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【事例解説】大学の寮内で覚せい剤を営利目的で所持していた疑いで逮捕 

2024-02-05

覚せい剤を営利目的で所持していたとして大学生の男が、覚醒剤取締法違反で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例

大学生のAさんは、同じ大学の寮に住んでいる者、数名に覚せい剤を販売していました。
ある日、Aさんが覚せい剤を売人から購入した帰り道に、警察官の職務質問に合い、覚せい剤の所持が発覚したAさんは覚醒剤取締法違反の疑いで警察に逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは大学の寮の仲間に覚せい剤を販売していたことを供述し、この供述をもとに大学の寮に捜索差押が入りました。そうすると数名の部屋から覚せい剤が見つかり、この者たちも覚醒剤取締法違反で逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたという連絡を受けたAさんの両親は、すぐに弁護士に初回接見の依頼をしました。 
(フィクションです。)

覚せい剤の営利目的所持と譲り受け

覚醒剤取締法では、覚醒剤について輸入、輸出、製造、所持、譲り渡し、譲り受け、所持といった行為に罰則を設けています。
そして、これらの行為を営利目的で行った場合には法定刑が重くなっています。
事例のAさんは、警察からの職務質問で覚醒剤の所持が発覚し、その後大学の寮の仲間に覚せい剤を営利目的で販売していたことを自供していますので、覚せい剤の営利目的での所持譲り渡しが認められる可能性があります。
営利目的での所持や譲り渡しの法定刑は「1年以上の有期懲役 または情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金」となっています。

また、Aさんから大麻を購入した者たちについても、寮の部屋から覚せい剤が見つかっているため、覚せい剤取締法の所持罪が成立する可能性があります。 

覚醒剤取締法違反でご家族が逮捕されたら?

Aさんのように覚醒剤取締法違反事件といった薬物事件で逮捕された場合、逮捕、逮捕の後からの勾留、勾留期間経過後での検察官による起訴、起訴された後の勾留と、身体の拘束期間が長期化する傾向があります。
そのため、大学生の方が覚醒剤取締法違反で逮捕されると、長期間の身体拘束によって、大学に通うことができずに、その年での卒業が叶わず、また就職先が決まっていたとしても白紙になるという可能性が十分に考えられます。
こうした、覚醒剤取締法違反の疑いでの逮捕による、その後の生活への影響を何とか最小限に留めたいという場合には、いち早く薬物事件に精通した弁護士に初回接見を依頼して、逮捕されたご本人様の身体の拘束を解いてもらうような弁護活動をとることが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は覚醒剤取締法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】アメリカからの留学生が覚醒剤所持で逮捕

2024-01-25

アメリカからの留学生が覚醒剤の所持で逮捕された覚醒剤取締法違反事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例紹介

Aさんはアメリカ国籍で日本には留学の資格で在留しています。
Aさんはある日、深夜に出歩いていたところ、警察官の職務質問を受けることになり、その時になされた所持品検査によって、後で自分で使用しようと持っていた覚醒剤が見つかったことで、Aさんはそのまま覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されることになりました。
警察から、Aさんが逮捕されたことを知ったAさんのステイホーム先のBさんは、刑事事件に強い弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(この事例はフィクションです)

外国籍の人が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されると?

覚醒剤取締法14条では、一定の場合を除いて、原則として覚醒剤の所持を禁止しています。
この規定に反して、覚醒剤をみだりに所持すると、覚醒剤取締法41条の2第1項によって、10年以下の懲役刑が科される可能性があります。
また、自分で使用するために覚醒剤を所持していたのではなく、営利の目的で覚醒剤を所持していた場合には、覚醒剤取締法41条の2第2項によって、より重い1年以上の有期懲役刑か、又は情状によって1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金刑に科される可能性があります。
事例のAさんは、自分で使用するために覚醒剤を所持していましたので、覚醒剤の単純所持として覚醒剤取締法41条の2第1項によって、刑事罰が科される可能性があることになります。

ところで、逮捕された方が覚醒剤を所持していたことを認めている場合、初犯の場合であっても、覚醒剤の単純所持罪で起訴されて執行猶予付きの有罪判決になることが多いです。
Aさんはアメリカ国籍で留学の資格で在留していますが、Aさんに、仮に覚醒剤の単純所持で執行猶予付きの有罪判決がなされると、執行猶予付きであっても、覚醒剤取締法違反の有罪判決を受けたということで退去強制事由に該当することになります(入管法24条4号チ)ので、強制送還の対象になってしまうことになります。

