危険ドラッグと違法性の認識の主張

2022-03-18

危険ドラッグと違法性の認識の主張について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

Aさんはインターネットで合法ドラッグを購入し服用していましたが、「合法」と名前がついているのでAさんはそれは違法な物だとは思っていませんでした。
ある日Aさんは合法ドラッグを飲みすぎて体調が悪くなり、神戸市兵庫区にある病院に運ばれました。
医師に事情を聴かれたAさんは、合法ドラッグを飲んでいると伝えました。
事情を聴いた医師は、兵庫県兵庫警察署に危険ドラッグを飲んだ患者がいると通報しました。
(フィクションです)

~合法ドラッグ(危険ドラッグ)について~

合法ドラッグは「合法」とはついていますが、実際は危険ドラッグの一種です。
危険ドラッグとは、既に規制されている麻薬や覚醒剤の化学構造を少しだけ変えた物質が含まれており、身体への影響は麻薬や覚醒剤と変わりません。
麻薬や覚醒剤より危険な成分が含まれていることもあり、どんな危険性があるのか、わからない恐ろしいものです。
よって危険ドラッグは、違法薬物として規制の対象に含まれます。

適用される法律は、「医薬品医療機器法」です。
危険ドラッグは中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用がある可能性が高く、身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあるため、指定薬物として、医療等の用途に供する場合を除き、その製造、輸入、販売、所持、使用などが禁止されています。

医薬品医療機器等法第76条の4と第84条26号には
指定薬物について、医療等の用途以外での製造、輸入、販売、授与、所持、購入、譲り受け、使用が禁止であることについて書かれています。
違反すると、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または両方が併科されます。

危険ドラッグの所持・使用、輸入・販売等をした場合でも、犯行当時に違法な薬物であることの認識がなかったのであれば、罪に問われることはありません。
しかし、違法性の認識については、これが規制薬物に該当するという認識までを要するものではなく、この薬物が違法な物かもしれないという認識がある程度で足りるとされています。
ですから、違法薬物とは知らなかったという主張は容易に通ることはない可能性が高いです。
しかし、確実に適法であるとの確信を持っていた場合には、十分に争う余地はあります。

Aさんも後日警察署に呼ばれ取調べを受けるか、又は逮捕される可能性もありますが
その際には自分が飲んでいた危険ドラッグは合法なものだと思っていたと主張していくことになるかと思います。
しかし、Aさんがこれを自分で主張していくのはかなり難しいと思われます。
刑事事件に強い弁護士ならば、違法薬物との認識がなかったということを、客観的な証拠や事実に照らして、具体的に主張していくことができます。
また、職務質問・所持品検査・取り調べなど、捜査の過程で重大な違法行為があれば、それを主張し、違法行為によって収集された証拠を排除していきます。
こうした主張が認められれば、犯罪を立証する証拠が不十分であるとして、不起訴処分・無罪判決を受けられる可能性が高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険ドラッグ、医薬品医療機器法違反事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が危険ドラッグ、医薬品医療機器法事件で話を聞かれることになった、違法性の認識を主張したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。