大麻と運転
大麻と運転
東京都東久留米市に住むAさん(26歳)は、数年前に友人から大麻をもらって使用したのがきっかけで、大麻を日常的に使用していました。そして、ある日、Aさんは車を運転していたところ、蛇行運転が理由で警視庁田無警察署の警察官が運転するパトカーに停止を求められました。Aさんは、職務質問、所持品検査の結果、ズボンの右ポケットから大麻を見つけられ、大麻所持の現行犯で逮捕されました(また、後日、道路交通法違反(薬物運転の罪)でも追送検されてしまいました)。Aさんの母親から依頼を受けた弁護士がAさんと接見しました。
~ 大麻の危険性 ~
大麻は,その成分中のテトラヒドカンナノビールが中枢神経に作用し,精神に種々の影響をもたらすものです。
作用の程度等は,摂取方法,量等によって異なりますが,一般的に,精神的には陶然となり,多幸感をもたらす反面,衝動的で興奮状態になり,感情の不安定から暴力的な行動を取ることがあると言われています。大麻は覚せい剤ほど依存性はないと言われているものの,覚せい剤のほか多数の違法薬物の入口となっているとも言われており,薬物に対する抵抗感をなくすという意味でも大変危険な薬物と言えます。
~ 大麻所持の罪 ~
大麻取締法では所持罪について以下の規定を設けています。
3条1項
大麻取扱者でなければ大麻を所持し,栽培し,譲り受け,譲り渡し,又は研究のため使用してはならない。
24条の2第1項
大麻を,みだりに,所持し,譲り受け,又は譲り渡した者は,5年以下の懲役に処する。
なお、覚せい剤と異なり、使用罪についての規定はありません。
これは、大麻を合法的な目的のために栽培する方をも処罰することになるという不都合を避けるために、使用罪に関する規定が設けられていないのであって、決して、
大麻が合法
とか
大麻使用を合法
と認めたわけではありませんから注意が必要です。
~ 大麻と交通違反 ~
また、薬物などの影響により車などを運転した場合は道路交通法違反に問われる場合があります。
道路交通法66条には次の規定が設けられています。
道路交通法66条
何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。
「薬物の影響」とは、大麻、覚せい剤などの使用、睡眠薬の飲用、シンナーなどの吸引により、正常な身体又は精神の状態に変化を生じ、運転に際し注意力の集中、距離感の確保等ができないため、運転者に課せられた注意義務を果たすことができないおそれがあること、をいいます。
なお、「前条第一項」とは、酒気帯び運転の規定をさします。したがって、「薬物の影響その他の理由」には、アルコールの影響によるものは含まれません。
薬物運転の罪の罰則は
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
です(道路交通法117条の2第3号)。
~ 大麻と交通事故 ~
薬物の影響により交通事故(人身事故)を起こした場合は、さらに重い罪に問われる可能性があります。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条の1号から6号には「危険運転」に関する類型が規定されており、その1号では
アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
とされているからです。
そして、危険運転によって人を負傷させた場合は
(1か月以上)15年以下の懲役
人を死亡させた場合は
1年以上(20年以下)の懲役
を科せられるおそれがあります。
~ 大麻関連で逮捕された場合は? ~
逮捕されたご家族にとっては、この先ご本人がどんな罪に問われ、どのようになっていくのか不安になられることと思います。
そんなときは、弁護士に接見を依頼し、今後の事件の見通しなどについて弁護士から説明を受けることも一つの方法です。
お困りの方は一度、ご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。