薬物所持

麻薬は所持するだけで逮捕される?麻薬を所持していた場合の罰則は?

2026-03-09

麻薬は麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されており、麻薬を所持することも禁止されています。麻薬を所持していた場合は逮捕される可能性も非常に高く、場合によっては実刑判決になることもある重大な事件です

本記事では、麻薬を所持していた場合の罰則や麻薬の所持が発覚した場合に起こり得る影響について解説していきます。

麻薬の所持で逮捕された後の流れや弁護士に刑事弁護活動を依頼するメリットについても解説していくので、麻薬の所持が発覚してしまったという方やご家族が麻薬の所持で逮捕されてしまったという方は、ぜひ参考にしてください。

麻薬とは

麻薬とは、麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)で規制されている違法薬物を指します。この法律は、麻薬や向精神薬の乱用による健康被害を防ぐことを目的として制定されました。

麻薬取締法が規制対象としている麻薬には、ヘロイン(ジアセチルモルヒネ)、コカイン、モルヒネ、MDMA、LSDなどがあります。これらは同法の別表第一に具体的に列挙されています。麻薬は身体への有害性や依存性が極めて高いため、医療や研究目的以外での使用は一切認められていません。

なお、令和6年12月12日の改正法施行により、大麻も麻薬取締法における「麻薬」として規制されるようになりました。それまで大麻は大麻取締法によって規制されていましたが、現在は麻薬取締法の適用対象となっています。大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」へと名称が変更され、主に栽培規制を扱う法律となりました。

この法改正により、大麻の所持や使用についても他の麻薬と同様の厳しい罰則が適用されることになったのです。

一方、覚醒剤は麻薬取締法ではなく、覚醒剤取締法という別の法律で規制されています。同じく違法薬物ですが、取り締まる法律が異なる点に注意が必要です。

麻薬の所持で問われる罪と罰則

麻薬の所持は麻薬取締法違反に該当する犯罪行為です。許可なく麻薬を所持していた場合、たとえ少量であっても処罰の対象となります。所持の量に関係なく、持っていること自体が罪になるという点を理解しておきましょう。

麻薬取締法第66条第1項では、ヘロイン以外の麻薬を所持した場合の罰則について定めています。条文によれば、ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者は、7年以下の拘禁刑に処するとされています。

ここでいう「所持」とは、法律上、事実上の支配関係があることを意味します。つまり、麻薬を直接携帯している場合だけでなく、自宅や車の中に保管している場合、さらには他人に預けている場合でも所持に該当する可能性があります。

なお、令和7年6月1日から、懲役刑と禁錮刑は「拘禁刑」に一本化されました。そのため、それ以降に起訴された場合は、「7年以下の拘禁刑」が科されることになります。

また、営利目的で麻薬を所持していた場合には、さらに重い罰則が適用されます。麻薬取締法第66条第2項によれば、「営利の目的で前項の違反行為をしたときは、当該違反行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処し、又は情状により一年以上十年以下の拘禁刑及び三百万円以下の罰金に処する」と定められています。

ヘロインについては、他の麻薬よりもさらに厳しい規制がなされています。ヘロインは依存性が極めて高く危険な薬物であるため、麻薬取締法第64条の2で別途罰則が設けられており、所持した場合は「10年以下の拘禁刑」が科されます。

麻薬の所持と同様に禁止されている行為と罰則

麻薬取締法では、所持以外にもさまざまな行為が禁止されています。禁止行為と罰則を一覧表でまとめると、以下のようになります。

禁止行為 罰則(ヘロイン以外の麻薬) 罰則(ヘロイン)
製剤・小分け・譲渡・譲受・所持 7年以下の拘禁刑

【営利目的】1年以上10年以下の拘禁刑、又は情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金

10年以下の拘禁刑

【営利目的】1年以上の有期拘禁刑、又は情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金

施用・施用のための交付 7年以下の拘禁刑

【営利目的】1年以上10年以下の拘禁刑、又は情状により1年以上10年以下の拘禁刑及び300万円以下の罰金

10年以下の拘禁刑

【営利目的】1年以上の有期拘禁刑、又は情状により1年以上の有期拘禁刑及び500万円以下の罰金

輸入・輸出・製造 1年以上10年以下の拘禁刑

【営利目的】一年以上の有期拘禁刑に処し、又は情状により一年以上の有期拘禁刑及び五百万円以下の罰金

1年以上の有期拘禁刑

【営利目的】無期若しくは3年以上の拘禁刑、又は情状により無期若しくは3年以上の拘禁刑及び1000万円以下の罰金

このように、麻薬に関する行為は全般的に重い罰則が定められています。特に輸入・輸出・製造といった行為は、対象がヘロインで営利目的の場合には無期拘禁刑という極めて重い刑罰が科される可能性があります。

