【事例解説】建築士が大麻の所持で検挙

2023-10-03

建築士資格を持つ人が大麻を所持していたとして大麻取締法違反で検挙された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

Aさんは、深夜に警察官による職務質問所持品検査を受けた際に、カバンの中から、自分で使用するために持ち歩いていた大麻成分を抽出したリキッドが出てきました。
警察官から「これは何?」と聞かれたAさんは、観念して大麻のリキッドであることを認めました。
これによって、Aさんは警察署まで連れていかれ、所持品検査で見つかったリキッドは、成分の鑑定のために警察に提出しました。
警察官から、鑑定の結果が出たらまた連絡すると言われ、その日は自宅に帰ることができました。
Aさんは、一級建築士として仕事をしていることから、今後について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

会社の役員が大麻取締法違反で検挙されると?

事例では、警察による職務質問をきっかけに行われた所持品検査で、大麻成分が入ったリキッドがAさんのカバンの中から見つかっています。
Aさんは、大麻のリキッドを自分で使用するためにカバンの中に入れていたということですので、Aさんは大麻取締法24条の2第1項が規定する大麻所持の罪に問われる可能性が高いです。
大麻を所持していた場合の法定刑は5年以下の懲役刑となっています。

ところで、国家資格の中には前科が付いてしまうと資格の効力が制限されてしまうものがありますが、建築士という資格もそのような前科が付くことで資格の効力が失われてしまう国家資格のひとつになります。
建築士法7条2号では、禁錮以上の実刑に処せられた場合は、その刑がしてから5年を経過するまで、また、執行猶予付きの刑であった場合には、その執行猶予期間が満了するまでは、一級建築士、二級建築士、木造建築士の免許を与えないと規定しています。
既に一級建築士、二級建築士、木造建築士のいずれかに該当する人が、建築士法7条2号に規定されている事由に該当することになった場合は、建築士法8条の2第2号によって、一級建築士の人は国土交通大臣に、二級建築士と木造建築士の人については免許を受けた都道府県知事に届け出をしなければならないと規定されています。
そして、建築士法9条2号では、この建築士法8条の2第2号による届出を受けた国土交通大臣は一級建築士の免許を、都道府県知事は二級建築士と木造建築士の免許を取り消さなければならないと規定しています。
事例のAさんは一級建築士として働いていますので、大麻の所持で起訴されて有罪となってしまうと、執行猶予が付いたとしても、執行猶予期間の満了後5年を経過するまでは一級建築士の免許が取り消された状態になることになります。

大麻所の所持で大麻取締法違反の前科を付けたくないとお考えの方は

大麻取締法違反の前科によって建築士としての免許の取り消しを避けたいという場合は、検察官による起訴を回避する起訴猶予処分を獲得することが重要になります。
大麻所持による大麻取締法違反事件の場合は、所持していた大麻の量や前科や余罪の有無などの事情次第では、大麻取締法違反での起訴を回避することができる場合があります。
令和4年版『犯罪白書』によると、令和3年における大麻取締法違反事件での起訴猶予率は32.8%となっていますが、これは、同じ薬物事件である覚醒剤取締法違反事件の起訴猶予率が9.2%で、麻薬取締法違反事件の場合の起訴猶予率が16.1%であることと比較すると明らかなように、大麻取締法違反事件の場合は、他の薬物事件よりも起訴を回避できる可能性が比較的残されているということががわかるかと思います。
そのため、大麻取締法違反で前科を付けたくないとお考えの方は、まずは一度、弁護士に相談して事件の見通しや弁護活動についてアドバイスを貰われることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は大麻取締法違反事件といった薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
大麻取締法違反で前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。