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大麻と捜索・差押え~USBメモリの差押えの可否
大麻と捜索・差押え~USBメモリの差押えの可否
福岡県北九州市在住のAさんは、福岡県八幡西警察署の警察官に大麻を有償譲渡しているとの疑いをかけられていました。そんな中、Aさんは自宅にいたところ、突然、八幡西警察署のガサ(捜索・差押え)を受けました。そして、Aさんは、大麻の取引に関する情報が記録されている、との理由で仕事で使うUSBメモリなどを押収されました。Aさんは、押収されたUSBメモリに大麻取引に関する情報を記録していた記憶はなく、それがないと仕事にならないため、一日でも早く還付してほしいと考えています。そこで、Aさんは、どうすればいいか薬物事件に関する知識、経験豊富な弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです。)
~ ガサ(捜索、差押え)の基本 ~
捜索とは、一定の場所・物・人の身体に対して、人・物の発見を目的としてなされる強制処分、差押えとは、物の占有を強制的に取得する処分、をいいます。
刑事訴訟法218条1項は、この捜索・差押えについて
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる・・・・・。(一部省略)
と規定しています。
捜索はプライバシー権、差押えは、財産権を侵害する行為ですから、その行為をためには、不当・違法な権利侵害を防止するため、予め発せられた裁判官の令状を必要としているのです。
捜索と差押えの許可状(令状)が別々に発せられることは少なく、一括して捜索差押許可状とうい令状が発せられるのが通常です。
~ 令状の基本 ~
また、裁判官の発する令状があるからといって、何から何まで差押えていい、というわけではありません。
刑事訴訟法218条1項には
犯罪の捜査のため必要があるとき
と記載されていますから、差押えられるものは、
犯罪(被疑事実)と関連のあるもの
でなければなりません。
また、令状を請求する捜査機関は
差し押さえるべき物、捜索すべき場所
などを特定して令状を請求しなければならず、令状を発布する裁判官も、これらの事項を記載した令状を発付しなければなりません。
~ 電磁的記録と電磁的記録媒体の差押え ~
ところで、差押えの対象は有体物であって、電磁的記録、すなわち、電子データのような無体物は差押えの対象ではありません。他方で、これを記録する電磁的記録媒体(USBメモリなど)は有体物であり差押えの対象です。
ただ、こうした電子データを記録した電磁的記録媒体は、実際に中身を確認しなければ、本当に犯罪に関係のある情報が記録されているかどうかわかりません。
そこで、差押えの現場で、電磁的記録媒体の内容を確認できない場合に、犯罪(被疑事実)との関連性の有無にかかわらずこれらを包括的に差押えることができるかどうかが問題となります。
この点、最高裁判所(最決平成10年5月1日)は、パソコン、フロッピーディスクなどの電磁的記録媒体の差押えの場面に関し、
・被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性
・そのような情報が実際に記録されているかをその場で確認していたのでは情報を破損される危険
の2つの要件を挙げ、これらの要件を満たす場合は電磁的記録媒体の中身を確認することなく差押えることも許されるとしています。
~ 還付のための法的手段 ~
よって、こうした要件が認められない場合は、当該差押えは
違法
であり、直ちに捜査機関に還付を求めなければなりません。
こうした場合に、捜査機関に物の還付を求める方法としては、裁判所がなした捜索・差押えの裁判に対する準抗告の申し立てです。
この申し立てが認められれば、捜索・差押えが取り消され、捜査機関から差押えられたものが還付されます。
なお、捜査機関の差押えが違法でない場合でも、差押えの必要がないことを理由に、捜査機関に物の還付を請求することができます。
これらの手続きは薬物事件・刑事事件の経験、知識が豊富な弁護士にお任せください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件を専門に扱っていますので、薬物犯罪にも精通した弁護士が、初回の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫した弁護活動を行います。
当事務所では、薬物犯罪事件についての無料相談のご予約は365日24時間受け付けています。相談・接見は、土日祝日、夜間でも即日対応可能です。弁護士のスケジュールの都合が合えば、お電話をいただいてからすぐ相談・接見を行うこともできます。薬物犯罪事件で少しでもお困りの方は、ぜひご相談ください。
覚せい剤使用事件で控訴
覚せい剤使用事件で控訴
東京都港区に住むAさん(23歳)は、覚せい剤の常習使用者であるBさんに「シャブ持っていないか。」「打ち方分からないから打ってくれないか。」などと頼み、Bさんに覚せい剤入り水溶液の注射器を右腕に打ってもらいました。後日、Aさんは路上を歩いていると、Aさんの行動に不審を感じた警視庁東京湾岸警察署の警察官から職務質問を受けました。そして、Aさんは尿の任意提出を求められ、これに応じたところ、尿から陽性反応が出たことからAさんは覚せい剤取締法違反(使用罪)の件で緊急逮捕されました。また、Bさんも同じ罪で逮捕されました。Aさんは逮捕、勾留を経て起訴され、裁判で懲役2年の実刑判決を受けたことから、これを不服として控訴しました。
(フィクションです)
~ 覚せい剤取締法(使用罪) ~
覚せい剤取締法には、覚せい剤の使用に関し、次の規定が設けられています。
覚せい剤取締法
19条(使用の禁止)