麻薬に関わる行為は、自分自身の健康を害するだけでなく、社会全体に深刻な影響を及ぼす犯罪です。そのため、法律は厳しい罰則を設けて取り締まっているのです。

麻薬は所持するだけで逮捕される?

職務質問や家宅捜索で麻薬の所持が発覚した場合、逮捕される可能性は非常に高いといえます。

逮捕の要件には、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることに加えて、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあることが必要です。麻薬事件の場合、手元にある薬物を処分したり、売人や共犯者と口裏を合わせたりすることが容易であるため、証拠隠滅のおそれが認められやすい傾向にあります。

実際に統計を見ても、麻薬事件では高い確率で逮捕されていることがわかります。検察統計によれば、2023年度の麻薬取締法違反の事件で逮捕された割合は約60%となっています。さらに、逮捕後に勾留請求が認められた割合は約99.4%に達しています。

これは、初犯であっても同様です。初めて麻薬を所持していたとしても、証拠隠滅のおそれが認められる以上、逮捕される可能性は高いのが現実です。

ただし、すべてのケースで必ず逮捕されるわけではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断された場合には、在宅捜査という形で捜査が進められることもあります。しかし、麻薬事件においては、そのようなケースは少数派といえるでしょう。

職務質問を受けた際、車の中から麻薬が見つかるケースや、自宅への家宅捜索で麻薬が発見されるケースでは、その場で現行犯逮捕されるか、後日に通常逮捕される可能性が極めて高いといえます。

麻薬の所持で逮捕された後の流れ

麻薬の所持で逮捕されると、刑事手続きが段階的に進んでいきます。ここでは、逮捕から判決までの流れについて、各段階ごとに解説していきます。

逮捕・勾留請求:72時間以内

麻薬所持で逮捕されると、まず警察署に連行され、取り調べを受けることになります。

警察は逮捕してから48時間以内に被疑者を釈放するか検察官に事件を送致するかを決定しなければなりません。この48時間の間、警察は取り調べを行い、証拠を集めて事件の概要を把握します。

警察から検察官に事件が送られると、検察官は送致を受けてから24時間以内に勾留請求をするかどうかを判断します。検察官は被疑者に対して取り調べ(弁解録取)を行い、事件の内容を確認したうえで、身体拘束を継続する必要があるかを判断するのです。

勾留請求をする場合、検察官は裁判官に勾留を請求し、裁判官が被疑者に対して勾留質問を行います。この質問では、事件の認否などについて確認がなされます。

つまり、逮捕されてから72時間以内(警察の48時間+検察の24時間)に、勾留するかどうかが決まるということになります。この間、弁護士以外の人との面会は原則として認められません。

麻薬事件の場合、証拠隠滅の可能性が高いと判断されやすいため、検察官が勾留請求をするケースがほとんどです。そして、検察官が勾留請求をした場合、現状としてはほぼ勾留が認められています。

勾留決定・勾留|最長20日間

勾留が決定されると、原則として10日間の身体拘束が続きます。この期間中、被疑者は警察署の留置場または拘置所で過ごすことになり、取り調べを受けます。

10日間で捜査が終了しない場合には、やむを得ない事情があるとして、さらに最大10日間、勾留が延長される可能性があります。麻薬事件は組織的な犯罪の疑いがあることも多く、また証拠隠滅が容易であることから、勾留延長が認められやすい傾向にあります。

したがって、逮捕から勾留満期までを合計すると最長で23日間の身体拘束を受けることになるのです

勾留中は原則として家族や友人との面会が可能になります。ただし、接見等禁止処分が付いた場合には弁護士以外との面会や手紙のやり取りも制限されます。麻薬事件は接見等禁止が付きやすい類型の犯罪です。

この勾留期間中に、検察官は集めた証拠に基づいて、起訴するかどうかの判断を行います。

検察官による終局処分|起訴・不起訴

勾留期間満了までに検察官は被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定します。これを検察官の終局処分といいます。

