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(事例紹介)高校生の大麻取締法違反事件で再逮捕
(事例紹介)高校生の大麻取締法違反事件で再逮捕
~事例~
神奈川県警神奈川署は24日、大麻取締法違反(所持)の疑いで、横浜市神奈川区の高校2年の少年(17)を再逮捕した。
再逮捕容疑は、14日、自宅近くで、紙に巻いた大麻1本(約0・305グラム)を所持した、としている。
容疑を認めているという。
署によると、同日、少年の母親が「息子が暴れそう」と署に通報。
駆け付けた署員が自宅近くにいた少年に所持品検査をしたところ、少年が捜査に必要な許可状を破くなどしたため、署が公務執行妨害の疑いで翌15日に逮捕していた。
この時の所持品から大麻が見つかった。
(※2022年5月24日20:11YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)
~高校生の大麻取締法違反事件~
今回取り上げた事例は、17歳の高校生が大麻を所持していたことで再逮捕されたという事例です。
大麻取締法違反などの薬物犯罪は大人の起こす犯罪というイメージをもつ方もいらっしゃるかもしれませんが、実は中高生などの若年層に全く関わりのない犯罪ではありません。
そもそも、昨今、大麻取締法違反等で検挙される人員は増加傾向にあります。
法務省の統計である、「令和3年版犯罪白書」では、大麻取締法違反で検挙された人員が、平成29年から令和2年まで過去最多を更新し続けて増加しており、令和2年には前年比15.1%増しの5,260人が大麻取締法違反で検挙されているというデータが出ています。
そして、この大麻取締法違反で検挙された人員のうち、20歳未満の者の人数は平成26年から増加し続けており、令和2年の検挙人員は887人(前年比45.6%増)だったとのデータも出ています。
このうち、検挙された人の就学状況を見ると、中学生が8人(前年比2人増)、高校生が159人(前年比50人増)となっており、中高生による大麻取締法違反が増加していることが分かります。
中学生・高校生などの若年層が大麻に手を出しやすい理由としては、覚醒剤などの他の違法薬物に比べて大麻の価格が安価であることや、電子タバコを利用して使用する大麻リキッド(大麻の成分を抽出・濃縮した液体)など使用のハードルが低いものがあることなどが挙げられます。
しかし、ご存知の方も多い通り、大麻は持っているだけで犯罪になりますし、大麻を入口として覚醒剤やLSD、MDMAや危険ドラッグといった他の違法薬物にも手を染めてしまうといった危険もあります。
大麻に手を出さないようにすることは当然気を付けなければならないことですが、もし手を出してしまったのであれば、刑事事件・少年事件の手続への対応だけでなく、今後の更生に向けた活動も行っていかなければなりませんから、早期に薬物事件を取り扱う弁護士に相談すべきと言えるでしょう。
今回取り上げた事例のように、20歳未満の高校生などが犯罪をしてしまった場合には、少年事件として取り扱われることとなります。
少年事件では、その後の少年の更生にとってどういった処分を下すことが一番適切かといったことが重視されますから、大麻取締法違反事件であれば、今後再度大麻に関わらないように環境を整えていくことが求められるでしょう。
こうした活動のためにも、少年事件を取り扱う弁護士のサポートを受けることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、通常の刑事事件だけでなく、少年事件についても取り扱っています。
大麻取締法違反を含む薬物犯罪のご相談・ご依頼も承っていますので、お子さんが大麻取締法違反で逮捕されてしまった、ご家族が大麻取締法違反事件を起こしてしまったとお困りの際は、遠慮なくご相談ください。
(お問い合わせ:0120-631-881)
(事例紹介)指定薬物のHHC所持で薬機法違反に
(事例紹介)指定薬物のHHC所持で薬機法違反に
~事例~
5月下旬、大麻の成分を合成した「HHC」と呼ばれる指定薬物を所持していたとして浜松市に住む19歳の少年が逮捕されました。
「HHC」は、ことし3月に規制の対象になったばかりで、警察は「違法な薬物なので手を出さないでほしい」と呼びかけています。
(中略)
警察によりますと5月25日、浜松市内の自宅で、大麻成分を合成して作られた「HHC」を含む液体0.5グラムと、大麻を液体状に加工した大麻リキッド0.5グラムを不法に所持していたとして、医薬品医療機器法違反と大麻取締法違反の疑いがもたれています。
(※2022年6月6日19:02NHK NEWS WEB配信記事より引用)
~HHCと薬機法違反~
