大麻と職務質問

2021-11-25

大麻と職務質問について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは知人宅から歩いて帰宅途中、警察官に呼び止められ、職務質問に応じるよう求められました。Aさんは洋服のポケットの中に大麻を隠しもっていたため「このまま逃げ切りたい」と思いましたが、警察官の説得の末応じざるをえませんでした。その後、職務質問、所持品検査を経て大麻を発見、押収され、Aさんは大麻取締法違反で逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~大麻の犯罪~

大麻で処罰対象となる行為は①輸出・輸入・栽培、②譲渡・譲受・所持にわけることができます。
①の営利目的がない場合の罰則は「7年以下の懲役」です。通常の公判手続に付されます。一方、営利目的がある場合の罰則は「10年以下の懲役」で、情状により300万円以下の罰金が併科されます。通常の公判手続に付されます。
次に、②の営利目的がない場合の罰則は「5年以下の懲役」です。通常の公判手続に付されます。一方、営利目的がある場合の罰則は「7年以下の懲役」で、情状により200万円以下の罰金が併科されます。通常の公判手続に付されます。

~職務質問~

職務質問とは、何らかの犯罪に関係していると疑われるような人などを呼びとめ、質問することをいいます。薬物犯罪の発覚の端緒として多いのがこの職務質問です。

また、職務質問と所持品検査はセットでおこなわれます。職務質問も所持品検査も行政警察活動といって厳密には捜査ではありません。そのため、職務質問、所持品検査に応じるか否かはあなたの自由で、拒否することももちろんできます。

しかし、拒否すると次々と警察官が現場に押し寄せてきて周りを取り囲まれ、長時間にわたり説得を受けることがほとんどです。あくまで「任意」で職務質問や所持品検査に応じてくれるよう、説得という名目でその場から動けなくされてしまいます。そして、この説得を受けている間に、強制的に採尿するための令状や捜索をするための令状を請求している場合もあります。

~職務質問後の流れ~

職務質問を受け、大麻を所持していることが判明した場合はその場で現行犯逮捕されることが多いです。逮捕された警察署内の留置場に収容され、釈放されるまではそこで生活することになります。
警察で釈放されない限り、逮捕から48時間以内に事件と身柄を検察に送致されます。検察でも事件に関する言い分を聴かれ、身柄拘束の必要があると判断された場合は送致から24時間以内に裁判所に勾留請求されます。
勾留請求されると裁判官から事件に関する話を聴かれ、裁判官が身柄拘束を継続する必要があると判断した場合は勾留請求を許可され勾留されます。
大麻をはじめとする薬物犯罪では、逮捕から勾留許可までに釈放されることは稀で、許可された後も不服申立てによって釈放されるのが難しいのが実情です。仮に起訴された場合はさらに長期間の身柄拘束が継続してしまいますが、その際は保釈請求による釈放を目指します。事件の内容にもよりますが、起訴後の保釈請求は比較的認められやすいです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。ご家族が覚醒剤所持・使用の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。