大麻で逮捕されたら|大麻に関する刑罰・流れ・対処法を弁護士が解説

2024年12月の法改正により、大麻に関する規制が主に「麻薬及び向精神薬取締法」で規制されるようになりました。法改正により、大麻の所持等の罰則が厳罰化されると共に、新たに使用も罰則の対象となっています。
本記事では、大麻に関係する事件で逮捕された場合の刑罰・逮捕後の流れ・早期釈放のための対処法を、刑事事件専門の弁護士が解説します。
大麻に関する事件で、ご家族が突然逮捕されて何をすべきかわからない方や法改正後の自分の状況が不安な方は、まずは本記事を参考にしてください。
大麻で逮捕されたら知っておくべきこと
大麻事件は所持・使用・譲渡・栽培など行為の種類によって成立する罪と刑罰が異なります。また、2024年12月の法改正により、大麻に関する制度が大きく変わりました。まずは以下の4点を理解しておくことが重要です。
- 刑罰:所持罪は7年以下の拘禁刑、使用も罪となり7年以下の拘禁刑となった(いずれも改正後)
- 法改正:2024年12月12日に「使用罪」が新設され、規制法が、所持等に関しては、大麻取締法から麻薬及び向精神薬取締法に変わった
- 逮捕後の流れ:逮捕→48時間以内に検察送致→24時間以内に勾留請求→勾留最長20日間→起訴・不起訴の決定という流れで進む
- 対処法:逮捕直後から弁護士が接見(面会)し、取り調べ対応・身体解放・不起訴獲得に向けて活動することが重要
以下では各項目を詳しく解説します。不安を抱えている方は、目次から気になる項目に直接飛んでいただいても構いません。
大麻とは|規制している法律と特徴
大麻とはアサ科の植物から得られる物質を指し、主成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール:精神活性作用をもつ成分)が快楽作用や依存性をもたらします。日本では長年「大麻取締法」によって規制されていましたが、2024年12月の法改正によりほとんどが「麻薬及び向精神薬取締法」(以下、麻向法)で規制されるようになりました。
b一般に「マリファナ」「ガンジャ」「ハッシシ」などと呼ばれるものも大麻に含まれます。なお、CBD(カンナビジオール)はTHCとは異なり、それ自体は現在規制対象外ですが、THCを一定量以上含む製品は違法となるので注意してください。
法改正による大麻の罰則の変更点
2024年12月12日に施行された法改正により、大麻に関する規制が大きく変わりました。どういった物(物質)が違法となり、どういった行為が規制対象となるのか見ていきましょう。
「使用罪」の新設|大麻使用も処罰対象に
改正前の大麻取締法では、大麻の「使用」は罪に問われませんでした。しかし、法改正により、大麻の使用(施用)が「7年以下の拘禁刑」という重い法定刑で処罰される罪として新設されました。
つまり、大麻を吸引した・食べた等の行為自体が改正施行日以降は犯罪となるということ。それまでは、大麻の所持や譲渡等で警察が捜査する際の裏付けとなる証拠として、尿検査等によって大麻を使用している事実を証明することはありましたが、大麻の使用自体が罰せられることはありませんでした。
単純所持の罰則が5年から7年に厳罰化
改正前の大麻取締法において大麻の所持罪の法定刑は「5年以下の懲役」でしたが、改正後は7年以下の拘禁刑に引き上げられました。
「拘禁刑」とは、2025年6月施行予定の刑法改正(懲役・禁錮の一本化)に対応した新しい刑の名称です。わかりやすく言えば、これまでの懲役刑と同様に刑務所に収容される刑罰のこと。法定刑が重くなったことで、量刑の相場も厳しくなりつつあります。
規制法が「大麻取締法」から「麻薬及び向精神薬取締法」に移管
大麻に関する規制が「大麻取締法」から「麻薬及び向精神薬取締法」に変わり、この法律の中で「大麻」はコカインやMDMAと同じ枠組みで規制されるようになりました。ちなみに、「大麻取締法」は「大麻草の栽培の規制に関する法律」へと名称を変更し、主に大麻の栽培に関する規制をしています。
「大麻に関係する犯罪で逮捕された」という事実は変わりませんが、適用法律名が変わることで適用罰条も変わるため、法定刑が厳しくなります。実際に裁判で言い渡される処分も厳しくなることを十分に理解しておきましょう。
法改正より前の使用は罪に問われる?