左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない
1号 覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合
2号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が使用する場合
3号 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
4号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のために交付を受けた者が施用する場合
41条の3第1項 次の各号の一に該当する者は,10年以下の懲役に処する。
1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
「使用」とは、覚せい剤等を用法に従って用いる、すなわち、「薬品」として消費する一切の行為をいいます。覚せい剤取締法は、覚せい剤を使用する客体を特に規定いません。ただ、通常は人体に使用する例が多いかと思います。人体に使用する場合、
自分で注射する場合でも、他人に注射する場合でも「使用」
に当たりますし、反対に、
他人に注射してもらう場合でも「使用」
に当たります。
また,使用方法は問いません。注射器で使用することが多いですが,直接も飲み込む経口投与,塗布,吸入,あぶりなどがあります。
~ 覚せい剤使用の量刑と控訴 ~
覚せい剤使用の場合、初犯であると「懲役1年6月 3年間執行猶予」の判決を言い渡されることが多いかと思います。
ところが、執行猶予中の場合はもちろん、執行猶予期間が経過したとしても、その後間もなくの犯行だった場合などは実刑判決を言い渡される可能性もあります。また、前回の罪が同種の罪(薬物事件)か異種の罪かによっても大きく異なるでしょう。
Aさんは実刑判決を言い渡され、それを不服として控訴しています。
控訴とは、簡易裁判所や地方裁判所から上級の高等裁判所へ上訴することをいいます。自分は無罪と考えているが有罪と認定された(事実誤認)、有罪であることは認めるが刑の種類や重さに不満があること(量刑不当)などを理由に控訴することができます。なお、控訴できるのは裁判を受けた被告人だけと思われている方もおられるかもしれませんが、訴追する側の検察官も控訴することができます。したがって、被告人側、検察側双方が控訴するというケースもよくあることです。
* 控訴期間には期限がある *
控訴期間は14日間です。そして、その期間の起算日は、判決言い渡し日の翌日です。
たとえば、平成31年4月1日に「懲役3年」との判決の言い渡しがあったとします。すると、控訴期間の起算日は4月2日ですからその日を含めた14日間が控訴期間ということになります。したがって、4月15日が控訴期限日で、その翌日の4月16日が確定日ということになります。
では、4月15日が土曜日だった場合はどうなるでしょうか?この場合、控訴期間の末日が土日祝日、12月29日から31日、1月2日、3日の場合は期間に算入しないとうい決まりがありますので、翌月曜日の4月17日が控訴期限日で、その翌日の4月18日が確定日となります。
~ 裁判(判決)の確定とは ~
確定とは、判決の内容に対しこれ以上不服申し立てをすることができなくなった状態のことをいいます。被告側、検察側が上訴することなく、上訴期間(14日間)が経過して裁判が確定した場合を「自然確定」といいます。なぜ、自然というのかといいますと、自然確定以外の事由、すなわち、当事者(被告人、検察官)の意思で確定することができるからです。つまり、被告人、検察官は上訴権を放棄したり、すでにした上訴を「取り下げ」たりすることができます。一方が上訴権を放棄したり、上訴を取り下げれば、他方が上訴権を放棄したり、上訴を取り下げた時点で裁判が確定します。
* 確定したらどうなるの? *
刑が確定すると、刑の執行がはじまります。死刑,懲役,禁錮,拘留の場合,身柄を拘束されている方は、そのまま収容施設で刑に服することになります。他方、在宅のまま刑が確定した場合は、検察庁から出頭の要請を受けます。そして、検察庁に出頭したのち、拘置所などに収容されます。ここで出頭しなかった場合は、収容状という令状によって強制的に身柄を拘束されます。執行猶予付き判決を受けた方は,確定日から刑の猶予期間がはじまります。
罰金,科料(1万円未満)の場合は,判決の言い渡しと同時に釈放されています。そして,刑が確定すると罰金,科料を納付しなければなりません。ただし,仮納付の裁判がついた場合は,刑の確定を待たずとも,罰金,科料を納付することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。

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大麻共同所持で即決裁判
大麻共同所持で即決裁判
東京都小金井市で同棲していたAとBは,自宅において大麻を所持していたとして,警視庁小金井警察署の警察官は,AおよびBを大麻取締法違反(共同所持)の疑いで逮捕した。
Aの家族は,薬物事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実を基にしたフィクションです。)。
~近年の大麻取締法違反事件の増加~
近年,若年層を中心とした大麻の蔓延が一種の社会問題と化しています。
犯罪統計や司法統計などを見ても,ほとんどの犯罪が認知件数や公判請求数を減少させているのに対し,大麻取締法違反事件は近年逆に増加傾向を見せているのです。
本件Aも,この大麻取締法違反(共同所持)により,逮捕されてしまっています。
