対応すべきか、どのように供述するべきか等のアドバイスを行い、早期釈放や不起訴処分となるように担当の検察官と交渉を行った結果、不起訴処分の獲得に至りました。

事例②:友人から勧められた電子タバコから違法成分が検出

依頼者様は、友人から勧められた電子タバコを吸った後、警察官から職務質問を受けました。警察官の捜査を受けて、自身が吸ったものが大麻の疑いがあることが判明、所持していた大麻と思われる物は鑑定に回されることになってしまいました。

大麻と思われる物の鑑定の結果、違法な成分が検出されることになれば、逮捕される可能性がある中でのご依頼となりました。
そのため、捜査機関に対して逃走のおそれがないことや罪証隠滅はしないこと等、逮捕回避の申し入れを行い、今後の方針を見立てて依頼者様とは取調べに対するアドバイスを行いました。
捜査機関との交渉を行った結果、逮捕されることなく任意捜査を受けることになり、不起訴処分を獲得することができました。

THCに関するよくある質問(Q&A)

THCについては誤解や不正確な情報が多く、正しい知識を持つことが重要です。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

Q.THCは合法?

A.いいえ、日本ではTHCは完全に違法です。

法改正(2024年12月施行)前は、使用が罪にはなっていませんでした。しかし、法改正により、THCは麻薬及び向精神薬取締法によって「麻薬」として指定されています。「麻薬」は製造・輸入・所持・使用・譲渡など、あらゆる行為が禁止されており、違反すれば厳しい刑罰が科されます。

インターネット上では「合法THC」「THC-O」「THCV」といった名称で製品が販売されていることがありますが、これらも実質的にTHCと同様の精神活性作用を持つ物質であり、日本の法律では「麻薬」若しくは「指定薬物」として違法と判断される可能性が極めて高いでしょう。名称を変えたり、化学構造を少し変えたりしても、法規制の対象となり得ることに変わりはありません。

また、海外では合法とされている国もありますが、日本国内では一切認められていません。海外で合法であることと、日本で合法であることは全く別の問題です。海外旅行先で使用経験があっても、日本に帰国してから使用すれば違法行為となります。

THCの合法性について疑問がある場合は、安易に手を出さず、必ず専門家に確認することをおすすめします。

Q.「合法」と言われたTHCは使用しても大丈夫?

A.いいえ、絶対に使用してはいけません。

販売業者が「これは合法です」「日本でも問題ありません」と主張していても、それを鵜呑みにしてはいけません。実際には違法であるTHCを含んでいる可能性が高く、使用すれば麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕・起訴されるリスクがあります。

「合法だと思っていた」「知らなかった」という弁解は、法的責任を免れる理由にはなりません。刑法では「法律の不知は許されず」という原則があり、法律を知らなかった、つまり「THCが違法薬物だと知らなかった」ことは犯罪の成立を妨げないのです。

近年、「合法」と宣伝されたTHC製品を購入・使用して逮捕されるケースが増加しています。販売業者の言葉を信じて購入した人たちが、実際に刑事事件の被疑者となり、人生を大きく狂わされているのです。

大麻に関する製品を購入する際は、たとえ「合法」と表示されていても、極めて慎重に判断する必要があります。少しでも疑わしい場合は、手を出さないことが最善の選択でしょう。自分の人生を守るためにも、違法な物質には一切関わらないという姿勢が大切です。

THCは違法!警察に発覚した場合は弁護士へ相談を

この記事では、THCの法的位置づけと、使用した場合のリスクについて詳しく解説してきました。

改めて強調しますが、日本ではTHCは完全に違法です。麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されており、使用・所持・譲渡など、どのような形であれTHCに関わることは犯罪行為となります。「合法」という宣伝文句に惑わされず、違法な物質には決して手を出さないでください。

万が一、THC製品を使用してしまい警察に発覚した場合、または使用を疑われて取調べを受けることになった場合は、速やかに弁護士に相談することが極めて重要です。

弁護士は逮捕直後の接見から取調べ対応のアドバイス、身柄解放に向けた活動、再犯防止のサポート、そして裁判での弁護活動まで、刑事事件の全過程において強力なサポートを提供してくれます。特に薬物事件は専門性が高く、適切な法的知識と経験がなければ対応が困難な分野です。

一人で抱え込まず、できるだけ早い段階で専門家の助けを求めることが、より良い結果につながるでしょう。THCに関する問題で不安や疑問がある方は、まずは刑事事件に詳しい弁護士に相談してみてください。