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覚せい剤所持事件のおとり捜査の適法性
覚せい剤所持事件のおとり捜査の適法性
~ケース~
大阪府岸和田市の大阪府岸和田警察署の警察官Pは、覚せい剤所持事件で前科のあるBから、「Aという男が岸和田市の倉庫内で覚せい剤を販売している」という情報を得た。
Pは、数日間Aの身辺を捜査したところ、Aが覚せい剤使用及び所持の前科がある者数名と親しくしていることが判明したが、Aが覚せい剤の密売を行っているという決定的な証拠は見つからなかった。
PはなんとかしてAを逮捕してやろうと思い、Aに対し、「覚せい剤を買いたいという者がいるから入手できないだろうか」と電話で話を持ち掛けた。
Aは、一度は断ったものの、何度もPが要求したため、覚せい剤の取引に応じることとした。
Pは、Aが待ち合わせ場所に赴いたところを覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕し、覚せい剤を証拠物として押収した。
(上記事例はフィクションです。)
~おとり捜査の適法性について~
上記事例においては、Aは現に覚せい剤を所持しており、覚せい剤取締法は覚せい剤の所持、譲渡し、譲受けについて10年以下の懲役に処すると規定しています。
また、営利目的での所持、譲渡し、譲受けについては、1年以上の有期懲役というさらに重い刑罰が科される可能性があります。
そのため、PがAを覚せい剤取締法違反の罪で現行犯逮捕したこと及び覚せい剤を証拠物として押収したことは適法であるとも思えます。
もっとも、上記の事例において、警察官PはAに対し「覚せい剤を買いたいという者がいる」と話を持ち掛けており、AはPの電話がなければ覚せい剤取締法違反で逮捕されることはなかったといえます。
上記のPの行った捜査は、いわゆるおとり捜査と呼ばれるものですが、このようなおとり捜査が許されるのかが問題となります。
最高裁判所においておとり捜査の適法性が争われた裁判例では、以下のように、おとり捜査は任意捜査として許容されると判断されています。
「直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査において、通常の捜査方法のみでは犯罪の摘発が困難である場合、機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象にして行われるおとり捜査は、刑訴法197条1項に基づく任意捜査として許容される。」(最判平16.7.12)
もっとも、任意捜査といえども無制約に許されるというわけではなく、おとり捜査を行う必要性及び相当性が認められる必要があります(刑事訴訟法197条1項本文)。
上記の事例では、確かに覚せい剤等の薬物の密売事件においては直接的な被害者が存在せず、犯行も隠密に行われることが多いことから、事件そのものが発覚しにくく、検挙が困難であるといえます。
そのため、「通常の捜査方法のみでは犯罪の摘発が困難である場合」にあたります。
また、Aは以前から覚せい剤の密売を行っていた疑いが強く、現に覚せい剤を用意してPとの待ち合わせ場所に赴いていることから、Pは犯行の機会を付与したにすぎず、Aは「機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者」に当たるとも思えます。
しかし、上記の事例においては、AがPからの申出を一度断ったにもかかわらず、PはAに対し、さらに何度も覚せい剤の購入を持ち掛けています。
そのため、Pの上記のおとり捜査はAに対し、犯行の機会を提供したにとどまらず、Aの犯行を行う意思を誘発させたと評価される可能性があり、捜査の相当性を欠き、違法捜査であると評価されるおそれがあります。
おとり捜査が違法と認定された場合、Pの捜査行為が違法である以上、これを直接利用してAを現行犯逮捕した行為及び覚せい剤を押収した行為についても、おとり捜査の違法性が承継され、違法となる可能性もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では24時間、無料相談及び初回接見のご依頼を受け付けております。
0120-631-881までお気軽にお電話ください。
大阪府岸和田警察署までの初回接見費用39,600円

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件を専門に扱っていますので、薬物犯罪にも精通した弁護士が、初回の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫した弁護活動を行います。
当事務所では、薬物犯罪事件についての無料相談のご予約は365日24時間受け付けています。相談・接見は、土日祝日、夜間でも即日対応可能です。弁護士のスケジュールの都合が合えば、お電話をいただいてからすぐ相談・接見を行うこともできます。薬物犯罪事件で少しでもお困りの方は、ぜひご相談ください。
