釈放してほしい

大麻所持で逮捕|初犯なら釈放される?勾留・起訴を避けるためには

2026-03-10

大麻を所持していたことで警察に逮捕されてしまった—。

初めて薬物事件に巻き込まれたとき、誰もが「いつ釈放されるのか」「このまま刑務所に入るのか」と不安に駆られるでしょう。家族や友人から「初犯なら釈放されるって聞いたけど本当?」と相談を受けた方もいるかもしれません。

実は大麻所持の初犯であっても、逮捕後すぐに釈放されるとは限りません。この記事では、大麻所持で逮捕された後の流れ、釈放の可能性、そして弁護士に相談すべき理由について詳しく解説します。

大麻所持で逮捕されたらどうなる?逮捕後の基本的な流れ

大麻所持逮捕された場合、刑事手続きは段階的に進行します。逮捕は刑事手続きの始まりに過ぎず、その後の対応次第で釈放の可能性や処分の内容が大きく変わることを理解しておきましょう。

ここでは逮捕から起訴までの基本的な流れと、各段階での身体拘束の期間について説明します。

逮捕から48時間以内:警察による取り調べ

逮捕されると、まず警察署に連行され、取り調べを受けます。この段階での身体拘束は最長48時間です。

警察は容疑者から事情を聴き、証拠を収集します。大麻の所持量、入手経路、使用の有無など事件に関するものだけでなく、容疑者の身上関係(生い立ちや生活状況等)が主な聴取内容となるでしょう。取り調べの結果、警察は48時間以内に検察官へ事件を送致するか、釈放するかを判断します。

ただし、この段階での釈放は証拠が不十分な場合や逮捕手続きに不備がある場合など、非常に限られたケースに限られます。初犯であっても、大麻の現物が押収されているような場合などは、そのまま検察官へ送致されることが一般的です。

送検後24時間以内:検察官による判断

警察から送致を受けた検察官は、24時間以内に勾留請求をするか、釈放するかを決定します。

検察官は証拠の内容、容疑者の供述、逃亡や証拠隠滅のおそれなどを総合的に考慮して判断を下します。初犯で所持量が少量、かつ本人が罪を認めており、家族などの監督者がいる場合は、この段階で釈放される可能性もゼロではありませんが、可能性は低いでしょう

実際には、大麻事件では証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断されやすく、多くのケースで勾留請求がなされます。

勾留決定後:最長20日間の身柄拘束

検察官の勾留請求を受けて、裁判官が勾留の可否を判断します。勾留が認められると、最初の10日間、さらに必要があれば延長10日間、合計で最長20日間の身体拘束が可能になります。

この期間中、警察と検察は本格的な捜査を進めます。家宅捜索、関係者への聴取、携帯電話の解析なども行われる可能性があるでしょう。

勾留中は原則として留置施設から出られませんが、弁護士との接見は可能です。この段階で適切な弁護活動を受けることが、その後の処分に大きく影響します。

起訴か不起訴か:最終的な処分の決定

勾留期間満了までに、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。

所持量が少量だったり、証拠が不十分な場合など、検察官がその後の裁判で確実に有罪を得られないと判断した場合は不起訴処分となる可能性もあります。不起訴になれば即座に釈放され、前科もつきません。

一方、起訴されると公判が開かれることになります。麻薬及び向精神薬取締法(大麻の所持)の法定刑は7年以下の拘禁刑ですが、初犯の場合は執行猶予付き判決となるケースがほとんどです。

初犯でも釈放されないケースとは?身体拘束が続く理由

「初犯なら釈放される」と思っている方も多いかもしれませんが、これは必ずしも正しくありません。初犯であっても、特定の条件下では身体拘束が長期化します。

ここでは、どのような場合に釈放が難しくなるのか、具体的な理由を見ていきましょう。

証拠隠滅のおそれがあると判断される場合

大麻事件では、共犯者への口裏合わせや、残っている大麻の処分など、証拠隠滅の可能性が常につきまといます。

特に以下のようなケースでは、証拠隠滅の可能性が高いと判断されやすいでしょう。

こうした状況では、裁判官も勾留を認めざるを得ません。証拠保全が刑事手続きの基本だからです。

逃亡のおそれがあると判断される場合

住所不定、定職についていない、家族との関係が希薄などの事情があると、逃亡の可能性があると判断されます。

大麻所持の法定刑は決して軽くありません。所持している大麻の量が多く営利目的を疑われている場合は実刑判決の可能性もゼロではないため、裁判所は「逃げるかもしれない」と慎重に判断します。

