MDMA

MDMAで逮捕された後の流れは?MDMAで逮捕された事例や問われる罪

2026-03-09

MDMAは麻薬及び向精神薬取締法における「麻薬」に該当し、所持や使用が厳しく規制されている薬物です。
禁止されている行為をしてしまうと逮捕される可能性が非常に高い重大な事件であり、勾留・起訴される可能性も高く、場合によっては実刑判決が下されることもあるかもしれません

本記事では、MDMAで逮捕された後の流れや実際にMDMAで逮捕された事例について詳しく解説していきます。
MDMAで逮捕されるパターンや弊所のMDMA事件の解決実績も紹介していくので、ご家族がMDMAで逮捕されてしまったという方は、ぜひ参考にしてください。

MDMAとは

MDMAは正式には「3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン」という化学名を持つ合成麻薬の一種です。俗に「エクスタシー」とも呼ばれ、錠剤やカプセルの形で流通しています。

この薬物を摂取すると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンが過剰に放出されます。その結果、多幸感や他者との一体感、感覚の鋭敏化といった作用が現れるのです。音楽やダンスが楽しく感じられるため、クラブなどの娯楽施設で使用されるケースが多く見られます。

しかし、MDMAには深刻な危険性があります。体温上昇や心拍数の増加、血圧の上昇などの身体的影響に加え、不安感やパニック、幻覚といった精神的な副作用も報告されています。長期使用による脳へのダメージも指摘されており、記憶障害やうつ症状が残る可能性もあるのです

日本では、MDMAは麻薬及び向精神薬取締法で規制される「麻薬」に分類されています。医療目的での使用も一切認められておらず、所持や使用は例外なく違法行為となります。

MDMAで逮捕された場合に問われる罪

MDMAで逮捕されると、麻薬及び向精神薬取締法違反という罪に問われることになります。この法律は、麻薬や向精神薬の乱用を防止し、国民の健康を守ることを目的として制定されました。

麻薬及び向精神薬取締法は、その名のとおり「麻薬」と「向精神薬」という2つのカテゴリーの薬物を規制対象としています。麻薬には、ヘロインやコカイン、LSD、そしてMDMAなどが含まれます。一方、向精神薬は医療目的で使用されることもある睡眠薬や抗不安薬の一部が該当します。

MDMAは法律上「麻薬」として扱われるため、覚醒剤取締法ではなく、麻薬及び向精神薬取締法によって規制されているのです。この点を混同している方も多いのですが、覚醒剤とMDMAは別の法律で取り締まられています

では、なぜMDMAがこれほど厳しく規制されているのでしょうか?それは、強い依存性と健康被害のリスクが極めて高いためです。法律では、製造から輸入、所持、使用に至るまで、あらゆる行為を禁止し、違反者には厳罰を科すことで、社会からの排除を図っています。

逮捕されるとどのような刑罰が待っているのか、次の章で詳しく見ていきましょう。

MDMAで逮捕された場合の刑罰|行為類型別

MDMAに関する犯罪は、その行為の内容によって刑罰の重さが大きく異なります。ここでは、麻薬及び向精神薬取締法に規定されている刑罰を、行為類型別に具体的に解説していきます。

使用・所持・譲渡・譲受

MDMAを使用したり、自分で持っていたり、他人に渡したり、逆に受け取ったりする行為には、10年以下の拘禁刑が科されます。

麻薬及び向精神薬取締法第64条の2第1項には、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、交付し、又は所持した者は、10年以下の懲役に処する」と規定されています。また、同法第66条第1項では、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、使用した者は、10年以下の懲役に処する」とされています。

なお、2025年6月から刑法が改正され、従来の「懲役刑」と「禁固刑」は「拘禁刑」に一本化されました。そのため、現在の法律では拘禁刑として処罰されることになります。

つまり、MDMAを「持っているだけ」「一度使っただけ」という場合でも、最長で10年間刑務所に入る可能性があるのです。友人から譲り受けた場合も同じ刑罰が適用されます。「自分で使うためだけに持っていた」という弁解は通用しません。