覚せい剤使用罪の執行猶予
覚せい剤使用罪の執行猶予
事例:Aは、兵庫県尼崎市の自宅において注射器を使って、自らの身体に水溶液上の覚せい剤を注射し、もって覚せい剤を使用した。
兵庫県尼崎南警察署の警察官は、Aを覚せい剤使用罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は、薬物事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~覚せい剤取締法における覚せい剤使用罪~
本件Aは、自宅で覚せい剤を使用した疑いで逮捕されています。
この点について、薬物を取締り、これを不法に所持や使用したものの処罰を定めているのが覚せい剤取締法です。
覚せい剤取締法は、41条の3第1項第1号において、「第19条(使用の禁止)の規定に違反した者」を「10年以下の懲役に処する」ものとしています。
そして、同法19条は、法定の除外事由(典型的には研究行為や医療行為等)のない限り「何人も、覚せい剤を使用してはならない」ものと規定しています。
同条における「使用」とは、覚せい剤をその用法にしたがって用いる一切の行為を指すとされています。
覚せい剤の摂取態様には、その種類に応じて様々なものが考えられますが、上記のように「使用」とはかなり包括的な概念であり、また本件のような注射による覚せい剤の摂取という典型的な行為が「使用」に当たることは明白であるといえます。
~覚せい剤使用罪における弁護活動~
覚せい剤事件に関しては、被害者のいない犯罪ともいわれていますが、暴力団等の反社会的組織の資金源になるなど副次的な影響も大きく、その法定刑からしても重大犯罪に位置付けられるといえます。
こういったことは資料上も裏付けられています。
覚せい剤事犯に関しては、司法統計上も不起訴率が1割未満とかなり少なくなっており、逮捕・勾留を経て起訴される可能性が高い犯罪類型となっているのです。
したがって、被告人・弁護士ともに起訴され、裁判となることはある程度覚悟しなければなりません。
その際には、被告人の実刑を避けるためにも、弁護士としては、執行猶予を目指した弁護活動を行うことになるでしょう。
刑法上、執行猶予には、全部執行猶予(刑法25条)と刑の一部の執行猶予(刑法27条の2)があります。
後者の刑の一部の執行猶予の場合、刑が確定すれば収監されてしまい、その後の刑の執行が一定の範囲で猶予されるものです。
つまり、執行猶予によって実際上の刑期が短くなるといったものにすぎません(当然、猶予内に再び罪を犯し刑が確定すれば、その猶予が解除されることは言うまでもないでしょう)。
覚せい剤事犯でも、特に初犯であれば全部執行猶予を受けられる可能性も高いことから、弁護士としては刑の全部の執行猶予を目指した弁護活動を行っていくことになります。
もっとも、薬物事件の場合には薬物事件固有の考慮も必要になる可能性があります。
通常の事件であれば、保護観察が付かない形の執行猶予判決を得た方が被告人とって利益になると一般には考えられています。
しかし、薬物事件では一種の依存状態から再犯となってしまう場合が少なくないことは良く知られています。
そこで、保護観察という機会を通じて治療プログラムへの参加を促すなど、再び薬物事件を犯さず社会復帰することが被告人にとっても重要になってくるからです。
したがって、弁護士として、何が被告人にとって最善となるのか熟慮したうえでの弁護活動が重要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚せい剤使用罪といった薬物事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
薬物事件の弁護経験が豊富な弁護士が、依頼者様の利益に則った弁護活動を行ってまいります。
覚せい剤使用事件で逮捕された方のご家族は、まずは年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。
(兵庫県尼崎南警察署への初回接見費用:35,500円)

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大麻が家から見つかって故意を否認
大麻が家から見つかって故意を否認
京都府亀岡市に住むAさんの家は友人たちのたまり場になっていました。
ある日,Aさんの友人の一人が薬物の所持で逮捕されたことがきっかけでAさんの家も捜索されることになりました。
その結果,Aさんの家から大麻が発見されました。
京都府亀岡警察署の警察官は大麻所持の容疑でAさんを逮捕しました。
(フィクションです)
【大麻取締法の適用】
大麻取締法は故意犯を処罰するものです。