起訴には、公開の法廷で裁判を行う「公判請求」と、罰金刑を求める「略式請求」の2種類があります。麻薬所持の事案では麻薬取締法上罰金刑のみの法定刑がないため、公判請求がなされます

起訴されると、被疑者は被告人と呼ばれるようになり、刑事裁判を受けることになります。日本の刑事裁判における有罪率は約99%と非常に高く、起訴されればほぼ有罪判決を受けると考えられます。

一方、不起訴処分となれば、刑事裁判は行われずに事件はそこで終了します。不起訴になれば前科はつきません。

検察統計によると、2023年度の麻薬取締法違反で起訴された1,070人中、初犯者は776人(約72.5%)でした。つまり、初犯であっても7割以上が起訴されているという現実があります

起訴されずに不起訴処分を獲得するためには、早い段階から弁護士に相談し、適切な弁護活動を行うことが重要です。特に初犯で所持量が少量の場合には不起訴の可能性もあるため、速やかに専門家のサポートを受けることが望ましいでしょう。

刑事裁判・判決

起訴されると、約1〜2か月後に第1回目の裁判期日が開かれます。起訴前から勾留されていた場合、起訴後も勾留が続き、被告人は拘置所または留置場で裁判を待つことになります。

ただし、保釈が認められれば身体が解放されて自宅から裁判所に出廷することができます。保釈請求は起訴後であればいつでも可能であり、被告人自身のほか、配偶者や親などの近親者、弁護人から請求することができます。

刑事裁判は、冒頭手続、証拠調べ手続、弁論手続の順に進んでいきます。

冒頭手続では、まず裁判官が被告人の氏名などを質問して本人確認を行います(人定質問)。次に検察官が起訴状を朗読し、裁判官が被告人に黙秘権などの権利を告知します。そして、被告人と弁護人から起訴状の内容について認めるか認めないかの意見を聞きます(罪状認否)。

証拠調べ手続では、検察官が証拠を提出して立証を行い、続いて弁護人側も証拠を提出します。証拠には証人、証拠書類、証拠物があり、それぞれ尋問、朗読、展示という方法で調べられます。最後に被告人質問が行われ、被告人が答えたい場合には質問に答えることができます。

弁論手続では、検察官が論告・求刑を行い、次に弁護人が最終弁論を行います。そして被告人に最終陳述の機会が与えられ、審理が終結します。

審理が終結すると、1〜2週間程度で判決が言い渡されます。被告人が事実を認めていて複雑な事件でなければ、起訴されてから判決が出るまで2〜3か月程度が一般的です

判決で、有罪判決が言い渡されれば、具体的な刑罰の内容が告げられます。拘禁刑(懲役刑)の実刑であれば刑務所に収容されますが、執行猶予が付けば、執行猶予中の再犯などで執行猶予が取り消されない限りは、刑務所に入ることはありません。すぐに刑務所に行くことはありません

麻薬所持の初犯の場合、営利目的のない単純所持であれば執行猶予付きの判決が出る可能性もあります。しかし、量が多い場合や営利目的が認められる場合には、実刑判決となる可能性が高くなります。も十分にあります

判決に不服がある場合には、高等裁判所に控訴することができ、さらに最高裁判所に上告することも可能です。

麻薬所持で逮捕された場合、このような長期にわたる手続きが待っています。社会生活への影響も大きいため、早い段階で弁護士に相談し、適切な対応を取ることが極めて重要です。

麻薬の所持が発覚した場合の影響

麻薬の所持が警察に発覚すると、逮捕や起訴といった刑事手続きを受けるだけでなく、日常生活にさまざまな悪影響が及ぶことになります。ここでは、麻薬所持が発覚した場合に想定される具体的な影響について解説していきます。

逮捕・勾留による長期的な身体拘束

麻薬所持で逮捕されると、被疑者段階で最長で23日間もの長期にわたって身体が拘束されます。

逮捕から48時間、検察官送致後24時間の合計72時間は弁護士以外との面会が基本的にできません。家族であっても接見することはできないのです。その後、勾留が決定されると、原則として10日間、さらに最大10日間の延長が認められる可能性があります。

この間、被疑者は警察署の留置場または拘置所で生活することになり、会社や学校に行くことはできません。長期間連絡が取れない状態が続けば、職場や学校に不審に思われ、事情を説明せざるを得ない状況になることもあります。

