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【事例解説】覚せい剤の所持で現行犯逮捕 

2024-02-12

覚せい剤の所持で現行犯逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

大麻草

事例

Aさんは、町の裏路地で売人から自分が使用する目的覚せい剤購入しました。自宅に帰るところで、警察に呼び止められ、職務質問の上、所持品検査を受けたことで覚せい剤の所持が発覚し、Aさんは現行犯逮捕されてしまいました。 
(フィクションです。)

覚せい剤取締法とは

覚せい剤取締法は、覚せい剤の使用や所持等を規制するために制定された法律です。
この法律により、覚せい剤とは「フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類」や当該塩類等を含有する物と定義されています。
覚せい剤原料となるものも規制されており、メタンフェタミンやアンフェタミンに容易に変化しうる化合物が覚せい剤原料として指定されています。
合法的に入手することは原則としてできませんが、例外としてメタンフェタミン塩酸塩は、ヒロポンという商品名で処方されることがあります。
覚せい剤取締法は、覚せい剤を所持、使用、譲り受け・譲り渡し、輸入・輸出などすることを規制しています。
覚せい剤製造業者として指定を受けるなどしていなければ、基本的には、適法に覚せい剤にかかわることはできず、覚せい剤に関与した場合には、何らかの形で覚せい剤取締法に抵触することになります。

覚せい剤取締法違反の成立要件

覚せい剤取締法違反の罪は、覚せい剤をみだりに所持、輸入・輸出、譲り受け・譲り渡した場合に成立します。
覚せい剤製造業者として指定を受けるなどしていない場合、覚せい剤を所持等していた行為が「みだり」な態様ではないとされるケースは考えにくいため、所持等の行為が認められる場合には、原則的には、それだけで覚せい剤取締法違反の罪が成立してしまうことになります。
そのため、覚せい剤に関わる行為は、極めて厳しく規制されており、違反した場合の刑罰も重いものとなっています。

覚せい剤取締法違反の罪の故意

覚せい剤取締法は、過失で覚せい剤を使用・所持等してしまった場合には刑罰を科していません。
したがって、覚せい剤取締法違反の罪の成立には、使用・所持する等した薬物が覚せい剤であることを認識していたことまで立証されなければなりません。
しかし、覚せい剤取締法違反についての「故意」は、使用・所持するなどした薬物が覚せい剤であることを確信していなくても、身体に有害である違法な薬物であることについての認識があれば、覚せい剤であることを確定的に認識していなかったとしても、未必的に覚せい剤であることについて認識できていたとして、故意が認定されてしまいます。
覚せい剤の所持や使用に関する故意の問題は、法的な争点となることが多く、特に使用の場合、故意が否定されて無罪が言い渡されたケースは極めて限られています。
覚せい剤を誤って体内に摂取してしまうような事態は容易に想定できず、何らかの薬物であるものと誤信して覚せい剤を摂取した場合には、違法な薬物である旨の認識は容易に認められてしまうためです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は覚せい剤取締法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
覚せい剤取締法違反の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】アメリカからの留学生が覚醒剤所持で逮捕

2024-01-25

アメリカからの留学生が覚醒剤の所持で逮捕された覚醒剤取締法違反事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例紹介

Aさんはアメリカ国籍で日本には留学の資格で在留しています。
Aさんはある日、深夜に出歩いていたところ、警察官の職務質問を受けることになり、その時になされた所持品検査によって、後で自分で使用しようと持っていた覚醒剤が見つかったことで、Aさんはそのまま覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されることになりました。
警察から、Aさんが逮捕されたことを知ったAさんのステイホーム先のBさんは、刑事事件に強い弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(この事例はフィクションです)

外国籍の人が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されると?