大麻事件での故意は未必的故意で足りるとされています。
つまり,大麻であるとの認識がなくても大麻かもしれないとの認識があるだけで故意犯と認定されてしまいます。
【大麻が家から見つかったら】
家から大麻が発見された場合,家に大麻があることをそもそも知らなかった場合は不可罰となります。
ですから大麻の所持について身に覚えがない場合,大麻を見たことがなかったこと,自分が知らないうちに大麻が隠されていた可能性があったことなど,自分が大麻を所持することについて認識がなかったことをしっかり主張することがまず大切です。
しかし,警察・検察は捜査のプロですから様々な手法を用いて揺さぶりをかけてきます。
例えば,友人の証言や事実関係から被疑者は家にあったものが大麻だと認識していたと言ってくるかもしれません。
また,大麻事件で逮捕された場合,その後身柄が長く拘束される傾向があります。
これは警察・検察が大麻の入手ルートなどを詳しく調べることが多いからです。
そうした苛酷な状況の中で自分の主張を貫き通すことは簡単なことではありません。
そこで大麻事件においては刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談することで取調べについての見通しや取調べへの対策の目処がつきます。
また,故意があるとはいえないことについても弁護士が客観的な証拠や関係者の供述に基づいて主張することできます。
このように故意がないと丁寧に示すことは嫌疑不十分による不起訴処分や裁判での無罪判決を勝ち取るために必要なことです。
不起訴処分や無罪判決を勝ち取ることで日常生活への速やかな復帰が可能となります。
大麻事件の嫌疑を受けてお悩みの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
薬物事件に強い弁護士が初回相談を無料で行っております。
京都府亀岡警察署までの初回接見費用:38,900円

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シンナーと危険ドラッグを解説
シンナーと危険ドラッグを解説
最終回は,シンナーと危険ドラッグについて解説します。
~シンナー~
シンナーは塗料を薄めるために使われる有機溶剤です。
トルエンや,酢酸エステル類,アルコールといった有機溶剤が利用されています。
シンナーに含まれる有機溶剤は中枢神経麻痺作用があり,蒸気を吸引することによって酒に酔ったときに似た状態になります。
長期にわたって吸引を続けると依存症になり,吸引常習者は意識障害,幻覚,妄想などの症状があらわれ,脳神経が冒されて中毒性精神病になっていきます。
シンナー中毒者のMRI画像を見ると,脳が委縮していることが多いようです。
日本においては青少年,特に10代前半~中盤にかけて「シンナー遊び」として吸引が流行し社会問題化しました。
これにはシンナーが塗料の薄め液として利用されるので比較的簡単に手に入ったという背景があります。
その為,毒物及び劇物取締法を一部改定し,シンナーに含まれる成分であるトルエン等を劇物と指定し,シンナーの吸引や吸引目的の所持を禁止し,違反者には罰則を科すことになりました。
シンナーの吸引などは1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金またはこれらの併科となっています。
無登録でのシンナー等の販売は3年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれらの併科,吸引目的と知りながら販売した場合は2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれらの併科となります。
~危険ドラッグ~
最後は薬機法での危険ドラッグの規制について解説します。
日本は薬機法で禁止する成分を指定するという方法をとっています。
覚せい剤取締法では2条で覚せい剤の指定を,麻薬や向精神薬も麻薬及び向精神薬取締法の別表で禁止する物質を指定して規制しています。
薬機法でも同様に規制する物質や物質群を指定し,それらを含むものは一般に「危険ドラッグ」と呼ばれます。
罰則は,危険ドラッグの輸入,製造,販売等は5年以下の懲役または500万円以下の罰金になります。
一般人が危険ドラッグを購入,使用,所持した場合には3年以下の懲役または300万円以下の罰金になります。
以上が日本における薬物関連の主要な取締法です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には薬物事件に詳しい弁護士が多数所属しています。
シンナーや危険ドラッグなど薬物事件でご相談を検討中の方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
(初回法律相談費用:無料)

