覚せい剤使用事件の弁護活動

2020-02-01

今回は、覚せい剤使用の罪で逮捕されてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

千葉県市川市に住むAさんは自宅に覚せい剤を保管しており、これを注射器で注射するなどして使用していました。
いつものように覚せい剤を注射して繁華街を歩いていたところ、薬物使用者に特異な挙動を見咎められ、警察官から職務質問を受けました。
「袖を捲って、注射痕の有無を確認させてほしい」、「尿検査に応じてほしい」と求められましたが、Aさんは3時間にわたり拒絶しました。
千葉県市川警察署の警察官は最終手段として、強制採尿令状をとり、Aさんから強制的に尿を取得しました。
尿からは覚せい剤の使用を認める成分が検出されたので、Aさんは覚せい剤取締法違反の疑い(使用)で現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~覚せい剤の使用行為の規制について解説~

覚せい剤取締法第19条は、1号から5号までの除外事由(覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合など)がある場合を除き、「何人も、覚せい剤を使用してはならない」としています。
これに違反し、有罪判決を受ける場合は、10年以下の懲役に処せられます(覚せい剤取締法第41条の3第1項1号)。

~今後の捜査~

覚せい剤の使用の疑いで逮捕されてしまった場合、逮捕後、すぐに釈放されるケースは少ないといえます。
多くの場合、留置されることになるでしょう。
留置される場合は、逮捕時から48時間以内に、Aさんの身柄が検察へ送致されます。

検察では検察官が取調べを行います。
検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するかを決めなければなりません。
特にそれまでの捜査に問題がなければ、勾留請求がなされる可能性が高いでしょう。

勾留請求がなされると、裁判官が勾留質問を行い、勾留の可否を検討します。
勾留決定がなされると、10日間勾留されます。
やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間勾留が延長されます。

法律上、捜査段階において、最長23日間、逮捕・勾留される可能性があります。
覚せい剤取締法違反被疑事件をはじめとする薬物事件においては、薬物の入手ルート、共犯者の有無を調べるために、身体拘束が長引く傾向にあります。
ケースの場合も、23日間フルに勾留される可能性が高いと思われます。
さらに、自宅を捜索される可能性も高いでしょう。
捜索されれば、覚せい剤が発見され、押収されることになりますが、この場合、覚せい剤使用の件とは別に、覚せい剤を所持した疑いで再逮捕される場合もあります。

~ケースの事件において想定される弁護活動~

まず、勾留を回避する活動が考えられますが、ケースの場合はなかなか困難かもしれません。
覚せい剤の所持行為が発覚した場合には、覚せい剤使用の件における勾留期限よりも前に、再逮捕を回避する弁護活動を行わなければなりません。

覚せい剤使用の件で23日間身体拘束を受け、さらに所持の件で23日間身体拘束を受けることになると、Aさんには大変な負担がかかります。
弁護士は捜査機関に対し、再逮捕をしなくても、所持の捜査を遂げられる旨を主張し、再逮捕の回避を目指します。
また、捜査や身柄拘束に違法な点があれば、その旨を主張し、身柄の解放を目指します。

起訴されてしまった場合は、保釈請求を行い、保釈の実現を目指して活動する必要があります。
より有利な判決を目指すためには、薬物依存の治療を開始する必要があります。
そのためにも、是非、保釈を実現したいところです。

その他にも、Aさんが再び覚せい剤に手を染めないよう、責任をもって監督する身元引受人を用意し、できれば情状証人として法廷で証言してもらう必要もあります。

有利に事件を解決できるよう、一刻も早く弁護士接見を受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が覚せい剤使用事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。