以下のような場合、逃亡可能性が高いとみなされやすいでしょう。

逆に言えば、安定した住居と仕事があり、家族の監督が期待できる場合は、釈放の可能性が高まります。

所持量が多い、または営利目的が疑われる場合

大麻の所持量が多い場合や、営利目的での所持が疑われる場合は、罪が重くなります。

初犯の単純所持であれば執行猶予の可能性が非常に高いですが、営利目的となると初犯であっても実刑判決の可能性があり、釈放のハードルは格段に上がるでしょう。

具体的には以下のような状況です。

このような場合、捜査機関は「単純所持ではなく、譲渡や販売を目的(営利目的)としていた」と判断し、より厳しい処分を求めます。

罪を認めない、または供述が二転三転する場合

取り調べで罪を認めなかったり、供述内容が変わったりすると、身体拘束が長引きやすくなります。

警察や検察は「罪を認めない・黙秘する=証拠隠滅や逃亡の可能性が高い」と判断しがちです。もちろん、本当に無実であれば堂々と否認すべきですが、事実と異なる供述をしたり、あいまいな弁解を繰り返したりすることは逆効果になる可能性が高く、警察や検察の疑いは増すばかりでしょう。

一方、事実を認め、反省の態度を示し、再犯防止策を具体的に説明できれば、早期釈放の可能性が高まります。

釈放を実現するために:弁護士ができること

大麻所持で逮捕された場合、弁護士に依頼することで釈放の可能性を大きく高められます。では具体的に、弁護士はどのような活動をするのでしょうか?

ここでは、弁護士が果たす重要な役割について詳しく見ていきましょう。

勾留阻止・勾留取消しの活動

逮捕後、検察官が勾留請求をした場合でも、弁護士が裁判官に対して「勾留の必要がない」と主張することで、勾留を阻止できる可能性があります。

具体的には、勾留請求前に、検察庁や裁判所に対して意見書を提出し、以下のような点を強調します。

すでに勾留が決定している場合でも、勾留取消請求や準抗告という手続きで、早期釈放を求めることができます。

どの段階でこういった釈放を求める手続きをするかはタイミングが重要なため、逮捕直後から弁護士に相談することが望ましいでしょう。

保釈請求の申立て

起訴された後は、保釈請求によって釈放を目指します。

保釈とは、保釈金を納めることで、判決が出るまでの間、釈放してもらう制度です。大麻所持の初犯であれば、保釈が認められる可能性は比較的高いでしょう。

弁護士は保釈請求書を裁判所に提出し、以下のような点を主張します。

保釈金の額は起訴された事件の内容や被告人の経済状況によって異なりますが、大麻所持の初犯であれば150万円から200万円程度が一般的です。保釈後は指定された期日に裁判所へ出廷し公判を受けながら、判決を待つことになります。

不起訴を目指した活動

麻薬及び向精神薬取締法(大麻の所持)は被害者のいない犯罪ですが、それでも不起訴を目指すための弁護活動は可能です。

検察官に意見書を提出

弁護士は検察官に対し、以下のような内容を記載した意見書を提出し、不起訴処分を求めることができます。

特に重要なのが環境調整です。薬物依存がある場合は専門の医療機関への通院、家族との関係修復、生活習慣の見直しなど、具体的な再犯防止策を示すことで、検察官の判断に影響を与えられる可能性があります。

またこれまでの捜査において、警察や検察の不適切な取り扱いや、違法な手続きがある場合は、そういった違法捜査を訴え、不起訴を求めることもあります。

本人との接見・取調べに対するアドバイス

逮捕直後、原則として勾留が決まるまでは家族であっても面会が禁止されます。勾留が決定した場合でも手紙や面会の回数や時間、内容などは制限されるので、勾留中は不安と孤独の中で取り調べを受けることになります。(接見等禁止が付されている場合は手紙や面会もできません。)

弁護士はいつでも本人と接見できるため、家族からのメッセージを伝えたり、逆に本人の状況を家族に報告したりする橋渡し役を果たします。

また、取り調べでどう対応すべきか、黙秘権をどう行使すべきかなど、法的なアドバイスを提供することで、本人が不利な供述をしてしまうことを防ぎます。

弁護士は本人と接見した内容を家族に報告するので、家族にとっても、弁護士からの報告は大きな安心材料になるでしょう。

初犯の大麻所持、実際の処分はどうなる?

初犯で大麻を所持していた場合、実際にどのような処分が下されるのでしょうか?起訴されるのか、されないのか。有罪になった場合、どの程度の刑罰が科されるのか。

ここでは、初犯の大麻所持における典型的な処分の流れと、考慮される要素について解説します。

不起訴になる可能性

初犯で所持量がきわめて少量だったり、証拠が不十分な場合など、検察官がその後の裁判で確実に有罪を得れないと判断した場合は、不起訴処分となる可能性があります。

不起訴になれば、裁判は開かれず、前科もつきません。社会復帰への影響も最小限に抑えられるでしょう。

不起訴を勝ち取るために弁護士

といった内容を記載した意見書を検察官に提出し不起訴を求めます。こういった事情が考慮されて不起訴となる可能性はありますが、非常に稀なケースで、実際は、証拠が不十分な場合など、検察官がその後の裁判で確実に有罪を得れないと判断した場合でなければ、不起訴を得ることは困難でしょう。

