覚せい剤使用事件で執行猶予判決

2020-12-10

覚せい剤使用事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

千葉県君津市在住のAさんは、市内の飲食店に勤める会社員です。
Aさんは、夜勤が多いことや勤務時間が長いことに対しストレスを感じ、体調の悪い日々が続いていました。
ある日、深夜に常連客のBさんが来店し、Aさんが疲れているように見えたことから、知人のCさんを紹介しました。
Aさんは、Cさんから疲れの取れる薬と称した覚せい剤を無料で入手し、実際に使用したところ疲れが一気に消し飛んだような感覚を得ました。
しかし、その効果は長続きせず、再度覚せい剤を欲するようになり、Cさんから覚せい剤の購入を続けました。
Aさんは、会社も休みがちになり、勤務中も集中力がないことから解雇となり、自宅で引きこもる生活を送るようになりました。
その後、Cさんが覚せい剤取締法違反で逮捕されたことをきっかけに、Cさんの顧客であるAさんも千葉県君津警察署覚せい剤取締法違反逮捕されることになりました。
Aさんは、逮捕後に接見に来た弁護士に、執行猶予について詳しく聞くことにしました。
(フィクションです。)

【覚せい剤反応が出る時期】

覚せい剤の使用は、注射器で注射する方法や、火で炙って吸引する方法、口から飲む方法等がありますが何れにしても、採尿された尿から覚せい剤反応が出るのは、使用直後から使用後10日~2週間だと言われています。
Aさんの様に、覚せい剤を使用して1週間しか経っていないうちに採尿された場合は覚せい剤反応が出る可能性が高いといえます。
またAさんの様に、覚せい剤を使用した後に採尿された方からの法律相談でよくあるのが
Q1 覚せい剤反応が出たら逮捕されるのですか?
A1 覚せい剤使用事件は逮捕される可能性が高いですが、逮捕されるまでに逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれ等を消滅させることによって勾留を阻止できる可能性があります。
Q2 採尿されてから逮捕までの期間はどれくらいですか?
A2 尿の鑑定は科学捜査研究所で行われます。
   警察から科学捜査研究所に尿が持ち込まれて早くて2,3日、遅くても1週間~10日で鑑定結果がでますが、逮捕には裁判官の発付する逮捕状が必要になります。
そのため逮捕される時期は千差万別で、早く1週間以内、遅い場合は採尿から1ヶ月以上経って逮捕される場合もあります。

【覚せい剤で執行猶予】

覚せい剤で逮捕され、その後執行猶予判決を受けたという芸能人や有名人の報道を目にする機会があると思います。
覚せい剤に手を染めた原因としては、ストレスが溜まっていたことや軽い気持ちでやった等、様々な理由があります。
有名人や一般人を問わず、初犯で覚せい剤の使用や所持で逮捕後に起訴された場合、執行猶予判決となることが多いと言われています。
執行猶予とは、執行猶予期間中に他の犯罪を犯さなければ、判決の効力を生じさせない、つまり執行猶予期間を経過すれば刑の言渡し無かったことになります。
執行猶予期間中は、刑務所に服役することなく今までと変わらない生活を送ることができます。
ただし、覚せい剤取締法違反で執行猶予判決を受けた者の再犯率は60%を超えていると言われ、本人の努力だけでは覚せい剤を辞められないという問題が指摘されています。
執行猶予期間中に、病院や薬物依存症の患者をサポートする施設に通っている人もいますが、全員が通って再犯防止に努めているとは言えないのが現状です。

【覚せい剤事件の弁護活動】

覚せい剤事件で初犯の場合執行猶予判決が多いと言われていますが、何もしないで全員が執行猶予判決を受けれるとは限りません。
反省の態度が見えない場合や再犯防止に努めていると見えない場合には、初犯でも実刑判決が言い渡されることもあります。
事件毎によって弁護活動が異なりますが、弁護士のアドバイスに従って取り調べや公判の対応をすることで、執行猶予判決を獲得できる可能性が高くなります。
ですので、覚せい剤事件で執行猶予判決を獲得したい方は刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。

千葉県の刑事事件で弁護士をお探しの方、ご家族やご友人が覚せい剤取締法違反で逮捕された方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。