今回の事例で取り上げているHHCとは、「ヘキサハイドロカンビナール」というものです。
HHCは、大麻に含まれる成分を加工したものであり、HCCを使用すると大麻を使用する際と同じような症状、例えば、高揚感や幻覚作用が出るとされています。
こうしたことから、HHCは「合成大麻」と呼ばれることもあるようです。
このHHCは、引用元の記事にもある通り、今年の3月まで規制されていない薬物でした。
しかし、先述したように、大麻を使用した際のような作用があることなどから、今年3月に薬機法内の「指定薬物」に追加され、規制されるに至ったのです。
薬機法(正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)では、「指定薬物」とされた薬物を規制しています。
いわゆる「危険ドラッグ」も薬機法の「指定薬物」であり、危険ドラッグもこの薬機法で規制されています。
薬機法第76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。
この条文にある通り、「指定薬物」とされた薬物については、所持することも薬機法違反という犯罪になります。
ですから、HHCも、所持しているだけで薬機法違反という犯罪になるのです。
薬機法第84条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第28号 第七十六条の四の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。)
※注:「前条」とは、薬機法第83条の9にある、「業として」「指定薬物」の製造や輸入、所持などをすること禁止したものを指しています。
「指定薬物」を所持したことによる薬機法違反では、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」という刑罰が定められています。
HHCのように、今までは規制されていなかったが新たに規制されることになったという薬物も存在します。
HHC所持による薬機法違反についても、早期に弁護士に相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件のご相談・ご依頼についても受け付けています。
まずはお気軽にご相談ください。
(事例紹介)覚醒剤を大量に輸入して逮捕された事例
(事例紹介)覚醒剤を大量に輸入して逮捕された事例
~ケース~
営利目的で覚醒剤を密輸入した疑いなどとして、静岡市に住む男ら3人が逮捕されました。押収した覚醒剤は静岡県警が去年1年間に押収した量のおよそ25倍です。
(中略)
警察によりますと、配送業の男は今年3月、アメリカから覚醒剤およそ340グラムを輸入した疑いがもたれています。覚醒剤は、ろうそく容器の中に隠して輸入されていたということです。
配送業の男の身辺調査で会社員の男が浮上し、捜査をしたところ、キャンプ用のいすのひじ掛け部分などに覚醒剤を隠して所持していたことがわかりました。
(中略)
今回の事件では、あわせて3㎏を超える量の覚醒剤が押収されていて、2021年1年間に静岡県警が押収した覚せい剤のおよそ25倍の量だということです。
(※令和4年5月27日18:11SBSNEWS配信記事より引用)
~営利目的での覚醒剤輸入罪について~
覚醒剤の営利目的輸入の罪は、営利の目的で、覚醒剤を、みだりに、本邦に輸入する犯罪です。
法定刑は無期若しくは3年以上の懲役、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金となっています(覚醒剤取締法第41条2項)。
法定刑を参照すれば、相当の重罪とされていることがわかります。
また、裁判員裁判法第2条1項1号により、裁判員裁判対象事件となります。
~関税法違反の疑い~
報道では記載されていませんが、ケースの事件では関税法違反の疑いももたれることになるかもしれません。
覚醒剤は関税法により「輸入してはならない貨物」とされています(関税法第69条の11第1項1号)。
これに違反した場合には、「十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされています(関税法第109条1項)。
~今後の捜査~
冒頭のケースでは大量の覚醒剤が押収されており、常識に照らせば、明らかに個人で使用する目的の量ではありません(報道によれば、薬物乱用者の通常使用量において、およそ11万回分に相当するとのことです)。
覚醒剤の密売計画があったのか、あるとすればどのようなルートで密売するのか、他にも事件の関係者がいるのか、など、捜査によって解明されるべきポイントは多岐にわたります。
その関係上、かなり捜査が長引くことが予想されます。