法改正後に大麻の使用が発覚したとしても、法改正前に使用していたのであれば、憲法39条が定める「刑罰法規不遡及の原則」(法律が制定・改正される前の行為に対してさかのぼって罰則を適用してはならないという原則)によって、刑事責任を負うことはありません。
ただ今となっては、法改正から相当期間が経過しているので、法改正前に使用した大麻の成分が採尿した尿から検出されることはないでしょう。
大麻で成立する罪と刑罰
大麻に関係する事件は、行為の内容によって適用される法律や罰条が異なります。まずは自分(またはご家族)の行為が、どういった違反になるのかを把握しておきましょう。大麻に関する主な違法行為については以下のとおりです。
大麻の所持
大麻を所持した場合は、麻薬及び向精神薬取締法の大麻所持罪として7年以下の拘禁刑が法定刑となります。「所持」とは大麻を自分の支配下に置いている状態を意味し、ポケットに入れている等実際に所持している場合はもちろん、自室の引き出しや車の中に隠してある場合も、実質的な支配下にあるとして所持罪に問われる可能性があります。
所持している大麻の量や、その目的(自己使用目的か営利目的か)によって、適用される罰条が異なり、法定刑も変わります。自己使用目的の単純な所持であれば、初犯の場合は執行猶予付きの判決となることが大半です。しかし、押収された大麻の量が大量の場合等は営利の目的を疑われることになり、初犯でも実刑判決の可能性は少なくありません。
大麻の使用
2024年12月12日の改正施行後、大麻の使用についても刑事罰の対象となりました。大麻使用における法定刑は7年以下の拘禁刑です。使用罪は新設されたばかりの罪であるため、量刑の運用実績がまだ蓄積されていませんが、他の薬物使用罪(覚醒剤使用罪等)の相場を参考にすると、初犯であれば執行猶予が付く可能性が高いと考えられるでしょう。
使用の立証は主に尿検査で行われます。体内から大麻成分が検出されれば、所持の証拠がなくても使用罪で立件される可能性があります。
大麻の譲渡・譲受
大麻を人に渡す(譲渡)・他人から受け取る(譲受)行為も麻薬及び向精神薬取締法違反となります。
法定刑は所持罪と同じ7年以下の拘禁刑ですが、譲渡の場合でお金を受け取っていれば、当然「営利目的」が疑われます。『売っている=営利目的』として立件されるわけではありませんが、営利目的と認定されると法定刑が「1年以上10年以下の拘禁刑情状により300万円以下の罰金を併科」と厳罰され、初犯でも実刑判決となる可能性が高くなることは理解しておきましょう。
大麻の栽培
大麻の栽培に関しては、麻薬及び向精神薬取締法ではなく「大麻草の栽培の規制に関する法律」が適用されます。この法律で大麻の栽培が規制されており、みだりに大麻を栽培すると「1年以上10年以下の拘禁刑」が科せられる可能性があります。
また、栽培についても営利目的と認定されると厳罰化され、その法定刑は「1年以上の有期拘禁刑に処し、又は情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金」と厳罰化されるので注意してください。
大麻の輸出入・製造
大麻を日本に持ち込む(輸入)・日本から持ち出す(輸出)行為は、単純な所持や使用、譲受渡よりも厳しく罰せられます。
大麻の輸出入における法定刑は1年以上10年以下の拘禁刑。海外旅行先で購入した大麻製品を手荷物に入れて帰国したところ、入国審査の際に発見されるというケースでも輸入罪となるので、海外で購入した商品を日本に持ち帰る時は、大麻成分が含有されていないか特に注意が必要です。
営利目的だとさらに刑が重くなる
大麻を規制している麻薬及び向精神薬取締法や大麻草の栽培の規制に関する法律では、営利目的をもっての違法行為については、その処罰を厳罰化しています。
大麻の量が多いことや金品のやり取りがあったからといって、それだけで営利の目的が認められるわけではありません。ですが、そういった場合は営利目的で立件される可能性があるので、取調べの際の供述内容に注意してください。
営利目的は初犯であっても実刑判決の可能性が高いことを理解し、その後の手続きには慎重に対応することをお勧めします。
大麻で逮捕されると初犯でも実刑になる?
