【事例解説】覚醒剤使用の疑いで逮捕 弁護士に初回接見を依頼
覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、社会人1年目で慣れない環境や職場の人間関係のストレスを発散する目的で、SNSで見つけた売人から購入した覚醒剤をひとり暮らしの自室で使用していました。
ある日の早朝、Aさんは自宅前に逮捕状を持ってやって来た警察官に覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕されました。
Aさんは逮捕されたことにより無断欠勤が続きましたが、このことを不審に思った職場の上司がAさんの母親に普段欠勤が続いていることを説明しました。
この説明を受けたAさんの母親が警察にAさんの行方について相談に行ったところ、警察から「詳しくは言えないけれどAさんは覚醒剤を使ったため逮捕されている」という話をされ、それ以上は何も教えてもらえませんでした。
(この事例はフィクションです)
覚醒剤を使用するとどのような罪に問われる?
覚醒剤取締法19条では、例外的に覚醒剤の使用が許されている一定の場合を除いて、何人も覚醒剤を使用することを禁止しています。
覚醒剤の使用が許されている一定の場合は覚醒剤取締法19条各号に規定されていて、具体的には、①覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合(1号)、②覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合(2号)、③覚醒剤研究者が研究のため使用する場合(3号)、④覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合(4号)、⑤法令に基づいてする行為につき使用する場合(5号)の5つの場合が規定されています。
事例のAさんはこのような例外的に覚醒剤の使用が許されている場合に該当することなく、単なるストレスを発散する目的で覚醒剤を使用していますので、覚醒剤取締法19条が禁止している覚醒剤の使用に該当することになると考えられます。
覚醒剤取締法19条に違反して覚醒剤を使用した場合、覚醒剤取締法41条の3第1号によって10年以下の懲役刑が科される可能性があります。
ご家族が覚醒剤使用の疑いで警察に逮捕されていることを知ったら
事例のAさんの母親のように、ご家族が覚醒剤使用の疑いで逮捕されているということを知ったら、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見によって弁護士が逮捕されたご本人様から事件について直接お話を伺うことができますので、逮捕された方の現在の状況や、今後の手続の流れ、事件の見通しといったことを知ることができますので、現在抱えている不安なお気持ちを和らげることが期待できます。