さらに、麻薬事件では接見等禁止処分が付されやすい傾向にあります。接見等禁止処分が出ると、勾留中であっても弁護士以外との面会や手紙のやり取りが制限されます。家族とすら連絡が取れない状態になってしまうのです。

起訴された後も身体拘束が続くことが多く、保釈が認められない限り、判決が出るまで拘置所での生活が続きます。逮捕から判決までを合わせると、数か月にわたって社会から隔離された状態になる可能性もあるのです。

このような長期間の身体拘束は、本人にとっても家族にとっても大きな負担となります。

会社・学校からの処分を受ける可能性がある

麻薬所持で逮捕されると、会社を解雇されたり学校から退学処分を受けたりする可能性が高くなります。

まず、逮捕・勾留によって長期間欠勤することになるため、会社に逮捕の事実が知られる可能性があります。多くの企業では、就業規則において「違法薬物の使用や所持で有罪判決を受けた場合」を懲戒事由として定めています。

麻薬所持で有罪判決を受ければ、懲戒解雇や諭旨解雇といった重い処分を受ける可能性が高いといえます。たとえ執行猶予付き判決であったとしても、前科がつくことに変わりはないため、会社から何らかの処分を受けることは避けられないでしょう。

学生の場合も同様です。逮捕によって長期間学校を欠席することになり、学校側に事情が知られることになります。多くの学校では、薬物犯罪を起こした学生に対して退学処分や停学処分を科す規定を設けています。

特に未成年者の場合、薬物事件は家庭裁判所に送致され、少年審判を受けることになりますが、その結果にかかわらず学校から処分を受ける可能性があります。

また、麻薬所持で逮捕されたことが報道されると、インターネット上に情報が残り続けることになります。名前で検索すれば逮捕歴が出てくる状態になり、就職活動や転職活動において大きな障害となる可能性があります。

前科がつく可能性がある

起訴されて有罪判決を受けると前科がつくことになります。前科がつくことによるデメリットは非常に大きく、生活のさまざまな場面で不利益を被る可能性があります

まず、一部の職業では前科があると資格を取得できなくなったり、既に持っている資格が剥奪されたりする可能性があります。医師、薬剤師、弁護士、公認会計士、教員免許など、多くの国家資格には欠格事由が定められており、一定の前科がある場合は資格を取得できません。

就職や転職の際にも前科は大きな障害となります。履歴書に賞罰欄がある場合や、会社から前科の有無について申告を求められた場合には、正直に申告しなければなりません。前科を隠して就職した場合、後で発覚すると経歴詐称として懲戒解雇の対象となる可能性があります。

海外渡航にも影響が出ます。国によっては、前科がある人に対してビザの発給を制限したり、入国を拒否したりする場合があります。特にアメリカやカナダなどでは、薬物犯罪の前科がある場合、入国が困難になることが知られています。

前科の記録自体は検察庁に残りますが、戸籍や住民票に記載されることはありません。基本的には、自分から告白しない限り、一般の人に前科を知られることはないといえます。

ただし、一度インターネット上に報道されてしまうと、情報が半永久的に残り続ける可能性があります。削除申請などの法的措置が必要になる場合もあります。

麻薬の所持が発覚した場合の対処法

麻薬の所持が警察に発覚した場合、またはこれから発覚する可能性がある場合には、できるだけ早く弁護士に相談することが最も重要です

麻薬事件では、初動の速さが事件の結果を大きく左右します。逮捕される前であれば、弁護士と相談しながら自首することで、逮捕を回避できる可能性もあります。自首した場合、刑が減軽される可能性があることも法律で定められています。

すでに逮捕されてしまった場合でも、すぐに弁護士を選任することで、不利な供述調書を作成されることを防ぐことができます。警察や検察の取り調べでは、被疑者にとって不利な内容の供述を引き出そうとすることがあります。一度作成された調書の内容を後から覆すのは非常に困難です。

弁護士であれば、逮捕直後から接見することができます。取り調べに対する適切なアドバイスを受けることで、不当に不利な扱いを受けることを避けられます。

また、麻薬の所持について身に覚えがない場合や、事実と異なる疑いをかけられている場合には、弁護士が捜査段階から適切に対応することで、嫌疑不十分による不起訴処分を獲得できる可能性もあります。

