覚醒剤と理不尽な取調べ

2022-03-07

覚醒剤と理不尽な取調べについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

Aさんは覚醒剤を自分で使うために持っていたとして千葉県習志野警察署に逮捕、勾留されています。
連日朝から晩まで厳しい取調べが行われており、Aさんは取調べ中に警察官から机を大きな音を立てて叩かれたり、「自分が売人ですと自白したら不起訴にしてやる。」などと言われています。
Aさんは覚醒剤の売人ではないのですが、連日の取調べで精神的に参っており、「自分が売人です。」と言ってしまおうかと思うくらい思い詰めています。
Aさんの家族はAさんとの面会で、Aさんが非常にやつれているのが気になり、刑事事件に強い弁護士事務所に相談に行きました。
(フィクションです)

~覚醒剤の法定刑について~

覚醒剤の譲渡・譲受・所持・使用については、覚醒剤取締法に

①営利目的がない場合
法定刑は10年以下の懲役です。
②営利目的がある場合
法定刑は1年以上の懲役で、情状により500万円以下の罰金を併科されます。

と規定されています。

~理不尽な取調べと対策~

警察などの捜査機関は、被疑者から自白を得るために、以下のような取調べを行うことがあります。

①朝から夜まで長時間に及ぶ取調べ
②接見要請を無視した取調べ
③暴力的、脅迫的な態度で取調べ
④取調官が述べ自白を誘導してくる
⑤自白すれば逮捕しない、不起訴になる、執行猶予になるなどと述べ自白を誘導してくる

Aさんの場合も、
①朝から夜まで長時間に及ぶ取調べ
③暴力的、脅迫的な態度で取調べ(机を大きな音を立ててたたく行為も含まれます)
⑤自白すれば逮捕しない、不起訴になる、執行猶予になるなどと述べ自白を誘導してくる 
を受けています。

このような取調べは違法である可能性がありますが、取調べの違法性を証明することは容易ではありません。
虚偽でも自白をしてしまうと、被疑者を起訴するか否か、被告人の有罪・量刑を決める重要な証拠として採用されてしまいます。

Aさんも虚偽の自白をしそうになっています。
虚偽の自白は、特に逮捕直後の捜査機関による連日の取調べなどで、逮捕された人が精神的に追い込まれやすい時期にしてしまうことが多いと言われています。
つまり取調べをする警察官の違法・不当な取調べに屈してしまいやすい、逮捕直後の弁護士がまだついていない時期における取調べでしてしまうことが多いです。

虚偽の自白を回避するためには、逮捕後すぐに刑事事件に強い弁護士を選任し、その弁護士に適切な弁護活動をしてもらうことがとても重要です。
(国選弁護人という、国に弁護人をつけてもらう制度もありますが、一定の要件が必要であるうえ逮捕直後はつけられず、勾留後からしかつけることができません。)

ご家族が覚醒剤で逮捕された時は、とにかく早急に刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、年間多数の覚醒剤取締法違反事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が覚醒剤取締法違反事件で話を聞かれることになった、違法な取調べを受けないか不安だという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。