大麻取締法は,3条1項において,「大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない」と規定し,大麻の「所持」を禁じています。
そして,これを受けて24条の2第1項は,「大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する」と,罰則を定めています。
本件では,上記法の罰則の存在から,大麻所持での逮捕に至っていることになります。
もっとも本件のように,(捜査官の捜索差押え等に基づき)共同で住んでいる自宅から大麻が発見された場合,一方が他方の個人所持だという弁解がされることがあります。
そして,共同所持しているかどうかは微妙なケースも存在し,あくまで大麻取締法上の「所持」たる管理・処分権が一方に(例えば本件であればAに)認められなければ,あくまで大麻は個人の単独所持に留まることになる可能性があります。
共同所持が認められるかどうかは,本件のような同居・同棲の生活実態等を具体的に把握しなければ判断できないといえるでしょう。
~薬物事件における即決裁判手続の利用 ~
逮捕されてしまった場合,上記のように所持を否認(=犯罪自体を否認)することも考えられます。
もっとも,共同所持の犯罪事実を争わない場合には,即決裁判手続を利用するなど,早期に刑事手続・裁判から解放される方策も検討に値するでしょう。
平成16年に改正(18年施行)により加わった即決裁判手続は,
・「検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができる。」(刑訴法350条の16第1項本文)
と規定し,主に薬物事件などを想定して,迅速・簡易な裁判手続を導入しました。
即決裁判による場合,「懲役又は禁錮の言渡しをする場合には、その刑の全部の執行猶予の言渡しをしなければならない」(350条の29)とされ,罰金刑以外は,必ず刑の全部が執行猶予となることが保障されることになります。
このような即決裁判手続の利用もあり,大麻取締法違反事件では公判請求(=起訴)された事件の9割近い事件が,執行猶予付きの有罪判決で終わっていることも事実です(平成29年対象の司法統計等参照)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,大麻取締法違反事件を含む薬物事件にも力を入れている刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族等が大麻取締法違反(共同所持)事件で逮捕されてしまったという一報を得た方は,早急に24時間対応の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。
刑事事件専門の弁護士による初回接見など,弊所が提供するサービスを分かりやすく一からご案内させて頂きます。

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おとり捜査で逮捕
おとり捜査で逮捕
~ケース~
神奈川県横浜市港北区在住のAさんは、区内で覚せい剤の売人をしていました。
Aさんは、「覚せい剤を2グラム売ってほしい。3日後の午後2時に大倉山駅のトイレで金を用意して待っている。」という電話を受けました。
Aさんは、3日後電話で指定されたトイレに行くと、数人の警察官が中に待機しており、Aさんはその場から逃げようとしたがその場にいた警察官らに進路を塞がれ、そのまま覚せい剤所持の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんは、神奈川県江北警察署に留置され、「そもそも電話してきたのは警察官である。このようなおとり捜査は違法である。」と主張している。
その後、Aさんは刑事事件に強い弁護士に接見を依頼することに決めました。
(上記の事例はフィクションです。)
~おとり捜査とは~
おとり捜査については、法律上規定された概念ではなく、明確な定義があるわけではありません。一般的には、捜査機関や捜査協力者などが、身分やその意図などを隠して、対象者に犯罪を行うように働きかけたり、犯罪を行う機会を提供し、実際に対象者が犯罪行為を行ったところを検挙するという捜査手法のことを指します。このようなおとり捜査は、直接的な被害者がおらず、密行性が高く通常の捜査では検挙が難しい薬物犯罪などで主に用いられることになります。
おとり捜査には、「機会提供型」と「犯意誘発型」の二つの類型に分けることができると考えられています。
機会提供型のおとり捜査は、もともと犯罪を行う意図を持っていた者に対し、捜査機関等が犯罪を行う場所や機会を与えるという捜査手法です。
他方、犯意誘発型のおとり捜査は、そもそも犯罪を行う意図が無い者を捜査機関等がそそのかして犯罪を行わせるという捜査手法をいいます。
おとり捜査は上記のように法律の規定がないことから、「強制の処分」に該当しない範囲でのみ行うことができます。
「強制の処分」に当たらないといえる場合には、裁判所の令状などを得ることなくおとり捜査を行うことができることになりますが、無制限におとり捜査を行うことができるというわけではなく、あくまで任意捜査の範囲内でのみ適法となります。
おとり捜査の適法性が問題となった事案において、最高裁は「少なくとも、直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査において、通常の捜査方法のみでは当該犯罪の摘発が困難である場合に、機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象におとり捜査を行うことは、刑訴法197条1項に基づく任意捜査として許容されるものと解すべきである」としています(最決平16年7月12日)。