このように、覚醒剤の営利目的輸入の場合は、単なる所持や使用よりも覚醒剤の量が多く、捜査も広範に行われ、長期化します。
そして、捜査機関の取り調べも厳しくなります。
覚醒剤の営利目的輸入の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後のアドバイス、サポートを受けることが重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族が覚醒剤の営利目的輸入の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(事例紹介)静岡県の覚醒剤使用事件で逮捕された事例
(事例紹介)静岡県の覚醒剤使用事件で逮捕された事例
~事例~
清水署と静岡県警機動捜査隊は26日までに、覚醒剤取締法違反の疑いで富士市今泉、建設作業員の男(44)を逮捕した。
逮捕容疑は5月上旬から中旬までの間、県内などで覚醒剤を使用した疑い。
(※2022年5月27日あなたの静岡新聞配信記事より引用)
~静岡県内の覚醒剤取締法違反事件~
今回取り上げた事例は、静岡県において、男性が覚醒剤を使用したことによる覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されたという事例です。
覚醒剤取締法違反事件では、その証拠となる覚醒剤そのものが隠滅しやすいこと(例えば、覚醒剤自体を捨てられてしまえば、簡単に証拠隠滅されてしまいます。)や、覚醒剤の授受に際して複数の人が関わっていることが多い=事件関係者が多いために口裏合わせなどのおそれがあることなどから、今回の事例のように、逮捕されて身体拘束を受けた上で捜査されるケースがよくみられます。
さて、今回取り上げた覚醒剤取締法違反事件は、静岡県で起きたケースです。
静岡県警のホームページにまとめられている薬物事犯統計資料によると、令和3年に検挙された薬物事犯の総数は397人であり、そのうち204人が覚醒剤事犯であるとされています。
静岡県内で検挙されている薬物事犯の約半数が覚醒剤事犯であることからも、薬物事件のうち、覚醒剤取締法違反事件などはメジャーなものであることが分かります。
さらに、この令和3年に静岡県で検挙された覚醒剤事犯204名のうち、再犯者であった者は136名と、再犯者率が66.7%であるとされています。
世間一般にも知られている通り、覚醒剤には依存性があり、一度覚醒剤に手を出してしまうとなかなか簡単には縁を切れない実情を数字からも見ることができます。
~覚醒剤取締法違反事件と刑罰~
こうした覚醒剤使用事件を含む覚醒剤取締法違反事件で起訴され有罪となれば、当然刑罰を受けることになります。
令和3年版犯罪白書によると、令和2年に覚醒剤取締法違反等事件で全国の地方裁判所で下された有期刑の状況としては、刑の全部執行猶予(一般に「執行猶予」と言われるものはこれを指すことが多いです。)がつく判決が36.6%、一部執行猶予がつく判決が16.5%、全部実刑(いわゆる「実刑判決」)が46.9%だったとされています。
もちろん、覚醒剤取締法違反事件などの薬物犯罪の再犯の有無や、単なる覚醒剤の使用なのか、それとも営利目的で売買していたのか、輸出入をしていたのかなど、犯行態様によっても刑罰の重さは変わります。
しかし、刑事裁判となった事件の半分近くが実刑判決となっていることも無視はできません。
覚醒剤取締法違反事件の当事者となってしまったら、刑事裁判を適切に進めるためにも、再犯を繰り返さないためにも、弁護士に早期に相談し、活動してもらうことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、覚醒剤取締法違反事件などの薬物事件についてのご相談・ご依頼も承っています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
(事例紹介)職務質問から覚醒剤取締法違反事件が発覚
(事例紹介)職務質問から覚醒剤取締法違反事件が発覚
覚醒剤取締法違反事件の報道をテーマに、薬物事件の捜査の端緒について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
青森県警青森署と県警機動捜査隊は11日、むつ市の中学校教諭の男(36)(むつ市)を覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕した。容疑を認めているという。
発表によると、男は11日午前11時50分頃、青森市内のインターネットカフェの駐車場に止めた自家用車内に、ビニール袋に入った覚醒剤を所持した疑い。車内からは注射器も見つかった。署員が職務質問して発覚した。
(※2021年7月13日18:52読売新聞オンライン配信記事より引用)