覚醒剤取締法14条では、一定の場合を除いて、原則として覚醒剤の所持を禁止しています。
この規定に反して、覚醒剤をみだりに所持すると、覚醒剤取締法41条の2第1項によって、10年以下の懲役刑が科される可能性があります。
また、自分で使用するために覚醒剤を所持していたのではなく、営利の目的で覚醒剤を所持していた場合には、覚醒剤取締法41条の2第2項によって、より重い1年以上の有期懲役刑か、又は情状によって1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金刑に科される可能性があります。
事例のAさんは、自分で使用するために覚醒剤を所持していましたので、覚醒剤の単純所持として覚醒剤取締法41条の2第1項によって、刑事罰が科される可能性があることになります。

ところで、逮捕された方が覚醒剤を所持していたことを認めている場合、初犯の場合であっても、覚醒剤の単純所持罪で起訴されて執行猶予付きの有罪判決になることが多いです。
Aさんはアメリカ国籍で留学の資格で在留していますが、Aさんに、仮に覚醒剤の単純所持で執行猶予付きの有罪判決がなされると、執行猶予付きであっても、覚醒剤取締法違反の有罪判決を受けたということで退去強制事由に該当することになります(入管法24条4号チ)ので、強制送還の対象になってしまうことになります。

外国籍の方が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されてお困りの方は

外国籍の方が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたことを知ったら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見では、弁護士と一緒に通訳の人も同行してもらうことができますので、外国籍の方で日本語があまりうまく話せないという方であっても、通訳の人を介して弁護士が今後の手続きの流れや事件の見通しについてアドバイスをすることができます。

また、事例のように外国籍の方が刑事事件を起こしてしまった場合、在留資格に与える影響が大きく、刑事事件が終了した後に在留資格の問題が生じる可能性がありますが、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件の他に強いだけでなく、外国籍の方の在留手続きにも詳しい弁護士が在籍している法律事務所です。
そのため、外国籍の方が覚醒剤取締法違反事件のような薬物事件で逮捕されて今後どうなるのか、強制送還になってしまうのかといったことについて分からず、ご不安に思われている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕

2024-01-03

覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕された覚醒剤取締法違反のケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻草

事例紹介

Aさんは、深夜に、友人のBさんを助手席に乗せて2人でドライブをしていたところ、信号無視をしてしまいました。
この様子を見ていた警察官がAさんが運転する車を停止させて、交通違反の切符を切るために手続きをしていたところ、Bさんに薬物使用の疑いがあることが分かったため、AさんとBさんは一緒に職務質問を受けることになりました。
Bさんは、自分の上着のポケットに入っていた覚醒罪が入った袋が見つかってはマズイと思い、咄嗟に覚醒罪が入った袋をAさんの車の助手席のドアポケットに隠しました。
警察官がAさんの職務質問の流れでAさんの車の中の捜索をしたところ、助手席側のドアポケットから小さな袋に入った白い結晶が見つかったため、警察官がこの結晶を簡易検査したところ、覚醒剤であることが判明しました。
Bさんが観念して自分の覚醒剤ですとその場で話しましたが、覚醒剤が発見された場所がAさんの名義である車内であったことから、AさんもBさんと一緒に覚醒剤を所持していたとして覚醒剤の所持の疑いで警察に逮捕されてしまいました。
(この事例はフィクションです)

覚醒剤の共同所持とは

事例のAさんは、Bさんと一緒に覚醒剤を所持していたとして覚醒剤所持の疑いで逮捕されています。
覚醒剤を所持することについては、覚醒剤取締法41条の2で「覚醒剤を、みだりに、所持し…た者…は、10年以下の懲役に処する」としています。
この覚醒罪の所持については、1人で覚醒罪を所持する単独所持の他に、複数人で一緒に覚醒罪を所持する共同所持の場合も含まれると考えられています。
そのため、事例のようにたまたま乗せた友人が持っていた覚醒剤を自分の車の中に勝手に隠したという場合には、見つかった覚醒剤が自分の物ではない場合でも、警察に覚醒剤の共同所持の疑われてしまい逮捕されるということがあり得ます。

覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕されたら

ご家族が覚醒剤の共同所持の疑いで警察に逮捕されたら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
本当は覚醒剤を所持していないにも関わらず、覚醒剤を共同所持したと疑いをかけられている場合は、警察官の取り調べに対して最初から「自分の覚醒剤ではない」などと否認し続けることが重要ですが、取り調べのプロである警察官に対して否認し続けることは大変なことですから、いち早く弁護士によるサポートを受けられることが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が覚醒剤の共同所持の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】覚醒剤密売による麻薬特例法違反で逮捕

2023-12-25

覚せい剤の密売を繰り返していたとして、麻薬特例法違反で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻草

事例 

Aさんは、独自のルートから仕入れた覚せい剤を全国各地で密売していました。警察の地道な捜査により、Aさんの犯行が発覚し、麻薬特例法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
警察から「Aさんを逮捕した」と連絡を受けたAさんの両親は、現在の状況を知るために弁護士に相談し、接見に行ってもらうことにしました。

覚醒剤の密売行為と麻薬特例法違反

事例のAさんは、全国各地で覚せい剤の密売行為を繰り返していたとして、麻薬特例法違反で逮捕されています。
覚醒剤の密売行為を繰り返していた場合は「覚醒剤取締法違反」で処罰されるのではと思われる方もいるかと思いますが場合によっては「麻薬特例法違反」で処罰される場合があるのです。
どちらの法律で処罰されるのかの違いはどのような部分にあるのでしょうか。

まず、麻薬特例法とは、正式名称を「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」という法律で、麻薬新条約と呼ばれる条約の締結に伴ってできた法律です。
麻薬特例法では、薬物犯罪による収益等を剥奪すること等によって規制薬物に係る不正行為の助長を防止したり、薬物犯罪に関する特例を定めたりしています。

今回取り上げた事例で麻薬特例法と関わってくるのは、被告人が何度も覚醒剤の密売を行っていたという部分であると考えられます。
というのも、麻薬特例法には以下のような条文があります。

麻薬特例法第5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。

第4号 覚醒剤取締法第41条又は第41条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。

麻薬特例法という名前だけ聞くと、麻薬しか対象となっていないように思えますが、このようにして覚醒剤もその規制対象となっています。
この条文によると、覚醒剤取締法第41条もしくは第41条の2の所持以外の部分に当たる犯罪を「業として」行った場合、麻薬特例法違反となるとされています。
覚醒剤取締法第41条・第41条の2に当たる犯罪は、以下のものです。

覚醒剤取締法第41条
第1項 覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

覚醒剤取締法第41条の2
第1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

すなわち、覚醒剤の輸出入や譲渡し・譲受けを「業として」行うと、特例に当てはまり、覚醒剤取締法違反ではなく麻薬特例法違反として処罰されることになるのです。
「業として」行われたかどうかは、その行為が反復継続して行われていたのかどうか、営利性はあったのかどうかなどの事情によって判断されます。
具体的には、何度も覚醒剤の密売をしたということであれば、反復継続して覚醒剤を譲り渡していたということになるでしょうし、高額の売上金を出していたことや集客を行っていたことなどもあれば営利性も認められそうです。
上記のような事情があると、麻薬特例法違反で処罰を受ける可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談や初回接見サービス(有料)を通じて、「ひとまず弁護士に相談してみたい」「弁護士の見解を聞いてみたい」というご要望におこたえしています。
ご自分やご家族が当事者となっている刑事事件がどういった見通しになるのか、どのような弁護活動が必要なのか、把握しておくだけでも不安の軽減につながります。
まずはお気軽にお問い合わせください。

【事例解説】大麻の営利目的所持の疑いで逮捕

2023-12-13

大麻の営利目的所持の疑いで逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻草

事例紹介

雀荘のオーナーであるAさんは、店に来た客に大麻草が入ったパケットを売って利益を得ていました。
ある日、大麻草の購入者のひとりであるBさんが大麻の所持の疑いで警察に逮捕されて「Aさんから大麻を購入した」と供述したことをきっかけに、Aさんの自宅にも警察が捜査に訪れました。
家宅捜索の結果、Aさんの自宅には多量の大麻草が発見されたことから、Aさんは大麻取締法違反(営利目的所持)の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