大麻事件における量刑(実際に科される刑の重さ)は、初犯か再犯か・行為の種類・量・営利目的の有無・本人の反省態度などによって変わります。
初犯の単純所持であれば執行猶予がつく可能性が非常に高い一方、営利目的が認められると初犯でも実刑となる可能性があることを理解しておきましょう。
初犯の単純所持なら執行猶予がつく可能性が高い
執行猶予とは、数年の拘禁刑が言い渡されるものの、一定期間刑の執行が猶予され、その間に犯罪を犯さなければ刑の執行が免除されるといった刑法25条に規定されている手続きを指します。
初犯の大麻事件(単純所持)であれば裁判で執行猶予付き判決が言い渡されることが大半のケース。ですが、営利目的と認定されてしまうと執行猶予付き判決が言い渡される可能性は低くなります。
初犯でも実刑判決になるケース
初犯であっても、以下のような事情がある場合は実刑となる可能性があります。
- 大量所持や販売行為によって、営利目的と認定された場合
- 大量の輸出入(密輸)が伴う場合
- 栽培規模が大きく、常習性・組織性が疑われる場合
- 他の犯罪との競合(例:窃盗・傷害)がある場合
初犯だからといって必ず執行猶予が付くわけではありません。事件の内容によっては初犯でも実刑判決となる可能性があることに注意してください。
2回目以降の逮捕では実刑になりやすい
過去に大麻事件で有罪判決を受けたことがある場合、再度の執行猶予(刑法25条2項)が認められるためには厳格な要件を満たす必要があり、実務上は実刑判決となるケースが多くなります。
特に、前回の執行猶予期間中に再び逮捕された場合は執行猶予が取り消されて前回の刑と今回の刑が合算されて服役しなければなりません。
大麻使用罪の場合の量刑見通し
大麻使用罪は2024年12月に新設されたばかりであり、現時点では量刑の蓄積が多くありません。参考として、覚醒剤使用罪(覚醒剤取締法41条の3)では、初犯であれば執行猶予付き判決が多い傾向があります。
大麻使用罪についても同様の運用がなされているようですが、不安のある方は早めに弁護士に相談しましょう。
大麻で逮捕された後の流れ
大麻で逮捕された後の刑事手続きは、法律によって時間が厳密に定められています。起訴されて刑事裁判に発展すると、逮捕から判決が言い渡されるまで3か月以上かかることも。そのため、まずは全体の流れを把握しておくことが重要です。
逮捕から72時間|警察による取り調べと送検
逮捕されると、まず警察の留置場に収容されます。警察は逮捕から48時間以内に検察官へ事件を送致(送検)し、検察官はそこから24時間以内に勾留を請求するか、釈放するかを判断しなければなりません。つまり、逮捕から最長72時間以内に勾留が決定します。
この72時間が最も重要な時間帯です。家族は面会できませんが、弁護士はこの段階から接見(弁護士が留置中の被疑者と面会すること)が可能。早期に接見することで取り調べでの不利な供述を防ぎ、勾留阻止に向けた活動ができます。
勾留決定から最長20日間|起訴・不起訴が決まるまで
検察官が勾留を請求して裁判官が勾留を決定すると、そのまま警察署の留置場に収容されて警察等の取調べを受けることになります。勾留期間は原則10日間で、やむを得ない事由がある場合はさらに最長10日間延長できます(刑事訴訟法208条)。つまり、逮捕から最長で23日間(72時間+勾留最長20日)の身体拘束が続くかもしれません。
この期間中に検察官が証拠を固め、起訴するか不起訴にするかを決定します。薬物事件では「接見禁止」(家族を含む外部との面会・文通を禁じる処分)がつくこともあり、弁護士以外とのコンタクトが遮断される場合もあります。
起訴された場合|刑事裁判から判決まで
検察官が起訴を決定すると、被疑者から被告人に身分が変わり、刑事裁判に向けた手続きが始まります。起訴後の身体拘束(起訴後勾留)は原則として2か月ごとに更新されます。保釈(起訴後に保証金を納付して釈放してもらう手続き)が認められれば釈放されますが、供述内容や事件の内容によっては、保釈が認められることは容易ではありません。