~薬物事件の捜査の端緒~
捜査の端緒とは、簡単に言い換えると、「捜査が開始されるに至ったきっかけ」をいいます。
覚醒剤取締法違反事件などの薬物事件においては、今回取り上げたケースのように、しばしば職務質問が捜査の端緒となります(もちろん、他者からの告発により捜査が開始される場合や、捜査機関が自ら犯罪事実を認識し、捜査が開始される場合もありえます。)。
職務質問は、「警察官職務執行法」という法律で警察官に許可されている行為であり、簡単に言えば、犯罪をした者や犯罪をしようとしている者を見つけるために行われるものです。
ですから、職務質問は、まさに先ほど触れた「捜査の端緒」となるべくしてなる行為なのです。
警察官職務執行法第2条第1項
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
覚醒剤取締法違反事件などの薬物事件では、薬物を使用した影響から挙動不審となったり、薬物の所持や売買という事実があることに緊張したり警察官を見かけて焦ったりという様子を見せたりするなどの事情から、職務質問されるケースが考えられます。
薬物の取引についての情報を捜査機関が掴んでいれば、捜査機関が付近を警戒し、そこから周囲の人を職務質問していって薬物事件が発覚というケースもあるでしょう。
今回取り上げたケースは、報道によれば逮捕された男性は容疑を認めているということですが、職務質問や所持品検査を頑なに拒否する被疑者も少なくありません。
時には、捜査に当たって違法な手続が行われ、収集した証拠の証拠能力が否定されるケースもあります。
2020年6月19日には、覚醒剤が入ったスーツケースを成田空港に持ち込んだなどとして起訴された男性被告人につき、税関の検査に重大な違法があるとして無罪判決を言い渡しています。(THE SANKEI NEWS 2020年6月20日 「「違法な検査」と無罪判決 覚醒剤密輸事件で千葉地裁」より)
しかし、捜査の端緒となった職務質問が適法なものなのか違法なものなのかといった判断をするには、事件ごとの個別の事情によるところもあり、専門的な知識が求められます。
だからこそ、薬物事件の捜査の端緒に疑問のある方は、すぐに弁護士と相談し、今後の対応についてアドバイスを受けましょう。
職務質問が違法だった場合はもちろんのこと、適法な職務質問によって薬物事件が発覚した場合でも、その後の刑事手続で弁護士のサポートをこまめに受けられることは被疑者・被告人の方にとって大きなメリットとなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
薬物事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(事例紹介)公務執行妨害事件から大麻所持事件が発覚
(事例紹介)公務執行妨害事件から大麻所持事件が発覚
~事例~
宮城県警仙台東署は26日、仙台市宮城野区萩野町の大学生(20)を大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕した。
発表によると、大学生は8月中旬頃、自宅アパートで乾燥大麻を所持した疑い。容疑を認めている。自宅からは乾燥大麻約160グラム(約96万円相当)、高さ約1・6メートルの栽培用テント、吸煙器具、栽培道具など31点が押収された。
大学生は今月17日、自宅前の路上で、自分が119番して駆けつけた救急車に体当たりしたとして、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。服用している薬を調べるため自宅を捜索して大麻などが見つかった。同署は大麻の入手ルートなどを調べている。
(※2021年8月27日11:20読売新聞オンライン配信記事より引用)
~薬物事件が発覚する経緯とは~
今回取り上げた事例では、大麻取締法違反の容疑をかけられた大学生は、元々公務執行妨害罪という他の犯罪の容疑をかけられていたようです。
大麻取締法違反のような薬物犯罪の発覚の経緯の例としては、以下のようなものがあります。
・挙動などから職務質問されて所持品検査や薬物の簡易鑑定などから薬物の所持や使用が発覚するパターン
・薬物の売人など、薬物事件の関係者が検挙され、その連絡履歴などから芋づる式に捜査の手が伸びて発覚するパターン
・家族や近所の住人など、生活に近しい人から見て様子がおかしいといった事情から捜査機関や病院に通報・相談が入って発覚するパターン
・薬物によって体調を崩し、救急車を呼んだり病院へ行ったりして検査を通じて発覚するパターン
・薬物使用の影響で他の犯罪を起こしてしまい、その捜査の過程で発覚するパターン
今回の大学生の事例は、一番最後のパターンで大麻取締法違反が発覚したといえます。
