Archive for the ‘未分類’ Category
大麻と職務質問
大麻と職務質問について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
Aさんは知人宅から歩いて帰宅途中、警察官に呼び止められ、職務質問に応じるよう求められました。Aさんは洋服のポケットの中に大麻を隠しもっていたため「このまま逃げ切りたい」と思いましたが、警察官の説得の末応じざるをえませんでした。その後、職務質問、所持品検査を経て大麻を発見、押収され、Aさんは大麻取締法違反で逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~大麻の犯罪~
大麻で処罰対象となる行為は①輸出・輸入・栽培、②譲渡・譲受・所持にわけることができます。
①の営利目的がない場合の罰則は「7年以下の懲役」です。通常の公判手続に付されます。一方、営利目的がある場合の罰則は「10年以下の懲役」で、情状により300万円以下の罰金が併科されます。通常の公判手続に付されます。
次に、②の営利目的がない場合の罰則は「5年以下の懲役」です。通常の公判手続に付されます。一方、営利目的がある場合の罰則は「7年以下の懲役」で、情状により200万円以下の罰金が併科されます。通常の公判手続に付されます。
~職務質問~
職務質問とは、何らかの犯罪に関係していると疑われるような人などを呼びとめ、質問することをいいます。薬物犯罪の発覚の端緒として多いのがこの職務質問です。
また、職務質問と所持品検査はセットでおこなわれます。職務質問も所持品検査も行政警察活動といって厳密には捜査ではありません。そのため、職務質問、所持品検査に応じるか否かはあなたの自由で、拒否することももちろんできます。
しかし、拒否すると次々と警察官が現場に押し寄せてきて周りを取り囲まれ、長時間にわたり説得を受けることがほとんどです。あくまで「任意」で職務質問や所持品検査に応じてくれるよう、説得という名目でその場から動けなくされてしまいます。そして、この説得を受けている間に、強制的に採尿するための令状や捜索をするための令状を請求している場合もあります。
~職務質問後の流れ~
職務質問を受け、大麻を所持していることが判明した場合はその場で現行犯逮捕されることが多いです。逮捕された警察署内の留置場に収容され、釈放されるまではそこで生活することになります。
警察で釈放されない限り、逮捕から48時間以内に事件と身柄を検察に送致されます。検察でも事件に関する言い分を聴かれ、身柄拘束の必要があると判断された場合は送致から24時間以内に裁判所に勾留請求されます。
勾留請求されると裁判官から事件に関する話を聴かれ、裁判官が身柄拘束を継続する必要があると判断した場合は勾留請求を許可され勾留されます。
大麻をはじめとする薬物犯罪では、逮捕から勾留許可までに釈放されることは稀で、許可された後も不服申立てによって釈放されるのが難しいのが実情です。仮に起訴された場合はさらに長期間の身柄拘束が継続してしまいますが、その際は保釈請求による釈放を目指します。事件の内容にもよりますが、起訴後の保釈請求は比較的認められやすいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。ご家族が覚醒剤所持・使用の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
MDMA所持と自首
MDMA所持と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
千葉市内に住むAさんは、知人のBさんから、麻薬として法律によりその所持等が禁止されてる、MDMAを購入して使用していました。ところが、ある日、Aさんはニュースを通じてMDMAを売ってもらった薬物の売人が警察に逮捕されたのを知り、「自分もいつか逮捕されるのではないか」と不安になりました。そこで、Aさんは警察に自首しようかと考え、どのように自首すればいいのかアドバイスを求めようと弁護士に相談をすることにしました。
(フィクションです。)
~MDMA所持と罰則~
MDMA(別称としてエクスタシー、ペケなど)と呼ばれる薬物は、向精神薬及び麻薬取締法とその関連政令により規制されている麻薬の一種です。MDMAは、高揚感や共感性が増大する一方、幻覚・幻聴や脳の神経の破壊といった著しい副作用を持つ非常に危険なものです。MDMAを所持した場合、7年以下の懲役(営利目的なら1年以上10年以下の懲役および情状により300万円以下の罰金の併科)という重い刑が科されるおそれがあります。
~薬物事件の特徴~
MDMAをはじめとする薬物事件が発覚すると高い確率で逮捕・勾留されます。薬物事件の場合、覚せい剤の入手(輸入等)→売却→譲り受け(譲り渡し)→使用という一連の流れを踏み、その過程には多くの関係者が関与しています。にもかかわらず、その関与者全員が検挙されることは稀です。したがって、たとえ特定の犯人を検挙できたとしても、他の未検挙者と通謀するなどして罪証隠滅行為をすると疑われてしまい、逮捕・勾留される可能性が高いのです。また、薬物事件では、勾留によっては罪証隠滅行為を防止できないとして接見禁止決定を出されることが多いと思われます。接見禁止決定とは、弁護人あるいは弁護人となろうとする者以外の者との接見を禁止する決定を言います。
