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麻薬事件で黙秘権
麻薬事件における黙秘権について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
【事例】
東京都大田区に住むAさんは、音楽と踊りを楽しむためにクラブ通いをしていました。そのクラブでは、日常的にコカインの売買が行われており、Aさんは、コカインを購入し、使用してしまいました。
そのクラブを内偵していた、厚生労働省の関東厚生局麻薬取締部は、麻薬取締法違反でAさんを逮捕しました。
そして、その翌日に、留置先である警視庁池上警察署から東京地方検察庁に送検されました。
(フィクションです。)
【麻薬に対する規制】
麻薬が規制薬物の一種であることは周知のとおりかと思いますが、具体的に何が「麻薬」に当たるか分からない方は多いのではないでしょうか。
日本における「麻薬」の例としては、コカイン、ヘロイン、LSDなどが挙げられます。
具体的にいかなる薬物が「麻薬」に当たるかは、「麻薬及び向精神薬取締法」という法律に定められています。
麻薬及び向精神薬取締法では、麻薬の製造、所持、授受、輸出入などの様々な行為が原則として禁止されています。
その行為に罰則は、麻薬が「ジアセチルモルヒネ等」に当たる場合とそれ以外とで異なっています。
「ジアセチルモルヒネ等」とは、ジアセチルモルヒネ、その塩類またはそれらが含まれる麻薬のことで、代表例としてはヘロインが挙げられます。
ジアセチルモルヒネ等は薬理作用が特に強く危険性が高いことから、他の麻薬よりも重い罰則が科されます。
~コカイン~
コカインとは、コカの葉から麻薬成分を抽出した麻薬のことで、主に白色の粉末状で取引されます。
そして日本では、麻薬取締法で、その使用が禁止されています。
使用時の症状は、疲労がとれて眠気を感じにくくなって高揚感を感じることができ、食欲が衰退するといった覚せい剤を使用した時と似た感覚に陥ると言われていますが、その使用方法や効力は、覚せい剤と異なるようです。
覚せい剤は、水に溶かして注射器で注射して使用するのが主流のようですが、コカインは、粉末を鼻から吸い込んで使用するようです。
また効力は、覚せい剤の方が強く、持続性も覚せい剤の方が長いようです。
~コカインの使用~
麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)で、コカインの使用が禁止されています。
コカインは、使用の他に輸入・輸出・製造・栽培・小分け・譲渡・譲受・所持等が禁止されています。
コカインの使用は、覚せい剤の使用と同じように尿の鑑定で明らかになります。
コカインの使用で起訴されて有罪が確定すれば「7年以下の懲役」が科せられることとなりますが、この罰則規定は覚せい剤使用の法定刑が「10年以下の懲役」であるのに比べると少し軽いものです。
ちなみに、今回の事件でコカインの使用事件が世間で注目を集めていますが、警察等の捜査当局がコカインの使用事件を立件する件数は、覚せい剤の使用事件に比べると非常に少いものです。
【厚生労働省麻薬取締局】
厚生労働省の麻薬取締局は、通称「マトリ」「麻薬Gメン」と呼ばれている、薬物事件を専門にする捜査機関です。
薬物事件に限られますが、警察と同じように捜査権が認められており、けん銃等の武器の使用、所持も認められています。
警察の摘発する薬物事件は、警察官による職務質問が捜査の端緒となりますが、麻薬取締局が摘発する薬物事件は、関係者からの情報提供や、長期間に及ぶ内偵捜査を端緒とする事件が大半です。
そのため、世間を騒がせるような摘発量の多いが多い薬物事件や、著名人による薬物事件を摘発することがよくあります。
【送検って何?】
刑事事件を報じるテレビのニュースや新聞の記事などでよく「送検」という言葉を耳にします。
送検とはいったい、どの様な手続きを言うのでしょうか?