事実を認めている場合であっても、弁護士が早期に介入することで不起訴処分や執行猶予付き判決を目指した弁護活動を行うことができます。

いずれにしても、麻薬の所持が発覚したら、一刻も早く刑事事件に詳しい弁護士に相談することが何よりも大切です。

麻薬の所持で弁護士に弁護活動を依頼するメリット

麻薬の所持事件において弁護士に依頼することには、多くのメリットがあります。ここでは、具体的にどのようなサポートを受けられるのかについて解説していきます。

メリット①:逮捕後72時間以内の迅速な対応

逮捕されてから検察官が勾留請求するまでの72時間は、家族であっても面会することができません。この期間に接見できるのは弁護士だけです。

この72時間は、取り調べが集中的に行われる非常に重要な時間です。警察官や検察官は、この期間中に被疑者から自白を引き出そうとします。適切な対応ができないと、不利な供述調書を作成されてしまう可能性があります。

弁護士であれば、逮捕直後から何度でも接見することができます。取り調べに対する具体的なアドバイスを受けることで、不当な供述を強要されることを防ぐことができます。

具体的には、黙秘権の行使の仕方、事実と異なる誘導に対する対処法、供述調書への署名・押印の判断など、取り調べのあらゆる場面で適切な助言を受けることができます。

また、弁護士は逮捕された本人と家族の架け橋にもなります。本人の状況を家族に伝えたり、家族からのメッセージを本人に伝えたりすることで、精神的な支えとなります。

さらに、この72時間の間に弁護士が検察官や裁判官に働きかけることで、勾留請求を阻止できる可能性もあります。勾留されなければ、最長23日間の身体拘束を避けることができ、社会生活への影響を最小限に抑えることができます。

メリット②:早期の身体解放活動

麻薬事件では勾留される可能性が高いですが、弁護士が適切に活動することで早期の身体解放を実現できる場合があります

まず、勾留請求の段階で、弁護士は検察官に対して勾留の必要がないことを主張します。逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないこと、家族による監督体制が整っていることなどを説明することで、勾留請求を思いとどまらせることができる可能性があります。

検察官が勾留請求をした場合でも、弁護士は裁判官に対して勾留の必要性がないことを訴えます。勾留質問の際に裁判官に意見書を提出したり、直接面談を申し入れたりすることで、勾留決定を回避できる可能性があります。

万が一勾留が決定されてしまった場合でも、弁護士は勾留決定に対する準抗告を申し立てることができます。準抗告が認められれば、勾留決定が取り消されて釈放されることになります。

起訴された後は、保釈請求を行うことができます。保釈が認められれば、保釈金を納付することで身体が解放され、自宅から裁判所に通うことができるようになります。麻薬事件の初犯の場合、適切な弁護活動によって保釈が認められる可能性は十分にあります

弁護士は、保釈請求書を作成するとともに、し、身元引受人を確保し、再犯防止のための環境整備を行うなど、保釈が認められるための準備を進めます。

メリット③:実刑を回避するための弁護活動

起訴されてしまった場合でも、弁護士による適切な弁護活動によって、執行猶予付き判決を獲得し、実刑を回避できる可能性があります。

麻薬所持の初犯の場合、営利目的でない単純所持であれば、執行猶予付き判決が出る可能性は十分にあります。ただし、何もしなければ実刑判決を受けるリスクも否定できません。

認めている場合、弁護士は、裁判において情状弁護を行います。具体的には、被告人が深く反省していること、再犯防止のための具体的な取り組みを行っていること、家族や周囲の監督・支援体制が整っていることなどを主張・立証していきます。

薬物依存の治療を専門とする医療機関への通院を開始したり、薬物依存症からの回復を支援する施設やプログラムに参加したりすることで、更生への意欲を具体的に示すことができます。弁護士は、このような専門機関を紹介し、通院や参加の手配をサポートします。

また、家族が情状証人として出廷し、今後の監督や支援を約束することも重要です。弁護士は、家族が法廷でどのように証言すればよいかについてもアドバイスを行います。

麻薬の入手ルートについて正直に供述し、売人との関係を断つことも、更生への意欲を示す重要な要素となります。弁護士は、どこまで供述すべきかについても適切にアドバイスします。