刑事裁判では、検察官が証拠を提示し有罪を立証しようとするのに対し、弁護士が反論・証拠を提出します。判決まで数か月かかることが多く、量刑交渉・情状証人の準備などを通じて少しでも有利な判決を得るための活動が重要になります。
不起訴になった場合|釈放と前科の扱い
検察官が起訴しないと判断した場合(不起訴処分)、身柄は直ちに釈放されます。不起訴処分には、主に「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」などの種類があり、いずれも刑事裁判にはなりません。
また、不起訴処分では前科(有罪の確定判決を受けた記録)はつきません。ただし、前歴(被疑者として捜査された記録)は残るため注意してください。
弁護士が早期介入することによって早期釈放や不起訴処分が実現する可能性が出てきます。なので、ご家族等が大麻関連の事件で逮捕された場合は早急に弁護士に相談することをお勧めします。
大麻で逮捕されるパターンと発覚のきっかけ
大麻事件は、どのような状況で発覚するかによって捜査の展開や証拠の状況が大きく異なります。発覚のパターンを知ることは、今後の手続きの流れや処分の見通しを知る上で非常に重要となるため、ここで確認しておきましょう。
職務質問・所持品検査で発覚
警察官による職務質問が大麻所持発覚の端緒となることはよくあるケース。不審な行動・深夜徘徊・車中での不審な動きなどがきっかけで声をかけられ、所持品検査の同意を求められた際に大麻が見つかるケースが多くあります。
職務質問の現場で「同意なく」荷物を開けることは違法ですが、実際には同意を求められた際に断るのが難しい状況になることもあります。
家宅捜索で発覚
警察が裁判官から捜索差押許可状(家宅捜索令状)を取得し、自宅や職場に踏み込む家宅捜索(かたくそうさく)によって大麻が発見されるケースも少なくありません。
SNSでの売買情報・通報・別件捜査の過程で令状が取られることが多く、捜索前から警察がある程度の情報をつかんでいる状態で行われます。
共犯者・売人の供述から発覚
大麻の入手先(売人)が逮捕された際に、その供述の中で購入者として名前が出ることで発覚するケースがあります。「売人から買っただけ」という立場であっても、購入したという事実が捜査の端緒となり、先述した家宅捜索へと発展します。
また、一緒に使用していた知人・友人が先に逮捕され、その供述で芋づる式に発覚するパターンも少なくありません。自分が大麻を譲り渡した相手が警察に逮捕されているパターンに関しては、家宅捜索前に逮捕される事もあるので注意が必要です。
大麻草の栽培が近隣・通報で発覚
自宅のベランダや室内で大麻草を栽培していた場合、近隣住民からの通報や特有のにおいによって発覚するケースがあります。
植物育成用のLEDライトを大量に購入した・特異な電力消費が見られたといった間接的な情報が捜査機関の目を引くこともあります。栽培が発覚した場合、同時に所持罪・使用罪の捜査も並行して行われる可能性があります。
税関・国際郵便で発覚
海外旅行の帰国時に税関で手荷物や預け荷物の検査を受ける際、大麻製品が発見されて逮捕されるケースがあります。
また、海外から大麻製品を国際郵便で発送・受領しようとした際に税関で発覚するケースも。この場合は輸入罪が適用されるため、単純所持より重い罪に問われます。
家族が大麻で逮捕されたらやるべきこと
家族が突然逮捕されたという連絡を受けた際に強い動揺を感じるのは当然のこと。しかし、逮捕直後の72時間は弁護活動において最も重要な時間帯であるため、冷静に優先順位をつけて行動する必要があります。
①刑事事件専門の弁護士に連絡する
最初にすべきことは弁護士への連絡です。逮捕から送検までの72時間以内に弁護士が接見(留置中の本人と面会)できれば、取り調べでの不利な供述を防ぐアドバイスが可能になります。また、勾留阻止・接見禁止解除など、早期釈放に向けた活動もこの段階から始まります。