~薬物事件の自首~
Aさんが考えているように長期間の身柄拘束や接見禁止を避けるには自首することも一つの方法です。
自首とは、犯罪事実や犯人が誰であるかが捜査機関に発覚する前に、犯人自らが捜査機関に対して、自分が罪を犯しましたと親告し処分を委ねる行為をいいます。
この効果について、刑法では「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」と定められていることから、裁判所の判断により刑が減軽されることがあります。ここで注意すべきことは、単に自ら警察署に赴いて罪を認めるというのみでは、自首が成立しない可能性があるということです。
例えば、警察に指名手配されているのを知り、自ら警察署に出頭したとしても、犯罪事実も犯人が誰であるのかもすでに捜査機関には明らかになっているので、自首は成立しないこととなります。自首が成立しなくても、捜査機関に対して自ら申告したという事実そのものが、裁判官が刑の重さを判断する際に有利な事情の一つとして考慮される可能性はあります。
もっとも、自首することで逆に逮捕される可能性も否定はできません。また、自首をすれば当然事件が明らかになりますので、最終的には自身が刑罰をうけるおそれがあります。
したがって、本当に自首すべきかどうかは慎重な判断が要されます。罪を犯したことについて間違いがないのであれば、自首も含めてどのような対応をすべきか、刑事事件に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
覚せい剤と保釈の条件
覚せい剤と保釈につて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
Aさんは自宅で覚せい剤を所持していたとして警察に逮捕され、その後起訴されました。Aさんは、同居していた母親の介護を一人で行っていたことから、保釈請求して釈放されたいと思っています。Aさんは、国選の弁護士とはそりが合わないことから、友人を通して私選の弁護士に保釈請求を頼みたいと考えています。
(フィクションです)
~覚せい剤~
覚せい剤取締法41条の2第1項では、覚せい剤を、みだりに、所持し(略)た者は10年以下の懲役に処すると定めています。
ところで、薬物事件の場合、残念ながら、逮捕・勾留される可能性が高く、釈放のための申立てもなかな通りにくいというのが実情のようです。それは、薬物事件の場合、その取引等に多数の関係者が関与していることが多く、取引に至る経緯・状況、薬物の入手ルート等を捜査し事案の全容を解明する必要が高いためと考えられます。他方で、起訴後は、それらの捜査はある程度終了していると考えられますから、保釈請求して釈放される可能性も高まると言えます。
~保釈~
保釈が許可され釈放となれば、本人様はもちろんそのご家族様の肉体的・精神的負担の軽減、生活の立て直しにもつながります。また、身柄を拘束されているときよりも、裁判に向けて再発防止のための具体的行動を取りやすくなる、弁護士と綿密に打ち合わせを行うことができるというメリットがあります。ただし、保釈には多額のお金が必要となる(※お金をご準備できない方は、日本保釈支援協会が行う保釈保証金立替システムのご利用もご検討いただけます)こと、請求が許可されても様々な条件が課されること、条件を守らなければ保釈保証金は没収され再び収容されることなども頭に入れておかないといけません。
さらに、保釈されるには、裁判所に保釈請求して保釈の条件をクリアしていると認めてもらう必要があります。
保釈条件は、大きく分けて、「権利保釈」と「裁量保釈」の2つがあります。
「権利保釈」とは、刑事訴訟法89条各号に掲げる事由に該当しない限りは保釈を許可するというものです。「裁量保釈」とは、たとえ、刑事訴訟法89条各号に掲げる事由に該当したとしても、裁判所が、「被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度のその他の事情」を考慮し、保釈を許可するというものです(刑事訴訟法90条)。つまり、たとえ、重大な犯罪を犯したり、実刑判決を受けたとしても、「裁量保釈」によって保釈が許可されることは有り得ることです。
通常、保釈請求は弁護士が行います。保釈でお困りの場合は刑事事件を中心に取り扱う弁護士にご依頼ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方、お困りの方などは、お気軽に弊所の弁護士にご相談ください。弊所では、24時間、専門のスタッフが無料法律相談、初回接見のご予約を電話で受け付けております。
コカインの施用で逮捕・否認事件における弁護活動