このような弁護活動を通じて、裁判官に「この被告人は社会内で更生できる」と判断してもらうことが、執行猶予獲得の鍵となります。

メリット④:再犯防止サポート

麻薬をはじめとする薬物事件は、残念ながら再犯率が非常に高いという特徴があります。薬物には強い依存性があるため、本人の意思だけではやめることが困難なのです。

弁護士は単に刑事手続きをサポートするだけでなく、被疑者・被告人が薬物と縁を切り、社会復帰するための長期的なサポートも行います

具体的には、薬物依存症の治療を専門とするクリニックや病院を紹介します。薬物依存症は医学的な治療が必要な病気であり、専門的な治療を受けることが再犯防止には不可欠です。

また、薬物依存症からの回復を目指す自助グループや回復支援施設への参加を勧めることもあります。同じような経験を持つ人たちと支え合いながら回復を目指すことで、孤立を防ぎ、継続的な支援を受けることができます。

家族に対しても、薬物依存症についての理解を深めてもらい、どのように本人をサポートしていけばよいかについてアドバイスを行います。家族の適切なサポートは、再犯防止において非常に重要な役割を果たします。

さらに、生活環境の改善についてもアドバイスを行います。薬物を使用していた環境から離れ、新しい生活を始めることが、再犯防止には効果的です。

このような再犯防止のサポートは、本人の更生を促すだけでなく、裁判において執行猶予を獲得するための重要な要素にもなります。

【解決実績】麻薬所持に関する事件の解決事例

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所では、麻薬所持に関する薬物事件はもちろん、数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所です。

ここからは、実際に弊所が担当した麻薬所持に関する事件の弁護活動や結果について紹介していきます。

事例①:コカイン使用の疑いで逮捕されるも不起訴処分に

数週間前に職務質問を受けた際の尿検査で麻薬(コカイン)の反応が出たことがきっかけとなり、麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで後日通常逮捕されたという事件です。

しかし、当初の職務質問の際や逮捕時の家宅捜索の際もコカイン含む薬物は一切発見されておらず、故意的に薬物を摂取したことを証明する証拠が乏しい状況でした。

そのため、弁護士は取調べ対応についてのアドバイスを重点的に行いました具体的には、頻繁に接見を行い、言うべき内容や黙秘するべき内容を本人の話をもとに慎重に検討し、取調べにおいてどのような内容を答えるべきかを丁寧にアドバイスしました。

これらの活動の結果、勾留延長満期の日に不起訴処分が決定しています。

このケースは、刑事事件に精通した弁護士から、早期に適切なアドバイスを受けたことが良い結果に結びついたケースといえるでしょう。

事例②:大麻とMDMAの所持で逮捕されるも執行猶予付き判決を獲得

大麻とMDMAを所持していた疑いで逮捕された今回の事件。勾留が決定した後に勾留の延長もされてしまいましたが、その間に弁護士が保釈申請に備えて周囲の環境調整を行っていきました。

起訴された後、すぐに保釈申請書に加えて身元引受人となる両親の上申書や本人の誓約書等を添付資料として裁判所に提出しました。

このような迅速な弁護活動の甲斐もあり、起訴された翌日には保釈が実現しています

また、保釈後も病院への通院を指示し、再犯防止に取り組みました。これらの活動が認められ、裁判では執行猶予付き判決を獲得することにも成功しています。

このケースは、逮捕されてすぐに弁護士を依頼して、迅速な弁護活動を継続的に受けたことが最善の結果に繋がったケースといえるでしょう。

【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙

実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙を紹介します。

麻薬の所持に関するQ&A

ここでは、麻薬の所持に関してよくある質問について、わかりやすく解説していきます。

Q.麻薬の所持は逮捕・勾留されやすい?

A.はい、麻薬の所持が発覚した場合、逮捕・勾留される可能性は非常に高いといえます

麻薬事件では、証拠隠滅が容易であることが大きな理由です。手元にある薬物を処分したり、売人や共犯者と口裏を合わせたりすることが簡単にできてしまうため、証拠隠滅のおそれが認められやすいのです。

統計を見ても、麻薬事件で逮捕される割合は高く、さらに逮捕後に勾留請求が認められる割合は約99%となっています。初犯であっても同様に、高い確率で逮捕・勾留されているのが現実です。

ただし、すべてのケースで必ず逮捕・勾留されるわけではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断された場合には、在宅捜査という形で手続きが進められることもあります。

在宅捜査の場合、自宅から警察署や検察庁に呼び出されて取り調べを受けることになりますが、日常生活を送りながら捜査に協力することができます。職場や学校への影響も最小限に抑えることができるでしょう。

弁護士が早期に介入し、適切に対応することで、逮捕を回避したり、勾留を阻止したりできる可能性もあります。

Q.麻薬の所持は初犯でも実刑になる?