弁護士の選任は、家族(弁護人選任権者)が代わりに行うことができます。逮捕直後の段階では国選弁護人(公費で選任される弁護士)の利用はできません。そのため、早期弁護活動を希望するのであれば、私選弁護士(自費で依頼する弁護士)への連絡が必要です。
②本人の留置場所と容疑内容を確認する
弁護士に連絡する際には、本人がどの警察署に留置されているか・どのような容疑(大麻所持か使用か等)で逮捕されているかを伝える必要があります。
逮捕した警察署から家族に電話連絡が来る場合もありますが、留置先の警察署名・電話番号をメモしておき、弁護士に正確に伝えてください。
③本人や報道機関に余計な発信をしない
SNSへの書き込み・マスコミへのコメント・職場や知人への不用意な情報共有は、本人の社会的信用を必要以上に傷つけたり捜査に影響を与えたりするリスクがあります。
感情的な動揺があったとしても、外部への発信は弁護士と相談してから行うようにしてください。
大麻リキッド・グミ・CBDオイル等も規制対象?
近年、大麻の使用形態が多様化しており、「これは大麻に当たるのか」という疑問が生じるケースが増えています。形態によらず、大麻成分(THC)を含む製品はすべて規制対象となります。
大麻リキッドは「所持罪」の対象
電子タバコ等に使用する大麻リキッドは、THCを含む液体製品として大麻所持罪の対象となります。液体であること・量が少ないこと・「電子タバコ用」と説明されていることによって罪を免れるとは限りません。
大麻リキッドを所持していた場合は、草の形態の大麻を所持した場合と同様に所持罪が適用されます。
大麻グミ・大麻クッキー等の食用品
THCを含む食用品(グミ・クッキー・チョコレート等)も、大麻の加工製品として規制対象です。「食べ物だから大麻ではない」という認識は誤りで、所持しているだけで大麻所持罪が成立し得るため注意してください。
海外ではこれらの製品が合法的に販売されている国・地域もありますが、日本に持ち込んだ時点で輸入罪に問われます。
CBDオイルとTHC含有製品の違い
CBD(カンナビジオール)は大麻草由来の成分ですが、THCとは異なり精神活性作用がなく、現在の日本の法令ではCBD自体は規制対象外です。ただし、THCが一定の残留限度値を超えて含まれている場合は麻薬として扱われます。
問題は、市場に流通するCBD製品の中に表示上はCBDのみとされていながらTHCが混入しているものが存在すること。特に海外から輸入されたCBD製品はこのリスクが高く、知らずに所持・使用していても「知らなかった」という主張だけでは免責されない場合があります。
海外で購入した大麻製品を持ち込んだ場合
大麻が合法化されている国・地域(カナダ・オランダ・米国の一部州等)で購入・使用した製品であっても、日本に持ち込んだ時点で輸入罪が成立します。
「向こうでは合法だった」という事実は日本の刑事手続きにおいて無罪の根拠にはなりません。また、海外での使用については、後述するFAQ(Q4)でも触れますが、国外犯として処罰される可能性があります。
大麻事件で弁護士ができる弁護活動
大麻事件において弁護士ができることは幅広く、逮捕直後から判決後まで一貫したサポートが可能です。弁護士の早期介入が、事件の結果を大きく左右します。
早期の身体解放(釈放・保釈)に向けた活動
一日でも早く身体拘束から解放してもらうことは、逮捕されている方やご家族にとって非常に重要なところ。弁護士は、勾留請求段階では検察官・裁判官への意見書提出や準抗告(勾留決定に不服を申し立てる手続き)を行い、早期釈放を目指します。
また、起訴後は保釈請求を行い、裁判が始まる前に社会復帰できるよう活動することができます。
不起訴処分の獲得に向けた活動
検察官が起訴・不起訴を判断する勾留期間中に、本人の反省・更生の意思・再犯防止策などを盛り込んだ意見書を提出して弁護士側の意見を主張することもできます。
初犯・少量・自己使用目的のケースでは、弁護士が適切に事情を伝えることで起訴猶予による不起訴処分が得られる可能性があります。不起訴処分になれば裁判は開かれず、前科もつきません。