上記の最高裁判例によると、少なくとも覚せい剤所持といった薬物犯罪においてなされる「機会提供型」のおとり捜査については任意捜査として適法となると判断しているといえます。
上記の事例では、Aさんは以前から覚せい剤の売人をしており、覚せい剤を売る意思を当然に有していたといえることから、警察官はAさんに対し覚せい剤の所持(又は譲渡)の機会を提供したに過ぎず、機会提供型のおとり捜査ということになります。
そのため、上記の事例のおとり捜査については、判例上適法であると判断される可能性が高いです。
仮に、違法なおとり捜査が行われた場合には、そのような捜査によって押収された証拠品は違法収集証拠として証拠能力が認められず、裁判で使うことができなくなる可能性もあります。
そのため、おとり捜査で逮捕されてしまった場合には、速やかに刑事事件を専門に扱っている弁護士に相談することが必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
ご自分やご家族の受けたおとり捜査が違法捜査なのかどうか、専門家である弁護士に相談することができます。
初回無料法律相談のご予約受付や、初回接見サービスのお申込み受付を24時間いつでも行っていますので、0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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現行犯逮捕で大麻押収
現行犯逮捕で大麻押収
埼玉県ふじみ野市に住むAさん(55歳)は、仕事を終え帰宅途中、警察官から職務質問を受けました。Aさんは、警察官からポケットの中など全て見せるよう。所持品検査を求められました。Aさんは、ズボンのポケット内に大麻を入れていたことからこれを拒否しましたが、警察官から「拒否するなら令状持ってくるけど?」と言われました。そこで、Aさんは渋々、ポケットの中から大麻を取り出し、警察官に提出しました。警察官の検査の結果、大麻であることが判明したため、Aさんは大麻取締法違反(所持罪)の現行犯で埼玉県東入間警察署に逮捕されてしまいました。なお、大麻はその場で差し押さえられました。逮捕の通知を受けたAさんの妻は、薬物事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ はじめに ~
捜査機関が対象者から強制的に物を領得することは、対象者の人権(プライバシー権)を侵害するおそれの大きい行為であることから、事前に裁判官のチェックを経て裁判官が発する令状を取得し、その令状に戻づいて行われることが原則です。
しかしながら、捜査の現場では、令状取得の手続を行う余裕がない場合があります。特に、薬物事件では、薬物の差押に裁判官の令状を常に必要とすると、容易に薬物などを処分されるなどの罪証隠滅行為が図られ、その結果、真実の発見、追及という刑事訴訟法の目的を達せられられなくなるおそれが生じてしまいます。そこで、刑事訴訟法では、
令状によらない差押え、捜索、検証
を認めています。
~ 令状によらない差押え、捜索、検証 ~
令状によらない差押え、捜索、検証は、刑事訴訟法220条に規定されています。以下、本件と関係のある規定を抜粋いたします。
刑法220条1項
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第199条の規定(逮捕状による逮捕)により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があると認めるときは、左の処分をすることができる。(以下、略)。
1号 略
2号 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること
3項
第1項の処分をするには、令状は、これを必要としない。
「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第199条の規定(逮捕状による逮捕)により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があると認めるとき」とされているため、令状によらない差押え、捜索、検証をするか否かは完全に捜査機関の判断に委ねられています。3項を見ていただければお分かりのように、捜査機関が逮捕の現場で差押、捜索、検証をするには「令状を必要としない」とされています。
では、なぜ、このような規定が設けられたのでしょうか?
これついては、学説上、相当説と緊急処分説の2つの説が唱えられていますが、実務では相当説をとられています。
相当説は、逮捕の現場には逮捕事実に関連する証拠が存在する蓋然性が高く、これを差し押さえることが真実発見にも資することから、令状によらない差押え等を可能とする説です。
~ 「逮捕の現場」とは ~
逮捕の現場とは、逮捕した場所との場所的同一性、具体的には被疑者の身体及びその支配下にある場所をいいます。
路上で逮捕された場合は、まず被疑者の身体が捜索の対象となるでしょう。また、警察官に自宅のガサに踏み込まれた場合はその建物全体や附属するもの(支配が及ぶもの(小屋、車など)も対象となるでしょう。
なお、大麻を所持している場合は、持っている物が大麻かどうか確かめる必要があり、これが確認できない限り逮捕はできませんから、まず任意の提出を求められ、大麻と確認された時点で逮捕され、その後、大麻(のようなもの)として差し押さえられる、というのが一般的な流れかと思われます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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保釈中に逃亡し犯人蔵匿教唆罪?
保釈中に逃亡し犯人蔵匿教唆罪?