一般的に送検とは、警察等の捜査機関から検察庁に事件を送ることで、これによって捜査の主担が検察庁に移ります。
法律的には「送致」と呼ばれており、送致は書類送致と、身柄送致の2種類に分かれます。
①書類送致(書類送検)
逮捕されなかった場合や、逮捕されたとしても勾留される前に釈放された場合など、身柄拘束をしていない事件を検察庁に送致することです。
書類送致は、送致前に考えられる一通りの捜査を終えてから行われることがほとんどで、送致を受けた検察官が起訴するか否かを判断します。
②身柄送致(身柄送検)
逮捕された場合に、逮捕から48時間以内に検察庁に送られる場合は、身柄送致となります。
警察等の捜査機関は、勾留請求することを前提に身柄送致する場合がほとんどですので、身柄送致された方のほとんどは、送致を受けた検察官によって勾留請求されてしまいます。
薬物事件でお困りの方、ご家族などが麻薬所持の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。
覚せい剤使用罪と無罪判決、控訴
覚せい剤使用罪と無罪判決、控訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
~ 事例 ~
東京都千代田区に住むAさんは,コップに覚せい剤が入った液体を飲んで使用したという覚せい剤取締法違反(使用罪)で東京地方検察庁に起訴されました。Aさんは刑事裁判で、「私の知らないうちにコップに覚せい剤を入れられていた。」「私の知らないうちに覚せい剤を使ってしまった。」などと主張して覚せい剤の使用の故意を否認しました。しかし、裁判では、Aさんの主張は受け入れてもらえず、Aさんは懲役2年の実刑判決を言い渡されました。Aさんは、事実誤認、量刑不当を理由に控訴しようと考えています。Aさんは刑が確定してしまう前に控訴しなければなりません。
(フィクションです。)
~ 無罪判決が出る場合 ~
刑事訴訟法336条は無罪判決の規定で、以下のように書かれています。
刑事訴訟法336条
被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
繰り返すと、無罪判決は、
・被告事件が罪とならないとき
・被告事件について犯罪の証明がないとき
に出されます。刑事裁判で無罪判決が出される多くは後者(被告事件について犯罪の証明がないとき)の場合です。なお、被告事件について犯罪の証明の責任を負うのは検察官です。
~ 覚せい剤使用事件で無罪判決が出る場合 ~
覚せい剤使用事件の多くは尿などを採取され、尿などから覚せい剤成分が検出された旨の鑑定書が作成されます。そして、この鑑定書により被告人が故意に覚せい剤を使用したことが推認されてしまいます。しかし、
・尿の採取過程に誤り(違法・不当手続)があった場合
・鑑定手続に過誤があった場合
その鑑定書を生かすことは許されるでしょうか?判例は生かすことができない場合があることを認めており、その鑑定書が生かされない場合は
故意に覚せい剤を使用した証明がない
ものとして無罪判決が出されることがあります。
また、覚せい剤を使用するに至った経緯等につき合理的な説明ができたという場合も、もちろん、故意に覚せい剤を使用した証明がないものとして無罪判決が出されることがありますが、こちらは稀なケースといえます。
~ 控訴とは ~
控訴とは,簡易裁判所や地方裁判所の上級裁判所である高等裁判所に対し、裁判に誤りがあると申し出て判決の再検討を求めることをいいます。自分は無罪と考えているが有罪と認定された(事実誤認),有罪であることは認めるが刑の種類や重さに不満があること(量刑不当)などを理由に控訴することができます。なお,控訴できるのは裁判を受けた被告人だけと思われている方もおられるかもしれませんが,訴追する側の検察官も控訴することができます。したがって,被告人側,検察側双方が控訴するというケースもよくあることです。
* 控訴期間には期限がある *
控訴期間は14日間です。そして,その期間の起算日は,判決言い渡し日の翌日です。
たとえば,平成31年4月1日に「懲役3年」との判決の言い渡しがあったとします。すると,控訴期間の起算日は4月2日ですからその日を含めた14日間が控訴期間ということになります。したがって,4月15日が控訴期限日で,その翌日の4月16日が確定日ということになります。もし控訴を申し立てるのであれば、遅くとも4月15日のうちに申し立てなければなりません。
では,4月15日が土曜日だった場合はどうなるでしょうか?この場合,控訴期間の末日が土日祝日,12月29日から31日,1月2日,3日の場合は期間に算入しないとうい決まりがありますので,翌月曜日の4月17日が控訴期限日で,その翌日の4月18日が確定日となります。
~ 確定とは ~
確定とは,判決の内容に対しこれ以上不服申し立てをすることができなくなった状態のことをいいます。被告側,検察側が上訴(控訴とその次の不服申立てである上告を含むもの)することなく,上訴期間(14日間)が経過して裁判が確定した場合を「自然確定」といいます。なぜ,自然というのかといいますと,自然確定以外の事由,すなわち,当事者(被告人,検察官)の意思で確定することができるからです。つまり,被告人,検察官は上訴権を放棄したり,すでにした上訴を「取り下げ」たりすることができます。一方が上訴権を放棄したり,上訴を取り下げれば,他方が上訴権を放棄したり,上訴を取り下げた時点で裁判が確定します。
* 確定したらどうなるの? *
刑が確定すると,刑の執行がはじまります。死刑,懲役,禁錮,拘留の場合,身柄を拘束されている方は,そのまま収容施設で刑に服することになります。他方,在宅のまま刑が確定した場合は,検察庁から出頭の要請を受けます。そして,検察庁に出頭したのち,拘置所などに収容されます。ここで出頭しなかった場合は,収容状という令状によって強制的に身柄を拘束されます。執行猶予付き判決を受けた方は,確定日から刑の猶予期間がはじまります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は,まずは,0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談,初回接見サービスの受け付けを行っております。
大麻不法輸入事件で麻薬特例法違反
麻薬特例法の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
