【事例解説】指定薬物を海外から持ち帰ってしまい逮捕(前編)

2024-08-29

指定薬物を海外から持ち帰ってしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

【事例】

愛知県内に住む医師のAさんは、海外旅行に行った際、日本では違法ですが現地では合法な成分を含むグミを購入しました。Aさんは、海外滞在中にグミを全て食べきったと思っていましたが、数粒ほど残っており、誤って日本に持ち帰ってしまいました。
後日、深夜に警察から職務質問を受け所持品検査を受けた際に、当該グミが発見され、警察に押収鑑定されることになりました。鑑定の結果指定薬物が含まれていることが発覚し、Aさんは逮捕されることになりました。
(フィクションです)

 

【指定薬物とは】

指定薬物に関しては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(通称「薬機法」や「医薬品医療機器法」)の2条15項に定められており、「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物」とされています。
またその認定については厚生労働省が、薬機法76条の4に定められている「医療等の用途を定める省令(平成19年厚生労働省令第14号)」で物質名を定めています。
指定薬物に認定される物は年々増加し、また似た化学構造をとる物質が包括的に指定されることもあるため、購入当時は合法であっても、のちに違法となることもあるため注意が必要です。

【指定薬物の所持は何罪に?】

薬機法76条の4(出典/e-GOV法令検索)は、「指定薬物に該当する物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途以外の用途に供するための製造、輸入、販売、授与、所持、購入又は販売若しくは授与の目的での貯蔵、若しくは陳列」を禁止する旨を定めています。
これに違反して所持していた場合の刑罰は、薬機法84条28項に定められており、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科する」と規定されています。

今回の事例のAさんは、指定薬物の所持に該当しますが、場合によっては輸入の点でも罪に問われうる可能性があるため注意が必要です。

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