【事例解説】MDMAの使用を闇サイトで煽った疑いで逮捕 

2024-04-08

MDMAの使用を闇サイトで煽ったとして男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

MDMA

事例 

Aさんは、闇サイトの掲示板において違法薬物であるMDMAの隠語を挙げ、「キメてストレス解消、楽しくなりましょう。開催場所は●●」などと書き込み、MDMAを使用する仲間を募る投稿を繰り返していました。
ある日、Aさんの自宅に薬物専門の刑事が現れ、Aさんは麻薬特例法違反の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~Aさんに対する嫌疑は?~

Aさんは「麻薬特例法違反」の疑いで逮捕されています。
正式な法令名は「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」(出典/e-GOV法令検索)といいます。

麻薬特例法第9条は、「薬物犯罪(前条及びこの条の罪を除く。)、第六条の罪若しくは第七条の罪を実行すること又は規制薬物を濫用することを、公然、あおり、又は唆した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」としていますが、Aさんは麻薬であるMDMAの隠語を挙げ、インターネット上で公然とMDMAの濫用をあおり、又は唆しています。
これによれば、Aさんに麻薬特例法違反の罪が成立する可能性は高いでしょう。
実際にMDMAを使用した場合でなかったとしても本罪が成立しえます。
薬物事件の規制の厳格さを物語る規定ということができるでしょう。

~他の嫌疑をかけられる可能性も高い~

今回の被疑事実である麻薬特例法違反の他にも、MDMAなどの違法薬物を使用、所持している可能性や、共犯者の存在などについても捜査を受ける可能性があります。

また、実際に違法薬物を使用、所持等している場合においては、その入手ルートについても厳しく追及されるでしょう。
ケースの事実だけでは明らかではありませんが、もしAさんの自宅が捜索され、MDMAなどの違法薬物が発見された場合や、尿検査等の結果、違法薬物の使用行為が明らかとなった場合には、その点についても捜査が行われます。
被疑事実が増えた結果別の嫌疑による逮捕が繰り返される場合もあります。
逮捕が繰り返されると、その分身体拘束が長期化することになるため、早期に弁護士を依頼し、逮捕が繰り返されることを阻止する活動を行ってもらう必要があるでしょう。

~今後の捜査~

逮捕され、留置の必要が認められると、逮捕時から48時間以内にAさんの身柄が検察へ送致されます。
検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するかを判断します。

勾留請求がなされた場合は、裁判官が勾留の可否を決定します。
勾留決定がなされると、10日間勾留されることになります。
また、やむを得ない事由があると認められると、最長10日間、勾留が延長されることになります。

前述の通り、Aさんには様々な嫌疑をかけられることが予想されます。
そのため、捜査が長期化し、勾留も長引く可能性が高いと考えられます。
身体拘束が長期化すれば、Aさんの心身へもたらす悪影響が懸念されます。
また、Aさんが一人だけで取調べに対応することは、極めて重い負担となります。
逮捕されてしまった場合にはすぐに弁護士の接見を受け、今後のサポートを行ってもらうように依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族がインターネット上でMDMAの濫用を公然とあおり、又は唆した疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。