大麻で逮捕された場合の保釈金の相場はいくら?初犯だと保釈金も変わる?

2026-04-24

大麻で逮捕された後に起訴された場合は保釈請求を行うことができ、裁判所から保釈が認められれば保釈金を納付することで身柄が解放されます。

保釈金の金額は事件の内容や被告人の資力等によって異なり、決まった金額というものはありません。

本記事では、大麻で逮捕された場合の保釈金の相場や保釈金額の設定材料について解説していきます。大麻関連事件における保釈金でよくある質問や、保釈に関して弁護士ができることについても解説していくので、お困りの方はぜひ参考にしてください。

保釈金とは

刑事事件で逮捕・起訴された場合、被告人は原則として身体を拘束された状態で裁判を待つことになります。その拘束を一時的に解く制度が「保釈」です。保釈金は、被告人が逃亡したり証拠を隠滅したりしないための「担保」として、裁判所に預けるお金のことを指します。

保釈金は罰金ではありません。被告人が裁判に出廷し、裁判所のルールを守れば、裁判終了後に全額返還されます。逆に言えば、逃亡や証拠隠滅などの問題行為があった場合には没収されることもあります。

保釈の流れと保釈金の位置づけ

保釈の手続きは、次のような流れで進みます。

  1. 被告人または弁護士が裁判所に保釈請求を行う
  2. 裁判所が保釈の可否と保釈金の金額を決定する
  3. 指定された保釈金を裁判所に納付する
  4. 納付が確認されると、被告人が釈放される

保釈金の金額は、裁判所が個々の事件の内容や被告人の状況を踏まえて決定します。法律上は「逃亡を防ぐのに十分な金額」とされており(刑事訴訟法第93条)、被告人にとって痛手となる金額が設定されるのが一般的です。

大麻関連事件における保釈金の相場

大麻関連事件における保釈金は、一般的に150万〜300万円程度になるケースが多いとされています。ただし、これはあくまでも目安です。所持量が少なく初犯であれば150万円前後になることもあれば、大量所持や密売・栽培が絡む事案では300万円を超えることもあります。

他の刑事事件と比較すると、詐欺や横領などの経済事犯は数百万〜数千万円になることもあり、大麻単純所持の保釈金は比較的低い水準に位置づけられます。一方で、大麻の輸入・輸出・製造が絡む場合は罰則が重く、保釈金も高額になりやすい傾向があります。

「相場は150万〜300万円」と覚えておきつつ、実際の金額は必ず弁護士に確認しましょう。

大麻関連事件における保釈金はどのように設定される?

保釈金の金額は、裁判所が複数の要素を総合的に考慮して決めます。事件の深刻さや被告人の個人的な状況が反映されるため、同じ「大麻事件」であっても金額は一律ではありません。ここでは、保釈金額に影響する主な判断要素を解説します。

所持していた大麻の量

所持量が多いほど、保釈金は高くなる傾向があります。

なぜかというと、所持量が多い場合は「単純使用目的」ではなく「販売・譲渡目的」と判断される可能性が高まり、事件の悪質性が増すからです。裁判所は逃亡リスクを高く見積もり、その分だけ担保となる保釈金を引き上げます。

たとえば、数グラム程度の自己使用目的での所持と、数十グラム〜数百グラム規模の所持では、事件の性質がまったく異なります。後者では起訴内容も「所持」だけでなく「譲渡」や「販売」が加わることもあり、保釈金が大幅に上がることがあります。

所持量は、保釈金を左右する最も基本的な要素のひとつです。

犯した行為の罪の重さ

大麻関連の行為には、法律上さまざまな種類があり、それぞれに異なる罰則が規定されています。

法改正により、これまでの大麻取締法は大麻草の栽培の規制に関する法律へと名称が変更され、大麻の「使用・所持・譲渡」などの罰則規定は麻薬及び向精神薬取締法で規制されることになりました。

営利目的の場合にはより重い刑罰が規定されています。例えば営利目的による所持であれば、1年以上10年以下の拘禁刑(情状により300万円以下の罰金と併科)が科されることになります。
罰則が重い行為ほど、逃亡のリスクが高いと判断され、保釈金も高額になりやすい傾向があります。単純所持と栽培・輸入では、同じ「大麻事件」でも保釈金の水準が大きく変わると考えてください。