横浜市青葉区在住のAさん(40代男性)は、大麻密売組織の一員として、日本国内への大麻の不法輸入や大麻販売の業務を行っていたとして、麻薬特例法違反の容疑で、神奈川県青葉警察署に逮捕された。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士を、神奈川県青葉警察署のAさんとの初回接見(面会)に派遣した。
Aさんは、今後の麻薬特例法違反の取調べや刑事処罰の見通しを、弁護士と話し合い、弁護士に刑事処罰軽減に向けた弁護活動を依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)
~麻薬特例法の刑事処罰とは~
薬物犯罪を起こした場合には、その薬物が覚せい剤、麻薬、大麻など、どの薬物であるかに応じて、「覚せい剤取締法」「麻薬及び向精神薬取締法」「大麻取締法」などの個別の法律によって、刑事処罰が規定されています。
ただし、「業として」各種薬物犯罪を行った場合や、薬物犯罪収益に関する罪を犯した場合には、特別法の「麻薬特例法」に違反するとして、刑事処罰を受けることになります。
「麻薬特例法」(国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律)は、日本が1992年に「麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約」を批准したことを契機として、法律が制定されました。
麻薬特例法では、「業として」覚せい剤、麻薬、大麻などの不法輸入や販売などを行った場合に、重い刑事処罰を科しています。
薬物犯罪に「営利性、継続性、組織性」などの要素が介在すると認められた場合に、「業として」薬物犯罪が行われたとして、重い処罰を受けます。
・麻薬特例法 5条(業として行う不法輸入等)
「次に掲げる行為を業とした者(略)は、無期又は五年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。」
薬物犯罪収益の隠匿や事実仮装を行った場合には、麻薬特例法違反に当たるとして、刑事処罰が規定されています。
・麻薬特例法 6条1項(薬物犯罪収益等隠匿)
「薬物犯罪収益等の取得若しくは処分につき事実を仮装し、又は薬物犯罪収益等を隠匿した者は、五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。薬物犯罪収益の発生の原因につき事実を仮装した者も、同様とする。」
また、事情を知った上で、薬物犯罪収益を受け取った者にも、麻薬特例法違反に当たるとして、刑事処罰が規定されています。
・麻薬特例法 7条(薬物犯罪収益等収受)
「情を知って、薬物犯罪収益等を収受した者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約(略)の時に当該契約に係る債務の履行が薬物犯罪収益等によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した者は、この限りでない。」
大麻不法輸入事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、実際に行った薬物犯罪が、「業として」という要件に当てはまるものなのか、事件の「営利性、継続性、組織性」などの要素を検討し、刑事処罰が軽くなるように弁護活動の主張を行っていきます。
「業として」薬物犯罪を行った麻薬特例法違反の場合には、法定刑は「無期又は5年以上の懲役及び1000万円以下の罰金」と重く規定されているため、執行猶予付きの判決を得るためには、まずは麻薬特例法違反に当たらない事情を、弁護士の側より主張立証していく必要性が考えられます。
横浜市青葉区の大麻不法輸入事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
覚せい剤所持で実刑回避
覚せい剤所持で実刑回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。
~ケース~
埼玉県本庄市在住の会社員のAさんは,覚せい剤のパケをポケットに鞄にいれて繁華街を飲み歩いていた。
Aさんはかなり酔っており,それを見かけた埼玉県児玉警察署の警察官Xらから職務質問を受けた。
Aさんは酔っていたが普通に対応していたが,警察官から鞄の中を見せて欲しいと言われ,覚せい剤がばれると思い拒否した。
不審に思ったXらはAさんから鞄を奪い鞄の中を確認したところ,覚せい剤のパケが見つかった。
Aさんは覚せい剤取締法違反(覚せい剤所持)の疑いで現行犯逮捕された。
その後の検査によりAさんが覚せい剤を使用していたことも判明した。
Aさんの家族はAさんが実刑とならないように弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談した。
(フィクションです)
~職務質問~
警察官による職務質問は警察官職務執行法第2条に基づいてなされます。
警察官職務執行法第2条
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
お酒を飲んでかなり酔っているという場合には警察官は異常な挙動があるとして職務質問をすることが許されます。
なお,職務質問の際に所持品検査をすることは条文上に規定はありませんが、判例によって,職務質問に付随して所持品検査をすることが認められています。
ただし,職務質問は任意捜査ですので有形力の行使は原則として許されていません。
有形力の行使があった場合には,犯罪の予防という目的との兼ね合いで適法であったかどうかが判断されることになります。
~実刑回避~
日本において,警察で事件を終局させるような軽微な事件を除いて,事件は警察から検察官へと送致されます。
検察官は送致された事件について起訴するか不起訴とするかを判断します。
不起訴には起訴猶予,嫌疑なし,嫌疑不十分などの種類があります。
検察統計によると日本における覚せい剤取締法違反の起訴率は概ね80%前後となっています。
起訴されなかった20%の大部分は被疑者が覚せい剤取締り法違反ではない場合や違法な捜査などによる嫌疑なしや嫌疑不十分による不起訴であると思われます。
そのため,覚せい剤取締法違反について起訴猶予による不起訴処分となることは非常に稀だと思われます。
