シンナー吸引と弁護士の接見
シンナー吸引と弁護士の接見
事例 :Aは、自宅近くの路上において、自車を停めて車内でシンナーを吸引した。
京都府西京警察署の警察官は、Aを毒物及び劇物取締法違反の疑いで逮捕した。
Aの家族は、薬物事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~シンナーと毒物及び劇物取締法 ~
本件ではAは、シンナーを吸引した容疑で逮捕されています。
そもそも、シンナーの吸引が犯罪にまでなるとは知らなかったという方もいらっしゃるかもしれません。
この点に関する取締法規である「毒物及び劇物取締法」は、第3条の3において「興奮、幻覚又は麻酔の作用を有する毒物又は劇物(これらを含有する物を含む。)であつて政令で定めるものは、みだりに摂取し、若しくは吸入し、又はこれらの目的で所持してはならない」と定めています。
そして、ここでいう「政令」である毒物及び劇物取締法施行令が、「興奮、幻覚又は麻酔の作用を有する物」として、
法第3条の3に規定する政令で定める物は、トルエン並びに酢酸エチル、トルエン又はメタノールを含有するシンナー(塗料の粘度を減少させるために使用される有機溶剤をいう。)、接着剤、塗料及び閉そく用又はシーリング用の充てん料とする
としており、「シンナー」が規制対象となっていることが分かります。
再び「毒物及び劇物取締法」に戻ると、第24条の3において、「第3条の3の規定に違反した者は、1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と罰則を設けており、Aはこの規定に違反したことによって逮捕されてしまったことになります。
~弁護士による早期の接見(面会)の重要性~
私選の弁護士のメリットとして、逮捕段階という早い段階で迅速に逮捕されてしまった被疑者との接見(面会)を行えるということがあります。
刑事訴訟法は、39条1項によって弁護士に特別の接見交通権を認めています。
したがって、この権利に基づき弁護士は、逮捕中の被疑者とも接見(面会)をすることができるのです。
これに対し、逮捕中(約3日間)の段階では、残念ながら家族を含め一般の方が逮捕されている被疑者と面会することはできません。
刑訴法80条には、「勾留されている被告人は、第39条第1項に規定する者(注:要するに弁護士)以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる」とし、「被告人」の一般面会に関する規定を置いています。
しかし、被疑者段階(起訴される前の段階)に関する規定である刑訴法209条が、「逮捕状による逮捕」に関して刑訴法80条を準用していないことから、逮捕段階では一般面会は認められないとも解されています。
もっとも、実務上は、面会制限は上述の条文上の根拠に基づくものというよりは、逮捕から検察官による勾留請求まで72時間という厳しい時間的制約があるため、逮捕段階での一般面会を認めていないというのが実情といった方がいいかもしれません。
上記の時間的制約は、捜査機関側のみならず被疑者・弁護士側にとっても極めて重要です。
したがって、被疑者の不利益を最小限にとどめるためにも、早期の弁護士による接見交通権の行使が大きな意味を有するのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、毒物及び劇物取締法事件などの薬物事件を含む刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
弊所では、逮捕されてしまったご家族等に対する、迅速な弁護士による接見(多くの場合には土日祝も対応)をお約束します。
シンナーなど毒物及び劇物取締法事件で逮捕された方のご家族は、夜中も繋がる年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはお問い合わせください。
(京都府西京警察署への初回接見費用:36,800円)