初犯か再犯か

初犯と再犯では、保釈金の金額が異なることがほとんどです。再犯の場合は初犯よりも高くなる傾向があります。

裁判所は、過去の前科・前歴を「逃亡リスク」や「証拠隠滅リスク」の判断材料として使います。一度処罰を受けたにもかかわらず再び犯行に及んだという事実は、被告人の「規範意識の低さ」を示す要素として評価されます。その結果、担保として必要な保釈金が引き上げられるわけです。

初犯であれば、反省の態度や身元引受人の存在なども保釈金の軽減につながることがあります。弁護士を通じてこれらの事情を適切に裁判所へ伝えることが、保釈金を低く抑えるための有効な手段のひとつです。

被告人の資力

あまり知られていませんが、保釈金は被告人の資力(経済力)によっても変わります。

保釈金の本来の目的は「逃亡を防ぐための担保」ですから、資産が豊富な人にとって低すぎる金額では抑止力になりません。裁判所は、被告人の収入・財産・生活状況などを考慮し、「この人にとって痛手となる金額」を設定します。

つまり、同じ事件内容であっても、収入が高い人ほど保釈金が高くなることがあります。逆に、経済的に苦しい状況であれば、その事情が考慮されて比較的低い金額になるケースもあります。弁護士は、被告人の資力に関する事情を適切に裁判所へ説明することで、保釈金の金額に働きかけることができます。

大麻関連事件の保釈金に関するQ&A

保釈金について、よく聞かれる疑問をまとめました。制度の詳細を理解することで、いざというときに落ち着いて対応できます。

Q.保釈金の支払い時期は?

A.保釈金を支払うのは、裁判所から保釈が認められた後です。

具体的な流れは次のとおりです。まず、起訴された後に弁護士が裁判所へ保釈請求を行います。裁判所が保釈を認める決定を出すと、同時に保釈金の金額が指定されます。その金額を裁判所に納付して初めて、被告人は釈放されます。

つまり、「保釈金を先に用意しておく」ことが重要です。保釈許可が出てから急いで集めようとすると、釈放が遅れることがあります。弁護士に依頼している場合は、保釈請求の見通しを早めに確認しておきましょう。

Q.保釈金の支払い方法は?

A.保釈金の納付は、被告人本人または家族から弁護士が預かり、代理人として裁判所に納付するのが一般的な方法です。

現金での納付が一般的でしたが、近年では電子納付での保管金の納付が認められています。保釈金の納付はとても重要ですから、弁護士を通じて行うのがよいでしょう。家族が遠方にいる場合や、すぐに現金を用意できない場合も、弁護士が間に入ることでスムーズに手続きが進みます。

自分たちで直接裁判所に持参することも制度上は可能ですが、手続きの正確性や迅速さを考えると、弁護士に任せるほうが安心です。

Q.保釈金が支払えない場合は?

A.保釈金を一括で用意できない場合でも、選択肢があります。それが保釈支援協会による「保釈保証金立替システム」の利用です。

保釈保証金立替システムとは、保釈支援協会が保釈金の全額または一部を立て替えてくれる制度です。被告人や家族は立替手数料(保釈金額の数パーセント程度)を支払うことで、保釈金の全額または一部を立て替えてもらうことができます。立て替えられた保釈金は、裁判終了後に返還された際に協会へ返済します。

ただし、利用には審査があり、すべての人が必ず利用できるわけではありません。まずは弁護士に相談し、利用の可否や手続きの流れを確認してください。

Q.保釈金は没収されることがある?

A.はい、没収(「没取(もっしゅ)」と呼ばれます)される可能性があります。

保釈金が没収される主な事由は以下のとおりです。

保釈は「約束を守ることを前提に認められる自由」です。条件を破れば担保として預けた保釈金は戻ってきません。釈放後も裁判所の指示を守り、弁護士の指導に従って行動することが大切です。

大麻関連事件の保釈において弁護士ができること

大麻関連事件で保釈を目指す場合、弁護士のサポートは非常に重要な役割を果たします。保釈は「請求すれば必ず認められる」ものではなく、裁判所を説得するための法的な主張と証拠が必要です。

弁護士が行う具体的な弁護活動には、以下のものがあります。

① 保釈請求書の作成・提出

逃亡や証拠隠滅のリスクが低いことを示す書面を作成し、裁判所に提出します。被告人の生活状況や反省の態度、身元引受人の存在などを具体的に主張します。

② 保釈金の減額交渉 

被告人の資力や家族の事情を踏まえ、保釈金を現実的な金額に抑えるよう裁判所に働きかけます。適切な主張があれば、当初の見込みより低い金額で保釈が認められることもあります。

