(事例紹介)電子たばこにHHC 薬機法違反で逮捕

2022-08-16

(事例紹介)電子たばこにHHC 薬機法違反で逮捕

~事例~

「ヘキサヒドロカンナビノール(HHC)」と呼ばれる指定薬物を所持したとして、神奈川県警磯子署は14日、医薬品医療機器法(旧薬事法)違反の疑いで、横浜市港北区菊名6丁目、会社員の男(36)を逮捕した。
HHCは3月施行の厚生労働省令で指定薬物に追加され、製造や所持、使用などが原則禁止された。
中枢神経系に作用し、高揚感などが得られるという。
(中略)
逮捕容疑は3月22日、同市磯子区滝頭3丁目の路上に止めた乗用車内で、HHC約0・2グラムを所持した疑い。
「自分で吸うために持っていた」と容疑を認めているという。
署によると、職務質問で見つかった電子たばこのカートリッジに、HHCが含まれていた。
(※2022年7月15日5:01YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

・HHCと薬機法違反

以前も記事として取り上げたことがありますが、今回の報道にあるHHCとは、「ヘキサハイドロカンビナール」という成分のことです。

HHCは、大麻に含まれる成分を加工したものであり、大麻に含まれるTHC(「テトラヒドロカンナビノール」)という成分に似た、向精神作用などがあるとされています。
THCは元々違法とされている成分でしたが、引用元の記事にもある通り、HHCは今年の3月から指定薬物となり、薬機法での規制が開始されたばかりです。

薬機法(正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)では、「指定薬物」とされた薬物を規制しています。
「危険ドラッグ」と呼ばれる薬物も薬機法の「指定薬物」として規制されていますが、HHCもこの危険ドラッグ同様に、薬機法によって規制されることとなったのです。

薬機法第76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

このように、薬機法では規制薬物を所持することも禁止されています。
ですから、HHCを所持しているだけでも薬機法違反という犯罪になるのです。

薬機法第84条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第28号 第76条の4の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。)

HHCは、電子たばこのブースターに、HHCの入ったリキッドを使用するという方法で吸われることが多いようです。
近年普及している電子たばこという身近な存在を介することもあり、使用のハードルが下がってしまうということもあるかもしれません。
しかし、上述した通り、HHCは所持しているだけでも犯罪となる違法薬物ですから、手を出さないことが一番です。
それでも、もしもHHCを所持してしまった、使用してしまったという容疑で薬機法違反となってしまった場合には、速やかに弁護士に相談し、刑事手続きに適切に対応するためのアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬機法違反事件を含む薬物事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽に0120-631-881までお問い合わせください。