コカインの施用で逮捕されてしまった事例を題材に、否認事件における弁護活動などについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例:Aは、コカインを施用したとして、麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで逮捕されたた。
なお、警察官の取調べに対し、Aは、上記施用の事実を否認している。
Aの家族は、薬物事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~コカインの施用(麻薬及び向精神薬取締法違反)~
本件で、Aは麻薬及び向精神薬取締法違反(以下、単に麻薬取締法とします)の疑いで逮捕されています。
具体的には、コカインを施用(法文上「使用」ではない点に注意してください)した罪を犯した疑いがかけられています。
麻薬取締法は、おそらく法律を詳しく勉強した方でなければ、一見して本罪がどの条文に規定されているのか判別することは困難だと思われます。
では、本件では、麻薬取締法のどの条文に違反したとされているのでしょうか。
まず、本件でAが試用されたとされるコカインは、麻薬取締法が規制対象としている「麻薬」にあたるかを確認する必要があります。
麻薬取締法2条1号は、「麻薬 別表第1に掲げる物をいう」と定めているので、別表第1を見る必要があります。
別表第1を見ると、「コカインその他エクゴニンのエステル及びその塩類」とあり、コカインも麻薬取締法が規制する「麻薬」にあたることになります。
麻薬の試用は、以下で引用する27条1項本文によって禁止されています。
そして、同法66条の2は罰則規定として、27条1項に違反した者を処罰する旨を定めています。
(施用、施用のための交付及び麻薬処方せん)
第27条 麻薬施用者でなければ、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方せんを交付してはならない。
第66条の2 第27条第1項又は第3項から第5項までの規定に違反した者は、7年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の違反行為をした者は、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
3 前2項の未遂罪は、罰する。
すなわちコカインの施用は上記法に違反するものとして、処罰の対象となっていることが分かります。
したがって、本件Aは上記法に違反した疑いがあるものとして逮捕されるに至ったことになるのです。
~否認事件における弁護活動~
薬物事件は、他の刑事事件と比べても、比較的否認事件が多いとされる事件類型です。
否認事件とは、被疑者・被告人が被疑事実を否認し争っている事件のことをいいます。
もっとも、被疑事実を争うといっても、その態様は様々なものが考えられるため、弁護士としては、被疑者・被告人の言い分を十分に聞いた上で、具体的かつ詳細な検討が求められることになります。
否認事件は、警察・検察の主張と真っ向から対立する主張となるため、弁護士としても最も注力しなければならない事件の一つです。
なぜなら、このような事件で有罪が確定しまえば、無辜の市民に刑罰が科せられるという最も避けるべき事態が生じてしまう可能性があるからです。
薬物事件では、過去にも捜査官による証拠のねつ造・隠ぺい・偽証等の行為が行われており、被疑者・被告人を違法捜査から守る弁護士の役割は大きいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、麻薬及び向精神薬取締法違反事件を含む薬物事件も多数扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
麻薬取締法違反事件で逮捕されてしまった方のご家族等は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)まで、いつでもお電話ください。
大麻密輸
大麻密輸について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
東京都内に住むAさんは、所持していたキャリーケースの中から大麻約100グラムを発見、押収され、大麻を営利目的で密輸したとして大麻取締法違反(営利目的輸入罪)で逮捕されました。Aさんは「キャリーケースの中に大麻が入っていたことを知らなかった。」などと言って、大麻密輸の事実を否認しています。
(フィクションです。)
~大麻密輸~
大麻は大麻取締法で規制されている薬物です。
大麻取締法は、大麻の栽培・輸出入・所持・譲渡・譲受などについて必要な規制を行う法律です。
覚せい剤などとは異なり、大麻の使用自体は規制されていません。
大麻の輸出入に関しては、以下のように規定されています。
第四条 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
一 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