③ 身元引受人の調整

家族や関係者と連携し、被告人が釈放後にきちんと生活できる環境を整えます。身元引受人の確保は、裁判所が保釈を認める際の重要な判断材料になります。

④ 保釈後のサポート

 釈放後も、裁判所の条件を守りながら裁判に向けた準備を進めます。保釈中の生活指導や、証人・被害者への不必要な接触を避けるよう助言するのも弁護士の役割です。

⑤ 保釈保証協会の利用手続き 

保釈金の立替制度を利用する場合、必要な書類の準備や手続きを代行します。

逮捕・起訴後は時間との勝負です。一日でも早く弁護士に相談することで、保釈実現の可能性が高まります。

【事務所紹介】大麻関連事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所には、刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。大麻関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。

ここからは、弊所の特徴をご紹介します。

弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件を含む、刑事事件・少年事件に関するご相談であれば24時間365日、土日や夜間でも相談を受け付けています。

お急ぎの方であれば、ご相談を受け付けたその日に弁護士と法律相談することも可能です。

弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応

ご契約を頂いた当日から、刑事事件に強い弁護士がスピード感をもって対応いたします。

また、逮捕、勾留されている方の場合には、初回接見のご依頼を受けてから24時間以内に弁護士を派遣して様々なアドバイス等を差し上げることができます。

弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では薬物事件を含む刑事事件に強い弁護士が多数在籍しております。元検察官や元裁判官の実績を持った弁護士も在籍しており、刑事事件を専門に取り扱っているため、独自のノウハウを有しています。

弊所の特徴④:安心明確な料金体系

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士費用はシンプルで明朗会計。刑事事件・少年事件でお悩みの方が、費用面でご不安に思われることがないように、明確で明朗な弁護士費用を設定しております。

【解決実績】保釈が認められた大麻関連事件

ここからは、実際に弊所が弁護活動の依頼を受けた大麻関連事件をいくつかご紹介します。事案の内容や具体的な弁護活動について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

事例①:大麻所持による逮捕・勾留で保釈決定

本件は、千葉県に住んでいるご依頼者様のご子息が東京に遊びに行った際に職務質問を受けて大麻の所持が発覚した大麻取締法違反事件(現在は麻薬取締法違反に問われます)でした。

警察が行った鑑定により所持していたものが大麻であることが判明したため、東京都内の警察によって逮捕されてしまいましたが、事前に打ち合わせをしていたこともあり、迅速に千葉支部から東京支部の弁護士に担当を変えて対応することができました。

起訴後は速やかに保釈請求を行い、裁判所から保釈を認められたため、公判まで身柄を拘束されることなく帰宅することができました。

また、公判でも結果として執行猶予判決を獲得することができました。

弁護活動の詳細はこちら▼

【お客様の声】職務質問で発覚した大麻取締法違反事件で執行猶予判決を獲得

事例②:大麻所持による逮捕・勾留で保釈決定

本件は、ご依頼者様のご子息が職務質問を受けた際に大麻を所持していたことが発覚したという大麻取締法違反事件(現在は麻薬取締法違反に問われます)でした。鑑定後、大麻であることが発覚しご子息は逮捕されました。

弁護士は起訴後すぐに保釈請求を行い、裁判所から保釈が認められたため、ご子息は公判まで身柄を拘束されることなく自宅に帰ることができました。

公判では、弁護士が裁判官に対して本人が今回の事件について深く反省していることや両親が今後しっかりと監督していくこと等を主張し、結果として執行猶予判決を獲得することができました。

弁護活動の詳細はこちら▼

【お客様の声】大麻取締法違反事件で保釈許可+執行猶予判決を獲得

【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙

実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。

大麻関連事件における保釈金の相場は事案によって異なる

この記事では、大麻関連事件における保釈金の仕組みと相場について解説しました。

大麻事件の保釈金は一般的に150万〜300万円程度が目安とされていますが、所持量・行為の種類・初犯か再犯か・被告人の資力といった要素によって、実際の金額は大きく変わります。「同じ大麻事件だから同じ金額」ではないのです。

また、保釈金は罰金とは異なり、裁判後に返還されるお金です。ただし、逃亡や条件違反があれば没収されるリスクもあります。保釈を実現するためには、弁護士による適切な請求と主張が欠かせません。

家族が逮捕されて保釈を検討している方、保釈金の準備について不安がある方は、できるだけ早く刑事事件を専門とする弁護士に相談することをおすすめします。