外国籍の方が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されてお困りの方は

外国籍の方が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたことを知ったら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見では、弁護士と一緒に通訳の人も同行してもらうことができますので、外国籍の方で日本語があまりうまく話せないという方であっても、通訳の人を介して弁護士が今後の手続きの流れや事件の見通しについてアドバイスをすることができます。

また、事例のように外国籍の方が刑事事件を起こしてしまった場合、在留資格に与える影響が大きく、刑事事件が終了した後に在留資格の問題が生じる可能性がありますが、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件の他に強いだけでなく、外国籍の方の在留手続きにも詳しい弁護士が在籍している法律事務所です。
そのため、外国籍の方が覚醒剤取締法違反事件のような薬物事件で逮捕されて今後どうなるのか、強制送還になってしまうのかといったことについて分からず、ご不安に思われている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】路上にいる若者に風邪薬などを無許可で販売したとして逮捕

2024-01-17

路上にいる若者に風邪薬などを無許可で販売したとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

大麻草

事例 

Aさんは、路上にいる若者に声をかけ、風邪薬や咳止め薬無許可で販売していました。Aさんから薬を購入した若者の一人が過剰摂取(オーバードーズ)で救急搬送されたことで、捜査が始まり、防犯カメラの映像からAさんが特定され、医薬品医療機器法違反逮捕されました。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの両親は、事件の内容状況を知るために弁護士に相談して初回接見に行ってもらうことにしました。 

風邪薬等の過剰摂取(オーバードーズ)について

東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる未成年者が居場所を求めて集まっている地域で風邪薬や咳止め薬などの市販薬の過剰摂取が問題になっています。  
過剰摂取により眠気や疲労感がなくなったり、高揚感を覚えることがあるようですが、この効果は一時的であるため、さらなる効果を求めて過剰摂取に陥る場合があるようです。
市販薬であっても通常の使用量を超えて使用すると重大な健康被害を及ぼすことがあり、薬の過剰摂取は若者の間で問題になっています。

風邪薬等の市販薬の無許可販売をすると何罪に?

風邪薬や咳止め薬などの市販薬の販売については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」で規制されています。
この法律は略称を「薬機法」や「医薬品医療機器法」と呼ばれています。
市販薬の無許可販売については、薬機法24条1項に違反する可能性があります。
薬機法24条1項では「薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。」と定めています。
これに違反して、販売した場合の罰則薬機法84条9号に定められており「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」となっています。

風邪薬等の市販薬を無許可販売してしまったら

風邪薬等の市販薬を無許可販売してしまったら、上記で説明した薬機法に違反する可能性があります。 
無許可販売が警察に発覚し逮捕されてしまうと、学生の方であれば学校に、社会人の方であれば仕事に行くことができなくなってしまいますので生活に大きな影響が出てしまいます。
薬機法違反に当たり得る行為をしてしまった方は、今後の対応や逮捕の可能性を少しでも減らすために弁護士に相談して適切なアドバイスを貰うことをお勧めします。 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬機法違反に関する事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
市販薬の無許可販売による薬機法違反事件で前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】違法薬物を入れたカバンを落としてしまい警察に届けられた!

2024-01-10

違法薬物を入れたカバンを落としてしまい警察に届けられたことで刑事事件へと発展したケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

薬物グミ

事例紹介

Aさんは、居酒屋で開かれた友人たちとの飲み会で途中で記憶をなくしてしまうほどお酒を飲み過ぎてしまい、朝、自宅のベッドの上で目を覚ました。
目を覚ましたAさんは、飲み会に持っていったカバンが自宅にないことに気が付き、昨夜介抱してくれた友人達にカバンについて聞いてみるも、友人達もカバンがどこにあるかがわからなかったので、警察にカバンの遺失物届を出しました。
後日、警察からAさんの元にカバンが落とし物として届けられたという連絡をもらい、警察にカバンを受け取りに行ったところ、その際に行われたカバンの中身の確認の際に、Aさんのカバンから、危険ドラッグの成分である合成カンナビノイドであるHHCHが含まれてグミが見つかったことから、Aさんは薬機法違反の疑いで警察の捜査を受けることになりした。
(この事例はフィクションです)

