【事例解説】違法なものだと知らずに大麻所持

2023-11-30

違法のものだと知らずに所持していたオイルに大麻成分が入っていた大麻所持事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻オイル

 

事例紹介

大学4年生のAさんは、交際相手から「すごくリラックスするから、このオイル使ってみなよ。」「俺も使用しているけれど違法なものじゃないから」と言われて、オイルを貰いました。
Aさんは、交際相手が勧めてくれたものなら合法なものだと思って、オイルを使用して普段からカバンに入れていたところ、ある日、警察に職務質問を受けた際にカバンの中の所持品検査を受けました。
このとき、警察官にオイルが見つかってしまい、「これは何?」「大麻の成分入っているんじゃない?」「検査するから」と言われて、オイルを警察に任意提出しました。
Aさんは、交際相手にオイルを警察に渡したことを話したところ、交際相手から「あれは大麻の成分が入っているから、やばいかも」と言われました。
今後について不安になったAさんは両親にオイルのことを話して、今後について弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

大麻成分が含まれたオイル

Aさんは、交際相手からリラックス効果があるオイルを受け取っていますが、実際にCBDオイルと呼ばれるオイルにはリラックス効果があるとされ、市販されています。
CBDオイルの「CBD」とはカンナビジオールの略称で、麻に含まれる化学物質であるカンナビノイドのひとつで、不安やストレスを軽減する効果があったり、リラックス効果があったりするとされています。
このCBD(カンナビジオール)を含むオイルについては、CBD(カンナビジオール)が大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたものであるならば、大麻取締法が規定する「大麻」には該当しないことになります。
なぜなら、大麻取締法1条では、
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
といった形で大麻草の成熟した茎や大麻草の種子については「大麻」には当たらないと定義しているからです。

このように大麻草由来の成分が含まれていても、大麻取締法違反にならず合法なオイルが市販されていることが関係して、本来は大麻取締法に違反する違法なオイルであるにも関わらず、市販されている合法なオイルだと思い込んでしまい、大麻取締法違反で立件されるというケースが少なくありません。
大麻取締法が定義する「大麻」をみだりに所持してしまうと、大麻取締法24条の2第1項が規定する大麻所持の罪に問われる可能性が高いです。
大麻を所持していた場合の法定刑は5年以下の懲役刑となっています。

大麻取締法違反で警察の捜査を受けられている方は

事例のAさんは、職務質問で見つかったカバンの中に入っていたオイル大麻取締法に違反する疑いがあるとのことで警察の捜査を受けています。
今後、警察では任意提出を受けたオイルの成分を鑑定して、大麻取締法に違反している成分が含まれていないかが、調べられることになります。

Aさんのように、大麻所持の疑いで警察の捜査を受けているという方は弁護士に相談して今後の対応等についてアドバイスを受けることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
大麻を所持していたとして警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。