今回のケースでは,警察官Xらによる鞄の中の確認によって覚せい剤を発見し覚せい剤取締法違反として逮捕しています。
仮にXらによる鞄の中の確認が法律上認められていない違法な捜査であると検察官が判断すれば嫌疑不十分による不起訴となるでしょう。
弁護士は違法な捜査があったと思われる場合には意見書などを検察官に送付します。
それによって検察官が違法な捜査があったと判断し,不起訴となる場合もあります。
また,起訴されてしまった場合には刑事裁判で違法な捜査があったと主張し,無罪判決を目指していきます。
警察官Xらよる鞄の中の確認自体は,先述のように職務質問に付随する所持品検査として判例で認められています。
しかし,今回のケースでは警察官XらはAさんから鞄を奪って中を確認したというのですから、職務質問に付随するものとして許容できる範囲を超えている可能性もあります。
そのような場合には違法な捜査であったとして,それによって得られた証拠は違法収集証拠として証拠とは認められません。
また,違法な捜査によって得られた証拠から派生した証拠も認められないと解されていますのでAさんの検査結果も証拠として認められない可能性が高いです。
そうなれば,検察官は適法な証拠がないので嫌疑不十分として事件を不起訴とする可能が非常に高いでしょう。
起訴されてしまった場合,覚せい剤取締法違反の単純所持,つまり個人使用目的で所持していた場合,初犯であれば執行猶予付きの判決となることが多いです。
ただし,自動的に執行猶予となるのではなく,裁判官に刑務所に入れるのではなく社会で更生することが可能であると認定してもらう必要があります。
具体的には,覚せい剤などの薬物は依存による再犯率が高いので薬物依存の専門医の診断を受けたり,ダルクのリハビリ等を受けたりしたことを証明できる書類などを裁判で提出していきます。
また再発防止に向けた家族・親戚の取り組みなども裁判で主張していきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
覚せい剤などの薬物事件の弁護経験が豊富な弁護士が多数所属しております。
覚せい剤などの薬物事件で逮捕されてしまいお困りの方は、0120-631-881までお気軽にご相談ください。
初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けております。
大麻の有償譲り渡し・譲り受け
大麻を有償で譲り渡した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
千葉県浦安市に在住のAさん(25歳)は、友人のBさん(25歳)に大麻を譲り渡して、現金を受け取りました。
Bさんは、自分で使用するために、大麻を譲り受けていました。
ある日、麻薬取締部からの情報をもとに千葉県浦安警察署の警察官がAさんの家に捜査に向かったところ、乾燥大麻を所持したAさんがいたため、Aさんは大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの供述によって、Bさんも大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
(これはフィクションです)
~問題となる条文~
〇大麻取締法
今回AさんとBさんが疑われているのは大麻取締法違反です。
大麻取締法には、以下のように規定されています。
第24条の2
1 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
3 前2項の未遂罪は、罰する。
・今回のケースでは
Aさんは、Bさんに大麻を譲り渡していますので、大麻取締法24条1項に該当します。
また、Bさんから現金を受け取っていますので、「営利の目的」があるとして、大麻取締法24条2項に該当するでしょう。
Bさんは、Aさんから大麻を譲り受けていますので、大麻法24条1項に該当します。
そして、Bさんは自分で使用する目的しかなかったので、「営利の目的」はなかったとして、大麻取締法24条2項には該当しないでしょう。
・罰則
Bさんのように、大麻取締法24条1項違反で起訴されて有罪が確定すると、「7年以下の懲役」が刑罰として科されることになります。
また、Aさんのように、「営利の目的」があるとして、大麻取締法24条2項違反で起訴されて有罪が確定すると「10年以下の懲役(情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金)」が科されることになります。
~大麻取締法違反における弁護活動~
〇接見
今回のケースのような薬物事件においては、在宅事件にすると、事件に関する仲間との接触や証拠隠滅が行われる疑いがあります。
そのため、身体拘束(逮捕や勾留)を受ける可能性が高いです。
この時、ご家族の方は身体拘束を受けた方との接見(面会)が許されていますが、平日の限られた時間に限られています。
しかし、薬物事件の場合、ご家族の方を通して証拠隠滅の可能性があるため、接見禁止命令が出されて、ご家族の方でも接見ができない場合がほとんどです。
そのため、薬物事件を含む刑事事件への知識と経験が豊富な弁護士に、自分の代わりに接見に行ってもらうように依頼することをおすすめします。
弁護士は接見禁止などの制約がないため、身体拘束を受けた方と事由に面会をすることが可能ですし、ご家族の方からの伝言を伝えることもできます。
また、弁護士は現状の整理を行い、身体拘束を受けた方やそのご家族の方に、今後の見通しを分かりやすく伝えることが可能です。
〇身体拘束からの解放
上述の通り、薬物事件は身体拘束を受ける可能性が高いです。
そこで弁護士は、身体拘束を受けている方には証拠隠滅や逃亡のおそれがないこと等を主張することによって、身体拘束からの解放を目指します。
具体的には、弁護士は、身体拘束をする決定に対して、不服申し立てを行うことができます。
また、起訴後には、保釈請求を行い、身体拘束を受けている方が早期に身体拘束から解放されるように働きかけます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、大麻取締法違反を含む薬物事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
外国で大麻を使った場合に日本で逮捕されるのか?