第二十四条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
大麻をみだりに輸入した場合は、7年以下の懲役、営利目的で輸入した場合には、10年以下の懲役、または情状により10年以下の懲役と300万円以下の罰金を科されるおそれがあります。
営利目的の法定刑が重いのは、財産上の利得を目当てとして犯罪を行うことが道義的に厳しく非難に値するというだけでなく、一般にその行為が反復・累行され、規制薬物の濫用を助長・増進させ、国民の保健衛生上の危害を増大させる危険性が高いため、それだけ違法性が高いためだとされます。
「営利目的」とは、「犯人自らが財産上の利益を得、または第三者に得させることを動機・目的とする場合をいう」と解されています。
密輸した大麻の量などからその動機・目的を認定されます。
大麻密輸は、大麻を密輸したという事実のほか、大麻を密輸した認識(故意)がなければ罪に問われません。
ただ、この認識は確実に密輸したという確定的な認識である必要はなく、「何か怪しいな~。」などという未必的な認識で足りるとされています。また、「薬物」を密輸した認識があれば足り、「大麻」を認識した認識までは必要とされません。
薬物を密輸する際は、通常、他人から密輸を依頼されることが多いかと思います。
その際のやり取りなどから上記のような認識を認定されてしまうおそれがあります。
営利目的での大麻密輸で有罪となった場合は、重たい量刑も覚悟しなければなりません。
たとえ初犯であっても実刑となる可能性もあるでしょう。
したがって、大麻密輸で否認をして無罪を主張する場合は、担当の弁護人を綿密な打ち合わせをしてしっかりとした対策を立てる必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
少年が大麻所持で逮捕
覚醒剤所持・使用事件の再犯防止をサポートする弁護士
今回は、覚醒剤所持・使用の公訴事実により起訴された被告人の再犯防止活動をサポートする弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、自宅で覚醒剤を保管し、使用していたとして、覚醒剤所持・使用の公訴事実により●●地方裁判所に起訴されています。
Aさんは現在も勾留されていますが、初犯であり、前科・前歴はありません。
なるべく有利な判決を獲得し事件を解決したいと考えていますが、どのような弁護活動が想定されるのでしょうか。(フィクションです)
~起訴されているAさんの犯罪について解説~
(覚醒剤所持罪)
覚醒剤取締法第41条の2第1項は、覚醒剤をみだりに所持する行為につき、10年以下の懲役を予定しています。
「所持」とは、覚醒剤に対する事実上の実力支配関係をいいます。
覚醒剤を自身が直接手にしている必要はなく、社会通念上本人の実力支配、管理の及ぶ場所に保管していれば足り、自宅に覚醒剤を保管している場合などは通常、「所持」に該当します。
※覚醒剤取締法
第四十一条の二 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
(覚醒剤使用罪)
覚醒剤使用罪は、覚醒剤取締法第19条に違反して、覚醒剤を使用する犯罪です(覚醒剤取締法第41条の3第1項1号)。
自身に注射、経口投与、吸入する行為が「使用」の典型例です。
通常、覚醒剤使用の動機は「薬理作用を得ること」ですが、動機はこれに限定されておらず、例えば、警察官に職務質問された際に、覚醒剤を隠滅する目的でとっさに飲み込む行為も「使用」に該当します。
※覚醒剤取締法
第四十一条の三 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
一 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者
~有利な事件解決を目指す弁護活動~
Aさんは初犯であり、他に前科・前歴もありません。
公訴事実が覚醒剤所持・使用だけであれば、適切な弁護活動を行うことにより、執行猶予付き判決を獲得できる可能性もあります。
執行猶予付き判決を獲得できれば、直ちに刑務所に収容されることはありません。
ケースの場合は、執行猶予付き判決の獲得がもっとも有利な事件解決像ということができると考えられます。
当然ですが、執行猶予付き判決を獲得するためには、Aさんがこのまま社会に戻っても、再び薬物に手を染めないであろうということ、再犯防止に努めていることなどを裁判官に納得してもらう必要があります。
(信頼できる身元引受人の用意)
覚醒剤事案の再犯率は非常に高く、いかに薬物を断ち切ることが難しいかを物語っています。
Aさんも1人だけで薬物を断つのは非常に困難であり、裁判官もこのような点を危惧しているでしょう。
このような場合は、信頼できるAさんの親族に身元引受人となってもらい、責任をもってAさんを監督する旨を法廷にて証言してもらうことが考えられます。
(薬物依存治療プログラムの開始)
薬物依存の治療を行っている精神科などを受診し、治療を受けることによって、再犯防止に努めていることをアピールすることが考えられます。