輸出・輸入・製造

MDMAを海外から持ち込んだり、海外に持ち出したり、あるいは自分で作ったりする行為は、さらに重い罪となります。これらの行為には、1年以上の有期拘禁刑が科されます。

麻薬及び向精神薬取締法第64条第1項には、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製造し、輸入し、又は輸出した者(前条第1項に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する」と定められていました。こちらも2025年6月の法改正により、現在は拘禁刑として処罰されます。

「1年以上の有期拘禁刑」とは、最低でも1年、最長で20年の刑務所暮らしを意味します。所持や使用よりも刑罰の下限が高く設定されているのは、これらの行為が薬物の流通を拡大させ、社会に与える影響が大きいと考えられているためです。

海外旅行の際に「お土産として頼まれた」「中身を知らなかった」という言い訳をしても、原則として罪を免れることはできません。

【営利目的】所持・譲渡・譲受

MDMAを販売して利益を得る目的で所持したり、譲渡・譲受したりする行為は、営利目的の犯罪として扱われます。この場合の刑罰は、1年以上の有期拘禁刑、または情状により500万円以下の罰金の併科です。

麻薬及び向精神薬取締法第64条の2第2項には、「営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する」と規定されていました。こちらも現在は拘禁刑として処罰されます。

「営利目的」とは、金銭的な利益を得ることを目的とする場合を指します。たとえば、友人に売るつもりで大量に所持していた場合や、実際に販売していた場合が該当します。営利目的が認められると、単なる所持よりも重い刑罰が科されることになるのです。

さらに、罰金刑が併科されることもあります。懲役刑だけでなく、経済的な負担も同時に負わされる可能性があるということです。

【営利目的】輸出・輸入・製造

営利目的でMDMAを輸入・輸出・製造する行為は、最も重い刑罰の対象となります。この場合、無期もしくは3年以上の拘禁刑、または情状により1,000万円以下の罰金の併科が科されます。

麻薬及び向精神薬取締法第64条第2項には、「営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期又は3年以上の懲役に処し、又は情状により無期又は3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する」と定められていました。現在は拘禁刑として処罰されます。

「無期拘禁刑」とは、終身刑に近い意味を持ちます。つまり、事実上、一生刑務所から出られない可能性もあるということです。営利目的での製造や輸入は、薬物犯罪の中でも最も悪質な行為とみなされており、極めて厳しい処罰が用意されているのです。

罰金刑も最大で1,000万円と高額に設定されており、刑期だけでなく経済的にも大きな打撃を受けることになります。

MDMAで逮捕されるパターン

MDMAで逮捕されるケースにはいくつかの典型的なパターンがあります。警察は様々な方法で薬物犯罪を取り締まっており、「バレないだろう」という甘い考えは通用しません。ここでは、実際によくある逮捕のパターンを3つ紹介します。

職務質問でMDMAの所持・使用が発覚して逮捕

最も多いのが、警察官による職務質問がきっかけで逮捕されるケースです。

深夜の繁華街やクラブ周辺で、挙動不審な様子の人物に対して警察官が声をかけることがあります。その際、所持品検査を求められ、カバンやポケットの中からMDMAの錠剤が見つかるのです。また、尿検査を求められ、使用の痕跡が検出されることもあります。

職務質問自体は任意ですが、拒否すると「怪しい」と判断され、さらに厳しく追及される可能性があります。所持品検査も基本的には任意ですが、拒否し続けると令状を取得して強制的に捜索されることもあるのです

MDMAを所持している状態で職務質問を受けると、その場で現行犯逮捕される可能性が高くなります。「友人に預かっただけ」「中身を知らなかった」という言い訳も、証拠がない限り通用しません。

