大麻不法輸入事件で麻薬特例法違反
麻薬特例法の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
横浜市青葉区在住のAさん(40代男性)は、大麻密売組織の一員として、日本国内への大麻の不法輸入や大麻販売の業務を行っていたとして、麻薬特例法違反の容疑で、神奈川県青葉警察署に逮捕された。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士を、神奈川県青葉警察署のAさんとの初回接見(面会)に派遣した。
Aさんは、今後の麻薬特例法違反の取調べや刑事処罰の見通しを、弁護士と話し合い、弁護士に刑事処罰軽減に向けた弁護活動を依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)
~麻薬特例法の刑事処罰とは~
薬物犯罪を起こした場合には、その薬物が覚せい剤、麻薬、大麻など、どの薬物であるかに応じて、「覚せい剤取締法」「麻薬及び向精神薬取締法」「大麻取締法」などの個別の法律によって、刑事処罰が規定されています。
ただし、「業として」各種薬物犯罪を行った場合や、薬物犯罪収益に関する罪を犯した場合には、特別法の「麻薬特例法」に違反するとして、刑事処罰を受けることになります。
「麻薬特例法」(国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律)は、日本が1992年に「麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約」を批准したことを契機として、法律が制定されました。
麻薬特例法では、「業として」覚せい剤、麻薬、大麻などの不法輸入や販売などを行った場合に、重い刑事処罰を科しています。
薬物犯罪に「営利性、継続性、組織性」などの要素が介在すると認められた場合に、「業として」薬物犯罪が行われたとして、重い処罰を受けます。
・麻薬特例法 5条(業として行う不法輸入等)
「次に掲げる行為を業とした者(略)は、無期又は五年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。」
薬物犯罪収益の隠匿や事実仮装を行った場合には、麻薬特例法違反に当たるとして、刑事処罰が規定されています。
・麻薬特例法 6条1項(薬物犯罪収益等隠匿)
「薬物犯罪収益等の取得若しくは処分につき事実を仮装し、又は薬物犯罪収益等を隠匿した者は、五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。薬物犯罪収益の発生の原因につき事実を仮装した者も、同様とする。」
また、事情を知った上で、薬物犯罪収益を受け取った者にも、麻薬特例法違反に当たるとして、刑事処罰が規定されています。
・麻薬特例法 7条(薬物犯罪収益等収受)
「情を知って、薬物犯罪収益等を収受した者は、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者又は契約(略)の時に当該契約に係る債務の履行が薬物犯罪収益等によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した者は、この限りでない。」
大麻不法輸入事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、実際に行った薬物犯罪が、「業として」という要件に当てはまるものなのか、事件の「営利性、継続性、組織性」などの要素を検討し、刑事処罰が軽くなるように弁護活動の主張を行っていきます。
「業として」薬物犯罪を行った麻薬特例法違反の場合には、法定刑は「無期又は5年以上の懲役及び1000万円以下の罰金」と重く規定されているため、執行猶予付きの判決を得るためには、まずは麻薬特例法違反に当たらない事情を、弁護士の側より主張立証していく必要性が考えられます。
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