執行猶予付き判決が最も一般的

初犯の大麻所持で起訴された場合、最も一般的な判決は執行猶予付き判決です。

執行猶予とは、刑の執行を一定期間猶予し、その期間中に再び罪を犯さなければ、刑の言渡しが効力を失う制度です。例えば「1年の拘禁刑、執行猶予3年」という判決であれば、3年間何も罪を犯さなければ、刑務所に行く必要はありません。

初犯の大麻所持であれば、以下のような量刑が一般的です。

ただし、「初犯だから大丈夫」と安易に考えるのは危険でしょう。弁護士と相談しながら、適切な対応を取ることが何より重要です。

また執行猶予中は二度と違法薬物に手を出さないのは当然のこと、交通違反等の些細な法律違反にも細心の注意を払いながら生活しなければなりません。執行猶予期間中に再び罪を犯して、執行猶予が取り消されてしまうと、新たに犯した罪の刑罰も合わせて長期間服役しなければいけなくなる可能性があるので、注意しなければなりません。

実刑判決になる可能性

初犯であっても、以下のような場合は実刑判決となる可能性があります。

実刑判決となれば、刑務所で服役することになります。大麻の営利目的所持の法定刑は1年以上10年以下の拘禁刑若しくは情状により300万円以下の罰金又はその両方と非常に厳しいものです

営利目的を疑われている場合は、早期に弁護士に相談し、執行猶予を獲得するために少しでも早い段階で、弁護士と共に公判対策を行うことをお勧めします。

逮捕されたらすぐにすべきこと

家族や友人が大麻所持で逮捕されたとき、周囲の人間ができることは限られています。しかし、初動対応を誤ると、その後の処分に悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

ここでは、逮捕直後にすべきことと、避けるべき行動について説明します。

できるだけ早く弁護士に相談する

逮捕されたことを知ったら、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。

前述のとおり、逮捕から勾留請求までの時間は最長で72時間しかありません。(ほとんどの場合で2日以内に勾留が決定している。)この短い期間に勾留を阻止できるかどうかが、その後の流れを大きく左右します。

弁護士に依頼すれば、すぐに本人と接見し、状況を把握したうえで適切な弁護活動を開始できます。弊所の初回接見サービスをご利用いただければ33,000円(交通費込み)で接見が可能です。※一部地域を除く

証拠隠滅と疑われる行動は絶対に避ける

家族が逮捕されたとき、自宅に残っている大麻や関連物品を処分したくなるかもしれません。しかし、これは絶対にやってはいけません。

証拠隠滅罪に問われる可能性があるだけでなく、本人の処分重くなる可能性が高まります。警察の捜索が入る前に物品を処分すれば、「証拠隠滅を図った」とみなされ、家族の関与が疑われると、その後の面会ができなくなる(接見禁止)だけでなく、釈放や保釈の可能性もなくなってしまいます。

また、関係者に口裏合わせを依頼することも避けるべきです。捜査機関に発覚すると、ご自身も事件の関係者だと認定されてしまい、その後の捜査対象となる可能性があります。

本人の生活環境を整える準備をする

釈放や保釈に備え、本人が戻ってくる環境を整えることも重要です。

検察官や裁判官は、「釈放しても再犯のおそれがないか」を慎重に判断します。家族が監督を約束し、薬物から離れた生活環境を提供できることを示せば、釈放の可能性が高まるでしょう。

具体的には以下のような準備が考えられます。

こうした準備は、弁護士が検察官や裁判官に提出する資料としても活用されます。

冷静に対応し、感情的にならない

家族が逮捕されたとき、怒りや悲しみ、不安など、さまざまな感情が湧き上がるでしょう。しかし、感情的になって本人を責めたり、逆に甘やかしたりすることは避けるべきです。

大切なのは、冷静に事実を受け止め、今後どうすべきかを考えることです。

本人が罪を犯したことは事実ですが、それでも家族として支え、再出発を手助けすることが求められます。弁護士や専門家の助けを借りながら、一歩ずつ前に進みましょう。

初犯でも油断せず、早期の弁護士相談を

大麻所持で逮捕されたとき、「初犯だから釈放される」と安易に考えるのは危険です。証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断されれば、起訴されるまでに最長23日間の身体拘束を受ける可能性があります。

しかし、逮捕直後から弁護士に相談し、適切な弁護活動を受けることで、早期釈放や不起訴の可能性を高めることができるでしょう。勾留阻止、保釈請求、環境調整など、弁護士にしかできない活動は数多くあります。

初犯であっても、麻薬及び向精神薬取締法(大麻の所持)は重大な犯罪です。軽く考えず、専門家の力を借りて、一刻も早く適切な対応を取ることが何より重要です。

もし家族や友人が逮捕されたら、すぐに弁護士に相談しましょう。早期の対応が、その後の人生を大きく左右します。