大麻の単純所持罪と営利目的所持罪

事例のAさんは、大麻草の購入者のひとりであるBが大麻の単純所持の疑いで立件されたことをきっかけに警察の捜査を受けることになり、大麻の営利目的所持の疑いで逮捕されています。
大麻取締法違反では、大麻所持罪について単純所持罪営利目的所持罪の2つの犯罪を設けています。
具体的には、大麻取締法24条の2第1項では「大麻を、みだりに、所持…(中略)した者は、5年以下の懲役に処する。」と大麻の単純所持罪について規定しており、続く同条第2項では「営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。」と大麻の営利目的所持罪について規定しています。
この2つの規定を見て明らかなように、大麻の単純所持罪よりも営利目的所持罪の方が法定刑が重く定められています。

事例のAさんは大麻の営利目的所持罪の疑いで警察に逮捕されていますが、これは、BさんがAさんから購入したと供述していることやAさんの自宅から多量の大麻草が発見されていることから、大麻を自分で使用するために所持していたのではなく、大麻を販売して利益を上げていたと警察に判断されたためだと考えられます。

大麻取締法違反の疑いで警察に逮捕されたら

警察に逮捕されてしまった事件は、とにかくスピードが大事です。
そのため、ご家族が大麻取締法違反の疑いで警察に逮捕されたら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士が初回接見に行くことで、今後の事件がどのような流れで進むのか、事件の見通しはどのようなものになるかといったことについてアドバイスを貰うことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が大麻取締法違反の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】違法なものだと知らずに大麻所持

2023-11-30

違法のものだと知らずに所持していたオイルに大麻成分が入っていた大麻所持事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻オイル

 

事例紹介

大学4年生のAさんは、交際相手から「すごくリラックスするから、このオイル使ってみなよ。」「俺も使用しているけれど違法なものじゃないから」と言われて、オイルを貰いました。
Aさんは、交際相手が勧めてくれたものなら合法なものだと思って、オイルを使用して普段からカバンに入れていたところ、ある日、警察に職務質問を受けた際にカバンの中の所持品検査を受けました。
このとき、警察官にオイルが見つかってしまい、「これは何?」「大麻の成分入っているんじゃない?」「検査するから」と言われて、オイルを警察に任意提出しました。
Aさんは、交際相手にオイルを警察に渡したことを話したところ、交際相手から「あれは大麻の成分が入っているから、やばいかも」と言われました。
今後について不安になったAさんは両親にオイルのことを話して、今後について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

大麻成分が含まれたオイル

Aさんは、交際相手からリラックス効果があるオイルを受け取っていますが、実際にCBDオイルと呼ばれるオイルにはリラックス効果があるとされ、市販されています。
CBDオイルの「CBD」とはカンナビジオールの略称で、麻に含まれる化学物質であるカンナビノイドのひとつで、不安やストレスを軽減する効果があったり、リラックス効果があったりするとされています。
このCBD(カンナビジオール)を含むオイルについては、CBD(カンナビジオール)が大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたものであるならば、大麻取締法が規定する「大麻」には該当しないことになります。
なぜなら、大麻取締法1条では、
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
といった形で大麻草の成熟した茎や大麻草の種子については「大麻」には当たらないと定義しているからです。

このように大麻草由来の成分が含まれていても、大麻取締法違反にならず合法なオイルが市販されていることが関係して、本来は大麻取締法に違反する違法なオイルであるにも関わらず、市販されている合法なオイルだと思い込んでしまい、大麻取締法違反で立件されるというケースが少なくありません。
大麻取締法が定義する「大麻」をみだりに所持してしまうと、大麻取締法24条の2第1項が規定する大麻所持の罪に問われる可能性が高いです。
大麻を所持していた場合の法定刑は5年以下の懲役刑となっています。