ただし、Aさんは現在勾留されているので、このままでは薬物依存治療プログラムを開始できません。
そのため、保釈を実現し、外に出ることが必要です。
保釈の請求にあたっては、法律の専門家である弁護士の力が役に立ちます。
(自助グループへの参加)
薬物依存からの脱却を目指す自助グループが存在します。
このようなグループに入り、再犯防止に取り組むことも想定されるでしょう。
~最後に~
上記は弁護活動の一環として紹介しましたが、事件が終了したあと、真に薬物を断ち切り、社会復帰することが何よりも重要です。
再び覚醒剤や違法薬物に手を出してしまうと、次は実刑判決となる可能性が高いでしょう。
事件が解決した後も、医療機関や自助グループなどを上手く活用し、再犯防止に取り組むことが重要であると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が覚醒剤所持・使用の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
大麻所持で一部執行猶予
大麻所持と一部執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
さいたま市在住のAさんは自宅の家宅捜索を受け大麻取締法違反(所持)で逮捕されその後起訴されました。Aさんは刑務所を出所(覚せい剤取締法違反(使用)で服役)したばかりでした。Aさんと接見した弁護士は、再犯防止の観点から、一部執行猶予判決を獲得できないか検討しています。
(フィクションです。)
~大麻所持と一部執行猶予~
麻薬等の薬物事件を犯した方に対する一部執行猶予については、「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(以下「法律」)」に定められています。この法律によると、一部執行猶予判決を受けるには次の要件が必要とされています(法律3条)。
1 薬物使用等の罪を犯したこと
2 本件で、1の罪又は1の罪及び他の罪について3年以下の懲役又禁錮の判決の言い渡しを受けること
3 刑事施設における処遇に引き続き社会内において規制薬物等に対する依存の改善に資する処遇を実施することが、再び犯罪をすることを防ぐために「必要」であり、かつ、「相当」であること
なお、薬物使用等の罪については、他の犯罪と異なり、前科の要件は必要とされていません。つまり、Aさんのような累犯前科を持つ方であっても、一部執行猶予判決の対象となり得ます。
では、一部執行猶予が対象とする「薬物使用等の罪」とは何でしょうか?
主な犯罪は次のとおりです(法律2条2項参照)。
同項2号 大麻の所持又はその未遂罪
同項4号 覚せい剤の所持、使用等又はこれらの罪の未遂罪
同項5号 麻薬及び向精神薬取締法の所持罪等
この点、大麻所持は同項2号の「大麻の所持」にあたり、Aさんは一部執行猶予判決を受ける資格は有しています。
大麻取締法第24条の2第1項は、「大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する」としています。
一部執行猶予は実刑判決の一部です。つまり、執行猶予付き判決とは異なることに注意が必要です!また、麻薬等の薬物使用等の罪に関しては必ず保護観察が付きます(法律4条1項)。さらに、保護観察の順守事項を守らなければ、一部執行猶予の言い渡しが取り消されることがあり(法律5条2項)、再び刑務所に収容されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。ケースのような薬物事件の解決実績も豊富です。ご家族が大麻所持の疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
大麻所持と現行犯逮捕
大麻所持と現行犯逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
京都市内に住むAさんは繁華街を飲み歩いていたところ警察官から職務質問を受けました。Aさんのハンドバッグには大麻と、その吸引に供する器具が入っています。
警察官はハンドバッグを開披するよう求めましたが、Aさんは当初拒みました。「やましいモノ入ってるから開けられないんだろ」、「マズいものが入ってなかったら(職務質問は)終わるから」などと説得を続けている間、警察官の数もどんどん増えてきました。観念したAさんはハンドバッグを開披し、中にあった大麻様の物件が検査された結果、本物の大麻であることが判明しました。Aさんは繁華街でハンドバッグ中に大麻を所持していた疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~大麻所持罪~
大麻所持罪は、大麻をみだりに所持する犯罪です(大麻取締法第24条の2第1項)。
