MDMAと職務質問

2021-04-08

MDMAと職務質問について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

男性のAさんは、市内を巡回中の警察官に職務質問を受けました。その際に、Aさんの言動や挙動が怪しいと感じた警察官は、Aさんにカバンとポケットの中身を全て見せるよう言いました。すると、Aさんのズボンのポケットの中からMDMAが見つかったため、Aさんは、MDMAの所持の容疑で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~MDMA所持と罰則~

MDMA(別称としてエクスタシー、ペケなど)と呼ばれる薬物は、向精神薬及び麻薬取締法とその関連政令により規制されている麻薬の一種です。
MDMAは、高揚感や共感性が増大する一方、幻覚・幻聴や脳の神経の破壊といった著しい副作用を持つ非常に危険なものです。
MDMAを所持した場合、7年以下の懲役(営利目的なら1年以上10年以下の懲役および情状により300万円以下の罰金の併科)という重い刑が科されるおそれがあります。

厚生労働省によると、MDMAをはじめとする錠剤型合成麻薬は、数ある薬物の中で例年最も押収量が多い薬物のようです。
「若者の間で流行っている」などという言葉に乗せられると、依存症などにより取り返しのつかない事態になりかねません。

~薬物事件と職務質問~

上記事例のAさんは、警察の職務質問をきっかけに所持品検査を受けた結果、MDMAの所持が発覚し、「麻薬取締法違反」容疑で逮捕されてしまいました。

本来、職務質問も所持品検査も、強制力のある捜査ではなく、任意で行われる捜査なのです。
ですが警察官は、任意の捜査であるとは説明をしないため、職務質問には当然従うべきものであるかのような口ぶりで半強制的に質問や所持品検査をしたり、もし従わなければしつこくついてきたり、応援を呼ぶようなこともあります。
その際に、職務質問を拒否しようとしてあまり過激な態度を取ってしまうと、今度はその態度の裏に何かあるのでは、と疑われてしまうおそれもあります。
もし、警察官を突き飛ばしたり、掴まれた腕を振りほどいたりすると公務執行妨害罪で逮捕されてしまうおそれもありますので、職務質問への対応には注意が必要です。

また職務質問に関しては、インターネット上で「職務質問 対策」や「職務質問 回避」で検索をすると、職務質問に対するブログや動画が出てきますが、鵜呑みにしてブログや動画と同じような態度を取ってしまうと、逆効果になってしまうことも考えられます。
ですので、職務質問を受けて後日、警察への呼び出しが決まったり、逮捕されてしまった場合には、早い段階で弁護士に相談・依頼をすることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件などの刑事事件を専門で扱っている法律事務所です。MDMAの所持で逮捕されてお困り方、職務質問等の対応にご心配の方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。