覚醒剤取締法違反(所持)事件の手続きについて(前編)

2024-12-09

覚醒剤取締法で逮捕されてからの手続きの流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

事例

Aさんは、売人から覚せい剤を購入して、自宅で保管していました
ある日、Aさんの自宅に警察官が現れ、捜索差押許可状により自宅を捜索されて覚醒剤を発見されました
覚せい剤の成分が検査され、覚せい剤であることが判明したためAさんは覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
(事例はフィクションです。)

覚せい剤の所持について

覚せい剤をみだりに所持する行為は犯罪です。

覚せい剤取締法第41条2(出典/e-GOV法令検索) 
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する

なぜAさんの下に警察官が現れたのか
覚せい剤の購入先である売人からAさんが浮上した
すでにAさんが薬物事犯の被疑者として内偵されていた
など、理由は様々です。

捜索差押許可状に基づく捜索・差押えについて

捜索差押許可状は強制的におこなわれる捜査です。
任意ではないので拒否することはできません
仮に玄関を閉じて警察官の進入を拒んだとしても、押収物の隠匿を防ぐために緊急の必要があるとして、鍵を壊すなどして進入されてしまいます。

刑事訴訟法第218条第1項 
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができるとされています

Aさんの逮捕

刑事訴訟法第213条には、「現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる」とされています。
事例においては、Aさんの自宅で発見された覚せい剤様の物件が、検査によって本物の覚せい剤であることが確認されています。
すると、Aさんは現に覚せい剤所持行為を行う「現行犯人」に該当することになります。

Aさんの自宅の「捜索・差押」は令状によって行われましたが、Aさんの「現行犯逮捕」には令状が必要ありません

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が覚せい剤所持罪の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。