執行猶予判決の獲得に向けた活動
罪を認めている場合、起訴された後は量刑を少しでも有利にするための情状弁護(犯罪の事情や本人の属性・反省などを裁判所に伝えて刑を軽くするための弁護活動)を行います。
具体的には、本人の反省文・家族の監督誓約書・薬物依存治療機関との連携・社会復帰計画の提示など。これらを通じて、執行猶予付き判決を目指します。
否認事件における無罪・嫌疑なし獲得に向けた活動
大麻を所持していた事実がない・大麻と知らずに所持させられていた(いわゆる「はめられた」ケース)など、無罪である可能性がある場合は否認事件として徹底的に争います。
大麻の「占有意思」(自分のために所持しているという認識)がなければ所持罪は成立しません。認識の有無を証明するための証拠収集・証人確保が弁護の中心となります。
薬物依存からの脱却に向けた更生サポート
大麻への依存が認められる場合は、薬物依存治療機関(ダルクなどの回復支援施設・精神科・クリニック)と連携し、更生・治療計画を裁判所に示すことで量刑に有利な事情として考慮される可能性もあります。
再犯防止に向けた具体的な取り組みは、不起訴・執行猶予の判断において重視されるポイントの一つ。弁護士はそういった更生サポートを行うこともできます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では即日接見・24時間365日受付中
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件に精通した専門の弁護士が多数在籍しています。薬物関連事件にも強く、多くのご依頼を受けてきました。
大麻事件は逮捕後72時間以内の弁護活動が極めて重要。その時間帯に弁護士が動けるかどうかが、その後の事件の流れを大きく左右します。弊所ではご相談を受けた際の即日接見やご相談に関するお電話を24時間365日受け付けております。
ご相談からご依頼までの流れ(最短即日)
弊所では、弁護士を逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスを提供しております。初回接見サービスのご予約は24時間年中無休で承っておりますので、まずは弊所フリーダイヤルまでお気軽にお問い合わせください。
基本的には、ご予約いただいたその日のうちに逮捕されている方のもとに弁護士を派遣し、接見した上で結果をご家族様に報告させていただくと共に、今後の弁護活動のプランを提供いたします。
全国対応・初回接見の費用と内容
初回接見サービスについては全国対応しており、弊所の支部がない県についても対応可能。「私の住んでいる県には事務所がないから、、」と諦めず、まずはフリーダイヤルにお問い合わせください。
初回接見サービスの費用については事務所から片道2時間以内であれば交通費込みで33,000円となります。
その他の料金詳細については弊所HPをご覧ください▼
夜間・休日・土日でも対応可能
初回接見サービスについては、24時間365日、何時でも、何処からでもご予約を受け付けております。GW等の大型連休中でも、お盆・お正月の期間であってもご予約可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
大麻事件における当事務所の解決事例
ここからは、実際に弊所が弁護活動の依頼を受けた大麻関連事件をいくつかご紹介します。事案の内容や具体的な弁護活動について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
事例1:初犯の大麻所持で執行猶予を獲得したケース
友人とクラブに行った帰り道で職務質問を受け、その場でカバンの中に入れていた乾燥大麻が発見、押収されたというケースです。鑑定結果が出て後日警察に逮捕されたこともあり、ご家族から依頼を受けて弁護活動を開始しました。
逮捕時から所持の事実を認め、入手経路等について正直に供述していたことから、本ケースでは大麻所持の事実で起訴されています。