外国で大麻を使った場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します
~ケース~
カナダに留学している大学3年生のAさんは下宿先のルームメイトに誘われて,クラブで行われる大麻パーティーに参加し大麻を吸引した。
Aさんは「カナダは大麻合法だから」という文と共に大麻を吸引している様子をSNSにアップした。
夏休みになり日本に帰国したAさんは同級生であるBさんに「大麻が合法の国で吸引しても大麻取締法が適用されてお前,逮捕されるぞ」と脅かされた。
Bさんからの言葉で逮捕されてしまうのではないかと不安になったAさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用した。
(フィクションです)
~大麻取締法と国外犯~
カナダでは2018年10月に大麻が解禁され使用が合法となりました。
しかしながら,大多数の国では大麻は依然として違法のままであり,日本も大麻取締法により所持などが禁止されています。
カナダには語学留学や旅行などで多くの日本人が訪れ,今回のケースのAさんのように何らかの機会に大麻を使用することや自ら購入し大麻を使用するというケースも多いでしょう。
今回はカナダのように大麻の使用が合法化された国や地域で大麻を使用した場合に日本の法律で処罰されるのかを考えていきたいと思います。
まず重要な点として,大麻取締法では大麻の使用を禁止していません。
そのため,日本国内でも大麻を使用するという行為だけでは何ら犯罪を構成しません。
しかし,使用するためには所持する必要がありますので結局のところ大麻所持を禁止する大麻取締法違反となります。
また,薬物犯罪では検査による成分検出や実際に違法薬物を所持していることが犯罪の証拠となります。
そのため,大麻使用が違法ではない国で大麻を使用した場合でも証拠の関係上,日本国内で大麻取締法で検挙するのは現実的ではないでしょう。
では,理論的には大麻取締法違反で検挙が可能なのかを検討していきます。
まず大麻取締法24条の8では「第24条、第24条の2、第24条の4、第24条の6及び前条の罪は、刑法第2条の例に従う。」と規定されています。
刑法第2条は刑法を「日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する」と規定します。
次に掲げる罪とは内乱や外患,通貨偽造や有価証券偽造,公文書偽造など,国家の根幹に対する犯罪行為の場合、日本人であるか外国人であるか、また犯罪地がどこであるかを問わず,当該犯罪を犯したすべての者に対して日本の刑法を適用するという規定なのです。
ところで,特別法には大麻取締法のように「~の罪は,刑法第2条の例に従う。」と規定されている物も多いです。
例としては覚せい剤取締法やあへん法,ハイジャック処罰法などがあります。
これらが刑法第2条の例に従うと規定している意味は,当該犯罪が国家間に共通する法益を侵害する犯罪であり各国に協力してその処罰を確保するためです。
そうすると,大麻取締法24条の8は大麻の取り締まりは国家間に共通する利益であるから日本としても相手国と協力して大麻の取り締まりにあたるという規定になるでしょう。
そして,カナダが大麻を禁止していない以上,日本とカナダの間で大麻を取り締まるという共通の利益が存在しないのですから日本においてカナダでの大麻の所持を罰することはできないと考えるべきでしょう。
なお,大麻取締法24条の8が規定している犯罪は,大麻を「みだりに」所持,栽培等をすることです。
法令において「みだりに」とは違法性があることを示す言葉ですのですなわち大麻を違法に所持等する必要があります。
そのため,日本国内において日本の法に反するのみならず,その行為が行われた国の法律にも違反していなければ処罰されないと考えられます。
さもなければ,カナダで合法に大麻を所持・使用したカナダ人が日本に旅行などで訪れた際に大麻取締法違反で処罰されることになってしまいます。
上記はあくまでも法解釈の一つであり事案の事情によっては逮捕されてしまう可能性もあります。
しかしながら,証拠の関係上,起訴されて刑事裁判となる可能性は低いと考えてよいでしょう。
不安な場合には弁護士に相談されることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
これまで数多くの薬物事件を手掛けてまいりました。
外国で大麻を使ってしまい不安というような場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談のご予約を24時間365日受け付けています・
大麻密輸の容疑で逮捕
大麻を密輸した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
大阪府堺市に在住のAさん(30歳)は、封筒の中にペースト状にした大麻を隠して、アメリカから国際郵便を日本の自宅宛てに送りました。
数日後、関西税関で、封筒の中身を不審に思った職員がその封筒を検査したことで、Aさんが大麻を密輸しようとしていたことが発覚してしまいました。
そこで、大阪府堺警察署の警察官がAさんの自宅へ向かい、帰国していたAさんは大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんの妻は、自分がどうすれば良いか分からなかったため、弁護士に相談することにしました。
(これはフィクションです。)
~問題となる条文~
〇大麻取締法
