薬機法違反(危険ドラッグ所持)で即決裁判

2019-06-30

薬機法違反(危険ドラッグ所持)で即決裁判

兵庫県神戸市兵庫区に住むAさんは、ライブ会場で知人から「体に効くから。」などと言われてピンク色の錠剤を勧められました。Aさんは、このところ仕事が多忙で疲れていたため、体に効くならと思い知人から譲り受け、それをズボンの右ポケットの中に入れました。ところが、Aさんは自宅へ帰宅途中、兵庫県兵庫警察署の警察官の職務質問に遭いました。Aさんは、警察官からポケットの中身を全て出すよう求められましたが、ズボンの右ポケットに錠剤を入れており、これが「何か怪しい薬だ」と思っていたことから警察官の要求を断りましたが、説得の末、警察官に錠剤を提出しました。検査の結果、錠剤が薬機法の「指定薬物」に該当する危険ドラッグであることが判明し、Aさんは薬機法の指定薬物所持罪現行犯逮捕されてしまいました。その後、Aさんは勾留され、検察官から即決裁判を受けるための書類にサインを求められました。
(フィクションです)

~ 薬機法とは ~

薬機法とは、正式名称、

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性確保等に関する法律

といい、かつての薬事法から改名された法律です。

薬機法2条15項(一部省略)では

中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻、覚醒剤、麻薬、向精神薬、あへん、けしがらを除く)

を「指定薬物」とし(一般的には「危険ドラッグ」「脱法ドラッグ」などと言われているもの)、

医療等の用途以外の用途に供するための
・製造
・輸入
・販売
・授与
・所持
・購入
・譲り受け

又は
医療等の用途以外の
・用途の使用

を禁止しています(薬機法76条の4)。

~ 罰則 ~

上記の禁止行為については2種類の罰則が設けられています。

まず、①業として指定薬物を製造、輸入、販売、授与した、又は②指定薬物を所持した(販売又は授与の目的で貯蔵し、又は陳列した場合に限る)場合

5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又は併科

③単に製造、輸入、販売、授与、購入、譲り受けた場合

3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科

とされています。

~ 即決裁判 ~

即決裁判とは、①死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件を除く事件(簡単に言えばさほど重大でない事件)について、②事案が明白かつ軽微であって、③証拠調べが速やかに終わるなどの事情があるときに、原則、1回の審理で判決の言い渡しまで行う裁判手続をいいます。

即決裁判を受けるメリットとしては、

1 審理は申立て後、原則、14日以内に開かれ1回で終わること
2 必ず執行猶予判決を言い渡されること(実刑判決は言い渡されない)
3 1、2に関連し、審理当日(判決当日)に釈放され、早期の社会復帰が可能となること

などが挙げられます。

他方,デメリットとしては
1 必ず有罪判決が言い渡されること
2 量刑不当を理由に控訴できるが、事実誤認を理由とする控訴はできないこと

などが挙げられます。

~ 薬機法と即決裁判 ~

即決裁判

死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件

については対象から除かれるということでした。この点、上記でご紹介した罪、罰則を見ると、

短期1年以上の懲役

には当たらず、上記でご紹介した薬機法の罪に関しては、少なくとも即決裁判対象事件には当たります(ただし、事案が明白かつ軽微であって、証拠調べが速やかに終わるなどの事情がある、との要件はまた別個に判断されます)。

~ 即決裁判をするには同意が必要 ~

即決裁判を希望する場合は、その旨の同意をする必要があります(刑事訴訟法350条の16第2項)。検察官から同意書にサインを求められますので、書かれてあること、説明を受けたことに納得してからサインしましょう。また、同意は後で撤回することも可能です(刑事訴訟法350条の22条第1号等)。

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