担当弁護士は公判で、本人が常習的に大麻を使用しているわけではなく、今後、家族が監視監督して更生に向けて取り組む旨を裁判で主張し、結果として執行猶予付きの判決を獲得することに成功しています。
事例2:身に覚えのない大麻所持で不起訴を獲得したケース
友達と共に自分の車に乗車していた際に職務質問されて、車内から乾燥大麻が発見されて警察に押収されたというケースです。鑑定結果が出るまでの間に帰宅することはできましたが、このままでは警察に逮捕されるのではないかと不安になり弊所に依頼していただくことになりました。
本人は車内に大麻があることすら認識しておらず、当然、自分の大麻所持の事実を否認していました。警察に逮捕されてからもその供述内容に変わりはなく、一貫して否認を貫き通したところ、本ケースでは不起訴処分の獲得に成功しています。
事例3:早期接見により勾留請求を阻止したケース
大麻所持で逮捕された後、ご家族から「一日でも早く釈放してあげてほしい」という希望のもと依頼をしていただいたケースです。担当弁護士は、ご家族の希望が叶うように、契約後すぐに早期釈放を求める活動を行いました。
本ケースでは逮捕の2日後に検察庁に送致され、検察官によって勾留が請求されましたが、弁護士は、所持していた大麻はすでに警察に押収されている上に大麻所持の事実を素直に認めていることから証拠隠滅のおそれがなく、家族が監視監督を約束していることから逃走のおそれがないことを主張しました。また、今後の捜査についても決められた日時に出頭して協力する旨を本人に誓約してもらい、その旨についても裁判官に主張しています。
こういった事実が考慮されて、検察官が請求した勾留は認められず、逮捕2日後に釈放されるといった早期釈放を実現することができました。
大麻で逮捕された場合の影響
大麻事件では刑事手続きの結果だけでなく、職場・学校・家族関係への影響も大きな不安要素。社会的な影響の現実と対応策についても確認しておきましょう。
会社に知られた場合の影響と解雇リスク
逮捕・起訴の事実は、原則として会社に通知されるわけではありません。しかし、勾留期間中の長期欠勤・休職によって会社が状況を知るケースや、報道されることで発覚するケースがあります。
また、就業規則に「逮捕された場合は解雇」と定めている会社も多く、特に公務員・資格職・金融機関等では懲戒免職のリスクが少なくありません。弁護士の早期介入によって勾留期間を短縮したり、不起訴処分を獲得したりすることで、職場への影響を最小限に抑えられる可能性があります。
学校に知られた場合の影響(大学生・未成年)
大学生や未成年の場合、逮捕の事実が学校に発覚すると退学・停学処分のリスクがあります。
警察から学校側に通報があったり報道によって発覚したり、最近ではSNSで情報が拡散されたりと学校が事件を認知するケースは様々。早期に弁護士が介入しておくことで、軽い処分で手続きを終えて退学を免れることができたり、学校側の処分に対して弁護士が交渉することもできます。
報道される可能性と実名公表のリスク
一般市民が大麻事件で逮捕された場合、報道されるかどうかはケースによります。有名人・著名人・公職者・大規模な密売事案などは報道されやすい一方、一般市民の初犯・少量所持については報道されないことが多い傾向にあります。
ただし、確実に報道されないわけではなく、事前に報道されるかどうかを保証することはできません。
前科がついた場合の将来への影響
前科がつくと、一定の資格・職業に就けなくなる可能性があるので注意してください。医師・弁護士・教員免許などの国家資格では欠格事由となる場合があり、公務員試験・就職活動において不利になるリスクがあります。
また、前科は前述の再犯リスクにも影響し、次に事件を起こした際の量刑が重くなります。不起訴・執行猶予獲得を目指す弁護活動は将来の生活を守るうえでも非常に重要です。
【FAQ】大麻の逮捕に関するよくある質問
Q1:法改正より前に大麻を使用していた場合、罪に問われますか?