他のMDMA事件から警察が情報を入手して逮捕

警察が別のMDMA事件を捜査する過程で、関係者として名前が浮上し、後日逮捕されるケースもあります。

たとえば、MDMAの売人が逮捕された際、その人物のスマートフォンや取引記録から購入者の情報が判明することがあります。警察はそうした情報をもとに、購入者を特定し、裏付け捜査を進めるのです。

また、SNSやメッセージアプリでのやり取りが証拠となることもあります。「安全だと思っていた」暗号化アプリでも、警察が端末を押収すれば履歴を確認できる場合があるのです。

こうしたケースでは、ある日突然、警察が自宅や職場に現れて逮捕されることになります。「もうずいぶん前のことだから大丈夫」と思っていても、時効が成立するまでは逮捕されるリスクがあるのです。

家宅捜索でMDMAが見つかり逮捕

警察の捜査によって裁判所から捜索令状が発付され、自宅などが家宅捜索された結果、MDMAが発見されて逮捕されるパターンもあります。

家宅捜索は、すでに何らかの証拠や情報をもとに、警察が「この人物がMDMAを所持している可能性が高い」と判断した場合に行われます。令状が出れば、警察は強制的に自宅に入り、家中を隈なく調べることができるのです

隠し場所を工夫していても、警察の捜索は徹底的に行われます。タンスの奥、天井裏、車の中など、あらゆる場所がチェックされ、MDMAが見つかれば現行犯逮捕となります。

また、家宅捜索ではMDMA本体だけでなく、取引に関するメモや連絡記録なども押収されます。これらが追加の証拠となり、より重い罪に問われる可能性もあるのです。

実際にMDMAで逮捕された事例紹介

ここでは、実際にMDMAで逮捕された事例をいくつか紹介します。

事例①:職務質問でMDMAが見つかり逮捕

知り合いからMDMAを購入し、車で帰宅している最中にすれ違ったパトカーに驚いて思わず目をそらしてしまい、その反応を見た警察官から停止命令を受け、職務質問されることになったという今回の事例。

車内検索を実施した際に警察官がMDMAの錠剤を発見し「これは何ですか。」と聞かれ、「分からない、私の物ではない」と否定したものの、警察官に鋭意追及された結果、MDMAを購入し、所持していたことを認めました。

その後、麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで現行犯逮捕されています。

事例②:家宅捜索でMDMAが見つかり逮捕

友人に「ストレス解消になる薬があるよ」「俺も使ってるから大丈夫」とMDMAを勧められたことをきっかけに、その後も定期的に購入していたという今回の事例。

ある日、突然自宅に警察官が訪れ、「MDMAの使用、所持の嫌疑で家宅捜索させてもらいます。」と言い、家宅捜索が開始され、自室に友人から購入したMDMAが見つかりました。

警察官はMDMAを押収した後、鑑定に出すということでその日は撤収しましたが、後日警察署に出頭させ、逮捕されています。

MDMAで逮捕された後の流れ

MDMAで逮捕されると、その後どのような流れで手続きが進むのでしょうか。逮捕から裁判、そして判決までには、法律で定められた厳格な手続きがあります。ここでは、各段階で何が起こるのかを順を追って解説します。

逮捕による身柄拘束|48時間

逮捕されると、まず警察署に連行され、最長で48時間身柄を拘束されます

この48時間の間に、警察官による取り調べが行われます。逮捕の理由、MDMAの入手経路、使用・所持の目的、共犯者の有無などについて、詳しく聴取されるのです。取り調べは厳しく、長時間に及ぶこともあります。

また、この段階で弁護士を呼ぶ権利があります。「弁護人選任権」と呼ばれるもので、逮捕された人は誰でも弁護士に依頼することができるのです。弁護士がいれば、取り調べに対するアドバイスを受けたり、不当な扱いを防いだりすることができます。

48時間以内に、警察は事件を検察官に送致するかどうかを判断します。送致されると、次の段階に進むことになるのです。逆に、証拠が不十分だと判断されれば、この時点で釈放される可能性もあります。ただし、薬物事件では多くの場合、送致される傾向にあります。