大麻に限らず、違法薬物を使用した際には、通常時と気持ちのもちようが変わることが多いです。
大麻も、使用中はいわゆる「ハイになる」感覚があるとされており、気が大きくなってしまうことも考えられます。
また、薬物によっては使用によって幻覚や幻聴を引き起こすものもあります。
こうした作用によって、違法薬物の使用者が暴行事件や傷害事件、事例にあったような公務執行妨害事件を起こしてしまい、その捜査の過程で違法薬物の所持や使用が発覚することもあるのです。
暴力犯罪だけでなく、違法薬物の使用後に自動車の運転を行い、正常な運転ができず交通事故を起こしてしまい、そこから薬物犯罪が発覚するということもあります。
さらに、大麻などの違法薬物を購入する資金を手に入れるために、窃盗事件や強盗事件といった財産事件を起こしてしまうというケースもあります。
大麻取締法違反のような薬物犯罪というと、職務質問や売人の検挙などから発覚するケースが想像されがちですが、今回の事例のように、他の犯罪をしてしまったことがきっかけで発覚することもあるのです。
こうしたケースでは、薬物犯罪への対処はもちろんのこと、他にしてしまった犯罪についての対処もしなければなりませんから、様々な種類の刑事事件に対処する必要が出てきます。
刑事事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物犯罪だけでなく、暴力犯罪や財産犯罪、交通事件まで、幅広い種類の刑事事件のご相談・ご依頼を承っています。
他の犯罪から薬物犯罪が発覚して困っている、刑事事件への対処に悩んでいるという方は、お気軽にご相談下さい。
【解決事例】保護観察中の少年による麻薬特例法違反事件
【解決事例】保護観察中の少年による麻薬特例法違反事件
~事例~
大阪府池田市に住んでいるAさん(10代)は、大麻を使用するために、友人Xさんから大麻を購入しました。
こうした行為を続けていたAさんでしたが、大阪府池田警察署の捜査により、麻薬特例法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは大阪家庭裁判所へ送致され、観護措置を採られることになりました。
実はAさんは1年前に全くの別の少年事件を起こしており、その件の保護観察中でした。
そのため、今回の麻薬特例法違反事件は保護観察中の犯行ということで、厳しい処分が見込まれました。
Aさんの両親は、Aさんの今後を心配し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談に来られました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
~弁護活動と結果~
事例で書いたように、Aさんは別件の保護観察中であり、保護観察中に別の非行をしてしまったという状況でした。
さらに、Aさんは保護観察となった別件の少年事件で友人Xさんと共犯関係であったこともあり、更生のために友人Xさんと今後接触しないという約束もしていました。
保護観察中に少年事件を起こしてしまったこと、さらに保護観察の際に約束した交友関係の整理もしなかったことなどが重なっており、Aさんには厳しい処分が下されることが予想されました。
弁護士は、付添人として選任されてから、こまめにAさんに接見し、今回Aさんがしたことの何が悪かったのか、前回の少年事件を踏まえて今回少年事件を起こしてしまったことがどうして悪いのかといったことを、課題を出しながらAさんに考えてもらい、反省を深められるようにしました。
また、Aさんのご両親に対してもそれぞれ課題を出し、Aさんの周囲の環境について、ご両親の立場から改善策などを考えてもらいました。
こうした付添人活動を通じて、Aさんご本人はもちろん、Aさんのご両親にも環境改善のために少年事件を振り返ってもらい、そのことを家庭裁判所に主張していきました。
結果として、Aさんは少年院送致となったものの、期間は短期(6カ月以内)の処遇となりました。
少年院への送致も、保護処分と呼ばれる少年の更生のための処分とされていますが、少年院に行くということはその期間社会から切り離されてしまうということでもあります。
こうした事情もあり、少年院に行くことを回避したい、少年院へ行く期間を少しでも短い期間にしたいと考えられる方も少なくありません。
そのためには、社会内での更生が可能であることを訴える必要があり、少年本人はもちろん、ご家族など周りの方も含めて積極的に環境を改善していくことが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件も多く取り扱う弁護士が、薬物事件の少年事件についても、環境を改善する活動(環境調整活動)のサポートを行っています。
