瀬取りでの覚せい剤輸入事件に強い弁護士…大牟田市で逮捕されたら

2017-09-11

瀬取りでの覚せい剤輸入事件に強い弁護士…大牟田市で逮捕されたら

福岡県大牟田市在住のAさんは、瀬取りの方法で覚せい剤を輸入することにしました。
しかし、風波が激しかったこともあり、海上に投下された覚せい剤を回収することができませんでした。
後日、Aさんは覚せい剤取締法違反輸入未遂の容疑で、福岡県大牟田警察署逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~瀬取りとは?~

覚せい剤などの違法薬物の輸入と聞くと、飛行機や船を使って本邦に持ち込むことが想像されるでしょう。
それだけでなく、「瀬取り」という方法もあります。
瀬取りとは、親船の積み荷を小船に移して陸揚げする方法で、海上で違法薬物のやり取りをする方法です。
薬物の輸入罪は陸揚げの時点で既遂となり、瀬取りの場合も陸揚げ時に既遂となるとしています(最高裁平成13年11月14日決定)。

では、どの時点で違法薬物の輸入罪がスタートしたといえるか、すなわち実行の着手が認められるのでしょうか。
一般的に、犯罪結果が発生する現実的な危険が生じたときに認められるとされていますから、瀬取りによる違法薬物の輸入罪の場合も同様に考えることになるでしょう。
今回のケースと同様の事件で、最高裁は実行の着手を認めませんでした。
その理由としては、回収担当者が覚せい剤を実力的支配下に置いておらず可能性も乏しいこと、覚せい剤が陸揚げされる客観的な危険性が発生していないことなどが挙げられています(平成20年3月4日判決)。

今回のケースも、覚せい剤輸入罪の実行の着手は認められない可能性があります。
実行の着手がなければ、未遂罪も成立しないことになり、未遂罪すら成立しないとなれば、犯罪が成立しない可能性があります。
ただし、薬物事件の場合は予備罪が成立する可能性があり、上記最高裁も予備罪で有罪としています。
なお、覚せい剤輸入罪での量刑は1年6月から3年程度が多く、執行猶予がつくことも多いです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
薬物事件に精通した弁護士が在籍しており、未遂と既遂の区別や実行の着手といった難しい問題を解決することが可能です。
刑事事件は時間を争う事件でもあります。
薬物事件を起こしてしまった方は、すぐに弊所までご連絡ください(0120-631-881)。
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福岡県大牟田警察署 初回接見費用:4万3,300円