検察官による勾留請求|24時間

警察から事件が送致されると、検察官が引き継ぎます。検察官は送致を受けてから24時間以内に、被疑者をさらに拘束し続けるための「勾留請求」を行うかどうかを判断します

勾留請求とは、捜査を続けるために被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があると裁判所に求める手続きです。薬物事件では、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるとされ、勾留請求されるケースが大半を占めます。

この24時間の間にも、検察官による取り調べが行われます。警察の取り調べ内容を確認しながら、さらに詳しく事情を聴かれることになるのです。検察官は警察よりも法律の専門家であり、より鋭い質問が飛んでくることもあります。

勾留請求が行われると、裁判官が勾留の可否を判断します。裁判官が勾留を認めると、次の段階に進むことになります。

勾留決定による身柄拘束|最長20日間

裁判官が勾留を認めると、被疑者は引き続き身柄を拘束されることになります。勾留期間は原則として10日間ですが、特に必要があると認められれば、さらに10日間延長され、合計で最長20日間拘束される可能性があります

この期間中、検察官や警察官による取り調べが継続されます。MDMAの入手ルート、共犯者の特定、余罪の確認など、事件の全容を解明するための捜査が徹底的に行われるのです。

勾留中は、留置場や拘置所で過ごすことになります。自由に外出することはできず、家族との面会も制限されます。仕事や学校には行けないため、社会生活に大きな影響が出ることになります。

弁護士との接見は比較的自由に行えますが、それ以外の面会は警察や検察の許可が必要です。精神的にも肉体的にも厳しい日々となるでしょう。

検察官による終局処分(起訴・不起訴)

勾留期間が終了するまでに、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。これを「終局処分」と呼びます。

起訴とは被疑者を正式に刑事裁判にかけることを意味します。検察官が「この人物は有罪である」と判断し、裁判所に訴えを起こすのです。MDMA事件では、証拠が揃っていれば起訴される可能性が非常に高くなります。

一方、不起訴とは裁判にかけずに事件を終結させることです。証拠不十分や起訴する必要性が低いと判断された場合に選択されます。ただし、薬物事件で不起訴になるケースは極めて稀です。初犯で所持量が少なく、本人が深く反省している場合などに限られます。

起訴されると、被疑者から「被告人」へと呼び方が変わります。そして、いよいよ刑事裁判が始まることになるのです。

刑事裁判・判決

起訴されると、刑事裁判が開かれます。裁判では、検察官が起訴内容を説明し、被告人や弁護人が反論する形で審理が進みます。

初公判では、起訴状が読み上げられ、被告人は罪を認めるかどうかを問われます。多くのMDMA事件では、証拠が明確なため、罪を認める被告人が多い傾向にあります。

その後、証拠調べや証人尋問が行われます。検察側は、押収されたMDMAの鑑定結果や取り調べ記録を証拠として提出します。弁護側は、被告人の反省の態度や更生の可能性を主張し、できるだけ軽い刑を求めるのです。

最終的に、裁判官が判決を言い渡します。初犯であれば執行猶予がつく可能性もありますが、再犯や営利目的の場合は実刑判決となる可能性が高くなります。判決が確定すると、刑務所に収監されることになるのです。

判決に不服がある場合は、控訴することもできますが、薬物事件では一審の判決が覆ることは少ないのが現実です。

MDMAで逮捕された場合の影響

MDMAで逮捕されると、刑事処分だけでなく、日常生活にも深刻な影響が及びます。

逮捕という事実そのものが、本人にとっても家族にとっても大きな負担となるのです。仕事を失ったり、学校を辞めざるを得なくなったり、将来の選択肢が大きく狭まる可能性があります。ここでは、具体的にどのような影響が出るのかを見ていきましょう。