今回Aさんが疑われているのは大麻取締法違反です。
大麻取締法には、大麻を密輸した場合について以下のように規定されています。
第24条
1 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸入した者は、7年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
3 前2項の未遂罪は罰する。
・今回のケースでは
Aさんは、大麻をアメリカから密輸しようとしているので、大麻取締法24条1項に該当するでしょう。
そして、Aさんが個人的に使用するつもりはなく、大麻を第三者に売ることで利益を得るつもりで密輸していた場合には、「営利の目的」があるとして、大麻取締法24条2項に該当するでしょう。
・罰則
大麻取締法24条1項違反で起訴されて有罪が確定すると、「7年以下の懲役」が刑罰として科されることになります。
また、「営利の目的」があるとして、大麻取締法24条2項違反で起訴されて有罪が確定すると「10年以下の懲役(情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金)」が科されることになります。
〇関税法
Aさんは、大麻取締法だけでなく、関税法にも違反する可能性が高いです。
関税法には、大麻を密輸した場合について以下のように規定されています。
第69条の11 (輸入してはならない貨物)
1 次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
① 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚醒剤取締法にいう覚醒剤原料を含む。」並びにあへん吸煙具。ただし、政府が輸入するもの及び他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
・今回のケースでは
Aさんは、関税法69条の11で輸入を禁止されている大麻を輸入しています。
そして、Aさんは他の法令で大麻を輸入することを許されているわけではないため、関税法69条11の1号違反となるでしょう。
・罰則
関税法69条の11に違反した場合の罰則規定は109条にあります。
関税法69条の11違反で起訴されて、有罪が確定すると、「10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金(又はこの併科)」が科せられることになります。
~大麻密輸事件における弁護活動~
今回のケースの様な薬物事件の場合、在宅事件にすると事件に関係する仲間との接触や、証拠隠滅が行われる疑いがあるため、身体拘束(逮捕・勾留)を受ける可能性が高いです。
また、ご家族の方を通しての証拠隠滅の可能性があるため、ご家族の方でさえも接見(面会)を禁止されることが大半です。
そこで、代わりに弁護士に接見に行ってもらうように依頼することをおすすめします。
弁護士は、薬物事件を含む刑事事件に関する豊富な知識と経験をもっています。
そのため、身体拘束を受けている方やそのご家族の方に、現状の整理を行い、今後の見通しを分かりやすくお伝えすることが可能です。
また、弁護士には接見禁止などの制約がないため、自由に身体拘束を受けた方との面会が可能ですし、ご家族の方からの伝言を伝えることもできます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、大麻取締法違反を含む薬物事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
覚せい剤取締法違反(所持)事件の手続を解説
今回は、自宅で覚せい剤を保管していた疑いで逮捕されてしまった場合の手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
兵庫県豊岡市に住むAさんは、売人から購入した覚せい剤を、自宅にある机の引き出しに保管していました。
ある日、Aさんの自宅に兵庫県豊岡南警察署の警察官が現れ、捜索差押許可状を示されました。
Aさんは拒否しようとしましたが、警察官は「このガサは拒否できない」と答え、大人数で室内に乗り込んできました。
机の引き出しが調べられ、中から発見された覚せい剤様の物件が検査された結果、覚せい剤であることが判明したため、Aさんは覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~覚せい剤所持罪について解説~
覚せい剤をみだりに所持する行為が犯罪であることは、特に説明の必要はないでしょう。
※覚せい剤取締法第41条の2
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
~Aさんの自宅になぜ警察官が現れたか?~
覚せい剤の購入先である売人からAさんが浮上した、すでにAさんが薬物事犯の被疑者として内偵されていた、など、理由は様々です。
捜索差押許可状に基づく捜索・差押えは拒否できません。
仮に玄関を閉じて警察官の進入を拒んだとしても、押収物の隠匿を防ぐために緊急の必要があるとして、鍵を壊すなどして進入されてしまいます。
※刑事訴訟法第218条第1項
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。・・・
刑事訴訟法第222条第1項
・・・第百十条から第百十二条まで・・・の規定は、・・・司法警察職員が第二百十八条・・・の規定によってする押収又は捜索について・・・これを準用する。・・・
