(事例紹介)指定薬物のHHC所持で薬機法違反に

2022-06-14

(事例紹介)指定薬物のHHC所持で薬機法違反に

~事例~

5月下旬、大麻の成分を合成した「HHC」と呼ばれる指定薬物を所持していたとして浜松市に住む19歳の少年が逮捕されました。
「HHC」は、ことし3月に規制の対象になったばかりで、警察は「違法な薬物なので手を出さないでほしい」と呼びかけています。
(中略)
警察によりますと5月25日、浜松市内の自宅で、大麻成分を合成して作られた「HHC」を含む液体0.5グラムと、大麻を液体状に加工した大麻リキッド0.5グラムを不法に所持していたとして、医薬品医療機器法違反と大麻取締法違反の疑いがもたれています。
(※2022年6月6日19:02NHK NEWS WEB配信記事より引用)

~HHCと薬機法違反~

今回の事例で取り上げているHHCとは、「ヘキサハイドロカンビナール」というものです。
HHCは、大麻に含まれる成分を加工したものであり、HCCを使用すると大麻を使用する際と同じような症状、例えば、高揚感や幻覚作用が出るとされています。
こうしたことから、HHCは「合成大麻」と呼ばれることもあるようです。

このHHCは、引用元の記事にもある通り、今年の3月まで規制されていない薬物でした。
しかし、先述したように、大麻を使用した際のような作用があることなどから、今年3月に薬機法内の「指定薬物」に追加され、規制されるに至ったのです。

薬機法(正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)では、「指定薬物」とされた薬物を規制しています。
いわゆる「危険ドラッグ」も薬機法の「指定薬物」であり、危険ドラッグもこの薬機法で規制されています。

薬機法第76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

この条文にある通り、「指定薬物」とされた薬物については、所持することも薬機法違反という犯罪になります。
ですから、HHCも、所持しているだけで薬機法違反という犯罪になるのです。

薬機法第84条
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第28号 第七十六条の四の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。)
※注:「前条」とは、薬機法第83条の9にある、「業として」「指定薬物」の製造や輸入、所持などをすること禁止したものを指しています。

「指定薬物」を所持したことによる薬機法違反では、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」という刑罰が定められています。

HHCのように、今までは規制されていなかったが新たに規制されることになったという薬物も存在します。
HHC所持による薬機法違反についても、早期に弁護士に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件のご相談・ご依頼についても受け付けています。
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