長期的な身柄拘束

逮捕されると最長で23日間にわたって身柄を拘束される可能性があります。この期間は、外部との連絡が大きく制限され、自由を奪われた状態が続くのです。

留置場や拘置所での生活は、想像以上に過酷なものです。狭い部屋に閉じ込められ、決められた時間に食事や入浴を済ませる規則正しい生活を強いられます。プライバシーはほとんどなく、常に監視されているような環境で過ごすことになるのです。

精神的な負担も計り知れません。「これからどうなるのか」という不安、家族や職場への申し訳なさ、自分の人生が終わってしまうのではないかという絶望感—。こうした感情と向き合いながら、取り調べに応じなければならないのです。

また、肉体的にも疲弊します。長時間の取り調べによる疲労、不慣れな環境でのストレス、十分な睡眠が取れないことによる体調不良など、健康を害するリスクも高まります。長期の身柄拘束は、心身ともに大きなダメージを与えるものなのです。

会社・学校から処分を受ける可能性がある

逮捕による長期的な身柄拘束は、会社や学校に事件のことが発覚するきっかけとなります。無断欠勤が続けば、職場や学校から連絡が入り、事情を説明せざるを得なくなるのです。

会社員の場合、薬物事件での逮捕が発覚すれば懲戒解雇となる可能性が非常に高くなります。多くの企業では、就業規則に「薬物使用や違法行為を行った場合は解雇する」という規定が設けられているためです。たとえ初犯であっても、会社の信用を損なう行為として厳しく処分されることになります。

学生の場合も同様です。大学や専門学校では、薬物事件を起こした学生に対して退学処分停学処分を下すことがあります。特に教員免許や医療系の資格を目指している場合、逮捕歴があると資格取得そのものが困難になる可能性があるのです。

さらに、事件が報道されれば、家族や周囲の人々にも知られることになります。社会的な信用を失い、人間関係にも深刻な影響が出るでしょう。

前科が付く可能性が高い

MDMAで起訴され、有罪判決を受けると、前科がつきます。前科とは刑事裁判で有罪判決を受けた記録のことで、一生消えることはありません。

前科がつくと様々な場面で不利益を被ることになります。まず、就職活動において大きなハンディキャップとなります。履歴書に賞罰欄がある場合、前科を正直に記載しなければならず、採用を見送られる可能性が高まるのです。特に公務員や金融機関、教育関係の職種では、前科がある時点で採用が難しくなります。

また、海外渡航にも影響が出ます。国によっては、薬物事件の前科がある人物に対してビザの発給を拒否することがあるのです。仕事や観光で海外に行く予定があっても、前科があることで渡航できない可能性があります。

さらに、資格取得にも制限がかかります。医師、弁護士、教員、看護師など、多くの国家資格では、薬物事件の前科がある場合、資格の取得や更新ができなくなることがあるのです。

前科は、人生の選択肢を大きく狭める重い足枷となります。

家族がMDMAで逮捕された場合の対処法

家族がMDMAで逮捕されたという連絡を受けたら、どうすればよいのでしょうか。突然のことに動揺し、何をすべきか分からなくなるのは当然です。

しかし、この初動対応が今後の流れを大きく左右します。まず最も重要なのは、できるだけ早く弁護士に相談することです。逮捕後72時間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、この間にどれだけ適切な対応ができるかが、その後の結果に大きく影響します。

弁護士に依頼すれば、すぐに本人と接見してもらえます。取り調べに対するアドバイスを受けたり、精神的なサポートを得たりすることができるのです。また、勾留を阻止するための意見書を提出してもらうこともできます。

家族としてできることは他にもあります。本人の反省を示すための上申書を作成したり、職場や学校への説明を準備したり、薬物依存の治療を受けるための環境を整えたりすることです。これらは、不起訴や執行猶予を獲得するための重要な材料となります。

一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが何よりも大切です。弁護士は法律のプロフェッショナルであり、最善の道を示してくれるでしょう。家族が逮捕されたら、まずは信頼できる弁護士を探すことから始めてください。