都道府県知事の免許を受けて、繊維若しくは種子を採取する目的で、大麻草を栽培する「大麻栽培者」(大麻取締法第2条2項)、都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、又は大麻を使用する「大麻研究者」(大麻取締法第2条3項)といった大麻取扱者(大麻取締法第2条1項)による「所持」は大麻所持罪にあたりません。
Aさんには上記のような、大麻所持罪の除外事由がないのに、繁華街においてハンドバッグ中に大麻を所持していたものですから、大麻所持罪が成立する可能性が高いと思われます。
大麻所持罪の法定刑は5年以下の懲役となっています(大麻取締法第24条の2第1項)。
~現行犯逮捕とその後の流れ~
現行犯逮捕とは、現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者を逮捕することを言います。
現行犯逮捕の事案では、犯罪が目の前で行われているわけですから誤認逮捕の恐れがなく、ただちに犯人を逮捕する必要性が高いです。
そこで、現行犯逮捕は「誰でも」、「令状なし」に逮捕することができるのが特徴です。
逮捕後は、釈放されない限り、逮捕から48時間以内に検察官の元へ身柄を送られます。
検察官は、犯人から話を聴いたうえ、裁判官に対し勾留請求するかしないかの判断をします。
大麻所持の場合、警察官の職務質問から現行犯逮捕されるケースが比較的多いと思われます。
早期の身柄解放をお望みの場合は、早めに弁護士に連絡を取りましょう。
すでに逮捕され、自ら連絡を取ることが不可能な場合は、どの警察官でもいいので弁護士を依頼したい旨を申し出ましょう。
依頼を受けた弁護士は、早い段階で逮捕された方と接見し、身柄解放のための活動に入ります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。
【所持罪】麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕
麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例:Aは、駐車場の自車内において薬物(いわゆるLSD)を所持していた。
警察官は、Aを麻薬及び向精神薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕した。
Aの家族は、薬物事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~麻薬及び向精神薬取締法~
一口に薬物といっても、これを取締り対象とする法律は区々であり、また薬物の作用にも様々な特色があります。
本件でAが所持していたとされる規制薬物はLSDと呼ばれるもので、規制薬物の中でも幻覚剤と呼ばれるものになります。
では、Aが所持していたLSDのような薬物は、具体的にどの法律によって規制されているのでしょうか。
麻薬及び向精神薬取締法は、その名のとおり主として「麻薬」(や向精神薬)にあたる薬物を取り締まることを目的とした法律です。
同法は、2条1号に同法によって規制対象となる「麻薬」について別表第1によって定める物としています。
そこで、同別表をみると、別表第1の75号は「前各号に掲げる物と同種の濫用のおそれがあり、かつ、同種の有害作用がある物であつて、政令で定めるもの」も同法の規制対象としての「麻薬」に当たるものとしており、本件LSDもこの75号によって規制対象たる「麻薬」に当たることになります(政令の詳細はここでは省略します)。
次に、罰則(麻薬及び向精神薬取締法 第7章 罰則)をみてみましょう。
第66条 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者……は、7年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
3 前2項の未遂罪は、罰する。
ここでいう「ジアセチルモルヒネ等」とは、いわゆるヘロインのことを指すため、本件のLSDは「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」として、単純所持の場合は66条1項の罰則の対象とされています。
また同法の特色として、上記3項のように未遂にも罰則規定が存在する点に注意が必要です。
以上より、「麻薬」として規制されているLSDを所持していたAには、麻薬及び向精神薬取締法違反の所持罪が成立することがお分かりになったかと思います。
~麻薬及び向精神薬取締法違反における弁護活動~
本件のような麻薬及び向精神薬取締法違反事件では、所持罪であっても起訴される可能性は極めて高く、刑事裁判を見据えた弁護活動を行うことになると考えられます。
麻薬は覚醒剤などと同じく依存性が強いことから再犯可能性も高いとされており、依存からの脱却への道筋を示すことも重要な弁護活動の一環です。
薬物依存は刑罰以上に治療が必要であるとの認識はもはや常識であり、自助グループや医療専門家との連携は不可欠といえます。
したがって、弁護士としては、これらの専門家などを被疑者・被告人と繋げて再犯可能性の低い環境を整えていくことも、薬物事件の弁護活動としての重要性を帯びることになります。