少年の薬物事件にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
【解決事例】覚醒剤使用事件の勾留から保釈を獲得
【解決事例】覚醒剤使用事件の勾留から保釈を獲得
~事例~
仙台市青葉区に住んでいるAさんは、覚醒剤を使用したことにより、宮城県仙台中央警察署に覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕され、その後勾留されました。
逮捕から5日経ってようやく国選弁護人からの連絡を受けたAさんのご両親は、Aさんの様子をこまめに知りたい、保釈などの身体解放活動に取りかかってほしいと考え、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
~弁護活動と結果~
Aさんが覚醒剤の使用によって逮捕・勾留されたことが初めてであったこともあり、Aさんのご家族は、Aさんが覚醒剤に依存してしまう前に対策を取り、再犯を繰り返してしまうことを防ぎたいと考えていました。
そのためには、専門家の力を借りて依存症治療をする必要がありました。
また、Aさんがうつを患っており、病院に通院して治療も行っていたこともあり、すぐにAさんを病院に受診させ、治療に専念してもらいたいということでした。
弁護士は、こうした事情から早急にAさんを保釈する必要があると裁判所に訴え、Aさんの保釈を求めました。
その結果、Aさんの保釈は認められ、Aさんは無事に通院し治療を開始することができました。
その後の刑事裁判では、Aさんとそのご家族の再犯防止の努力が弁護士から提示され、Aさんは執行猶予を獲得することができました。
覚醒剤使用事件などの薬物事件では、Aさんのように逮捕・勾留されたうえで捜査を進められるというケースが多いです。
再犯防止の対策を実行するためにも、保釈などによって釈放を実現することは非常に重要ですから、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、覚醒剤使用による覚醒剤取締法違反事件のご相談・ご依頼も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
【事例紹介】京都府の覚醒剤使用事件で無罪判決
【事例紹介】京都府の覚醒剤使用事件で無罪判決
今回は、覚醒剤を使用したとして起訴された男性が無罪判決を獲得した事例につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
2017年8月に京都市右京区のホテルで覚醒剤を使用したとして起訴された男性に対し、京都地方裁判所は2021年3月19日、「京都府警の強制採尿の手続きに重大な違法がある」として、無罪を言い渡しました。
裁判官は捜査報告書において、「尿の任意提出を求めるも、応じず無視する態度が継続した」などと事実と異なる記載があると認定し、強制採尿令状の請求を受けた裁判官の判断に影響を与え、違法な捜査によって得られたものとして採尿結果などの証拠能力を否定しました。
(2021年3月20日 京都新聞 「「採尿手続き違法」覚醒剤事件で男性無罪 京都地裁判決、警官撮影にも言及」より引用)
~有罪になりうる証拠があっても無罪となりうる~
刑事手続法上、「違法収集証拠排除法則」というルールがあり、判例上、「令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合においては、その証拠能力は否定される」としています(最高裁昭和53年9月7日判決)。
これにより証拠能力が否定され、起訴された内容(公訴事実)を認定することができない場合においては、仮に有罪を認定しうる証拠であったとしても、無罪判決が言い渡されることになります。
~相次ぐ違法捜査~
2021年3月26日にも、警視庁が捜査した薬物事件において違法な所持品検査が行われたとして、東京地裁が被告人につき一部無罪(同じく起訴されていた使用罪については有罪を言い渡しました)の言渡しをしています(2021年3月30日 朝日新聞デジタル 「「17分間取り囲み、強制的捜索の疑い」 一部無罪判決」より)。
違法な捜査によって得られた証拠や、これに関連する証拠については、証拠能力を争い、無罪判決や不起訴処分を獲得できる可能性があります。
捜査の経緯に納得ができない点がある場合には、すぐに弁護士のアドバイスを受け、今後の対策を検討することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族が覚醒剤使用の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
覚醒剤取締法違反事件で裁判員裁判に?