カバンを落としたことをきっかけに刑事事件に

警察ではカバンや財布といった落とし物が届けられると、落とし主が分かる物がないか中身を確認することがありますが、落とし物として届けられたカバンの中に入っている違法な薬物が警察に見つかってしまうと、刑事事件として警察の捜査を受けることになります。
今回の事例は、そのような落とし物として届けられたカバンの中に違法な成分である合成カンナビノイド(HHCH)が含まれたグミが入っていたことが警察が知ったことで、薬機法違反の疑いで警察の捜査を受けることになったというものです。

薬機法違反とは

薬機法(正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます)の第2条15号では、中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものを「指定薬物」としており、厚生労働省が出す省令によって、「指定薬物」に該当する具体的な物質名を規定しています。
冒頭の事例で問題となっている合成カンナビノイド(HHCH)は、昨年2023年の11月ごろに、HHCHが含まれたグミを口にした後に体調不良になったというケースが発生したことをきっかけに、12月2日から新たに「指定薬物」として規定されているものになります。
このような「指定薬物」は、薬機法76条の4において、疾病の診断・治療といった医療等の用途以外で所持することが禁止されていて、この規定に反して「指定薬物」を自分で使用するために所持すると、薬機法84条28号によって、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併科される可能性があります。

薬機法違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は

薬機法違反の疑いで警察の捜査を受けることになった方や、警察から薬機法違反の捜査のために呼び出しを受けて、今後どうしたら良いかが分からず不安になっているという方は、弁護士に相談して捜査の対応についてのアドバイスや、事件の見通しがどのようなものになるかといったことについてのアドバイスなどを貰われることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
薬機法違反の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕

2024-01-03

覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕された覚醒剤取締法違反のケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻草

事例紹介

Aさんは、深夜に、友人のBさんを助手席に乗せて2人でドライブをしていたところ、信号無視をしてしまいました。
この様子を見ていた警察官がAさんが運転する車を停止させて、交通違反の切符を切るために手続きをしていたところ、Bさんに薬物使用の疑いがあることが分かったため、AさんとBさんは一緒に職務質問を受けることになりました。
Bさんは、自分の上着のポケットに入っていた覚醒罪が入った袋が見つかってはマズイと思い、咄嗟に覚醒罪が入った袋をAさんの車の助手席のドアポケットに隠しました。
警察官がAさんの職務質問の流れでAさんの車の中の捜索をしたところ、助手席側のドアポケットから小さな袋に入った白い結晶が見つかったため、警察官がこの結晶を簡易検査したところ、覚醒剤であることが判明しました。
Bさんが観念して自分の覚醒剤ですとその場で話しましたが、覚醒剤が発見された場所がAさんの名義である車内であったことから、AさんもBさんと一緒に覚醒剤を所持していたとして覚醒剤の所持の疑いで警察に逮捕されてしまいました。
(この事例はフィクションです)

覚醒剤の共同所持とは

事例のAさんは、Bさんと一緒に覚醒剤を所持していたとして覚醒剤所持の疑いで逮捕されています。
覚醒剤を所持することについては、覚醒剤取締法41条の2で「覚醒剤を、みだりに、所持し…た者…は、10年以下の懲役に処する」としています。
この覚醒罪の所持については、1人で覚醒罪を所持する単独所持の他に、複数人で一緒に覚醒罪を所持する共同所持の場合も含まれると考えられています。
そのため、事例のようにたまたま乗せた友人が持っていた覚醒剤を自分の車の中に勝手に隠したという場合には、見つかった覚醒剤が自分の物ではない場合でも、警察に覚醒剤の共同所持の疑われてしまい逮捕されるということがあり得ます。

覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕されたら

ご家族が覚醒剤の共同所持の疑いで警察に逮捕されたら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
本当は覚醒剤を所持していないにも関わらず、覚醒剤を共同所持したと疑いをかけられている場合は、警察官の取り調べに対して最初から「自分の覚醒剤ではない」などと否認し続けることが重要ですが、取り調べのプロである警察官に対して否認し続けることは大変なことですから、いち早く弁護士によるサポートを受けられることが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】覚醒剤密売による麻薬特例法違反で逮捕