大麻取締法違反で警察の捜査を受けられている方は

事例のAさんは、職務質問で見つかったカバンの中に入っていたオイル大麻取締法に違反する疑いがあるとのことで警察の捜査を受けています。
今後、警察では任意提出を受けたオイルの成分を鑑定して、大麻取締法に違反している成分が含まれていないかが、調べられることになります。

Aさんのように、大麻所持の疑いで警察の捜査を受けているという方は弁護士に相談して今後の対応等についてアドバイスを受けることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
大麻を所持していたとして警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】建築士が大麻の所持で検挙

2023-10-03

建築士資格を持つ人が大麻を所持していたとして大麻取締法違反で検挙された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

Aさんは、深夜に警察官による職務質問所持品検査を受けた際に、カバンの中から、自分で使用するために持ち歩いていた大麻成分を抽出したリキッドが出てきました。
警察官から「これは何?」と聞かれたAさんは、観念して大麻のリキッドであることを認めました。
これによって、Aさんは警察署まで連れていかれ、所持品検査で見つかったリキッドは、成分の鑑定のために警察に提出しました。
警察官から、鑑定の結果が出たらまた連絡すると言われ、その日は自宅に帰ることができました。
Aさんは、一級建築士として仕事をしていることから、今後について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

会社の役員が大麻取締法違反で検挙されると?

事例では、警察による職務質問をきっかけに行われた所持品検査で、大麻成分が入ったリキッドがAさんのカバンの中から見つかっています。
Aさんは、大麻のリキッドを自分で使用するためにカバンの中に入れていたということですので、Aさんは大麻取締法24条の2第1項が規定する大麻所持の罪に問われる可能性が高いです。
大麻を所持していた場合の法定刑は5年以下の懲役刑となっています。

ところで、国家資格の中には前科が付いてしまうと資格の効力が制限されてしまうものがありますが、建築士という資格もそのような前科が付くことで資格の効力が失われてしまう国家資格のひとつになります。
建築士法7条2号では、禁錮以上の実刑に処せられた場合は、その刑がしてから5年を経過するまで、また、執行猶予付きの刑であった場合には、その執行猶予期間が満了するまでは、一級建築士、二級建築士、木造建築士の免許を与えないと規定しています。
既に一級建築士、二級建築士、木造建築士のいずれかに該当する人が、建築士法7条2号に規定されている事由に該当することになった場合は、建築士法8条の2第2号によって、一級建築士の人は国土交通大臣に、二級建築士と木造建築士の人については免許を受けた都道府県知事に届け出をしなければならないと規定されています。
そして、建築士法9条2号では、この建築士法8条の2第2号による届出を受けた国土交通大臣は一級建築士の免許を、都道府県知事は二級建築士と木造建築士の免許を取り消さなければならないと規定しています。
事例のAさんは一級建築士として働いていますので、大麻の所持で起訴されて有罪となってしまうと、執行猶予が付いたとしても、執行猶予期間の満了後5年を経過するまでは一級建築士の免許が取り消された状態になることになります。

大麻所の所持で大麻取締法違反の前科を付けたくないとお考えの方は

大麻取締法違反の前科によって建築士としての免許の取り消しを避けたいという場合は、検察官による起訴を回避する起訴猶予処分を獲得することが重要になります。
大麻所持による大麻取締法違反事件の場合は、所持していた大麻の量や前科や余罪の有無などの事情次第では、大麻取締法違反での起訴を回避することができる場合があります。
令和4年版『犯罪白書』によると、令和3年における大麻取締法違反事件での起訴猶予率は32.8%となっていますが、これは、同じ薬物事件である覚醒剤取締法違反事件の起訴猶予率が9.2%で、麻薬取締法違反事件の場合の起訴猶予率が16.1%であることと比較すると明らかなように、大麻取締法違反事件の場合は、他の薬物事件よりも起訴を回避できる可能性が比較的残されているということががわかるかと思います。
そのため、大麻取締法違反で前科を付けたくないとお考えの方は、まずは一度、弁護士に相談して事件の見通しや弁護活動についてアドバイスを貰われることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は大麻取締法違反事件といった薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
大麻取締法違反で前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】卒業間近の大学生が大麻を栽培したことで逮捕

