覚せい剤と保釈の条件

2021-11-11

覚せい剤と保釈につて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。   

Aさんは自宅で覚せい剤を所持していたとして警察に逮捕され、その後起訴されました。Aさんは、同居していた母親の介護を一人で行っていたことから、保釈請求して釈放されたいと思っています。Aさんは、国選の弁護士とはそりが合わないことから、友人を通して私選の弁護士に保釈請求を頼みたいと考えています。
 (フィクションです)

~覚せい剤~

覚せい剤取締法41条の2第1項では、覚せい剤を、みだりに、所持し(略)た者は10年以下の懲役に処すると定めています。
ところで、薬物事件の場合、残念ながら、逮捕・勾留される可能性が高く、釈放のための申立てもなかな通りにくいというのが実情のようです。それは、薬物事件の場合、その取引等に多数の関係者が関与していることが多く、取引に至る経緯・状況、薬物の入手ルート等を捜査し事案の全容を解明する必要が高いためと考えられます。他方で、起訴後は、それらの捜査はある程度終了していると考えられますから、保釈請求して釈放される可能性も高まると言えます。

~保釈~

保釈が許可され釈放となれば、本人様はもちろんそのご家族様の肉体的・精神的負担の軽減、生活の立て直しにもつながります。また、身柄を拘束されているときよりも、裁判に向けて再発防止のための具体的行動を取りやすくなる、弁護士と綿密に打ち合わせを行うことができるというメリットがあります。ただし、保釈には多額のお金が必要となる(※お金をご準備できない方は、日本保釈支援協会が行う保釈保証金立替システムのご利用もご検討いただけます)こと、請求が許可されても様々な条件が課されること、条件を守らなければ保釈保証金は没収され再び収容されることなども頭に入れておかないといけません。

さらに、保釈されるには、裁判所に保釈請求して保釈の条件をクリアしていると認めてもらう必要があります。
保釈条件は、大きく分けて、「権利保釈」と「裁量保釈」の2つがあります。
「権利保釈」とは、刑事訴訟法89条各号に掲げる事由に該当しない限りは保釈を許可するというものです。「裁量保釈」とは、たとえ、刑事訴訟法89条各号に掲げる事由に該当したとしても、裁判所が、「被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度のその他の事情」を考慮し、保釈を許可するというものです(刑事訴訟法90条)。つまり、たとえ、重大な犯罪を犯したり、実刑判決を受けたとしても、「裁量保釈」によって保釈が許可されることは有り得ることです。
通常、保釈請求は弁護士が行います。保釈でお困りの場合は刑事事件を中心に取り扱う弁護士にご依頼ください。

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