この場合、更生可能性や更生への本人の意欲を示し、回復への道筋の具体的な主張立証が求められることになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、麻薬及び向精神薬取締法違反事件などを含めた薬物事件を多数扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
麻薬及び向精神薬取締法違反事件(所持)で逮捕された方のご家族は、即時対応可の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。
MDMA所持事件において保釈を目指す弁護活動
今回は、MDMA所持事件を起こし、逮捕されてしまった場合において、保釈を目指す弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
会社員のAさんは、警察により自宅の捜索を受け、MDMAを自室の机に保管していた疑いで逮捕・勾留されてしまいました。
任意で尿検査を受けた結果、MDMAを使用したことを示す反応は検出されなかったので、現在はMDMAを所持していた嫌疑に絞り捜査が行われています。
Aさんのもとへ接見にやってきた弁護士の話によると、「捜査段階で釈放を実現するのはかなり難しい。釈放に向けた活動は行うが、保釈の実現を目指すことが身柄解放活動のメインになるだろう」とのことです。
Aさんは今後どうなるのでしょうか。(フィクションです)
~MDMAを所持した場合に成立する罪~
麻薬及び向精神薬取締法第66条1項は、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持」する行為を禁止しています。
ジアセチルモルヒネ等とは、一般に「ヘロイン」のことを意味します。
MDMAは、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」に該当します。
「所持」とは、「事実上の実力支配関係」をいい、自宅自室の机にMDMAを保管する行為は、通常、「所持」に該当すると判断されるでしょう。
また、人から預かってMDMAを保管している場合であっても、「所持」に該当します。
MDMA所持罪の法定刑は、7年以下の懲役となっています。
~MDMAを使用した場合は?~
MDMAを使用(条文上「施用」となっています)する行為も処罰の対象です(麻薬取締法第66条の2第1項・27条第1項)。
こちらについても、法定刑は7年以下の懲役となっています。
もっとも、尿検査の結果、Aさんの尿からはMDMAを使用したことを示す反応が検出されなかったため、使用行為について起訴される可能性はほとんどゼロと考えてよいと思われます(ただし、取調べにおいて、保管していたMDMAをどのように扱っていたのかについて尋ねられることはあると思われます)。
~ケースの場合における身柄解放活動~
接見にやってきた弁護士が告げた通り、薬物事件の身体拘束は一般的に長引きがちで、法律上可能なすべての期間、逮捕・勾留される可能性が高いです。
捜査段階で身柄解放を実現することはかなりハードルが高いといえます。
もっとも、捜査によって十分に事件の全容が解明されていれば、起訴された後に「保釈」を実現できる可能性があります。
「保釈」とは、保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を意味します。
捜査段階では「被告人」ではなく「被疑者」なので、保釈を請求することはできません。
裁判所は、保釈の請求があったときは、権利保釈の除外事由(重罪事件である、罪証隠滅のおそれがあるなど)がある場合を除き、原則として保釈を許可しなければなりません(権利保釈)。
また、権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができます(裁量保釈)。
さらに、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求によりまたは職権で、保釈を許さなければなりません(義務的保釈)。
なお、義務的保釈は実務上、ほとんどありません。
~保釈を実現するメリット~
身体拘束から解放されることにより、心身の負担が軽減することはもちろん、薬物依存の治療プログラムを受けることにより、再犯防止に向けた取り組みを行うことができます。
さらに、再犯防止に取り組んでいることを裁判所へアピールすることにより、Aさんへの判決にも有利に作用することが期待できます。
勾留されたままではこのような治療を受けることはできないので、薬物事件において保釈を実現する大きなメリットといえるでしょう。
MDMA所持の疑いで逮捕されてしまった場合は、すぐに弁護士のアドバイスを受け、有利な事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族がMDMA所持の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。