2023-09-25

大学4年生の方が自宅で大麻草を栽培していたとして、大麻取締法違反の疑いで逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

就職先も決まり、卒業に必要な単位も残りわずかな大学4年生のAさんは、「良いバイトがあるよ」と友人に誘われて、Aさんが住むアパートで大麻草栽培を始めました。
ある日、Aさんがアパートでゆっくりしていると、突然、警察官がAさんの自宅に来て、Aさんを大麻取締法違反の疑いで逮捕しました。
Aさんの母親であるBさんは、警察官から、Aさんを大麻取締法違反の疑いで逮捕したとの連絡を受けました。
(この事例はフィクションです)

大麻を栽培するとどのような罪に問われるのか

大麻取締法では、大麻を、所持・譲り渡し・譲り受け・輸入・輸出・栽培した場合についてそれぞれ、罰則を設けています。
Aさんのように大麻を栽培した場合については、大麻取締法24条1項において、「大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。」
と、大麻を輸入・輸出した場合と一緒に規定されています。

この大麻取締法24条には続きがあり、同条の2項では、
営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。 
と、営利の目的(財産上の利益を得る目的)で大麻を栽培した場合を、自分で使用するために大麻を栽培したといったような単なる大麻の栽培よりも、重い罰則を設けています。

事例のAさんは、友人から「良いバイトがある」と誘われて、大麻草を栽培していますので、栽培した栽培を販売するといった形で利益を上げるために大麻草を栽培している可能性があります。
もし営利目的の大麻の栽培をしたとして起訴されて有罪となってしまうと、大麻取締法24条2項によって0年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金が科される可能性があります。

大麻取締法違反の疑いでご家族が逮捕されたら?

Aさんのように大麻取締法違反事件といった薬物事件で逮捕された場合、逮捕、逮捕の後からの勾留、勾留期間経過後での検察官による起訴、起訴された後の勾留と、身体の拘束期間が長期化する傾向があります。
そのため、Aさんのように就職先が決まり、卒業まであと一歩のところという大学4年生の方が大麻取締法違反で逮捕されると、長期間の身体拘束によって、大学に通うことができずに、その年での卒業が叶わず、就職先も白紙になるという可能性が十分に考えられます。
こうした、大麻取締法違反の疑いでの逮捕による、その後の生活への影響を何とか最小限に留めたいという場合には、いち早く薬物事件に精通した弁護士初回接見を依頼して、逮捕されたご本人様の身体の拘束を解いてもらうような弁護活動をとることが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は大麻取締法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が大麻取締法違反の疑いで逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】大麻事件で芋づる式逮捕 

2023-09-07

大麻事件で芋づる式に逮捕された事例を参考にして、大麻事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんの自宅に警察の家宅捜索が入った結果、Aさんの机の引き出しの中から乾燥大麻が見つかり大麻取締法違反単純所持)の疑いでAさんは現行犯逮捕されてしまいました。
警察がAさんの大麻所持を疑った発端は、別件で大麻の売人を逮捕した後に、売人への捜査を進めていく過程で、SNS上で売人とAさんの大麻のやりとりが記録されていたことにありました。
(フィクションです。)

大麻事件の発覚ケース

大麻を含む薬物犯罪は、被害者がいない密行性が高い犯罪類型です。そのため、職務質問における所持品検査での発覚などによる場合以外だと、同居人からの通報売人経由での発覚など第三者が絡んでの発覚に至るケースが考えられます。
例えば、薬物の売人が逮捕され、捜査の過程で購入者のリストや携帯の履歴及びSNSのやりとりなどから、大麻を譲り受けたり所持していることが疑われる点が見つかるのであれば被疑者として捜査の対象になることがあります。
捜査機関も本人には気づかれないように慎重に裏付け捜査を進めていくため、自身の大麻所持が疑われているとは知らないまま生活している中で、いきなり自宅などに捜索差押が入り大麻が発見され現行犯逮捕されるケースも考えられるでしょう。