~ケース~
大阪府大阪市天王寺区在住のAさんは、覚せい剤取締法違反の罪で大阪府天王寺警察署に逮捕・勾留され、後に起訴されてしまいました。
起訴後、Aさんが選任した弁護人の活動によって保釈決定がなされ、Aさんは保釈金300万円を納付して保釈されました。
しかし、保釈後のAさんは公判にも出頭せず、連絡を取ることも出来なくなってしまいました。
その後、警察がAさんの実家や友人宅を回ってAさんを捜索していたところ、友人BがAさんを匿っていたことが発覚し、Aさんは再び身柄を拘束されてしまいました。
友人Bは、警察の取り調べに対し、「俺は本当はAと関わりたくなかった。Aから強く頼まれたので仕方なく自宅に匿った」と供述している。
(上記の事例はフィクションです)
~逃走罪は成立しない?~
刑法97条(逃走) 裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、1年以下の懲役に処する。
本条は、裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が、暴行や脅迫等の手段を用いることなく逃走する行為を罰するものです。
本条における「拘禁」とは、身体の自由の拘束をいいます。例えば、刑務所で作業に従事している服役者等を指します。
もっとも、保釈中の被告人については、すでに身体の自由を拘束されているとはいえず、拘禁されているとはいえません。
そのため、上記の事例のように、保釈された被告人が逃走してしまい裁判にも出てこないという場合、逃走行為そのものが犯罪として処罰されることはありません。
保釈の際に納付することが義務付けられる保釈金については、判決後に被告人に返還されるのが通常です。
しかし、保釈中に逃亡した場合、裁判所は決定で保釈金を没収(正確には「没取」)することができます。
そのため、上記事例においては、Aさんの納付した保釈金300万円は没収され、Aさんは返還を受けることが出来なくなるおそれがあるでしょう。
~逃亡中の被告人をかくまうと~
刑法103条(犯人蔵匿等)
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
Aさんは、覚せい剤取締法違反で起訴されていることから、「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」に当たります。また、犯人を自宅に匿う行為については、「蔵匿」にあたります。
そのため、Aさんを自宅に匿った友人Bには、犯人蔵匿罪が成立することになります。
もっとも、犯人自身が逮捕や発見を逃れようとすることは無理もないと考えられていることから、犯人自身が自分自身を蔵匿する行為に本罪は成立しません。
ただし、犯人が他人をそそのかして自己を蔵匿・隠避させた場合については、判例上、犯人自身に本罪の教唆罪が成立すると考えられています。
その理由として、犯人自身の自己を蔵匿する行為が罪とならないのは、被告人の防御権の範囲内の行為であるからであり、他人を唆してまで目的を遂げようとする行為はそのような防御権の範囲を逸脱する行為であるということが挙げられています。
そのため、上記の事例における友人Bの「Aから頼まれたので仕方なく匿った」という供述が真実であれば、Aさんに犯人蔵匿教唆罪が成立すると考えられます。
また、公判への出頭要請を行うために来た警察官や裁判所職員に対し、暴行や脅迫を加えていた場合には、公務執行妨害罪が成立し、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処されるおそれがあります。
このように、保釈中に逃走した被告人について犯罪が成立する事案も考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、刑事事件を専門とした弁護士であり、保釈のための弁護活動や、保釈後の公判準備活動など、ご相談いただいた時点で最善と思われる弁護活動を行っております。
刑事事件についてお悩みの方は、まずは弊所の弁護士までご相談ください。
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初回法律相談:無料

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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覚せい剤の尿検査を拒否し強制採尿
覚せい剤の尿検査を拒否し強制採尿
~ケース~
Aさんは覚せい剤を使用し、兵庫県県神戸市内の繁華街を飲み歩いていました。
そうしたところ、警察官がAさんにつき、薬物使用者に特有の挙動を認めたため、職務質問を行いました。
Aさんは、腕の注射痕を見せることや尿検査を頑なに拒否したため、警察官らが4~5時間にわたって説得を続けました。
ですが、それでもAさんは要求に応じなかったことから、ついに強制的に尿を採取することになりました。(フィクションです)
~薬物使用の疑いをかけられるとどうなるか?~
薬物使用の被疑者が検挙されるきっかけは様々です。
日本における刑事手続は任意捜査が原則なので(刑事訴訟法第197条1項但書)、警察官が薬物使用の疑われる被疑者を見つけた場合、通常は説得を重ね、尿を任意提出するよう求めます。
ただ、「尿がでない」という弁解をするなどし、尿を提出しない被疑者も当然存在するので、このような場合には、強制の処分により尿を取得することになります。
~どこまで説得が許されるのか~
ケースでの警察官らは4~5時間にわたって説得を続けていますが、このようなことは許されるのでしょうか。
説得と称してAさんを足止めした場合は、実質的に身体拘束処分である逮捕がなされていたとして、任意捜査の限界を超え違法と判断される場合があります。
問題となってくる犯罪と嫌疑の程度、被疑者の態度、現場の状況により、その妥当性が判断されるでしょう。
~採尿令状について解説~
裁判官が発する令状により、強制的に個人が所有する物を押収したり、事件現場の検証を行ったりすることがあります。
