大麻所持事件で保釈請求

2022-02-02

大阪市平野区の大麻所持事件で保釈請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは、知人から大麻について勧められ、1年前から大麻を使用していました。
最初は、経験として使ってみるかと軽い気持ちで手を出したものでしたが、ストレス解消になっていたので、辞められずにいました。
それから、半年に一回インターネットを通じて大麻を購入していました。。
ある日、売人から大麻を購入した帰りに、警察官から職務質問を受けることになり、そこで大麻が見つかってしまいました。
Aさんは、大麻取締法違反で大阪府平野警察署の警察官に現行犯で逮捕されました。
Aさんは、最初は国選の弁護士に弁護してもらっていましたが、保釈ができていないことを不満に思っていました。
Aさんの両親は、一度法律事務所に相談して現状について知ることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

〜大麻取締法違反〜

大麻取締法違反第一条 この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

この法律上の「大麻」というものは、上記のものを指します。この「大麻」を所持していたものを処罰されることになります。

大麻取締法違反第二十四条の二 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。

上記の条文により、大麻を所持、大麻を渡したりすると犯罪になるということが記載されているため、Aさんは上記の法律に当たると考えられます。

〜保釈請求について〜

まず、保釈とは、勾留されている被告人を、弁護人やご両親などが裁判所に請求し、被告人の身柄拘束を解いてもらうことを言います。

刑事訴訟法第88条以下には、保釈について詳しく述べられています。その中でも、今回のケースに当てはまる条文は刑事訴訟法第89条に定められているものです。

刑事訴訟法第八十九条 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏い怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

以上の条文は、法律用語で権利保釈(必要的保釈)等と呼ばれます。今回のケースでは権利保釈での保釈がされる場合が多いです。権利保釈は、保釈の要件(刑事訴訟法89条1~6号)を満たす場合は、保釈の請求があれば保釈しなければならないという保釈のことをいいます。上記の1から6の項目で保釈をどうするか判断されます。上記条文の1から3の条件については、前科の関係になっているものです。今回のケースのAさんは、前科について言及されてはいませんが、ないと仮定するならば、それ以外のもので保釈されないという判断が出る可能性があるということです。
4~6について、ご両親や親族の方と話をして、被告人をどのように監視監督するか話し合い、保釈の可能性を高めていきます。

そして、保釈の際に納付する保釈保証金とは、一般的に保釈金と呼ばれるもので、その額は事件や被告人の環境によって変動します。
保釈金は、保釈中に逃亡したり証拠隠滅をしたりしないようにするための担保とされるもので、それらの条件を破ってしまった場合に一部または全部没収されることになります。
そのため、その人の没収されてしまったら困るという額が保釈金とされるのです。
なお、保釈中に保釈の条件を守ることができれば、最終的に保釈金は戻ってきます。

保釈請求が通らなければ、被告人は公判が終了するまで身柄が拘束されてしまいます。公判の終了は早くても1か月ほどかかってしまいます。そうなれば、社会に復帰することや、知人に知られてしまうリスクなどが高くなってしまいます。弊所の弁護士は、数々の事件を経験しており、このような保釈の対応も数多く行っております。

もし、今後お困りのことがあれば0120-631-881に架電していただけると,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスや初回無料法律相談のお問い合わせを365日24時間いつでも受け付けております。
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