大麻事件で逮捕されると

まず、警察に逮捕されると48時間以内に検察庁に送致され、検察官によりさらなる留置の必要があると判断されたときは送致から24時間以内勾留請求がされることになります。
そして、勾留が決定された場合は10日間(延長されるとさらに10日間)留置場で生活を送ることになります。
なお、勾留が決定された後は一般面会が可能になり、種々の制限はありますが親族や友人などが勾留されている人と面会することが可能になります。
しかし、大麻を含む薬物事犯の場合、関係者との口裏合わせなどによる証拠隠滅を防止する必要性が高いと判断されてしまうことが多く、裁判所から勾留決定と同時に接見禁止決定をされることがあります。
接見禁止決定がされてしまうと、弁護士を除いて親族や友人などは留置されている人と面会することができなくなります。
そうすると、親族や友人が留置されている人と連絡を取ることは困難になり、留置されている人にとっても外部の情報を得ることは困難な状況に追い込まれてしまいます。
しかし、接見禁止決定がされていても弁護士は通常通り接見できます
勾留決定と同時に接見禁止決定がされてしまった場合は弁護士をつけて必要なアドバイスを受けるとともに必要なやり取り(証拠隠滅に繋がるような情報を除く。)を間に入ってしてもらうをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は大麻取締法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
大麻取締法違反の疑いで勾留中の方に接見禁止決定が付いていてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

【事例解説】大麻の営利目的譲渡で逮捕・勾留 接見禁止解除を目指す

2023-08-21

大麻を売って利益を得ていたとして大麻取締法違反(営利目的譲渡)の疑いで逮捕・勾留された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

Aさんは、SNSで大麻の販売を持ち掛けて、大麻の購入を希望してきた人に対して、フリマサイトを利用して大麻を販売することで継続的に利益を得て生活費に充てていました。
ある日、自宅に警察官が訪れ、Aさんは、大麻取締法違反営利目的譲渡)の疑いで逮捕されて、その後に勾留が決まりました。
Aさんの勾留決定にあたっては、接見等禁止決定が付いていました。
(この事例はフィクションです)

大麻を販売して利益を得るとどのような罪に問われるのか

大麻取締法24条の2第1項では、
大麻を、みだりに、…譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
として、大麻の譲渡を刑罰の対象にしています。
そして、さらに、大麻取締法24条の2第2項では、
営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
と規定して、営利目的による大麻の譲渡を単なる大麻の譲渡の場合よりも重く処罰しています。

事例のAさんは大麻を売って手にした利益を生活費に充てていますので、自身が財産上の利益を得ることを目的に大麻を譲渡していたとして、単なる大麻の譲渡ではなく営利目的による大麻の譲渡に当たる可能性が高いと考えられます。

接見等禁止決定とは

逮捕後に勾留が決定すると、逮捕された方の身体は引き続き警察の留置場に拘束されることになります。
勾留が決まると、通常は、逮捕期間中できなかった家族による面会が出来るようになりますが、接見等禁止決定が付くと、家族による面会ができなくなる場合があります。
接見等禁止決定とは、裁判官が勾留を決定するにあたって、逮捕された被疑者が逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると判断した場合は、被疑者が弁護人以外の人と面会することをを禁止したり、弁護人以外の人と手紙のやり取りをすることを制限することです(刑事訴訟法81条参照)。
接見等禁止決定は、共犯者がいるような犯罪や、薬物事犯のような組織的な犯罪に付くことが多いです。

接見等禁止決定が付されてお困りの方は

接見等禁止決定が付されて、大麻取締法違反の疑いで勾留中のご本人様と面会できずにお困りの方は、いち早く弁護士に相談されることをお勧めします。接見等禁止決定が付されている場合、弁護士が接見等禁止決定の全部または一部を解除するように申立てを行うことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は大麻取締法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
大麻取締法違反の疑いで勾留中の方に接見禁止決定が付いていてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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