2023-12-25

覚せい剤の密売を繰り返していたとして、麻薬特例法違反で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻草

事例 

Aさんは、独自のルートから仕入れた覚せい剤を全国各地で密売していました。警察の地道な捜査により、Aさんの犯行が発覚し、麻薬特例法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
警察から「Aさんを逮捕した」と連絡を受けたAさんの両親は、現在の状況を知るために弁護士に相談し、接見に行ってもらうことにしました。

覚醒剤の密売行為と麻薬特例法違反

事例のAさんは、全国各地で覚せい剤の密売行為を繰り返していたとして、麻薬特例法違反で逮捕されています。
覚醒剤の密売行為を繰り返していた場合は「覚醒剤取締法違反」で処罰されるのではと思われる方もいるかと思いますが場合によっては「麻薬特例法違反」で処罰される場合があるのです。
どちらの法律で処罰されるのかの違いはどのような部分にあるのでしょうか。

まず、麻薬特例法とは、正式名称を「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」という法律で、麻薬新条約と呼ばれる条約の締結に伴ってできた法律です。
麻薬特例法では、薬物犯罪による収益等を剥奪すること等によって規制薬物に係る不正行為の助長を防止したり、薬物犯罪に関する特例を定めたりしています。

今回取り上げた事例で麻薬特例法と関わってくるのは、被告人が何度も覚醒剤の密売を行っていたという部分であると考えられます。
というのも、麻薬特例法には以下のような条文があります。

麻薬特例法第5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。

第4号 覚醒剤取締法第41条又は第41条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。

麻薬特例法という名前だけ聞くと、麻薬しか対象となっていないように思えますが、このようにして覚醒剤もその規制対象となっています。
この条文によると、覚醒剤取締法第41条もしくは第41条の2の所持以外の部分に当たる犯罪を「業として」行った場合、麻薬特例法違反となるとされています。
覚醒剤取締法第41条・第41条の2に当たる犯罪は、以下のものです。

覚醒剤取締法第41条
第1項 覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

覚醒剤取締法第41条の2
第1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

すなわち、覚醒剤の輸出入や譲渡し・譲受けを「業として」行うと、特例に当てはまり、覚醒剤取締法違反ではなく麻薬特例法違反として処罰されることになるのです。
「業として」行われたかどうかは、その行為が反復継続して行われていたのかどうか、営利性はあったのかどうかなどの事情によって判断されます。
具体的には、何度も覚醒剤の密売をしたということであれば、反復継続して覚醒剤を譲り渡していたということになるでしょうし、高額の売上金を出していたことや集客を行っていたことなどもあれば営利性も認められそうです。
上記のような事情があると、麻薬特例法違反で処罰を受ける可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談や初回接見サービス(有料)を通じて、「ひとまず弁護士に相談してみたい」「弁護士の見解を聞いてみたい」というご要望におこたえしています。
ご自分やご家族が当事者となっている刑事事件がどういった見通しになるのか、どのような弁護活動が必要なのか、把握しておくだけでも不安の軽減につながります。
まずはお気軽にお問い合わせください。

【事例解説】大麻の営利目的所持の疑いで逮捕

2023-12-13

大麻の営利目的所持の疑いで逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻草

事例紹介

雀荘のオーナーであるAさんは、店に来た客に大麻草が入ったパケットを売って利益を得ていました。
ある日、大麻草の購入者のひとりであるBさんが大麻の所持の疑いで警察に逮捕されて「Aさんから大麻を購入した」と供述したことをきっかけに、Aさんの自宅にも警察が捜査に訪れました。
家宅捜索の結果、Aさんの自宅には多量の大麻草が発見されたことから、Aさんは大麻取締法違反(営利目的所持)の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