刑事訴訟法第111条第1項
差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。・・・
~Aさんの現行犯逮捕~
刑事訴訟法第213条によれば、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」とされています。
ケースにおいては、Aさんの引き出しから発見された覚せい剤様の物件が、検査によって本物の覚せい剤であることが確認されています。
すると、Aさんは現に覚せい剤所持行為を行う「現行犯人」に該当することになります。
Aさんの自宅の「捜索・差押」は令状によって行われましたが、Aさんの「現行犯逮捕」には令状が必要ありません。
~逮捕後の手続~
現行犯逮捕された後は、警察署に引致されます。
その後、犯罪事実の要旨、弁護人選任権について説明を受け、弁解を録取された後、取調べを受けることになります。
ケースの場合は、覚せい剤の使用行為についても嫌疑をかけられる可能性があります。
留置の必要があると認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決めます。
勾留の請求を受けた裁判官が勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
さらにやむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留を延長されます。
Aさんが勾留されている場合は、勾留の満期日までに、検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定します。
~勾留される可能性~
一般的にケースの様な薬物事件においては、法律上可能な全ての期間、勾留されてしまう可能性が高いでしょう。
薬物の入手ルートなどの解明に時間がかかるためです。
~起訴か不起訴か~
捜査が適正になされていれば、起訴されることになる可能性が高いと思われます。
反対に、捜査に違法があり、証拠として用いることができない物件、書面等があれば、不起訴処分となる場合もあります。
~量刑の見通し~
起訴された場合であっても、Aさんが初犯であり、適切な弁護活動がなされれば、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が十分見込めます。
信頼できる弁護士を依頼し、有利な事件解決を目指していくことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が覚せい剤所持罪の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
大麻所持の疑いで現行犯逮捕
今回は、大麻所持の疑いで現行犯逮捕されてしまった場合に依頼できる弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
京都府亀岡市に住むAさんは繁華街を飲み歩いていたところ、京都府亀岡警察署の警察官から職務質問を受けました。
Aさんのハンドバッグには大麻と、その吸引に供する器具が入っています。
警察官はハンドバッグを開披するよう求めましたが、Aさんは当初拒みました。
「やましいモノ入ってるから開けられないんだろ」、「マズいものが入ってなかったら(職務質問は)終わるから」などと説得を続けている間、警察官の数もどんどん増えてきました。
観念したAさんはハンドバッグを開披し、中にあった大麻様の物件が検査された結果、本物の大麻であることが判明しました。
Aさんは繁華街でハンドバッグ中に大麻を所持していた疑いで現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)
~大麻所持罪について解説~
大麻所持罪は、大麻をみだりに所持する犯罪です(大麻取締法第24条の2第1項)。
都道府県知事の免許を受けて、繊維若しくは種子を採取する目的で、大麻草を栽培する「大麻栽培者」(大麻取締法第2条2項)、都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、又は大麻を使用する「大麻研究者」(大麻取締法第2条3項)といった大麻取扱者(大麻取締法第2条1項)による「所持」は大麻所持罪にあたりません。
Aさんには上記のような、大麻所持罪の除外事由がないのに、繁華街においてハンドバッグ中に大麻を所持していたものですから、大麻所持罪が成立する可能性が高いと思われます。
大麻所持罪の法定刑は5年以下の懲役となっています(大麻取締法第24条の2第1項)。
~Aさんが依頼できる弁護士~
逮捕・勾留されると、無制限に家族や友人と会うことはできなくなります。
接見禁止処分が付けば、弁護士以外の者と会うことはできません。
接見禁止処分がついていなくても、①係官が接見に立ち会う、②接見できる時間が無制限ではないなどの制約があります。
以上の通り、逮捕・勾留されてしまうと、かなり孤独な環境に置かれてしまいます。
このような刑事手続を乗り越えるためには、弁護人のサポートが重要です。
Aさんが依頼できる弁護士には、どのような種類があるのでしょうか。
(当番弁護士)
・メリット
逮捕されてしまった場合に、1回だけ無料で接見にやってくる弁護士です。
警察官、検察官、裁判官に当番弁護士を依頼すれば呼んでもらえます。
・デメリット
2回目以降の接見、被害者との示談交渉や身柄解放活動などを行うことはできません。