憲法39条が定める「刑罰法規不遡及の原則」により、改正法施行前(2024年12月12日より前)の使用行為について、改正後の使用罪で処罰されることはありません。
ただ今となっては、法改正から相当期間が経過しているので、法改正前に使用した大麻の成分が、最近、採尿した尿から検出されることはないでしょう。
Q2:大麻で逮捕されたら初犯でも実刑になりますか?
自己使用目的の単純所持であれば、執行猶予付き判決となると考えても問題ありません。
一方、営利目的・大量所持・常習性が認められると初犯でも実刑になり得るため注意してください。2024年12月の法改正により単純所持の法定刑が7年以下の拘禁刑に引き上げられたため、今後の量刑相場は変動する可能性があります。
Q3:CBDオイルやCBD製品は違法ですか?
CBD(カンナビジオール)自体は現在の日本法では規制対象外ですが、THC(テトラヒドロカンナビノール)が政令で定める残留限度値を超えて含まれている場合は麻薬として取り扱われます。
海外製のCBD製品にはTHCが混入しているものがあり、輸入時に税関で発覚するケースも少なくありません。「CBDと書いてあれば安全」とは言えないため、製品の成分を慎重に確認する必要があります。
Q4:海外で合法に大麻を使用しました。日本で罪に問われますか?
改正麻向法には日本国民の国外犯処罰規定が定められていますが、使用については、大麻の使用を合法としている国や地域で使用しているのであれば、帰国後に罪に問うことはできません。
Q5:家族が大麻で逮捕されました。本人と面会できますか?
逮捕直後の72時間(送検前)は、家族であっても本人と面会することができないのが原則です。
勾留決定後は家族の面会が可能ですが、薬物事件では接見禁止がつくことが多く、接見禁止となれば家族でも面会することはできません。ですが、弁護士は接見禁止の有無にかかわらずいつでも本人と面会できるため、弁護士接見を通じて本人の状況を把握し、伝言することが可能です。
Q6:大麻所持の身に覚えが全くありません。どうすればよいですか?
取り調べでは黙秘権(自分に不利な供述をしなくてよい権利)が認められており、身に覚えがない場合は安易に認める供述をしないことが極めて重要です。
大麻所持の故意がなければ所持罪は成立しない可能性がありますので、供述する前に必ず弁護士に相談してください。
Q7:大麻で逮捕されると会社や学校にバレますか?
逮捕された事実が自動的に会社や学校に通知される仕組みはありませんが、勾留中の長期欠勤・欠席や報道がきっかけで発覚するケースがあります。
特に未成年・学生の場合は学校への影響も大きいため、早期の身体解放と弁護活動が非常に重要なポイント。弁護士を通じて状況の悪化を防ぐための対応策を検討することをお勧めします。
大麻で逮捕されたら早急に弁護士へ相談を
大麻事件は、2024年12月の法改正によって使用罪が新設されるなど、規制が大きく変わっています。どういった違法行為をしたのかによって成立する罪と刑罰は異なり、初犯でも状況次第では実刑のリスクが生じます。
逮捕後の流れは法律で時間が厳密に定められており、弁護士が早期に動けるかどうかが早期釈放・不起訴・執行猶予の獲得を左右します。
本記事のポイントを整理しましょう。
- 2024年12月12日の法改正で「使用罪」が新設され、単純所持の法定刑も7年以下の拘禁刑に厳罰化された
- 初犯で、単純所持であれば執行猶予の可能性があるが、営利目的・大量所持・再犯では実刑のリスクが高まる
- 逮捕から72時間以内の弁護士接見が、その後の展開を大きく左右する
- ご家族が逮捕された場合は、まず弁護士に連絡して、逮捕された人のもとに弁護士を派遣することが大切
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、大麻事件を含む刑事事件・少年事件を専門に扱っています。初回相談は無料、24時間365日対応で即日接見も可能です。「今すぐ動けるか」が重要な刑事事件において、一人で抱え込まずにまずはご連絡ください。