A.麻薬の所持は、初犯であっても実刑判決を受ける可能性があります。ただし、事案の内容によって判断は大きく異なります

初犯の場合の量刑相場

麻薬の単純所持(営利目的でない所持)で初犯の場合、一般的な量刑相場は拘禁刑1年~1年6か月程度、執行猶予3年程度とされています。執行猶予が付けば、執行猶予中の再犯などで執行猶予が取り消されない限り刑務所に行くことはありません。すぐに刑務所に行くことはありません。

ただし、これはあくまで目安であり、以下のような事情がある場合には、初犯でも実刑判決を受ける可能性が高くなります。

実刑になりやすいケース

営利目的の所持の場合、罰則自体が重く、初犯であっても実刑判決を受ける可能性が極めて高くなります。

一方、所持量が少量で、初犯であり、深く反省して再犯防止の取り組みを行っている場合には、執行猶予付き判決を獲得できる可能性は十分にあります。

再犯の場合の量刑

再犯の場合は、初犯よりもさらに厳しい処分が予想されます。特に、前回の事件で執行猶予付き判決を受け、その執行猶予期間中に再び麻薬所持で逮捕された場合には、執行猶予が取り消され、前回の刑と今回の刑の両方を受けることになる可能性が高いです。

再犯の場合でも、刑法上の「再犯」に該当する場合には、刑が加重されます。つまり、前回の刑の執行を終えてから5年以内に再び罪を犯した場合、通常よりも重い刑が科されることになります。

再犯の場合、執行猶予を獲得するのは非常に困難ですが、適切な弁護活動によって可能性がゼロではありません。薬物依存症の治療を受け、更生への強い意欲を示すことが重要です。

Q.同居人や一緒にいた友人が麻薬を所持していた場合も逮捕される?

A.同居人や一緒にいた友人が麻薬を所持していた場合、自分自身が直接所持していなくても、共同所持として逮捕される可能性があります

共同所持とは

共同所持とは、複数人の間で、それぞれに以下の要件が認められる場合に成立します。

つまり、麻薬がそこにあることを知っていて、自分の意思で使用したり処分したりできる状態にあると認められる場合には、直接持っていなくても所持に該当するのです。

共同所持と認められる可能性が高いケース

例えば、以下のようなケースでは共同所持を認められる可能性があります。

共同所持が認められない可能性が高いケース

一方、以下のようなケースでは共同所持が認められにくいといえます。

共同所持の疑いで逮捕された場合、麻薬の存在の認識や管理処分権の有無が争点となります。取り調べで不利な供述をしてしまうと、後から覆すことは非常に困難です。

そのため、共同所持の疑いをかけられた場合には、早急に弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが極めて重要です。身に覚えがない場合には、その旨を一貫して主張し続けることが大切です。

麻薬の所持が発覚したら弁護士へ相談

麻薬の所持が警察に発覚した場合、または発覚する可能性がある場合には、できるだけ早く弁護士に相談することが何よりも重要です。

麻薬事件では逮捕・勾留される可能性が高く、長期間の身体拘束を受けることになります。会社を解雇されたり、学校を退学になったりする可能性もあります。起訴されて有罪判決を受ければ前科がつき、その後の人生に大きな影響を及ぼします。

しかし、弁護士が早期に介入することで、こうした不利益を最小限に抑えることができる可能性があります。逮捕を回避したり、早期に釈放されたり、不起訴処分を獲得したり、執行猶予付き判決を得たりすることも、適切な弁護活動によって実現できるのです。

特に、逮捕後72時間以内は弁護士しか接見できないため、この期間に弁護士のサポートを受けられるかどうかが、事件の行方を大きく左右します。

また、麻薬には強い依存性があり、再犯率が高いという特徴があります。弁護士は、刑事手続きのサポートだけでなく、薬物依存症の治療機関を紹介したり、再犯防止のための環境整備をサポートしたりすることで、依頼者が薬物と縁を切り、社会復帰するための長期的な支援も行います。

麻薬の所持が発覚したら、一人で悩まず、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に相談してください。早期の相談が、より良い解決への第一歩となります。