これと同じく、令状によってAさんの尿を強制的に取得し(強制採尿)、その鑑定を行うことにより、Aさんの覚せい剤使用を立証することが考えられます。
Aさんの体内にある尿を強制的に採取することになるので、そのような捜査方法が果たして適正であるのか、という議論もあります。
この点について、最高裁は、厳格な条件(たとえば医師が行わなければならない)のもと令状により適法に行い得る旨を判示しています。
強制採尿を許す令状が発付されると、病院に連行され、医師の手によって強制的に尿を採取されることになります。
採取された尿から覚せい剤の使用を裏付ける成分が検出されれば、そのまま覚せい剤使用の疑いで現行犯逮捕されると考えられます。
覚せい剤使用罪の法定刑は重く、10年以下の懲役となっています。
罰金刑が予定されていないので、有罪判決が出ると、懲役刑が言い渡されることになります。
つまり、執行猶予が付かなければ即実刑になる、ということです。
そのため、覚せい剤使用罪により起訴されてしまった場合は、執行猶予付き判決の獲得に向けて行動することが重要です。
~逮捕後の弁護活動~
覚せい剤使用事件につき、早期の身柄解放の実現は困難が予想されます。
また、起訴される可能性も高いです。
起訴されてしまった場合には、保釈が認められる可能性があるので、保釈保証金の準備など、保釈の実現に向けた活動を行います。
また、より軽い量刑の判決を獲得するための活動として、「贖罪寄付」を行うことや、再犯防止に向けた治療を受ける用意をすることが考えられます。
まず、被害者のいる犯罪(たとえば傷害罪)においては示談を成立させることが重要ですが、覚せい剤使用罪は特定の被害者が存在するわけではありません。
そのため、上記のような示談はできない、ということになりますが、その代わりに、弁護士会などの団体に寄付をし、反省の意思を示すことが考えられます。
これを「贖罪寄付」といいます。
次に、再犯のおそれが高いと判断される場合には、厳しい判決が予想されます。
そのため、信頼できる身元引受人を確保したり、依存症治療を計画したりし、覚せい剤使用を繰り返さないよう環境整備がされていると主張することも重要です。
一方で、覚せい剤事件では、ときに捜査が行き過ぎて違法なものとなる場合があります。
たとえば、逮捕状もないのに被疑者の行動を長時間制限する、必要性が高くないにもかかわらず強制採尿を行う、などが考えられます。
こうした捜査により得られた証拠を用いて被告人を有罪にすることは許されないとして、採尿された尿やその鑑定書を証拠としないよう訴えるべき事案もあります(違法収集証拠排除)。
このような活動を通じ、よりAさんにとって有利な判決の獲得を目指していくことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースのような薬物使用事件の解決実績も豊富です。
ご家族が覚せい剤使用事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

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刑事事件を専門に扱っていますので、薬物犯罪にも精通した弁護士が、初回の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫した弁護活動を行います。
当事務所では、薬物犯罪事件についての無料相談のご予約は365日24時間受け付けています。相談・接見は、土日祝日、夜間でも即日対応可能です。弁護士のスケジュールの都合が合えば、お電話をいただいてからすぐ相談・接見を行うこともできます。薬物犯罪事件で少しでもお困りの方は、ぜひご相談ください。
覚せい剤所持で現行犯逮捕
覚せい剤所持で現行犯逮捕
~ケース~
Aさんは、覚せい剤と注射器をポケットに入れ、京都府京都市山科区内を飲み歩いていました。
1件目の飲食店で覚せい剤を使用した後、2件目の飲食店に向かっている最中、京都府山科警察署の警察官から職務質問を受けました。
警察官からは、「ポケットの中見てもいいか」と言われ、しぶしぶポケットの中身を出すと、覚せい剤と注射器が出てきました。
これがきっかけとなり、Aさんは覚せい剤所持の疑いで現行犯逮捕されました。(フィクションです)
~覚せい剤所持罪、覚せい剤使用罪について解説~
(覚せい剤所持罪)
覚せい剤をみだりに所持する犯罪です。
「所持」とは、覚せい剤に対する事実上の実力支配関係をいいます。
覚せい剤を自身が直接手にしている必要はなく、社会通念上本人の実力支配、管理の及ぶ場所に保管していれば足り、自宅に覚せい剤を置いている場合なども「所持」に該当します。
ケースでは、ポケットの中に覚せい剤を入れており、明らかに「事実上の実力支配関係」が認められるので、「所持」性が認められると考えられます。
覚せい剤所持罪につき有罪が確定すれば、10年以下の懲役に処せられます(覚せい剤取締法第41条の2第1項)。
(覚せい剤使用罪)
覚せい剤をはじめとする薬物事件においては、警察官から尿検査を求められることが非常によくあります。
尿やその鑑定書は、覚せい剤の使用を立証する極めて重要な証拠であり、陽性反応が出た場合は覚せい剤使用罪の疑いで逮捕されることも考えられます。
覚せい剤使用罪は、覚せい剤取締法第19条に違反して、覚せい剤を使用する犯罪です。
こちらも、覚せい剤所持罪と同じく、法定刑は10年以下の懲役となっております(覚せい剤取締法第41条の3第1項1号)。
「使用」とは、覚せい剤を消費する一切の行為をいいます。
自身に注射、経口投与、吸入する行為が「使用」の典型例です。
通常の覚せい剤使用の動機は、「快感を得ること」ですが、動機はこれに限定されておらず、例えば、警察官に職務質問された際に、覚せい剤を隠滅する目的でとっさに飲み込む行為も「使用」に該当します。
覚せい剤所持罪も、覚せい剤使用罪も、法定刑はかなり重い部類に属します。
罰金刑が予定されていないため、執行猶予がつかなければ、懲役の実刑判決となって刑務所へ収容されるおそれがあります。
また、覚せい剤取締法違反行為の起訴率は高く、上記のケースにつき起訴される可能性は高いと思われます。
