インターネット上での薬物取引・麻薬特例法違反で逮捕
インターネット上での薬物取引に関して、麻薬特例法違反で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例:Aは、インターネット上の掲示板において、「大麻を買える場所はありませんか。売人とコンタクトを取ることは可能ですか。」等の書き込みをした。警察官は、Aを麻薬特例法違反の疑いで逮捕した。Aの家族は、薬物事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~インターネット上における薬物の取引~
昨今の薬物犯罪では、インターネット上の掲示板等が取り引きのきっかけになることも少なくありません。
もっとも本件では、Aは実際に薬物を所持したり使用したりしたわけではありません。
このような場合、Aの行為にどのような犯罪が成立しうるのでしょうか。
この点について定めているのが、以下の麻薬特例法の9条です。
第9条 薬物犯罪(前条及びこの条の罪を除く。)、第6条の罪若しくは第7条の罪を実行すること又は規制薬物を濫用することを、公然、あおり、又は唆した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
これは、薬物犯罪等に対するあおり又は唆しの罪を定めるもので、「薬物犯罪」等を実行することなどを「公然、あおり、又は唆した者」を処罰する規定です。
ここにいう「薬物犯罪」の内容について定めるのが、同法2条2項です。
同条項では各号において、「薬物犯罪」にあたる各犯罪が定められており、覚醒剤取締法違反などの主要な薬物犯罪がその対象となっています。
そして3号において、「大麻取締法第24条、第24条の2又は第24条の7の罪」が「薬物犯罪」に含まれる旨が規定されています。
本件では、Aは「大麻を買える場所はありませんか。売人とコンタクトを取ることは可能ですか。」などといった書き込みをしているため、以下の大麻取締法違反行為(主として譲り渡し)の実行を「あおり、又は唆した」といえるでしょう。
大麻取締法
第24条の2 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
3 前2項の未遂罪は、罰する。
~逮捕後における刑事弁護士の弁護活動~
逮捕による身体拘束が行われると、被疑者(容疑者)は警察の留置場に拘禁されてしまうことになります。
外界から完全に隔離された環境に置かれてしまうことから、精神的に不安定な状態になってしまう人も少なくありません。
逮捕段階ではご家族等が面会することはできないため、弁護士が速やかに接見(面会)することによって、不安等を解消することがきわめて重要になってきます。
また、取調官が被疑者の言い分を十分に聞いてくれるとは限らない点にも注意が必要です。したがって、弁護士が早期に接見(面会)することによって、その言い分をしっかりと聞き取ることもまた重要といえます。
さらに、被疑者の要望にも適宜応じることで、精神的に不安定になっている被疑者を安心させることも可能となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、麻薬特例法違反などの薬物事件を含む刑事事件専門に取り扱っている法律事務所です。
薬物犯罪にも様々な類型があり、該当する犯罪によって処分も異なることから、高い専門性を有する弁護士のアドバイスを仰ぐことが重要です。
麻薬特例法違反事件で逮捕された方のご家族は、24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐにお問い合わせください。