覚醒剤取締法違反事件で裁判員裁判に?
覚醒剤取締法違反事件で裁判員裁判になるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
〜事例〜
札幌市東区に住んでいるAさんは、X国から覚醒剤を輸入し、販売して大金を得ていました。
しかしある日、Aさんが輸入していた覚醒剤が発見され、Aさんは覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
札幌方面東警察署に留置されたAさんの元にAさんの家族が依頼した弁護士が訪れたため、Aさんは今後の刑事事件の流れや見通しを詳しく聞きました。
そこでAさんは、弁護士からこのまま起訴されれば裁判員裁判になるということを聞き、非常に驚きました。
Aさんは裁判員裁判について詳しくなかったため、弁護士から裁判員裁判の特徴や弁護活動についてさらに詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・覚醒剤取締法違反でも裁判員裁判になる
裁判員裁判とは、刑事裁判に法律の専門家である裁判官・検察官・弁護士以外に一般人から選ばれた裁判員が参加して被告人の有罪・無罪や有罪とする場合の刑罰の重さを決める裁判のことを指します。
裁判員裁判は2009年から行われているため、裁判員裁判が登場してから10年以上が経過しています。
そのため、この記事をご覧の皆さんにも裁判員裁判という言葉は聞き馴染みのある言葉となったのではないでしょうか。
この裁判員裁判は、全ての犯罪・刑事裁判に適用されるわけではなく、ある一定の重大犯罪に適用されるとされています。
特にイメージが強いのは、殺人事件など人の命に関わるような刑事事件の裁判ではないでしょうか。
しかし、今回のAさんの事例のように、覚醒剤取締法違反という薬物犯罪でも裁判員裁判の対象となります。
裁判員裁判の対象となる犯罪はどのように決められているのでしょうか。
裁判員裁判がどういった刑事事件を対象にしているのかは、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(通称:裁判員法)で決められています。
裁判員法第2条第1項
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
第1号 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
第2号 裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
つまり、原則として、刑罰に「死刑または無期の懲役もしくは禁錮」が定められている犯罪については、起訴されれば裁判員裁判が開かれることになるのです。
これを念頭に置いて、今回のAさんが犯した覚醒剤取締法違反について確認してみましょう。
覚醒剤取締法第41条
第1項 覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
覚醒剤の輸入は、輸入の目的によって刑罰の重さが異なります。
例えば自己使用の目的で覚醒剤を輸入したような場合は覚醒剤取締法第41条第1項に当てはまり(1年以上の有期懲役)、販売する目的で覚醒剤を輸入したような場合は同法同条第2項に当てはまる(無期若しくは3年以上の懲役、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金)ということになります。
今回の事例のAさんは、 X国から販売目的で覚醒剤を輸入していますから、覚醒剤取締法第41条第2項の「無期若しくは3年以上の懲役、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金」が科される可能性があります。
ここで、先ほど確認した裁判員裁判の対象事件は「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件」ですから、Aさんの覚醒剤取締法違反事件は裁判員裁判となるのです。
裁判員裁判というと薬物事件のイメージは薄いかもしれませんが、犯罪の種別に関係なく、裁判員裁判の対象となります。
裁判員裁判は通常の刑事裁判と異なる手続きも多く、刑事事件に詳しい弁護士にフォローしてもらいながら対応に臨むことが望ましいです。
刑事事件を中心に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、裁判員裁判となる覚醒剤取締法違反事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
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