大麻の単純所持罪と営利目的所持罪

事例のAさんは、大麻草の購入者のひとりであるBが大麻の単純所持の疑いで立件されたことをきっかけに警察の捜査を受けることになり、大麻の営利目的所持の疑いで逮捕されています。
大麻取締法違反では、大麻所持罪について単純所持罪営利目的所持罪の2つの犯罪を設けています。
具体的には、大麻取締法24条の2第1項では「大麻を、みだりに、所持…(中略)した者は、5年以下の懲役に処する。」と大麻の単純所持罪について規定しており、続く同条第2項では「営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。」と大麻の営利目的所持罪について規定しています。
この2つの規定を見て明らかなように、大麻の単純所持罪よりも営利目的所持罪の方が法定刑が重く定められています。

事例のAさんは大麻の営利目的所持罪の疑いで警察に逮捕されていますが、これは、BさんがAさんから購入したと供述していることやAさんの自宅から多量の大麻草が発見されていることから、大麻を自分で使用するために所持していたのではなく、大麻を販売して利益を上げていたと警察に判断されたためだと考えられます。

大麻取締法違反の疑いで警察に逮捕されたら

警察に逮捕されてしまった事件は、とにかくスピードが大事です。
そのため、ご家族が大麻取締法違反の疑いで警察に逮捕されたら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士が初回接見に行くことで、今後の事件がどのような流れで進むのか、事件の見通しはどのようなものになるかといったことについてアドバイスを貰うことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が大麻取締法違反の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】違法なものだと知らずに大麻所持

2023-11-30

違法のものだと知らずに所持していたオイルに大麻成分が入っていた大麻所持事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻オイル

 

事例紹介

大学4年生のAさんは、交際相手から「すごくリラックスするから、このオイル使ってみなよ。」「俺も使用しているけれど違法なものじゃないから」と言われて、オイルを貰いました。
Aさんは、交際相手が勧めてくれたものなら合法なものだと思って、オイルを使用して普段からカバンに入れていたところ、ある日、警察に職務質問を受けた際にカバンの中の所持品検査を受けました。
このとき、警察官にオイルが見つかってしまい、「これは何?」「大麻の成分入っているんじゃない?」「検査するから」と言われて、オイルを警察に任意提出しました。
Aさんは、交際相手にオイルを警察に渡したことを話したところ、交際相手から「あれは大麻の成分が入っているから、やばいかも」と言われました。
今後について不安になったAさんは両親にオイルのことを話して、今後について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

大麻成分が含まれたオイル

Aさんは、交際相手からリラックス効果があるオイルを受け取っていますが、実際にCBDオイルと呼ばれるオイルにはリラックス効果があるとされ、市販されています。
CBDオイルの「CBD」とはカンナビジオールの略称で、麻に含まれる化学物質であるカンナビノイドのひとつで、不安やストレスを軽減する効果があったり、リラックス効果があったりするとされています。
このCBD(カンナビジオール)を含むオイルについては、CBD(カンナビジオール)が大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたものであるならば、大麻取締法が規定する「大麻」には該当しないことになります。
なぜなら、大麻取締法1条では、
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
といった形で大麻草の成熟した茎や大麻草の種子については「大麻」には当たらないと定義しているからです。

このように大麻草由来の成分が含まれていても、大麻取締法違反にならず合法なオイルが市販されていることが関係して、本来は大麻取締法に違反する違法なオイルであるにも関わらず、市販されている合法なオイルだと思い込んでしまい、大麻取締法違反で立件されるというケースが少なくありません。
大麻取締法が定義する「大麻」をみだりに所持してしまうと、大麻取締法24条の2第1項が規定する大麻所持の罪に問われる可能性が高いです。
大麻を所持していた場合の法定刑は5年以下の懲役刑となっています。

大麻取締法違反で警察の捜査を受けられている方は

事例のAさんは、職務質問で見つかったカバンの中に入っていたオイル大麻取締法に違反する疑いがあるとのことで警察の捜査を受けています。
今後、警察では任意提出を受けたオイルの成分を鑑定して、大麻取締法に違反している成分が含まれていないかが、調べられることになります。

Aさんのように、大麻所持の疑いで警察の捜査を受けているという方は弁護士に相談して今後の対応等についてアドバイスを受けることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
大麻を所持していたとして警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】覚醒剤の譲り受け未遂で逮捕

