弁護人接見と接見禁止

2019-03-17

弁護人接見と接見禁止  

東京都江東区に住むAさんは,麻薬であるMDMAを所持していたとして,警視庁城東警察署に麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕されました。
その後,Aさんの身柄は検察庁に送られ,裁判所から留決定とともに,接見禁止決定も出されました。
Aさんの家族はAさんと面会できないことから,薬物・刑事事件に強い弁護士にAさんとの接見及び接見禁止の解除を依頼しました。
(フィクションです)

~ 弁護人接見 ~

逮捕勾留により身体拘束されている被疑者・被告人と面会することを接見(接見交通)といいます。
そして,弁護人との接見のことを弁護人接見,弁護士以外の者の接見のことを一般接見と呼ばれています。

= 弁護人接見の特徴 =

弁護人接見の特徴は,

1 逮捕期間中から可能
2 接見の曜日,時間,回数に制限がない
3 立会人が付かない
4 接見禁止決定が出ても接見ができる

といった点が挙げられます。他方,一般接見の場合,

1 法律上,逮捕期間中は認められていない
2 通常,土日は不可で,1回につき15分から20分。身柄拘束を受けている方1人につき1日,1回。
3 立会人が付く
4 接見禁止決定が出ると接見できない

といった点が挙げられます。

= 弁護人接見の重要性 =

逮捕後,身柄拘束中は精神的,肉体的な苦痛が伴います。
また,警察官や検察官の取調べは決して生緩いものではありません。
そんなとき,接見が持つ意義は,弁護士から取調べに対するアドバイスを受けられることでしょう。
また,何より,自分の立場に立ってくれる「味方」がいることは,何より精神的な支えとなることでしょう。
逮捕期間中はご家族の接見も制限され,また,接見禁止が付いていれば勾留後も接見できませんから,弁護士の接見は重要といえるでしょう。

~ 接見禁止 ~

弁護士以外の者との接見を禁止することを接見禁止といいます。
薬物犯罪の場合,薬物の取引等に多くの関係者が関与している場合が多いことから,犯人(Aさん)とこれらの者との交通(接見等),罪証隠滅行為を遮断するため,接見禁止となることが比較的多いです。

= 接見禁止決定までの流れ =

接見禁止は,通常,検察官の請求にはじまり,請求を受けた裁判官が,勾留では賄いきれない逃亡又は罪証隠滅のおそれがあると判断した場合に接見禁止決定を出します。
検察官の請求は,勾留請求と同時になされることが多いです。
これは,勾留決定が出た後,時間的隙間を作らず関係者との交通を遮断するためです。
ただ,稀に,勾留されて何日か経過した後に請求される場合もあります。

接見禁止決定には「公訴の提起に至るまで」との期限を付する運用が一般的です。
これは,公訴の提起後は,ある程度捜査が終了しているものと思われ,罪証隠滅のおそれも低いと考えられるからです。
しかし,検察官が公訴提起後も接見禁止の措置が必要と判断した場合は,公訴提起(起訴)と同時に再度接見禁止請求をするのが通常です。

= 接見禁止を解除するためには? =

接見禁止を解除するための手段として,接見禁止の裁判に対する準抗告・抗告の申立てがあります。これは法律(刑事訴訟法)上認められた手続きです。
他に,接見禁止の全部又は一部解除の申立てがあります。
これは法律上認められた手続きではなく,裁判所の職権発動を促す効果しかありません。
しかし,特に公訴提起されるまでは,裁判所は事情を何も知り得ないので,弁護士から積極的に申立てをする意義は大きいです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,麻薬及び向精神薬取締法をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
逮捕された方との接見,接見禁止が出た場合の接見禁止解除をお望みの場合は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
初回接見サービス,無料法律相談等を24時間受け付けております。
(警視庁城東警察署への初回接見費用:37,100円)