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覚せい剤取締法とあへん法を解説
覚せい剤取締法とあへん法を解説
今回は覚せい剤取締法とあへん法について解説していきます
~覚せい剤取締法~
覚せい剤取締法の基本的な構造は前回解説した麻薬及び向精神薬取締法と同じです。
まず覚せい剤とは何かが第2条で定義されています。
麻薬及び向精神薬取締法と同様に輸出入,製造,譲渡,譲受,所持,また,使用が禁止されています。
覚せい剤の場合輸入,輸出,製造は1年以上の懲役になります。
覚せい剤の所持,譲渡,譲受は10年以下の懲役になります。
覚せい剤の使用も10年以下の懲役になります。
麻薬及び向精神薬取締法と同様に営利目的の場合は刑が加重されますが詳細は省略します。
また,覚せい剤ではなく覚せい剤原料の場合は刑が覚せい剤に比べて軽くなりますがこちらも詳細は省略します。
~あへん法~
次にあへん法について解説します。
あへんはけしの実から採取される果汁を乾燥させたものをいい,ヘロインやモルヒネの材料になります。
その為,麻薬に関する単一条約によって麻薬とされています。
日本の法律ではあへん自体は麻薬とはされていませんが,あへん法によってあへんの製造,販売,使用等が禁止されています。
あへん法ではあへんの原料のけしの栽培自体が禁止されています。
また,けしの麻薬を抽出できる部分(種子を除く)をけしがらといい,こちらの採取等も禁止されています。
あへんなどの栽培,採取,輸出,輸入をした場合1年以上10年以下の懲役になります。
あへんなどの譲渡,譲受,所持をした場合7年以下の懲役になります。
あへんの吸食,すなわち使用の場合7年以下の懲役となります。
営利目的の場合に刑が重くなるのは他の規制法と同じです。
また,あへん煙という吸食用として製造されたあへん煙膏も製造,吸食などが刑法で規制にされています。
罰則などは省略いたしますが,あへん煙の場合,他の規制法と異なりあへん煙の吸食のため建物又は室を提供して利益を図った者も罰せられます。
あへん吸食器具の輸入,製造,販売も罰せられます。
一部で美術骨董品として扱われていたりするので注意が必要です。
次回はシンナー・トルエン,危険ドラッグについて解説します。
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麻薬及び向精神薬取締法を解説
麻薬及び向精神薬取締法を解説
今回は,前回説明した薬物四法の1つ,麻薬及び向精神薬取締法について説明していきたいと思います。
~麻薬及び向精神薬取締法~
まずは麻薬及び向精神薬取締法について説明していきます。
麻薬という言葉はほとんどの方が知っていると思いますが麻薬とは一体何なのでしょうか。
麻薬にはいくつか定義がありますが,「日本の法律上(麻薬及び向精神薬取締法)の麻薬」について説明します。
麻薬及び向精神薬取締法では、2条で麻薬について定義しており、前回紹介した国際条約のひとつである麻薬に関する単一条約の規制物質から大麻を除いたもの、向精神薬に関する条約の付表1に対応したもの(主に幻覚剤)をいいます。
麻薬及び向精神薬取締法の向精神薬とは、向精神薬に関する条約の付表2,3,4に対応するものでそれぞれ順番に第1種,第2種,第3種向精神薬と呼ばれています。
なお覚せい剤も付表2に含まれていますが日本では別途,覚せい剤取締法で規制されます。
気になる罰則ですが,まず対象が3つに分類されています。
まず,麻薬か向精神薬かどうか,そして麻薬がヘロインかどうかによって罰則が異なります。
ヘロインを輸出・輸入,製造した場合1年以上の有期懲役、ヘロイン以外の麻薬は10年以下の懲役です。
向精神薬を輸入、輸出、製造、製剤、小分けした場合5年以下の懲役となります。
ヘロインを製剤、小分け、譲渡、譲受、交付、所持した場合10年以下の懲役、ヘロイン以外の麻薬を製剤、小分け、譲渡、譲受、又は所持した場合7年以下の懲役、向精神薬を譲り渡し、又は譲り渡す目的で所持した者は3年以下の懲役となります。
営利目的の場合はさらに刑が加重されますが今回は省略します。
なお,麻薬や向精神薬は「薬」ですので医療目的に使用される場合もあります。
末期がん患者に鎮痛剤として投与されるモルヒネは聞いたことがある方も多いと思います。
このような場合は,麻薬及び向精神薬取締法の規制を受けないと定められています。
次回は覚せい剤取締法について解説していきたいと思います。
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日本における覚せい剤や麻薬の取締法を解説1
日本における覚せい剤や麻薬の取締法を解説1
~薬物犯罪~
覚せい剤や麻薬などの薬物犯罪は,一度手を染めてしまうと抜け出すのが困難な犯罪です。
違法薬物を入手するために他の犯罪に手を染めてしまうという事も珍しくありません。