MDMAで逮捕された場合に弁護士に依頼するメリット

MDMAで逮捕された場合、弁護士に刑事弁護を依頼することで多くのメリットを得られます。

法律の専門家である弁護士は、事件の初期段階から裁判まで、あらゆる場面で被疑者・被告人の権利を守り、最善の結果を目指して活動してくれるのです。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。

逮捕後72時間以内の迅速な対応

逮捕後の72時間は事件の行方を決める極めて重要な時間です。この間に適切な対応ができるかどうかで、その後の流れが大きく変わります。

弁護士に依頼すれば逮捕直後から本人と接見することができます。家族でさえ制限される面会も、弁護士であれば比較的自由に行えるのです。接見では、取り調べに対する具体的なアドバイスを受けられます。どのように供述すべきか、黙秘権をどう行使するか、不当な取り調べにどう対応するかなど、法律の専門家ならではの助言がもらえるのです。

また、弁護士は検察官への意見書を提出することもできます。「勾留の必要がない」「本人は深く反省している」「家族の監督が期待できる」といった内容を記載し、勾留請求をしないよう求めるのです。この意見書が認められれば48時間で釈放される可能性もあります。

初動の遅れは取り返しがつきません。逮捕されたら、すぐに弁護士に連絡することが何よりも重要なのです。

釈放・保釈を目指す早期の身柄開放

長期の身柄拘束を避けるため、弁護士は釈放保釈を目指した活動を行います。

勾留が決定される前であれば、弁護士は裁判官に対して「勾留の必要性がない」ことを主張する意見書を提出します。証拠隠滅や逃亡のおそれがないこと、家族の監督体制が整っていることなどを具体的に示すのです。この活動が功を奏せば、勾留決定を阻止して早期に釈放される可能性があります。

すでに勾留が決定されている場合でも、弁護士は勾留に対する準抗告や保釈請求を行います。保釈とは、保証金を納めることで一時的に身柄を解放してもらう制度です。保釈が認められれば、自宅から会社や学校に通うことができ、日常生活を維持しながら裁判に臨めるのです。

早期の身柄開放は社会的な不利益を最小限に抑えるために非常に重要です。仕事を続けられれば解雇を避けられる可能性が高まりますし、学校に通えれば退学処分を免れるかもしれません。弁護士の活動は、依頼者の生活を守るための重要な役割を果たすのです。

不起訴・執行猶予付き判決に向けた弁護活動

弁護士の最終的な目標は、不起訴処分を獲得すること、あるいは起訴された場合でも執行猶予付き判決を勝ち取ることです。

不起訴処分とは、検察官が起訴を見送り、裁判にかけないという決定です。不起訴になれば前科がつかず、社会生活への影響を大きく軽減できます。弁護士は、本人の反省を示す上申書や、家族の監督を約束する書面、薬物依存の治療計画などを検察官に提出し、不起訴処分を求めて交渉するのです。

起訴された場合でも、弁護士は執行猶予を目指して活動します。執行猶予とは、刑の執行を一定期間猶予し、その間に再犯がなければ刑を免除する制度です。初犯で反省の態度が明確であれば、執行猶予がつく可能性が高まります。

弁護士は法廷で、被告人の更生可能性や社会復帰の計画を具体的に主張します。薬物依存のクリニックに通院していること、家族のサポート体制が整っていることなどを証拠とともに提示し、裁判官に執行猶予が相当であると訴えるのです。

再犯防止策の提案・サポート

MDMAを含む薬物犯罪は再犯率が非常に高いという特徴があります。一度薬物に手を出してしまうと、依存症に陥り、再び使用してしまう可能性が高いのです。

弁護士は再犯を防ぐためのサポートも行います。まず、薬物依存症の専門クリニックや医療機関を紹介してくれます。専門的な治療を受けることで、依存からの回復を目指すことができるのです。治療を受けている事実は裁判でも有利な材料となります。