2023-11-21

覚醒罪の譲り受け未遂で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例紹介

AさんはSNSで覚醒剤売人Bさんを見つけて、Bさんから覚醒剤を購入しました。
Aさんは覚醒剤の購入代金を事前に送金して、Bさんから覚醒剤が隠された荷物を自宅で受け取ることになりました。
BさんがAさんに送る覚醒剤入りの荷物を用意してAさんの家に郵便局で発送したところで、警察に覚醒剤取締法違反の疑いで検挙されました。
このとき、BさんがAさんに送った覚醒剤入りの荷物は警察に証拠品として押収されしまいました。
Bさんが検挙されたことをきっかけに、Aさんも捜査の対象となってしまい、Aさんは覚醒剤の譲り受け未遂の疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

実際に覚醒剤を受け取っていなくても

覚醒罪取締法42条の2第1項では、
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
と規定し、覚醒罪所持譲り渡し譲り受けるという行為に10年以下の懲役刑という刑事罰を設けています。
そして、同条の3項では、
「前2項の未遂罪は、罰する。」
と規定して、覚醒罪を所持、譲り渡し、譲り受け行為に成功してしなくても、各行為の実行に着手していれば未遂罪として刑事罰の対象としています。

事例のAさんも、Bさんから実際に覚醒剤を譲り受けた訳ではありませんが、Bさんから覚醒剤を購入して譲り受けようとしています。
事例では、既に覚醒剤が隠された荷物がBさんから発送されて、後は自宅で受け取るだけという段階になっていますので、Aさんには覚醒剤の譲り受け未遂罪に該当する可能性が高いと考えられます。

覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたら

ご家族が覚醒罪の譲り受け未遂など覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたら、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士が初回接見に行くことで、覚醒剤取締法違反で逮捕されたご本人が今後どうなるのかどの程度の刑に問われる可能性があるのか弁護活動としてどのような対応をとることができるのかといったことについて知ることができますので、突然逮捕されて今後どうなるのか分からず不安になっている気持ちを和らげることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は覚醒剤取締法違反違反事件といった薬物事件に強い法律事務所です。
ご家族が覚醒剤取締法違反の疑いで突然警察に逮捕されてしまってお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】覚醒剤使用の疑いで逮捕 弁護士に初回接見を依頼

2023-11-11

覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例紹介

Aさんは、社会人1年目で慣れない環境や職場の人間関係のストレスを発散する目的で、SNSで見つけた売人から購入した覚醒剤をひとり暮らしの自室で使用していました。
ある日の早朝、Aさんは自宅前に逮捕状を持ってやって来た警察官に覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕されました。
Aさんは逮捕されたことにより無断欠勤が続きましたが、このことを不審に思った職場の上司がAさんの母親に普段欠勤が続いていることを説明しました。
この説明を受けたAさんの母親が警察にAさんの行方について相談に行ったところ、警察から「詳しくは言えないけれどAさんは覚醒剤を使ったため逮捕されている」という話をされ、それ以上は何も教えてもらえませんでした。
(この事例はフィクションです)

覚醒剤を使用するとどのような罪に問われる?

覚醒剤取締法19条では、例外的に覚醒剤の使用が許されている一定の場合を除いて、何人も覚醒剤を使用することを禁止しています。
覚醒剤の使用が許されている一定の場合は覚醒剤取締法19条各号に規定されていて、具体的には、①覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合(1号)②覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合(2号)③覚醒剤研究者が研究のため使用する場合(3号)④覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合(4号)⑤法令に基づいてする行為につき使用する場合(5号)の5つの場合が規定されています。

事例のAさんはこのような例外的に覚醒剤の使用が許されている場合に該当することなく、単なるストレスを発散する目的で覚醒剤を使用していますので、覚醒剤取締法19条が禁止している覚醒剤の使用に該当することになると考えられます。
覚醒剤取締法19条に違反して覚醒剤を使用した場合、覚醒剤取締法41条の3第1号によって10年以下の懲役刑が科される可能性があります。

ご家族が覚醒剤使用の疑いで警察に逮捕されていることを知ったら

事例のAさんの母親のように、ご家族が覚醒剤使用の疑いで逮捕されているということを知ったら、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見によって弁護士が逮捕されたご本人様から事件について直接お話を伺うことができますので、逮捕された方の現在の状況や、今後の手続の流れ、事件の見通しといったことを知ることができますので、現在抱えている不安なお気持ちを和らげることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が覚醒剤使用の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください

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