違法薬物と呼ばれる薬物は,日本では覚せい剤取締法や麻薬及び向精神薬取締法といった法律でそれぞれ規制されています。
今回から数回にわたって,日本の違法薬物を取り締まる法律について解説していきます。
~日本における薬物取締法~
日本では通称「薬物四法」と呼ばれている覚せい剤や麻薬など違法薬物の取締法があります。
薬物四法とは
・覚せい剤取締法
・麻薬及び向精神薬取締法
・大麻取締法
・あへん法
をいいます。
これら4つの法律は国際的な薬物取締に関する条約である
・1961年の麻薬に関する単一条約
・1971年の向精神薬に関する条約
・麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約
の3つの条約の内容を満たすものです。
さらに上記の薬物四法に「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等に関する法律」を加えたものが、いわゆる「薬物五法」と呼ばれます。
これに加えて,シンナー・トルエンが「毒物及び劇物取締法」,危険ドラッグ(指定薬物)が「医薬品医療機器法」によって規制されています。
次回からは覚せい剤や麻薬などの違法薬物の取締法がそれぞれどのような内容になっているのかを解説していきたいと思います。
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福岡県宗像市で単純覚せい剤所持罪
福岡県宗像市で単純覚せい剤所持罪
~事件例~
Aは、覚せい剤をポケットに入れたまま、福岡県宗像市内の繁華街を飲み歩いていましたが、特異な挙動を福岡県警察宗像警察署の警察官に見られ、職務質問を受けることになりました。
ポケットの中身の確認を求められ、しぶしぶ同意してポケットの中身を出すと、覚せい剤の入った袋が落ち、簡易検査の結果、陽性反応がでたので、単純覚せい剤所持罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~現行犯逮捕とは~
現に犯罪を行い、または行い終わったものを現行犯人といいます(刑事訴訟法第212条1項)。
そして、現行犯人は、令状なく、誰でも逮捕することができます(刑事訴訟法第213条)。
今回は、Aさんが携帯していたポケット中の袋の中身が覚せい剤であったことが検査により確認されたので、単純覚せい剤所持の現行犯人として逮捕されたということです。
~Aさんは今後どうなるか?~
Aさんは、福岡県宗像警察署に「引致」された後、警察官から犯罪事実の要旨、弁護人選任権があることを告知され、その上で弁解の機会が与えられます。。
そして、身体拘束を続けて捜査を行う場合には、48時間以内に検察官へ事件を送致します。
検察官は、Aさんを取調べた上で、身柄を受け取った時から24時間以内に勾留請求をするか、釈放するか、起訴するかを判断しなければなりません。
検察官の勾留請求に対して、勾留決定の可否を決めるのは裁判官です。
裁判官が勾留決定を行った場合には、最長で10日間、さらに勾留の延長がなされた場合には、さらに最長10日間身体拘束が続くことになります。
その上で、検察官が起訴するか、または不起訴にするかを決めることになります。
~Aさんの早期解放、より有利な処分の獲得のために~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に精通した弁護士が多数在籍しています。
刑事弁護人の主な仕事は、法廷に立つだけではありません。
刑事弁護人は、被疑者のために、捜査段階においても、身柄の解放、より利益な処分の獲得に向けて活動します。
ご家族、ご友人を単純覚せい剤所持罪の疑いで現行犯逮捕された方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
(福岡県宗像警察署までの初回接見費用:39,100円)

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件を専門に扱っていますので、薬物犯罪にも精通した弁護士が、初回の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫した弁護活動を行います。
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東京都板橋区で危険ドラッグ使用の危険運転致傷罪で示談
東京都板橋区で危険ドラッグ使用の危険運転致傷罪で示談
Aさんは、東京都板橋区内の国道を自動車で走行していた際、ブレーキを踏むのが遅れて歩行者のVさんと接触してしまいました。
住民の通報で警視庁志村警察署が駆けつけたところ、Aさんの様子がどうもおかしく、Aさんが薬物を使用しているのではないかという疑いを持ちました。