また、家族に対しても、どのように本人をサポートすべきかアドバイスをしてくれます。薬物依存は本人の意志だけでは克服できないことも多く、家族の理解と協力が不可欠です。弁護士は家族が適切に関わるための方法を提案してくれるのです。

さらに、自助グループやカウンセリングなどの情報も提供してもらえます。同じ悩みを持つ人たちと交流することで、孤独感を和らげ、回復への意欲を高めることができます。弁護士は、法律面だけでなく、依頼者の人生を立て直すための総合的なサポートを行ってくれるのです。

【解決実績】弊所で依頼を受けた麻薬事件

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は薬物事件はもちろん、数多くの刑事事件の弁護活動を担当した実績を誇る法律事務所になります。

実際に弊所で依頼を受けた麻薬事件について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【お客様の声】コカイン所持事件で保釈請求

 

MDMAの逮捕に関するQ&A

MDMAでの逮捕について、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よくある質問に対して、具体的なデータや事例をもとに回答します。

Q.MDMAで逮捕されたら必ず勾留される?

A.必ずとは言えませんが、勾留される可能性は極めて高いのが現実です

薬物事件全体の勾留率は約90%以上とされており、MDMAを含む麻薬事件でも同様に高い割合で勾留が決定されています。裁判所は、薬物事件では証拠隠滅のおそれ(共犯者への口裏合わせ、薬物の処分など)や逃亡のおそれが高いと判断する傾向があるためです。

ただし、初犯で所持量が少なく、家族の監督が期待でき、証拠隠滅や逃亡のおそれがないと認められれば、勾留されずに釈放される可能性もゼロではありません。弁護士が適切な意見書を提出し、検察官や裁判官を説得できれば、勾留を回避できるケースもあるのです。

とはいえ、勾留される可能性が非常に高いことを前提に、早めに弁護士に相談し、対策を講じることが重要でしょう。

Q.MDMAで逮捕されたら必ず起訴される?

A.起訴される可能性は非常に高いと言えます

薬物事件全体の起訴率は約60%程度とされていますが、これは微量所持や初犯などの事案も含まれた数字です。MDMAのような規制薬物を明確に所持・使用していた場合、証拠が揃っていれば起訴される可能性は極めて高くなります。

不起訴になるのは、以下のようなケースに限られます。

こうした条件を満たし、弁護士が粘り強く交渉することで、不起訴処分(起訴猶予)を獲得できる可能性があります。しかし、現実的には起訴されるケースが大半を占めるため、起訴後の対応(執行猶予の獲得など)を視野に入れた弁護活動が重要になるのです。

Q.MDMAで逮捕されたら初犯でも実刑になる?

A.初犯であっても、実刑になる可能性はあります

MDMAを含む麻薬事件の量刑相場は、以下のとおりです。

【初犯の場合】

初犯であれば、多くの場合は執行猶予がつきます。ただし、所持量が多い、営利目的が認められる、反省の態度が見られないなどの事情があれば、初犯でも実刑判決が下される可能性があるのです。

【再犯の場合】

再犯の場合は、執行猶予がつく可能性は極めて低くなります。裁判所は「前回の処分では更生できなかった」と判断し、厳しい刑罰を科す傾向があるのです。

実刑を避けるためには、初犯の段階で徹底的に反省し、二度と薬物に手を出さない環境を整えることが不可欠です。

家族がMDMAで逮捕されたら弁護士へ

MDMAでの逮捕は本人だけでなく家族にとっても大きな衝撃です。しかし、適切な対応を取ることで、事態を少しでも好転させることができます。

この記事では、MDMAとは何か、逮捕された場合の罪と刑罰、逮捕後の流れ、そして弁護士に依頼するメリットについて解説してきました。重要なポイントをまとめると、以下のとおりです。

もし家族がMDMAで逮捕されたら、できるだけ早く弁護士に相談してください。初動の遅れは取り返しがつきません。弁護士は法律の専門家として、最善の道を示してくれるでしょう。

一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが、本人と家族の未来を守る第一歩となります。