麻薬及び向精神薬取締法を解説

2019-01-31

麻薬及び向精神薬取締法を解説

今回は,前回説明した薬物四法の1つ,麻薬及び向精神薬取締法について説明していきたいと思います。

~麻薬及び向精神薬取締法~

まずは麻薬及び向精神薬取締法について説明していきます。
麻薬という言葉はほとんどの方が知っていると思いますが麻薬とは一体何なのでしょうか。
麻薬にはいくつか定義がありますが,「日本の法律上(麻薬及び向精神薬取締法)の麻薬」について説明します。
麻薬及び向精神薬取締法では、2条で麻薬について定義しており、前回紹介した国際条約のひとつである麻薬に関する単一条約の規制物質から大麻を除いたもの、向精神薬に関する条約の付表1に対応したもの(主に幻覚剤)をいいます。
麻薬及び向精神薬取締法の向精神薬とは、向精神薬に関する条約の付表2,3,4に対応するものでそれぞれ順番に第1種,第2種,第3種向精神薬と呼ばれています。
なお覚せい剤も付表2に含まれていますが日本では別途,覚せい剤取締法で規制されます。

気になる罰則ですが,まず対象が3つに分類されています。
まず,麻薬か向精神薬かどうか,そして麻薬ヘロインかどうかによって罰則が異なります。

ヘロインを輸出・輸入,製造した場合1年以上の有期懲役、ヘロイン以外の麻薬は10年以下の懲役です。
向精神薬を輸入、輸出、製造、製剤、小分けした場合5年以下の懲役となります。

ヘロインを製剤、小分け、譲渡、譲受、交付、所持した場合10年以下の懲役、ヘロイン以外の麻薬を製剤、小分け、譲渡、譲受、又は所持した場合7年以下の懲役、向精神薬を譲り渡し、又は譲り渡す目的で所持した者は3年以下の懲役となります。
営利目的の場合はさらに刑が加重されますが今回は省略します。

なお,麻薬や向精神薬は「薬」ですので医療目的に使用される場合もあります。
末期がん患者に鎮痛剤として投与されるモルヒネは聞いたことがある方も多いと思います。
このような場合は,麻薬及び向精神薬取締法の規制を受けないと定められています。

次回は覚せい剤取締法について解説していきたいと思います。

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