【事例解説】薬物事件の強制採尿について(後編)
令状なく矯正採尿をした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
名古屋市に住むAさんは覚せい剤使用事件の被疑者として現在捜査を受けているところです。
Aさんが覚せい剤を使用したという証拠を集めるために警察官は尿を任意提出するように求めましたが、Aさんはこれに応じませんでした。
そこで警察官はAさんの承諾がないまま、令状の発布を待たずに自己の判断で強制採尿を行いました。
このような警察官の行為は認められるのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
強制採尿について(続き)
事例でも上記項目の要件を満たしていた場合には強制採尿が認められるようにも思われます。
ただ各要件を満たしていたとしても、適切な法律上の手続きを得ているかどうか検討の余地があるといえるでしょう。
過去の裁判例では身体への侵害のおそれが生ずる点について強制採尿と身体検査が共通することから身体検査令状に関する規定(刑事訴訟法第218条6項)を準用し、医師に医学的に相当と認められる方法により行われるとの条件が記載された捜索差押令状が発布された場合に適切な手続きを得たと認められると判断されました。
事例から考えると、警察官は自己の判断で強制採尿を行っており令状の発布を受けていません。
よって、項目の要件を満たしていたとしても本件強制採尿は認められない可能性が高いと考えられるでしょう。
まずは弁護士に相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、薬物事件の解決実績も豊富です。
ご家族が薬物事件を起こし、逮捕されてしまった方や捜査を受けている方は是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、犯罪行為による刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件を専門に扱っていますので、薬物犯罪にも精通した弁護士が、初回の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫した弁護活動を行います。
当事務所では、薬物犯罪事件についての無料相談のご予約は365日24時間受け付けています。相談・接見は、土日祝日、夜間でも即日対応可能です。弁護士のスケジュールの都合が合えば、お電話をいただいてからすぐ相談・接見を行うこともできます。薬物犯罪事件で少しでもお困りの方は、ぜひご相談ください。