Aさんは、取調べにおいて危険ドラッグを使用して運転していたことを供述したため、危険運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、Vさんとの示談交渉を開始しました。
(上記事例はフィクションです)
【危険ドラッグと人身事故】
危険ドラッグは、覚せい剤や麻薬といった既存の薬物と同等かそれ以上の危険性を持つ、新たな薬物類の総称です。
危険ドラッグの中には、いわゆる薬機法が定める「規制薬物」に当たるものがあり、使用すると3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
更に、危険ドラッグを使用した状態で人身事故を起こした場合、危険運転として危険運転致傷罪または危険運転致死罪が成立する余地もあります。
上記事例では、Aさんが過失によりVさんと接触しており、その際に周囲から見て明らかなほど薬理作用が生じています。
Aさんに危険運転致傷罪が成立する場合、12年以下の懲役という重い刑が科されるおそれがあります。
【危険ドラッグが絡む事件での示談】
被害者が存在する犯罪において、被害者との示談は弁護活動の要といっても過言ではありません。
しかし、処分に及ぼす影響も大きいだけに、示談を実現させることはそう簡単ではありません。
危険ドラッグなどの薬物が絡む事件では、示談交渉の際に被害者が再犯の可能性を懸念することがあります。
そうしたケースでは、示談交渉に際して、再犯防止策を講じていることを弁護士がしっかりとアピールすることが大切になってきます。
こうした対応は、示談の成否、ひいては事件の終着点を左右する重要なものなので、示談はぜひ弁護士に依頼しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、危険ドラッグに詳しい弁護士が、豊富な経験を武器に示談交渉に取り組みます。
ご家族などが危険ドラッグに関する事件を起こされたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(警視庁志村警察署 初回接見費用:37,100円)

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執行猶予中の覚せい剤所持 保釈を目指すならの刑事弁護士に相談
執行猶予中の覚せい剤所持 保釈を目指すならの刑事弁護士に相談
~ケース~
東京都稲城市在住のAは現在,覚せい剤使用で懲役1年6カ月,執行猶予3年の判決を受けている。
ある日,覚せい剤をまた使おうと思い,売人から覚せい剤を購入した。
しかし,覚せい剤を使うのは思いとどまり,そのまま覚せい剤は車のダッシュボードに入れておいた。
後日,警視庁多摩中央警察署の実施する交通検問において覚せい剤が発見され,Aは覚せい剤所持の疑いで現行犯逮捕,起訴された。
(フィクションです)
~保釈~
ニュースなどでよく耳にする保釈という制度は一体どういうものなのかを説明していきます。
そもそも刑事事件で被告人を勾留する目的は,罪証の隠滅を防ぎ,公判や刑の執行への出頭を確実にするためです。
逆に言えば,罪証の隠滅のおそれがなく,公判や刑の執行への出頭が確実であるならば被告人といえども勾留する必要はありません。
そういった場合に被告人の身柄を一時的に解放するのが保釈になります。
日本の場合,保釈の際に保釈保証金を裁判所に納付する必要があります。
保釈保証金は犯罪の性質や情状、証拠の証明力、被告人の性格や資産を考慮して、被告人の出頭を保証するのに過不足ない額を算出します。
大抵の場合,保釈される被告人の逃亡のおそれがないような金額が設定されます。
この保釈保証金は罪証の隠滅や,公判などに正当な理由なく出頭しなかった場合に没収されるので,被告人にとっては経済心理的な強制になります。
なお,保釈保証金は裁判が終わった段階で還付されます。
平成29年の司法統計によると,覚せい剤取締法違反の終局人員は8682人,内8607人が勾留されていますので,勾留率は99.1%と非常に高くなっています。
その内,保釈された人員は2519人ですので保釈率は29.2%と決して低くはありません。
覚せい剤の単純所持であれば弁護士と連携し,罪証の隠滅のおそれがないこと,公判等への出頭が確実であること等を主張すれば保釈される可能性は高くなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では覚せい剤取締法違反を含む刑事事件を専門に扱う弁護士事務所です。
覚せい剤事件で保釈を考えている方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお気軽にご相談ください。
(警視庁多摩中央警察署までの初回接見費用:37,200円)

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