ただし、当番弁護士を、後述する私選弁護人として選任すれば、上記の活動を行ってもらうことができます。
(国選弁護人)
・メリット
当番弁護士と異なり、2回目以降の接見を行うこともできますし、「身柄解放活動」を行うこともできます。
原則として費用がかからない(執行猶予がつくなどして、被疑者・被告人が再就職できる場合には、費用の負担を命じられることもあります)ことが最大のメリットとして挙げられます。
・デメリット
反面、「あまり事件解決に熱心でない」、「接見に来てくれない」などの不満を聞くこともあります。
また、勾留決定がなされる前に国選弁護人が付くことはありません。
したがって、「勾留を回避する活動」は想定されないことになります。
(私選弁護人)
・メリット
国選弁護人と異なり、勾留決定がなされる前から選任できるので、勾留の理由や必要性がないことを主張したり、長時間にわたって執拗にとどめたなど職務質問の限界を超えた違法な処分があったと主張するなどして「勾留を回避する活動」なども行うことができます。
報酬についても、弁護士の方から事件解決を見越した額を提示するため、熱心に活動してもらえることが期待できます。
・デメリット
弁護士費用を被疑者側で負担する必要があります。
報酬の条件が折り合わなければ、選任することはできません。
Aさんが依頼できる弁護士には、上記の種類があります。
どの弁護士が適切であるかは、Aさんの経済的な事情、弁護士との相性次第で異なります。
自身に合った弁護士を選任し、事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が大麻所持の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
大麻栽培を幇助
大麻栽培を幇助した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
東京都文京区に在住のAさん(50歳)は、文京区内の園芸用品輸入・販売店の社長を務めています。
Aさんは、友人のBさん(50歳)が大麻栽培に使用すると知っていながら、Bさんに対して照明器具や液体肥料などを販売していました。
ある日、Bさんが大麻取締法違反の疑いで逮捕され、AさんがBさんに大麻栽培のための道具を販売していることがBさんへの取調べで判明しました。
そして、Aさんは、大麻取締法違反の疑いで、警視庁駒込警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
(これはフィクションです)
~問題となる条文~
〇大麻取締法
第24条 第1項
大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
第24条の6
情を知って、第24条第1項又は第2項の罪に当たる行為に要する資金、土地、建物、艦船、航空機、車両、設備、機械、器具又は原材料(大麻草の種子を含む。)を提供し、又は運搬した者は、3年以下の懲役に処する。
・今回のケースでは
Aさんは、Bさんが大麻を栽培すると知っていながら、Bさんに大麻栽培のための器具を提供しているので、大麻取締法第24条の6に該当し、起訴されて有罪が確定すると「3年以下の懲役」の刑罰が科される可能性が高いです。
~大麻取締法違反への弁護活動~
〇初回接見
薬物事件では、入手先等事件に関係する仲間と接触しての証拠隠滅が疑われ、逮捕されてしまった後、そのまま勾留される可能性が非常に高いです。
そこで、ご家族の方から弁護士を身体拘束されてしまった方の元へ派遣する初回接見を行うことをおすすめします。
薬物事件では、上述のように証拠隠滅の可能性があるため、ご家族の方でさえも身体拘束されてしまった方への接見を禁じられる場合があります。
しかし、接見禁止となっていても、弁護士であれば身体拘束を受けている方と自由に面会ができます。
弁護士は、今後の対応について話し合ったり、ご家族の方からの伝言を伝えたりすることで、身体拘束を受けている方の精神的なサポートを行うことが可能です。
〇身柄解放への活動
弁護士は、検察官に対して身体拘束を受けている方には証拠隠滅や仲間との接触の可能性が無いことを訴え、勾留請求をしないように働きかけることができます。
仮に、裁判所から勾留決定が出されたとしても、勾留決定に対する異議申し立てを行います。
〇不起訴処分を目指す
起訴するかどうかは、検察官の裁量にゆだねられています。
そのため、弁護士は検察官が起訴しない(不起訴処分を下す)ように働きかけを行います。
不起訴処分になると、裁判にかけられることはなく、前科もつきません。
不起訴処分には、以下の3種類があります。
①嫌疑なし
身体拘束を受けている方が犯人でないことが明白又は犯罪を成立する証拠がないことが明白であることを示した場合
②嫌疑不十分
犯罪の疑いが完全にないとは言えなくても、裁判で身体拘束を受けている方が有罪であるとの証明が困難である場合
③起訴猶予
裁判で有罪であるとの証明ができる場合でも、性格、年齢、境遇、犯罪後の情況などを考慮して起訴する必要がないと検察官が判断した場合
今回のケースでは、Aさんが犯人であることは明白なので、①嫌疑なし、②嫌疑不十分を主張するのは難しいでしょう。
そのため、弁護士は③起訴猶予を目指すことが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、大麻取締法違反など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。