したがって、ケースの事件においては、早期の身柄解放、執行猶予付き判決の獲得が主な到達点になってきます。
もちろん、不起訴処分の獲得を目指せる事情(違法な捜査など)があれば、不起訴処分を目指すべきであることはいうまでもありません。
~早期の身柄解放を目指す~
被疑者が逮捕され、釈放されない場合、逮捕時から48時間以内に身柄が検察へ送致されます。
送致後、検察官は身柄を受け取ったときから24時間以内に被疑者の勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかを決めます。
検察官が勾留を請求し、裁判官がその請求の妥当性を認めると、10日間の身体拘束を受けます。
さらにやむをえない事由があると認められるときは、さらに最長10日間(逮捕から数えて最長23日間)の身体拘束を受けることになります。
上記の「勾留」が行われるのは、勾留の要件である逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると認められたときです。
そこで、弁護人となった弁護士としては、そうした勾留の要件を満たさないことを主張して勾留の当否を争うことになります。
勾留決定前であれば、検察官や裁判官に対して意見を述べ、早期の身柄解放を目指します。
勾留決定後であれば、準抗告などの不服申し立てにより裁判官の判断が妥当でないことを指摘し、勾留決定の取消しによる身柄の解放を目指します。
~執行猶予付き判決の獲得に向けた活動~
起訴されて以降は、保釈により社会に戻ることができます。
保釈は起訴されたその日のうちにも請求することができ、その請求が認められた場合に保釈保証金を納付して身柄解放となります。
そのため、起訴される前から、ある程度の金銭や、起訴された被告人の身元を引き受ける身元引受人など、保釈に必要な準備をしておくべきです。
起訴された場合は、裁判においてAさんの更生の可能性を見られることになります。
ですので、Aさんが社会に戻っても薬物に手を出さずに生活しうることを、裁判所に納得してもらわなければなりません。
それに際して、Aさんを受け入れる場所(家庭や勤務先)、薬物依存症の治療プログラムを受ける用意があると、Aさんにとっても有利に働く可能性が高いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しています。
ご身内の方が覚せい剤所持事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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当事務所では、薬物犯罪事件についての無料相談のご予約は365日24時間受け付けています。相談・接見は、土日祝日、夜間でも即日対応可能です。弁護士のスケジュールの都合が合えば、お電話をいただいてからすぐ相談・接見を行うこともできます。薬物犯罪事件で少しでもお困りの方は、ぜひご相談ください。
大麻所持事件と執行猶予
大麻所持事件と執行猶予
~ケース~
Aさんは福岡県宗像市で自動車を運転中、パトカーに停止を求められたので、停止し、職務質問に応じました。
質問中、Aさんがハンドバッグを不自然に抱え込んでいるのを不審がられ、中身を見せるよう求められました。
バッグを開けると、ガラスパイプが見つかったので、車内をもう少し見せてほしいと言われ、承諾すると、ダッシュボードから2グラムの大麻が見つかりました。
簡易検査の結果、陽性であったので、Aさんは大麻所持の現行犯として福岡県宗像警察署に逮捕されました。(フィクションです)
~大麻所持の罪について解説~
大麻取締法第24条の2第1項は、「大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する」としています。
「所持」とは、「事実上の実力支配関係」をいい、自分が直接手にしている必要はなく、社会通念上本人の実力支配、管理の及ぶ場所に保管していれば足ります。
自宅に置いてある場合、カバンに入れている場合はもちろん、勤め先の医院薬局内においてある場合も「所持」に該当すると考えられます。
~今後Aさんはどうなるか?~
警察署に引致された後、犯罪事実の要旨及び弁護人選任権があることを告知され、弁解の録取を経て取調べが行われます。
そして、留置の必要があると認められると、逮捕時から48時間以内に身柄が検察庁へ送致されます。
検察官は、Aさんから改めて弁解を録取した後、取調べを行い、身柄を受け取ったときから24時間かつ逮捕時から72時間以内に、Aさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決定します。
勾留請求は裁判官に対して行うものであり、Aさんは裁判所で勾留質問を受けることになります。
裁判官は、勾留決定を行うかどうかを検討し、勾留決定を出した場合Aさんは10日間勾留されることになります。
さらに、やむを得ない事由(たとえば捜査の遅延など)があると認められるときは、最長10日間勾留を延長されます。
検察官は、勾留の満期日までに、Aさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定します。
~大麻所持事件の捜査の特徴~
大麻所持事件に限らず、ケースのような薬物事件は、多くの関係者が存在することが見込まれ、入手ルート、入手先の背後にどのような組織があるか、など、捜査を遂げて明らかにすべきことがたくさんあります。
したがって、捜査の都合上、身体拘束が長引く傾向にあります。
身柄解放活動の一つとして、勾留決定に対する不服申し立て(準抗告)がありますが、以上の様な事情から、認容されにくいのも事実です。
一方、起訴後の保釈については、起訴前の身柄解放活動と比べて認められる見込みがあると言えます
上記の事情から、大麻所持事件における身柄解放活動は、基本的には保釈の実現に向けて重点を置くことになります。
もちろん、勾留の要件(逃亡の恐れ、罪証隠滅のおそれなど)を満たさないと考えられるときは、勾留前、あるいは勾留延長前から積極的に検察官や裁判官と交渉することも重要です。
