大麻密輸の容疑で逮捕
大麻を密輸した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
大阪府堺市に在住のAさん(30歳)は、封筒の中にペースト状にした大麻を隠して、アメリカから国際郵便を日本の自宅宛てに送りました。
数日後、関西税関で、封筒の中身を不審に思った職員がその封筒を検査したことで、Aさんが大麻を密輸しようとしていたことが発覚してしまいました。
そこで、大阪府堺警察署の警察官がAさんの自宅へ向かい、帰国していたAさんは大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんの妻は、自分がどうすれば良いか分からなかったため、弁護士に相談することにしました。
(これはフィクションです。)
~問題となる条文~
〇大麻取締法
今回Aさんが疑われているのは大麻取締法違反です。
大麻取締法には、大麻を密輸した場合について以下のように規定されています。
第24条
1 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸入した者は、7年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
3 前2項の未遂罪は罰する。
・今回のケースでは
Aさんは、大麻をアメリカから密輸しようとしているので、大麻取締法24条1項に該当するでしょう。
そして、Aさんが個人的に使用するつもりはなく、大麻を第三者に売ることで利益を得るつもりで密輸していた場合には、「営利の目的」があるとして、大麻取締法24条2項に該当するでしょう。
・罰則
大麻取締法24条1項違反で起訴されて有罪が確定すると、「7年以下の懲役」が刑罰として科されることになります。
また、「営利の目的」があるとして、大麻取締法24条2項違反で起訴されて有罪が確定すると「10年以下の懲役(情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金)」が科されることになります。
〇関税法
Aさんは、大麻取締法だけでなく、関税法にも違反する可能性が高いです。
関税法には、大麻を密輸した場合について以下のように規定されています。
第69条の11 (輸入してはならない貨物)
1 次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
① 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚醒剤取締法にいう覚醒剤原料を含む。」並びにあへん吸煙具。ただし、政府が輸入するもの及び他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
・今回のケースでは
Aさんは、関税法69条の11で輸入を禁止されている大麻を輸入しています。
そして、Aさんは他の法令で大麻を輸入することを許されているわけではないため、関税法69条11の1号違反となるでしょう。
・罰則
関税法69条の11に違反した場合の罰則規定は109条にあります。
関税法69条の11違反で起訴されて、有罪が確定すると、「10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金(又はこの併科)」が科せられることになります。
~大麻密輸事件における弁護活動~
今回のケースの様な薬物事件の場合、在宅事件にすると事件に関係する仲間との接触や、証拠隠滅が行われる疑いがあるため、身体拘束(逮捕・勾留)を受ける可能性が高いです。
また、ご家族の方を通しての証拠隠滅の可能性があるため、ご家族の方でさえも接見(面会)を禁止されることが大半です。
そこで、代わりに弁護士に接見に行ってもらうように依頼することをおすすめします。
弁護士は、薬物事件を含む刑事事件に関する豊富な知識と経験をもっています。
そのため、身体拘束を受けている方やそのご家族の方に、現状の整理を行い、今後の見通しを分かりやすくお伝えすることが可能です。
また、弁護士には接見禁止などの制約がないため、自由に身体拘束を受けた方との面会が可能ですし、ご家族の方からの伝言を伝えることもできます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、大麻取締法違反を含む薬物事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。