【事例解説】17歳の高校生が大麻所持で逮捕
17歳の高校生が大麻を所持していたとして大麻取締法違反の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
17歳の高校2年生のAさんは、深夜にコンビニ前で仲間たちと集まって話していたところ、周囲を警ら中の警察官から声をかけられました。
Aさんは、とっさにその場から離れようとしましたが、その際、ポケットにしまっていた大麻草が入ったパケ袋を落としました。
これを見た警察官がAさんに事情を聞いたところ、Aさんは『大麻です』と認めました。
Aさんは大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)
17歳の高校生が大麻を所持すると?
事例のAさんはポケットに大麻草が入ったパケ袋をしまっていたので、大麻を所持していたことになります。
大麻の所持については、大麻取締法大麻取締法24条の2第1項において、
「大麻をみだりに所持した者を5年以下の懲役に処する。」
と規定していますので、刑罰の対象になる行為になります。
もっとも、今回、大麻所持という罪を犯したAさんは17歳の高校生です。
このような、罪に当たる行為をした人が14歳以上20歳未満である場合には、犯罪少年として少年法が適用されることになります(少年法3条1項1号参照)。
そのため、17歳の高校生が大麻を所持していたとしても、5年以下の懲役刑が科されるというわけではありません。
少年法の目的は、罪に当たる行為をした少年の更生・保護にありますので、基本的には、犯罪少年は刑罰を受ける代わりに、家庭裁判所が審判を開いて、最終的に犯罪少年の最終的な処遇を決定することになります。
家庭裁判所が犯罪少年の処遇を決定することを「保護処分」といいますが、保護処分には、少年院送致、保護観察、児童自立支援施設・児童養護施設送致の3種類があります。
少年院送致は、少年を少年院に入所させて、そこで更生のための措置を受けてもらうもので、保護処分の中で一番重いものになります。
保護観察とは、少年を少年院に入所させることなく社会の中で、保護観察官や保護司と呼ばれる人から指導・助言を受けつつ更生のための生活を送るものです。
児童自立支援施設・児童養護施設送致とは、少年を児童自立支援施設、児童養護施設といった児童福祉施設に収容して、そこで少年の更生のための支援・指導を行っていくものになります。
17歳の高校生のお子さんが大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまってお困りの方は
17歳の高校生が大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまった場合は、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
少年事件については、通常の刑事事件と異なる手続きで事件が進んでいくことになりますので、初回接見に向かった弁護士から、今後についてしっかりとした説明を受けて今後の見通しを把握しておくことは重要になります。