~執行猶予付き判決の獲得に向けた弁護活動~
執行猶予は飽くまでも言い渡された刑を猶予するものに過ぎないため、有罪となって前科がついたという事実には変わりありません。
とはいえ、刑の執行は見送られるわけなので、そのまま社会に復帰することができる点で有用な制度です。
薬物事件の初犯の場合、単に所持しただけといった単純な事案では、執行猶予付き判決がなされることが多いです。
そのため、起訴された場合は、執行猶予付き判決の獲得に向けた弁護活動を展開します。
その際、判決を下す裁判所としては、Aさんが再度薬物犯罪に手を染めることを懸念するのが通常です。
ですので、執行猶予を付けても問題ない、と判断してもらうためには、Aさんがまた薬物に手を出さず、刑務所に行かずとも社会内で更生できるということを納得してもらう必要があります。
そのためには、信頼できる身元引受人を用意し、保釈中から薬物治療のプログラムを受けるなど、再犯防止に努めていることを示す必要があります。
弁護士のアドバイスを受けながら、執行猶予付き判決の獲得に向けた環境作りを行っていきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、大麻所持事件の解決実績も豊富です。
ご家族が大麻所持事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

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薬物事件と一部執行猶予
薬物事件と一部執行猶予
東京都府中市に住むAさんは、警視庁府中警察署の家宅捜索を受け、覚せい剤を所持していたとして覚せい剤取締法違反(所持罪)で逮捕され、その後勾留を経て起訴されました。そして、Aさんの判決期日は、令和元年6月18日と指定されました。実は、Aさんは、平成31年10月1日に、刑務所を出所(覚せい剤取締法違反(使用)で(懲役)1年6か月間服役)したばかりでした。Aさんと接見した弁護士は、再犯防止の観点からも、一部執行猶予判決を獲得できないか検討しています。
(フィクションです)
~ 執行猶予とは ~
執行猶予とは、その罪で有罪ではあるが、言い渡された刑(懲役刑、罰金刑)の執行を一定期間猶予する(見送る)ことをいいます。そして、執行猶予には「全部執行猶予」と「一部執行猶予」の2種類があります。今回は、そのうち一部執行猶予についてご紹介いたします。
~ 一部執行猶予とは ~
一部執行猶予は、言い渡された刑期のうち、一部を実刑とし、一部を執行猶予にするものです。
たとえば、薬物事件の場合、
被告人を懲役2年に処する。
その刑の一部である懲役6月の執行を2年間猶予し、その猶予の期間中被告人を保護観察に処する。
などという判決が言い渡されます。
一部執行猶予は、執行猶予期間中、刑の執行猶予取消しによる心理的強制の下で、
社会内における再犯防止・改善更生を促すこと
を目的としています。
* 一部執行猶予は実刑である *
一部執行猶予は、実刑と全部執行猶予の「中間」と誤解されることもありますが、あくまで実刑の一部です。
つまり、裁判所(裁判官)としては、従前どおり、まず実刑か全部執行猶予のどちらが相当かを判断した上で、実刑を選択した場合に、全部実刑か一部実刑(一部執行猶予)かを選択できる選択肢が増えたということになります。
~ 一部執行猶予判決を受けるための要件 ~
では、薬物事件で一部執行猶予を受ける要件をご紹介いたします。
薬物事件を犯した者に対する一部執行猶予については、「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(以下「法律」)」に規定があります。一部執行猶予判決を受けるには次の要件が必要です(法律3条)。
1 薬物使用等の罪を犯したこと
2 本件で、1の罪又は1の罪及び他の罪について3年以下の懲役又禁錮の判決の言い渡しを受けること
3 刑事施設における処遇に引き続き社会内において規制薬物等に対する依存の改善に資する処遇を実施することが、再び犯罪をすることを防ぐために「必要」であり、かつ、「相当」であること
なお、薬物使用等の罪については、他の犯罪と異なり、前科の要件は必要とされていません。つまり、
Aさんのような累犯前科を持つ方であっても、一部執行猶予判決の対象
となり得ます。
ただし、薬物事件においては、執行猶予期間中
必ず保護観察
に付されます。
* 薬物使用等の罪とは? *
法律2条2項には次の罪が挙げられています。
同項2号 大麻の所持又はその未遂罪
同項4号 覚せい剤の所持、使用等又はこれらの罪の未遂罪
同項5号 麻薬及び向精神薬取締法の所持罪等
~ 一部執行猶予のデメリット ~
確かに、一部執行猶予は実刑の期間(刑務所に服役する期間)が短くなるというメリットはあります。しかし、薬物事件では、上記のように必ず保護観察が付きます。保護観察が付くと、定期的に保護観察に通所しなければならないなど、公的機関の監視下に置かれることになります。しかも、執行猶予期間中、保護観察に付されるわけですから、
全部実刑の場合の服役期間より公的機関の監視下に置かれる期間が長くなる
というデメリットが発生します。つまり、上記の例でいうと、全部実刑の場合、満期出所でも2年間の刑期で済むところ、一部執行猶予の場合、実刑の1年6月に加え、2年間保護観察を付されるわけですから、合計で3年6月、公的機関による監視下に置かれることになります。しかも、保護観察所から言われた遵守事項を守らなければ、執行猶予を取り消され、再び
服役しなければならないおそれもあります。
一部執行猶予を選択肢に入れる場合は、こうしたデメリットも考慮して検討しなければなりません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。薬物事件での一部執行猶予獲得をご検討中の方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

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